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脱線事故後の新設ATS 緊急停車が続発

http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dassen/jd60821b...

減速操作不慣れ JR西、400車両の設定変更へ

 JR福知山線脱線事故を教訓に、カーブでの速度超過を防ぐためJR西日本管内に設置された自動列車停止装置(ATS―SW)が、運転士の減速操作の遅れが原因で作動し、緊急停車するトラブルが180件以上、続発していることがわかった。乗客の負傷などは報告されていないが、JR西は、約400両の車両について装置の制限速度を〈緩和〉し、現在より高速で走行してもATSが作動しないようにする異例の対策に取りかかった。

 福知山線の事故は、快速電車が制限速度を大幅に超えるスピードでカーブに入ったのが主原因とされており、国交省は昨年5月、脱線の恐れがあるカーブにATSを整備するよう全国の鉄道会社に指示。JR西は今年3月までに、すでに高性能のATS―Pを整備した京阪神などを除き、管内の計1234か所にATS―SWを設置した。

 しかし、各地で設置が進むにつれ、カーブ手前でATSが作動し、列車が非常停止するケースが頻発した。設置を終えた3月末以降、岡山、広島を中心に少なくとも180件にのぼり、旧型のディーゼル車など、ブレーキ性能の低い車両でトラブルが目立った。

 こうした車両では、線路上に数メートルの間隔をおいて並べた二つの地上子を列車が通過する時間が「0・55秒」を下回るとATSが作動するよう設定。カーブにより時速約30〜90キロで作動するが、運転士が新設のATSに不慣れなため減速のタイミングが遅れ、非常ブレーキがかかっていた。

 JR西は、緊急停止によって乗客が転倒する恐れがあることや、ダイヤの乱れも生じることから、減速操作が遅れてもブレーキがかからないよう、ATSの速度設定の変更を決めた。

 検討の結果、通過時間の設定を「0・50秒」に縮め、カーブ手前の制限速度を従来の1・1倍程度にしても安全に支障がないことが判明。対象の車両は、ディーゼル車394両と電車4両で順次、設定変更を進めており、11月までに作業を終える。JR西は「運転士がATSに慣れるまで待つという選択もあったが、乗客の安全確保のため対策を急いだ」と説明している。

 国交省鉄道局の話「非常停止が頻発してダイヤが乱れれば、運転士の焦りを招く心配もある。設定変更した数値は国の技術基準にも適合しており、安全上の問題はないと判断した」

ATS―SW  線路上に間隔をおいて2基並べ、信号を発信する「地上子」と、列車に搭載して地上子の信号を受ける「車上子」があり、あらかじめ設定した秒数より短時間で列車が地上子の間を通過すると、自動的に列車の非常ブレーキがかかる。「ATS―P」には常に速度をチェックする機能があり、緊急停止せずに、制限速度以下まで列車を減速させる。JR西は事故後、施工にかかる期間やコストを考慮し、SWを設置した。
2006年08月22日(火) 00:35:09 Modified by umedango




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