http://www.sponichi.co.jp/osaka/soci/200609/01/soc...

◆　変わらない体質　◆

　尼崎ＪＲ脱線事故を受けてＪＲ西日本の元幹部３人が昨年６月に引責辞任、２カ月後に系列会社の顧問などに就任していた問題で、３人の再就職先などについて尋ねた遺族に対し、同社が「辞めた人間なので分かりません」と回答していたことが８月３１日、分かった。

　遺族らでつくる「４・２５ネットワーク」が同日夜、大阪市内で同社の丸尾和明副社長らと面会し、３人の“天下り”問題を追及する中で、同社が認めた。遺族らは「うそと隠ぺい以外の何物でもない」と批判している。

　複数の遺族が昨年から、３人について尋ねていた。同社は「一部の役員しか知らなかった。広く知らせることではないと考えた」と釈明した。

　８月３１日の面会には遺族や負傷者約１５人が参加。ＪＲ西は３人について「経営責任を取って辞めた」と説明したが、遺族側は反発。事実関係を隠すに至った経緯を文章で説明することや、３人からの直接の説明を求めたが、現役職員が対応するとして同社は拒否した。

　遺族の１人は「生きている者がきちんと説明せんで、誰が（亡くなった）１０６人に説明するのか」と憤り同社を批判した。
[ 2006年9月1日付　紙面記事 ]