メモがわり

"Chronostasis"とは、サッケードがヒトの時間に対する感覚におよぼす影響のこと。たとえば、時計に目をやったときに、その瞬間だけ秒針が長く止まっているように感じるのがchronostasis。

Chronostasisは、サッケード後に知覚した対象が、だいたいサッケードの持続時間＋50ms前からそのままの状態でいるような感覚をヒトの意識に生じさせる。これが、ヒトがサッケードをすることによって途切れる感覚入力を、感覚入力が持続しているものとして補完する機能の一端を担うと考えられている。

関連文献としては、次のようなものがある。

1. Illusory perceptions of space and time preserve cross-saccadic perceptual continuity.
   Yarrow K, Haggard P, Heal R, Brown P, Rothwell JC.
   Nature. 414(6861), 302-305(2001).
2. Consistent chronostasis effects across saccade categories imply a subcortical efferent trigger.
   Yarrow K, Johnson H, Haggard P, Rothwell JC.
   J Cogn Neurosci. 16(5), 839-847(2004).
3. Chronostasis without voluntary action.
   Alexander I, Thilo KV, Cowey A, Walsh V.
   Exp Brain Res. 161(1), 125-132(2005).
4. Saccadic eye movements cause compression of time as well as space.
   Morrone MC, Ross J, Burr D.
   Nat Neurosci. 8(7), 950-954(2005).

※ ただし、Morrone et al., 2005は、いろいろな性質がchronostasisとは異なる（例えば、サッケードの持続時間とは無関係など）。