なんか怪獣イラスト/怪獣の話などのてきとうwiki


   

なんかabout-2023.1からの続き




●2024.1 とりま更新

さすがに一年間、なんもなしはアレなんで、いちおう新しいページを造った次第。


最近観た映画など



●アバター


年末にとつぜん視聴。
理由としては、元旦はなんか映画の日だし、観ようかなという習慣となっており、じっさい年にいちどしか観ないことあるんで、いい機会です。
で今年つうか来年はどうしよと上映スケジュールみたら、まあ特になんもないですね。
強いて言えば「すずめの戸締まり」だっけ。うーんそそらないなあ、しかも二時間以上あるw
この元旦映画はチャレンジとかでなく、評判が安定したのを所望つうわけですから。
あともうひとつがアバター2、ウェイオブウォーターだっけ。
こっちは三時間二十五分ありやがる!
しかし興味なのはハイフレームレートらしいこと。
うーむ家庭用ビデオなんかが60コマだっけ、かなりヌルヌルしてますが、商業コンテンツはまったく未経験で、以前から知りたかったもんです。

自分は動体視力がいいほうらしく、映画館で目に力入れれば、フリッカーが見えてきます。
それが「映画らしさ」だと実感できる体質なんですが、いっぽうでアクションではない、静かなシーン、風景がパンするとか、あるいはエンドロールとかのパラパラ具合までも見えるってのはどうかなあと思ってたんです。
それでいいのか、という問題。
もうフレームレートは高くする時代なんじゃないかなあみたいな。
余談ながらハイビジョン放送のドラマってどうなってるんだっけ。仮面ライダーアギトとか放送時はなんだかフレームレート高めだったように感じるのだが、どやろ。
そも、テレビって能書き通りに高いレート実現できたっけ。
今は仮面ライダーシリーズも配信でしか観ないんで、もう確かめようもないか。

まあいいや、話もどして。
アバター2みるから、予習としてアバターみるわけです。
逆に言うと今まで観たことなかったです。
とくに「自分のジャンル」ではない気がして、でもでも映画史を語るなら必須科目らしいんで、いつかは観ようかと思ってました。
なんらかの手段で、3D体験できればと思ったが、もう間に合わないのでそれはいいや。
フツーに話だけ知っておこうと。

アマゾンプライムの見放題にはないんで、レンタルして。
まったくもって予備知識なかったんで、いろいろ驚きましたね。
まずタイトルのアバターって、そのまんまの意味なんだ、バーチャルではなく、クローン的な身体という違いはあれど。
あとはナヴィという例の、ビジュアルイメージになってる種族、あれ身長が3メートルくらいあるってのも知らんかったわけで、これは面白いね。
また4メートルくらいのロボも登場、ほぼアーマードトルーパーやん。
そんなこんなで、見どころは多いですね。

ただ、まあ造りすぎって部分もまた多くて、そこまでデザインされた世界でなくてもいいんですけど・・と正直な気持ち。惑星エンドアくらいでいいじゃん、スター・ウォーズのイウォーク賊の星。
つか凝りすぎると自然を語ることができないんです映画って。
また内容的には、我々日本人ならとくに目新しいことはないっすw
宮崎アニメにはインスピらしく、そんな雰囲気は確かに盛り込んであって、あとはファイナルファンタジーに代表される異世界のイメージ、異種族の設定なんかが詰め込まれるような。
個人的にはONE PIECE連想ですけどね、空島編はじめ、いろいろと。
あと、負傷して歩けない主人公が、成功報酬の再生治療とか諦めて星を守る側につくってのは、けっこうあっさりした描写で、これに関してはネチネチ語らないほうが上等かもしれん。

まあ視聴した人々のほとんどがたぶん、思うのは、あんな横暴な企業とかあるのかなあみたいな。
それは私も思いますが、じっさいわからんぞ、とも言えるわけで。
うーん、アメリカ史みてもインディアン涙の道とか黒人奴隷とかあったから、あんがいリアリティなのかもしれません。

あとはまあ、これは悪い部分ですが。
星の意思なのか、ラストバトルに動物たちが参戦はちょっとご都合すぎではないかw
もひとつ、ドラゴンライダー的な地位を簡単に手に入れすぎww
また惑星パンドラの秘密とかも、ちょい薄かったなあとも思うがまあいいや。
やたらと光エフェクトを多用するため、FF7の設定、ライフストリームに見えて仕方ないです。

真面目な考察すっと、ナヴィの能力は人間の四倍だそうで、でも炭素繊維な骨格の重量は不明なれど、身長が倍近いので、体重も四倍くらいじゃねえか、とも思えて。
だったらあの世界樹みたいなホームツリー生活も苦しいよ。単純にパワー四倍なら登り下り楽々ウゥとかなんないと考えます。
あいやヤセ型だから木登りは得意なのかな、でも樹上生活は大変だと思う。
それとホームツリー、あのていどのミサイルで倒れるんかい、という疑問が。だってサイズで考えると、嵐や強風が吹いたときに受けるエネルギーは下手な爆弾より強烈だろうと想像できて、それでもなお、あの形に育とうというのだから、自然の樹木には生存競争での勝算があるはずで、つまりデカいなら頑丈だろうと・・・まあいいや、まあいい。
巨大樹の地下にもなんか色々設定有りげだったが、とくに触れずに終わったね。
あのへんの地質的な謎も、二作目で語られるのだろうか。

ゆうても異種族との交流を描いたストーリーは、面白いです。
やっぱいいですね、そういうファンタジー。
そうなると、じゃあ、映像技術というハッタリ映画ではないのだな、と納得です。
ま、濃すぎるのでじゃっかん胃もたれしますが。
そこは慣れなのかな。

とまあ、そんなわけで。



●アバター ウェイ・オブ・ウォーター

↑まだソフトも配信もないのでこれをリンク2023.1現在


元旦はつまり映画の日なので、安く観ようといういつもの。
三時間以上つうことで、なんとか気合入れて行きました。

とりま内容を先に感想いうと、不満足ですね。
十年以上待たせたのに、惑星パンドラやエイワの秘密も特に語らず、同一人物が十三年ごとにリベンジしてくるシステムというか、スカイピープル襲来の件も、まったく解決がない。
それで時間が長いのでは、どうも不完全燃焼で。
ちなみに反捕鯨映画ではないか、と言われてもいるようだけど、日本には関係ないと思うよ。
日本人なら誰もが知ってるじゃん、「クジラは捨てる部分がない」という言葉。劇中みたいにアンチエイジングジェルだけ取り出して他は捨てるとか、そーゆーのは鯨油とってた西洋文明だから。

タイトルのアバター、今後どーすんでしょね。
アバターに直接、記憶をインストールしたらアバターちゃうやん。むろんアバターの子供たちも単なる混血でアバターじゃないし、今回は本体とアバターという話がなかった。

でもって観に行ったイチバンの目的はハイフレームレートを体験したいという。
これまた結論から言うと、48フレームじゃあ案外、足りないですね。
60くらいあってもいいんでないかとオモタ。
意外とアクションでコマが分離するんですわ、おそらく、ハイフレームレートに頼ってシャッタースピード速くした可能性つうか、3DCGだと逆にブラーを描かなくてすむからラクでしょね。
しかし予想通り、静かなシーン、エンドロールは滑らかで満足。
あとはまあ、ハイフレームレートだと映画らしくないのではというのは杞憂かな、と思う。
今後は映像解析AIとかできれば、従来の作品群を高解像度、ハイフレームレート、3Dにすることもあるのではないかと思い、そこは期待したい。

でもって3Dのほうは、何度か観てるけど、視聴中はなかなか面白いね。
だが不思議と観た後はどーでもいい気がする。
スター・ウォーズのエピソード7、9も3Dで観たはずだけど、どうも思い出さんし、配信で観た8と記憶でたいした差別化がないような。
あいや、はて、9は3Dだったか。メガネがめんどいとか言って、2D選んだ可能性アリ。

水の表現が凄いというか、まあ逆に実写と同じなんだけど。
かような進化があったグラフィックスを立体だから、まあそれは楽しいね。
特筆したいのは水中に入ると急に、映像美がグレードアップするという。
はー、すげー、と単純にアトラクションです。

どうでもいい余談だが、もし3Dメガネ買えなかったときに備えて、以前の持ちメガネを持参して行ったのだが、ああそうか、チケット半券と引き換えにメガネ渡すんだっけ。
RealD 3Dだったか、いま手元にないんだけど、ふたつ比べると大きさがだいぶん違う。小さい方が今回受け取ったもんだったっけ。物価高騰とか言われる昨今、材料費を抑えたのだろうか。

総合すると、どうもモヤモヤしますね。
内容的には「俺は家族を守る」がテーマなわけ?そんなん、みんなそうだよ。
だったらNetflix映画で90分くらいのを作ればいいと思うし、映像アトラクションだというならやっぱり90分でいいと思うわけでして。

結論:90分にしてくれ。

という。


●インディー・ジョーンズシリーズ


アバター2観に行って予告編で知ったんだけど、インディー・ジョーンズ5作目だってさ。
このシリーズ、前作から急に時系列が現実と並行してきて、元々はだいたい五十年ほど昔話だったけど、四作目は2008年公開で劇中は1957年、つまり今年出る五作目は1972年前後の話ってことになり、キングコング: 髑髏島の巨神とほぼ同時期を描くことになるわけで。
それはけっこう楽しみですね。

インディー・ジョーンズシリーズは色々あって、そういやあ少年時代と老後を描いたテレビドラマもあったんだけど、とーぜんハリソン・フォードじゃない老俳優であり、それが今、ハリソン・フォードが追いついちゃったんで老後の顔が変わりますな。
それと少年時代はリバー・フェニックスが死去したので、なかなか困りごとです。本来ならヘンリー・ジョーンズ3世を演じてもらいたいが、二十才ほど年齢があわないか。
じゃ3世は前作の俳優なのかな。

まあいいや、ともあれ新作なんで、じゃあこれまでの四作品みようという次第。
うまい具合にアマゾンプライムビデオにあったし。
イチイチ感想はめんどうなので、今回は時代背景などを顧みようと思います。

まづ最初の映画「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」は1981年、劇中は1936年。
大ヒットは知られた事実だけど、どんな立ち位置映画だったかというと、まあ基本はテレビの連続活劇、もしくは冒険活劇映画の現代版(当時)なんだけど、ぶっちゃけ誰もが経験したことのない映像体験でした。
ここでは特に、日本の立場からみると、まず邦画はだいぶん落ち目で、超大作などほとんどない時代で、それは今もそうですが、まずカラーデザインからして真似が出来んかったようです。
なんか渋い色合いですよねこういう映画って。
日本は日本で、けっこう鮮やかに写すの得意だったけど、海外映画の、この風合いは再現できない、そんな感じだったです。比較的、進んでいたのがアニメで、例えば天空の城ラピュタは撮影時にフィルター二枚重ねしてたそうで、いいあんばいにくすんだ映像となってるわけで。
そもそも中間色の被写体が不足していたっぽいね日本は。

それはアメリカ映画全般が進んでいたって話で、それよか伝統的な活劇なのに未体験映像なのは、演出によるところが大きく、むっちゃコミック風、つまりコミカルなタイミングが完璧ですね。
カートゥーンのようなシーンの連続、そしてこれまた伝統だけど、あざとい音楽。
ハリウッド風味音楽は、日本でも90年代に出てきたような気がするが、よく思い出せない。
つまり完璧なジェットコースタームービーだったんですレイダースは。
じゃあ、これに匹敵する映画は他になかったかというと、なかったです。
「それ」を目指した映画は複数あって、例えば「ロマンシング・ストーン 秘宝の谷」がレイダースの後に公開されたけど、まだまだ演出がモッタリしていて、追いついていないという。
似たような冒険活劇はあれど、レイダースはやっぱ特別で、そして1984年に「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」が登場し、ここでひとつ完成されたみたいな。

二作目はより大げさな大活劇となり、ミニチュアなども多用、スケールを大きくしております。
ジェットコースタームービーとしても前作以上で、トロッコ爆走シーンなどは文字通りのジェットコースターですね。小さいレールをホントに造って、模型のトロッコに加えてカメラ用のトロッコも造って走らせたようですね、メイキングみると。
バカバカしいほどのエンターテイメント、それが魅力でした。

でもってこの辺から状況が進歩するのかもしれません。
日本だと1986頃から急速にビデオレンタル店ができて、街に二軒三軒は当たり前、となります。
84年だと皆無だった地域でも、二年後には借り放題となるわけです。繰り返すけど、急速です。
とうぜん、レンタル界でレイダース、インディー・ジョーンズは王者でした。
追従を許さないくらいの人気があったはず。だって他の冒険活劇とはキレが違いますから。
しかし、いつまでもスピード演出、バカバカしいほど楽しいアイデアなどなどスペシャルな立場を独占とはいきません、他のクリエイターも影響をうけてきます。
いろいろあるけど、例えばアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コマンドー」とかそうじゃん。
いま観ると、ややモッタリしたアクションだけど、当時は何もかもスゲえ、となりました。
これが86年だっけ、他にはリーサル・ウェポンシリーズをみると、刑事なのに無双、二作目で山荘を倒壊、三作目でカーチェイスがハイウェイを飛び出し、オフィスビルを通過したんだっけ。
リーサル・ウェポンは基本、90年代のことですが、要するに活劇映画はレイダースに影響されて、より凄いことをやろうと進化していくわけです。

そこで三作目、インディ・ジョーンズ/最後の聖戦が1989年に出るんですが。
いまんとこ、映画館に行ったのはこれだけだったかな。内容的には一部ガッカリがありました。
ドラマ的には大満足なんですが、前作の魔宮の伝説で徹底的な破壊をやらかしたのに、今回はけっこうおとなしい、そこがミョーに控えめだったんです。
今だから、ジョーンズ親子のやりとりを存分に楽しみますが、当時のエンターテイメントとしては、だいぶんスケール感が小さいという・・・いやナチスの本拠地まで行って総統に出会って飛行船で逃げ帰るのだから、じゅーぶんでかいんですが、大破壊はあまりない。
実写のスタントはより充実しても、見る側は「ミニチュアでいいからカタストロフィを」と望むわけですわ、当時としてはね。
またアクションも、もう周囲の各映画が追いついてきているんだから、もっとスピードアップして欲しいがそこまでドタバタしないという。
良く言えば若干、リアリティが出てきた、繰り返すが「今みると」良いんですけどね。

とまあ、ここまで三作、1989年までを語ったが。
こっからはもう他社が凄いわけで、目まぐるしいアクションが当たり前の時代に。
三作目のラストはペトラ遺跡のロケで、ここはシンドバッド虎の目大冒険で使ったやん、というのはいいとして。ペトラ遺跡、これ、ミニチュアでいいから大崩壊してほしいだけど、遠目に砂埃がぶほっと舞う程度というインディー・ジョーンズは、じゃっかん時代遅れに。
そんな中、1999年に登場したのが「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」、要は恐怖のミイラ男とかのリメイクなんですが・・・これが、インディー・ジョーンズ三作目の不満足を埋めました。
次から次へと非常識アクションの連続、そしてラストは遺跡が文字通りひっくり返るような大破壊。
インディ3で見たかったのってこれやん。


スゲえ余談だが、2001年の続編「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」では、こうした秘宝探索でおなじみの「もう少し、もう少しで手が届くんだああああ!」からの「とったどおお!」というパターン破りをやっとります。こっからもう、何でもアリですね。
逆に言うと、このパターン破りをやらなかったインディ3は、二作目でだいぶん波乱含みになったシリーズをシッカリした物語に立て直すため、あえて宝を取らなかったとも思えます。

四作目、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は2008年、おそらくハムナプトラをだいぶん意識したはずです。余談ながらテレビ放送するまで、この映画の存在を知らなかったというか、タイトルくらい聞いていたが、「え、ハリソン・フォード主演の本編?」とビツクリしました。
過去に別俳優のテレビドラマあったんで、何か油断していたようです。
とにかくコンピュータグラフィックスという時代ですからね、三作目の不十分を補いました。
ただパチンコ台みたいな遺跡のシステムはどうよwというやりすぎ要素も・・まあいいけど。
内容的にも古代宇宙飛行士説を盛り込んで、より楽しくなっとります。
ちなみに核実験のシーンはすぐわかりました、我ながら察しがいい。ドキュメンタリーなどで有名なので、人形の街を見てすぐ「あ、やべえ」と。核実験記録映画を知らない人がみると、街の人々が人形なのでドキッとするようですね。←ちょっと上から
イキナリ「爆発三十秒前」とかアナウンスがあるこのシーンはシリーズ屈指の大ピンチで、これならハムナプトラを超えたかもしれません。

クライマックスの大破壊も、当時のコンピュータグラフィックスとして最高峰。
ちなこのシーンみると、「映像スタッフはワンカットで見せたかったのに、スピルバーグ監督が編集しちゃったのだろうな」と勝手に想像してます。
ま、映画的には編集が正解なんで、スタッフはこらえてくださいw
またフィールドワーカーとして、三代目に帽子を譲るかなと思わせつつ譲らないのが心憎いラスト。
なんつても1957年だからバック・トゥ・ザ・フューチャーの55年風景に近いのが楽しい。

じゃっかんノリが軽くなった気もするが、この四作目で何か取り戻したのでは。
で、五作目。うーん1972年前後になるのかあ。
昔だったら特別こしらえることなく、フツーに街でロケできた時代ですよね、製作が90年代だとしても物語舞台は二十年前だから。
キングコング: 髑髏島の巨神でも、けっこー街の作り込み、ファッションなどなど再現が必要な時代となったわけで、どう描くのかが楽しみですね。

とまあそんな感じです。


●デス・プラン 呪いの地図


タイトルこれであってるかな。
プライムビデオでみっけた1958年だっけ、白黒映画。

いわゆるデスノート的な話はいくらでもあって、水木しげる先生もよく描いてました。
今回は墓地のマップにピンを刺すと人が死ぬという。
なんか昔のアメリカが舞台というか当時の現代劇だが、まあ成人して就職すると、墓地を予約するんですかね、土地を買うってことか。それで予約者は白ピンさして、埋葬されると黒ピンに差し替えるというシステムだが、あのマップはどんな風に出来てるんや。
ファミリーネームで一画を買い取り、そこに個人の墓が複数配置みたいだけど、活字で書いてあるやん、更新とかどうなっとるという話。
うーんA4サイズの紙にタイピングして、ツギハギしてる地図なんだろうか。最初から黒板サイズの巨大な印刷とも思えないし。
まあいいか。

こうした映画は、基本的に話より物語の時代を観るのを楽しみにしていて、まあそれなりでした。
クラフトデパートとかゆう会社の役員が、持ち回りで墓地の管理をしてるんだけど、そうした地域貢献が名士の条件みたいに言われてました。
まったく利益はない様子。
劇中キーアイテムってほどでもないが、壊れかけたストーブがなんか雑で凄い。基本、バルブしかないメカニズムで、つまりガス栓あけてマッチで火を付けるだけなんでしょうね、シンプルだ。
そのマッチも黄燐マッチらしく、床で着火。そんなに昔だったか58年って。
また電話も面白く、アダムス311だっけ113だっけ、そう伝えられてかけるんだけど、あのダイヤル式ってアルファベット対応なんだ。そーいやアルファベットが沿い書きしてあるのは知ってたが、具体的に使う場面ははじめて観た。

ADAMS311って八桁か。面白いシステムやな。

黒ピンで死亡という法則で罪悪感やら恐怖で主人公おかしくなるんだけど、さらに、じゃあ、白ピンで生き返るんか、という疑問も発生、それで試すと墓が空っぽになって、ゾンビかああああって感じだけど、けっきょくトリック殺人というオチが。
でも最後は「?」で終わるかな、と思ったが、とくにひねった締めはない様子。
うーんマフラーで絞め殺せば跡は残らんゆうけど、ホントかね、自然死の偽装になるんかね。

あとプライムビデオで昔映画いくつか観たが、アメリカって野郎の顔がでかいなw
小顔だとそれだけでスター扱いかもね。今作の主人公もかなりでかいが、ジョージ叔父さんはもっとでけえという。まあ人種差別になるが、私は差別大好きなんで言っちゃうけど、ゲルマン系の特徴で、つまりヨーロッパ北方民族の血筋ですたぶん。差別大好きつうか、そんな理由で言論封殺が嫌いなだけっす。人種の特徴語って何が悪い。
中央ヨーロッパ、地中海地方のたとえばラテン人、ギリシャ人などはシュッとしたイケメンが多いが、かわりに浅黒く、でも今はすべてがない混じっているのだが、やっぱ特徴が出ることあります。

疲れてやつれた感じを出すために終盤、無精ヒゲですが、シェービングシーンも観たかったですね、この時代だと完全に混在していて、例えば洗面所からぐるぐるコードを肩にかけて出てくる映画ありましたが、おそらく電動シェーバーっしょ。
他に折りたたみの西洋剃刀もあるし、でも戦後なんで安全カミソリがいちばん確率高いか。
ジレット社は米軍に供給と称して大宣伝とし、おかげで戦後の売上が伸びたと言うし。
そんな時代を読みたくて、シーンを観たいわけですが・・・まあホラーサスペンスのばあい、ヒゲ剃ってしゃきっとしちゃったら、演出的にあかんですけど。

なんかヒトコト感想のつもりが、あんがい書くことあった。
やっぱり映画って面白いですね、さよならさよなら、ってとこですね、はい。
それも40から60年代が特にいい。30年代ですでに映画は完成されているが、そこからすこし後の奇譚が非常に好みです。

調子に乗って、この時代の映画を漁ろうかと思う次第。


●彼女 悪魔


なんかこれ、タイトルあってるか?
アマゾンプライムビデオでみっけた1958年白黒映画。

劇中繰り返し「シーデビル」とか言ってるので、直訳タイトルなんでしょう。
最初にネタバレ的に言うと、美女に爪と牙が生えて、顔が仮面のように不細工になり、やや凶暴化みたいな現象で、ナチスドイツ残党の科学実験検体です。
※気になるのでいま改めて調べっとシーデーモンズですね、発音悪いからデビルに聞こえたか。

劇中の字幕では率直に女悪魔ですが、元気いっぱいな人権団体がうるさいので、邦題タイトルは彼女悪魔なんでしょうねたぶん。

内容はというと、ハリケーン・エミリーで遭難した船が、流れ流れてどっかの諸島に到着、船は大破らしい。
見どころシーンなんだけど、そこは描かず、浜に打ち上げられるところからスタートで、要は低予算B級映画っす。
どっかで聞いたエミリーだが、過去何度も繰り返し使われるらしい。なにか順番なのか法則があるのかは不明で、しかしウィキペディアでは14の例があるも、1963年を最古に記述なし。
ま、映画が1958年なら前年の57年頃にハリケーン・エミリーがあったんでしょう。
ともかく謎の島に遭難者四名、無線機は無事だったが送信が故障、ほぼラジオ。
そして無人島なはずなのに、ひとりが槍でやられて、どうもナイフで相打ちという状況だが、その相手がつまりシーデーモンなわけで。
やがてナチス残党の巣窟を発見、つかその前に謎のドンドコ族(ブースカに登場する怪人だが、まあ似たような雰囲気)が登場、美女ばかりが十名くらい、ドンドコドンドコ踊っているというサービスシーンがあり。

あとでわかったがとある理由で美女ばかり誘拐して実験というか、治療に使われる因子を取り出すための施術で生まれたのが例のシーデーモンで、数日たつと元の姿にもどるが、記憶というか知性がなくなってドンドコになる模様。
ただ、このナチス残党はその研究のために無人島に隠れて仕事しているわけでもなく、溶岩を資源と考え、活用するためにいた、らしい。詳しい話は退屈なんでぼんやり聞いていたが、要するに総統はもういないし、ドイツ負けたし、あとは個人的な理由で研究者が暮らしているのかと。

それはいいが、まず上陸した遭難の、生き残り三名は故障無線機で米軍のやりとりを聞く。
フツー暗号通信だからコードネームだらけでわからんと思うが、まあいいや。
なんと核実験場であったことが発覚。
おそらく3日くらいの猶予だと語っていたが・・・昔から定番なんですね核実験という大ピンチ。
このパロディがインディー・ジョーンズ4なんだけど、アレは「爆発まで三十秒」という類を見ない危機一髪でしたw インディー・ジョーンズの大ピンチトップフィフティに入るだろう。

でもってナチス残党は「爆発くらい想定して地下基地にしとるから大丈夫」とかいうし、ホントかよと思うところだが、結論からいうと大丈夫じゃなかったっす。
ただ、爆発は核爆発ではなく、絨毯爆撃でした。そんな程度の訓練なら、事前に島をもっと調査するっしょ。あんな雑な秘密基地、バレるだろうに。
ともあれ基地は全然平気じゃないし、爆弾で噴火誘発、溶岩流もドロドロやってきて、たいへんなことになっとるが、その後、基地にいた他のナチ兵士はどうなったか、ドンドコ族と化したシーデーモンたちはどうなったか、よくわからず。
まあ手こぎボートで脱出エンドなんだけど、反対側の海岸に出たらもう安全だったっぽい。
思わぬ噴火に、このあと米軍もやってくるだろうとか言うし、まあ、じゃあ、解決なのか。

かようグタグタなB級映画でした。
おまけに最強レベルにどうでもいいメロドラマも強引に挟んであるし、困ったもんですw
まあでも、けっこう楽しめるかもしれませんね、白黒なれど美女の謎儀式はそれなりに華やかですし、ヒロインは美少女・・・まあえらい長身なのであえていうと美女、という感じですね。
面白いのは、企業のお嬢様という設定の彼女が、当初は意図的にツンツンしているのがわかる、という。サバイバルで色々手助けしても、「父がきっと相応の報酬をくれるでしょう」的な、あえてドライな態度なわけで、助けた方もこれじゃあ「はいはい結構ですねえ」と突き放してしまう関係。
それがわかるのが凄いってわけじゃないんです、これが、当たり前なんです。
たとえB級映画、低予算映画でも、このくらいは当然、それが昨今、レベルが下がり気味なようで、それが思い出されたって話。

インディー・ジョーンズはじめ、ナチスドイツが敵ってのはハリウッドなどなど定番です。
なぜ日本軍ではないかというと、日本人はアングロサクソンじゃないからという単純理由だと思う。
まあこの映画でも、中国系がレギュラーとして登場するくらいで、東洋系アメリカ人は多いので、それ集めればどうとでもなる気もするし、じっさいカタコトニポンゴなニポン軍も観たことあるし。
厚顔そうなアメリカも映画はけっこう殊勝なんですが、この時代だとまだまだ戦勝国気取り。日本もドイツも戦犯国扱いってところです。

とまあ、こんなB級映画でもやっぱり見るとこあるもんで。
それが映画の楽しみでもあります。

という感想。

●悲鳴を上げる頭蓋骨


えっとアマゾンプライムビデオで、1958年かな、白黒映画。

タイトル以上にB級風味なのは、まあホラー映画にありがちなんだけど、映画そのものの自己紹介ではじまるタイプ。
ホラーじゃないけどクローバーフィールドなど劇中カメラ目線な疑似ドキュメンタリー略して疑似ドキなどの映画だと「このフィルムはとある事情で云々」という感じで謂われ因縁を軽く記し、まあそれは無理がないというか、わりと品のいいほうだと今、わかった。
この頭蓋骨映画が冒頭で云うのは「こええぞ、すげえこええぞ」という主張。
あまつさえ「良心的にこの映画みて心臓発作死亡した人全員を保証金見舞いたいくらいだ」などとまあ、ハードル上げてきますね。

で、内容はというと・・・ないよう、などとダジャレは言いたくないが、あまりないっすw
うーん話としてはマリオンが縁石に頭ぶつけた上に池に落ちて水死したんだって。三角関係だったのか、エリックだっけ主役は再婚、庭師のミックだっけミッキーだっけ・・・わからんからジャガーでいいや。マリオンが死んだショックでおかしくなったのか、元々そうなのか、それにしても白人の最下層というよりこの映画、黒人が出ねえんだ。
でもって再婚相手のジェニは頭蓋骨の幻影で苦しみだして、とりま犯人はジャガーじゃないです。
展開はありきたりすぎて、怪奇大作戦で何度も観たよ的なパターン。
最後はひょうたんから駒みたいにモノホンのユーレイが出るわけでして。

いろんなB級映画みて、何かしら得るところがあるもんです。時代背景、小道具、コスチューム、髪型エトセトラ。
ところがこの映画はあまり見どころはないですね。
街の風景とか観たいんだけど、終始郊外の一軒家ですし、ポンポン着替えるほどコスチューム凝っていないし、じゃあ、もしかして低予算映画なのかな、みたいな。
その屋敷の調度も質素なんですよね、だから見るものがあまりない。

タイトルの悲鳴は、飼っている孔雀の声だと説明されるが、あんなスクリーマーだったっけ。
まあでっかいうずらみたいなもんなので、そうかもしれんが。
ラストに登場の本物ゴーストは、なんだかケムール人みたいな走りで、けっこう怖いかもしれん。
むろんスーッとスライドしてきても怖いが、あんなでかいフォームだとまた違う怖さ。

なにしろ見どころないんで空虚な感じだが、それでもまあわりと楽しめ・・・。
あいや自分が底辺映画大好きなだけで、一般人はオススメしないです、激怒するかもしれん。
つまりフツーに観ればつまらん映画、となります、はい。

そんな感じで。


●死者の侵略


ウルトラセブンの侵略する死者たちじゃありません。
プライムビデオでみっけた1973年のスペイン語圏な映画。
なんか流暢で気持ちいいですね語感が。

さて、この映画はなんだろね、主演がゾベックで、まあ「誰やねん」だろうけど、プロレスラーらしい。
じゃあ、エル・サントみたいなもんかと思うが、こちらは素顔で登場、なかなかイケメンですね。
むろん劇中でも「あの有名なゾベック」として扱われ、そこもエル・サントと同じ。
しかもヒーロー活動している点も同様で、あとはお仲間にブルーデモンというのがいて、こちらは覆面レスラーっす。

ゾベックのキャラ設定は盛ってますね、なんか腕を露出したレスラーらしい恰好なのに「ゾベック教授」となっていて、東洋神秘の専門家、またなぜかホテルかどっかで脱出マジックを披露。
こうしたシーンをはじめ、エキストラなどけっこう多いので、まあ決して低予算映画ではないっす、たぶん興行的に多少は奮発した作品で、例えばヘリコプターも使うので、前回みた悲鳴を上げる頭蓋骨とはそこが違うし、また時代的に当たり前だけどカラー映画です。

郊外のロケが主ですが、これも映画館で観るならけっこう映えるもんだと思います。今はプリントも甘くなって、なんだか手抜きに見えるかもしれんが、映画スクリーンの魔力ってありますから。
内容は・・なんだろね、宇宙から球体がやってきて、それの影響で死者がだれかれかまわず生き返るゾンビものです。球体は直径1メートルくらいだろうか、単なる黒いボール。
ゾンビは走るわけではなく、また噛みつきで感染でもないようで、しかし運転するので油断がなりませんw またゾンビになぶり殺された人々も後でまたむっくり起き上がる始末の悪さ。感染ではなく、ゾンビ球体の効力が圏内みたいなことです、それは絵で説明なんでわかる。
気がついたら運転席にいるんで、ある意味、怖い。

それになぜか立ち向かうゾベック教授だが、怪物には歯がたたないのは、これまたエル・サントと同じで面白い。でも、とにかく立ち回って対抗するわけで。
仲間のブルーデモンは完全に探偵事務所というか、秘密・・でもないか基地をもって活動。
まあ助手がひとりしかいねえけど、こいつがまたスゲえポンコツで、なかなか類を見ないキャラ。
口からガラクタが出るというのか、次から次へと失言の嵐で、また顔芸も得意なコメディアンですね。クライマックスではこのポンコツ君が、ゾンビの群れに襲われて、なんとゾンビの真似をしてあーあーうめきながら一緒に歩いて難を逃れるというw
それ観たわwwハムナプトラで観たわwww昔からあるんだこのギャグw
あとヘアバンド後頭部で締め直すゾベック教授の悲壮な覚悟を秘めた姿はランボーそっくりで、それなりな既視感があるのもおもろい。

いちおう災害の根源みたいな話題もあり、なーんか古の壁画にヒントがとかいって、そのへんがゾベック教授の専門分野みたいですね。また意識をアジアの師匠とつなげることで問題を解決できるとゆうとるが、今回はゾンビボールに阻害されて、とにかく逃げ回るしかできないとのこと。
その他、けっこう無駄な話題もいくつかあり、例えばマウンテンライオンの件はどうなったっけ、みたいに思うが、映画として洗練はされていないかもね、予算はかろうじて獲得したけど。

でもまあ、けっこう面白いです。
昔の、2時のロードショーとかで放送されても、あんがい楽しめる感じかと。
あっちに逃げたりこっちに追い詰められたり、それなりに退屈しない活劇の連続なんで。
ゾンビエキストラもそこそこ人数集めたんで、絵としてもわりと成立した危機一髪みたいな。

こういう映画、もっと観たいですね。
これはメキシコなのかな、できればイタリアのB級アクションとか興味あるんで視聴したいですね、ヘラクレスシリーズとか。
かよう、探せば楽しい映画、あるもんです。

という感想。


●ヘドロ人間


スライムピーポーが原題。
ロサンゼルスが舞台なんで、とうぜんアメリカ映画でしょう。
プライムビデオでみっけた1963年の白黒映画。

導入が、わりと面白いっすねえ、オープニングでいきなりワラワラとヘドロ人間が出現。
次に主人公が飛行機でやってくるが、その時にはもうロサンゼルスが占拠されていて、住民はぜんぶ逃げ出し、もぬけの殻になった街はヘドロ人間が見えない壁を作って封鎖したそうな。
それを、数少ない壁の隙間から迷い込んだ主人公が、徐々に聞かされ説明されるわけで、観ているほうもなーんか引き込まれます。

またヘドロ人間のデザインもいいですね。
つか何がどうスライムなんだかわからない、昆虫のようなデザインは、例えば仮面ライダーカブトのワームによく似ている、かなり洗練されたもので造形も悪くない。
また主人公は報道関連で(スポーツ畑だけど)、それに博士に美女の娘がふたりという、なかなかスキのない人物配置。
まあ脱出劇に主人公動機とかいらんので、職業とかわりと関係ないですけど、ジャーナリストのほうが盛り上がるでしょう。博士もしかり。

他にもけっこー残っている人がいて、でもだいたい暴徒なんで、そこも油断がならない。
棒とか(ダジャレではない)もった集団はほぼゾンビとかわらんシチュエーションやん。
むろんスライムピープルも大量に来て、着ぐるみはたぶん四体前後を製作だと思うけど、繰り返し撮影で数を増やすってのを、わりとマメに演出しているのは地味に偉い。
途中で出会ったトリバーだっけ、あいつ時代に関係なくしょっちゅう見るアメリカ人の顔だな。最近の映画はもちろん、90年代とかにも多かったタイプで、まあ最も多い面構えなんでしょうね。
このトリバー、「スライムピープルなど信じない」という感じで、ああそういうテンプレあったっけ、と改めて感心する。「こんなところに」とか「お前らと一緒は」とか言うのはありがちだけど、事件現場の住民でそれ(信じない)はなんか斬新だわ。

そうして短い間だが、ロードムービーみたいになって、その間にもどんどん設定が明かされるので、退屈しない・・・いや活劇シーンは退屈かもだが。
そもそもロサンゼルスを覆う壁って何よってのは、霧だそうで、フォッグマシーンから謎の化学反応で気体が硬化してゆくそうで、ただ映像はほとんどありません、そこは予算都合でしょう。
もうドームになっとるそうなんで、じっさい首都消失、コンバトラーVの封印都市エピソード、アンダー・ザ・ドームみたいなもんです。マット画でいいから、一度だけ映せば演出効果なのに惜しい。
ひとつだけ、硬化した霧に固められハン・ソロの刑になった被害者が映り、それもっと掘り下げたら面白いのに、と思うけど、「そういうこともある」みたいに流されて次の話題。

スライムピープルの「スライム」は、体の表面を覆っているものだそうで、ちゃんとタイトルに意味はあるんですね。そしてそれが傷を修復する作用があるとのことで、だから銃で撃ってもあまり効果がないっていう。
で、連中の使う槍は彼らなりの「対人用」であって、特殊な造りだそうで、先のキャップを外すとそこが中空になっていて、スライムによる傷修復をさせないようになっているとのこと。
なんだか言っていることがわからんかったが、後に映像でみたら一発理解でした。
一話だけ読んだことがある「るろうに剣心」にそんな武器があったな、刃がふたつ並んだ刀。ファイナルファンタジーのアドベントチルドレンでカダージュも使ってたよね、切り傷がふたつできるんで、傷がふさがらないという。理論だけなら「キルラキル」の断ち切りバサミもそうだし。

で、具体的にその槍、どんな仕組みかというと、実践でわかった。
キャップを外すって槍の穂先のことやん、まるごと外れるんだ。でもってじゃあ、柄の部分の先がなにか中空なんか、と思ったら、スライムピープルを刺したあと、反対側のところからスライムがドロドロ出てきて、じゃあ中空というか穴が貫通して・・・要は鉄パイプじゃねえか。
つまり鉄パイプで刺すと効果絶大ってことかあ、なるほどね。
まあ必ずしも修復スライムをどうこうする必要あるとも思えないけどね、その穂先はすぐ外れるんだからそのまま刺して、体内に残ったら似たようなダメージじゃないかな。

あと主人公が飛行機でロサンゼルスに到着できた理由は、やっぱり塩でした。
海面からちょっとの空間は霧が硬化しない、そんな感じで、なんか飯食いながらぼんやり観ていたけど、その、塩で道を切り開いて前に進んだんだっけ?
ぶっちゃけリアルに考えると、霧の中でもけっこー窒息しない以上、二酸化炭素などなど、なんでも硬化を阻害すると思うけどね。
また霧は気温を下げてスライムピープルの快適を実現すると思われていたが、それ以上に生命線で、清浄な大気ではすぐ死ぬんですわ、弱いなあ。
フォッグマシーンを槍で叩き壊したら、すぐに環境がもどり、スライムピープルはバタバタと。

いろいろと凝った設定で、なかなか楽しめる映画でした。
それよか気になるのがオープニングはじめ、何度も登場する地下からの昇降口なんだけど、実在するんでしょうね、床がふたつに割れて、スライドするように変形して屋根付きの出入り口になるという、珍しい機構。
ただ、珍しいにも理由があって、用途が見つからん。地下への出入り口なら変形など必要なく、作り置いて正面だけドアでもシャッターでもつけりゃあいいのだから。
まあ面白いし、訳もなく未来的なんでいいけど。

とまあそんな感想。


●マルタの鷹


いきなり名作系。
ハンフリー・ボガート主演の1941年作品、もう黄金期の絶頂みたいな映画やん。
タイトルだけは誰でも知ってる感じで、ボギーやハードボイルドが大好きな火浦功先生だったら、「丸太の鷹」とかパロディやりそうだなあ・・・と、ふと首をすこし回して本棚みたら、あったわw
ホントに書いてたわ丸太の鷹wwそれ買ってる自分もそうとう変わり者だけど。

えっと最近みたので、最もダメダメなのは悲鳴を上げる頭蓋骨ですね。恐ろしく空虚で語ることがないみたいな映画で、しかし名作系なマルタの鷹は、だいたい最初の二十分くらいでもう話題が沸点に達している感じで、とにかく濃いわ。
まず、映画が始まってすぐ、窓ガラスに書いてあるスペード&アーチャーという探偵事務所の文字が印象的で、例えば日にあたって壁に文字の影が映るみたいな演出もナイスです。
でもってイキナリ、ボギーが手巻きタバコ巻いてる。
おそらく、当時としても珍しいほうじゃないかな、まあ探せば手巻き派はいる時代だろうけど。
そしてパッケージなのか、それとも自分の煙草入れなのか、巾着みたいなジャグ入れの取り扱いなども独特に見えますね。火をつけるのはマッチでした。
でもって探偵映画の最たる大嘘である「美女依頼人」が来たりして。
そんな来客の前でもスパスパ吸ってるんですが、これわかる人あまりいないかも。
昔でも初対面の客人がいるのにスパスパは、わりと失礼なほうです。煙はともかく、相手に注意を向けていないみたいですし。でもそれで、ボギーもといスペード探偵が甘い紳士ではなく、ちょいワルなタフガイなことがわかるわけで。

うん、冒頭でもう語ること多いや。
次に殺人があるが、使われたのはオートリボルバーという、こりゃ珍品だ。
攻殻機動隊のトグサが使うマテバ以外に、映画でみたことないような気もする。
しかし映像はリボルバーなのにセリフは「オートマチックか」だから、知らん人は混乱しそうw
先程の巻きたばこは、どんな味なのかなあと興味深いですね。
思わず真似て、自分も巻いてみました。ふだんはローラーでやっとりますが、手巻きは難しいんですよね、劇中のようにうまくできんw けっこう大量に太く巻いているのかな、贅沢な。

他にも電話、自動車、建築と調度、見どころはたくさんあって、一回観ただけじゃあ把握しきれないくらいですね。時代的には太平洋戦争の直前なのかな、そこも注目したい。
そもそも冒頭シーンの前に、ナレーションで失われた秘宝、マルタの鷹を紹介していて、中世に行方がわからなくなったそれが、どうストーリーに絡んでくるのか、引き込まれるやん。
そう思って観ると、思いのほか荒れ模様で、まあこじれるこじれるw
どいつもこいつも信用ならんが、イチバン怪しいのはお前やサム・スペード。
あ、サム・スペードってよく聞く名前だけど、実在人物じゃなくって、探偵小説なんだなとわかった。
悪党どもが超秘宝をめぐって、じゃあ山分けしようぜと相談したサム・スペードが、ある意味ぜーんぶ裏切って、誰も彼も刑務所送りや、という話。

この探偵、やることなすことムチャクチャで、トラブルばかりおこすし、怪しい奴はどりゃーとばかりに上着を半下しにして拘束、武装解除するし、男も女もおちょくるし、観ていて飽きない。
あまりにも人をバカにしているんで、先回りされないよう睡眠薬のまされたさいは、恨みのひとケリをくらっているし。
カイロが来て銃を突きつけられたサム・スペードは、ぶん殴って銃を取り上げ、いちおう話は聞いてやって銃は返すのだが、するとまた振り出しにもどってホールドアップするんで、こりゃサム・スペードでなくても「どんだけ必死だよwww」つうて笑いが止まらないですね。

ラストは思ったよりハードボイルドでカッコいいというか・・おそらく当時の主流であるスイートなメロメロドラマの反動であーなったのかもしれない。
なーんで涙で落とせると思ったんだとばかりに突き放す感じ、でも意地は張っても心の中じゃ泣いているんだとわかる感じで、ツッパリちょいワル男のドラマですね。
この感じ、今、ありそうでないよなあと思う。
強いて言えばDr.STONEの千空が近いかもしれんが、あいつはけっこう騒々しいし、ブラック社長だし。
ちな主役以外だとけっこう、あるかもしれん。
また海外アクション映画だったら、このキャラ設定多いかも知れないが、急には思い出せず。

途中まではスペード&アーチャー探偵事務所の、死んだアーチャーぶんの看板文字をすぐ消すように手配するなど、まったく情がないように思えたんですけどね。
実は・・・というこの展開、数多くの作品で見覚えがあります。個人的にお気に入りのパターンなんで、わかります。これが原典だったんだ、という。

途中までフルスロットルすぎて、吹き替えを間違えたらドタバタコメディになるなと思ったが、このオチで、そりゃあ多くの人に印象残る映画でしょうね。
またラストふきんはなんか観た覚えがあるようなないような、シーンを引用した他の映画があるのか、過去にテレビ放送などで観たのか、よく思い出せない。

とまあ、一本の映画で語れることが多いってだけで、名作枠も納得です。
他作品への影響力の絶大さも、評価が高い。
とまあそんな感じな感想。


●蜂女の恐怖


名作からイキナリ転落。
以前YouTubeで観た「The Wasp Woman」をアマゾンプライムビデオで発見したので、今度はちゃんとした字幕で観ようと思った。
1959年の白黒映画です。

でもって、前回に観た感想とか、このwikiで読んでみたら、これロジャー・コーマンなんですね。
名物プロディーサーつうのかな、低予算B級映画ばかり乱発した人です。
つまりYouTubeで無料というか、パブリック・ドメインな映画を観ていたが、しっかりぐぐって調べていたんですね、自分のことですが。
昔のB級映画はなるべく、素性を知っておくのはいいことです。逆に近年の映画だと観っぱなしで、スタッフ・キャストも忘れっぱなしですが。

ちな人面ハチという印象深いサムネは当時からのポスター詐欺という。
ただ、2020年の自分がどう観たのか、英語わからんまま絵で内容理解したんか、それとも自動翻訳をオンにしたのか、それが書いていないのでわからん。
ただ、まあ、見ればわかる映画には違いない。

社長が23歳で起業し、それから18年ずっと化粧品会社の「顔」やってたが、ずっと成長してきたこの会社が横ばいに転じたので、そりゃあ美女社長が老けたからやろ、という話です。
うーんまだ40代やん。
昔で欧米だから老けるの速いってことなのか。
まあ途中まで、それなりに面白いが、後半はムリヤリなホラーという作品。
また養蜂の風景や街のロケーションなど、いろいろと見て楽しめます。

繰り返すようだけど、この前みた「悲鳴を上げる頭蓋骨」がどんだけ空虚な作品か改めて感じる。
フツーはこの蜂女みたいに、ただロケしてれば時代性など、見どころいっぱいになるはずなのに、どうしたらあんだけ空っぽな映画になるやら頭蓋骨は。
ともあれ、このたび蜂女は、町並みや小道具、なんなら公衆電話に至るまで、時代を写しているため、やっぱり楽しめたという。

劇中、ふたりの若い女性の、ファッションなども面白いもんですが、彼女たち絶えずスパスパやっとります。これはなかなか政治的な気がして、なにしろ共産圏、中東諸国、アジア人がみたら「なんて解明的なんだ」と思えますから。今でさえ女性がタバコ吸ってると「生意気な」という理由か、なんか批判的にとらえられますし。
じっさい政府の指導があったかはともかく、やたらとでかい自動車に乗ったり、必要もないのに巨大なステーキとか食ってる場面あったら海外の観客は「アメリカすげえ」となりますね。

また字幕でみると、ちゃんと話も登場人物設定もできているんだなと感心する。
それだけにムリヤリホラーが残念なわけです。
また唐突なエンドも。
それまで描いていた物語が、急にドタバタして、プツッと終わるわけだから。

なんか今日は文鳥もとい文章が断片的で、読み返してもわかりにくいが、まあ一度みた映画を改めて語っているので、しぜんそうなる。
書き直すのめんどいので、このままでいいや。
他にも記すことはあるが、めんどいのでこれぎり。

という感想。



●アメリカン・マミー アステカの生贄


アマゾンプライムビデオで発見。
てっきり白黒映画の「アステカのミイラ男」シリーズのリメイクだと思い視聴。
なんか白黒時代からアステカミイラはロボットと戦ったり、他にも狼男ほか、いろいろ対決してるようなんで、これもそうかと考えたのだが・・・。

はて。

いちおう2014年の、邦題がアメリカンなのでアメリカ映画なのかな。
原題はアステックブラッドで、アメリカンとか言ってねえけどな。
まあ南米か北米かわからんが、そんな作品。
内容は・・・うーむ、まあ、十三日の金曜日的な、アレみたいな感じと思えばいいだろうか。
いちおう今回はバカ若者のキャンプ場ではなく、学生たちの調査隊テントなのだが、人界から離れた郊外って点は同じだし。
なんだかんだバカ者より学術調査隊のほうが、優れた被害者だと思うし。
で、現象は・・・アステカミイラの呪いというか、未知のウィルスというか。
じっさいに起こったことは、劇中に明言がないんだけど、ぶっちゃけゾンビやん。
なぜか北の方で発見されたとかいう古代アステカ遺跡などなど、謎パートもそんな充実しないつうか、このまえの死者の侵略に登場したゾベック教授のほうがよっぽど充実した雰囲気があるかもしれん。
ともあれ呪いというより「恐ろしいこと」が起こって「おそらくウィルスだろう」という感じで、でもアステカミイラはちょいちょい動いていたような気もするんだが、まあいいか。

地理的にわりと南米よりのアメリカらしく、それゆえか、わりと美女は多いのがひとつ見どころか。
ま、映画スターっつうほどの大美女じゃないけど、他の都市が舞台だとたるんだ白人ばかりになりがちなんですB級映画って。こんだけ南米よりだと、ビジュアルがわりと精悍っぽいわけで。
あーそれで、ストーリーですよね、特に語るものがないが・・。
80年代前半ならけっこー楽しめる内容かもだが、今となってはねえ。
街から離れたなにかの調査で、なぜか救援は次の日までこないシチュで、感染騒ぎという。
誰と誰が感染したのだ、という「遊星からの物体X」のような肝が冷える緊迫感はなかったっす。

他の見どころは、まあ上半身ゾンビとかかな。
下半身が棚の下敷きになったんで、上半身だけぶっちぎって動き出すという。あんな棚くらいで体がちぎれるわけねえ、という話ですが。
あとは生首をサッカーボールみたいに、というシーン。
ラストの手錠付きアタッシュケースもまあ、面白いかもしれんが、ムリヤリ悪趣味をねじ込んだような感じもなくはない。

ほらほらスパイ映画とかであるじゃん、手錠付きのカバン。
それにゾンビウィルスのサンプルが保管されてるんで、恐れた被害者たちがそれも燃やそうと、学者の腕を斧で切ってアタッシュケースを強奪、でも多少の耐火性能があったようで燃え残り、それを片腕学者がラストで再登場して、腕を引きずったままのケースを回収して去ってゆくという。

この学者はたぶんロシア人なんでしょね。
「アメリカ人はやっぱりタバコ吸わんのか」といった雰囲気がありました。

いや内容はもういいや、どうでもいいや。
要は「アステカのミイラ男」シリーズではないということで、やや不満。
それと低予算なら仕方ないが、舞台が街ではないのもちょい残念。
欧米の映画スタッフは年中、「あまり映像化されていない呪い」を探しているもんで、まあだから、偶然にアステカミイラというネタにたどり着いたのかも知れない。
要はネタに飢えているんで、そのうちスキンウォーカーとかクシュタカとか、テレビ番組のドキュメンタリー題材にしたホラーが出るかもしれん。

いちおう底辺映画ってほどでもないが、近いものがあり、でも特に「観て損した」とは思いませんね。
それは自分が白黒時代のB級SFからサメ映画まで、普通じゃない作品ばかり好んで観ているから、そうなるんでしょうね。
耐性のない通常びとなら「つまらん」と切り捨てる種類の映画かと。

とまあそんな感じ。


●シャイニング



言わずと知れた映画。
アステカミイラ観てたらオススメに登場したので、じゃあという感じで、でもその場では視聴せずにリストに入れたんだっけ。
製作年は1980で合ってるのかな、もうちょい古い気がしていたが。

ジャック・ニコルソンの「顔」が有名な作品で、まあ俳優として顔が売れるのはいいことですね、当人が有り難く思っているか不明だが。
そしてもうひとつの売りがステディカム撮影。
むっちゃスムーズな移動撮影が可能となり、ドリーやクレーンと違って自由自在。自分が最初に観たのは未来警察の対人ミサイルですね、今から思えばモッタリしたスピードだけど、当時はもう驚愕ものやった。
実はスター・ウォーズ:ジェダイの帰還のスピーダーチェイスは、後から観ることになった次第。
スピード感ならこっちが上だったが、撮影にステディカム使ってたっけ、メイキングみたことあるけど忘れた。
そんな迫力アクションだけでなく、スリリングな演出にも有効な移動撮影です。

これが、当時の日本にはできなかった。
ドリー、クレーンもあまり長いの使えなかったのではないだろうか、ましてやステディカムなんて知られていなかった。
つかキューブリック監督といやあ時計じかけのオレンジで、画期的な自動車運転撮影をやったと言われてますが、それすらも日本じゃあままならなかった。
さすがにスタジオでスクリーンプロセスした運転撮影はなくなったが、極めてグラグラな絵しか撮れない感じが続いたと記憶。ま、同録16ミリカメラも普及してたはずなんで、助手席から撮ればなんとかなろうが、バストアップな構図しかできそうにないか。
ちな正面からの運転シーンが揺れずにできたのを確認したのは1988年の斉藤由貴主演「優駿 ORACION」だったと記憶していて、徒歩の移動撮影のばあい、同年の「またまたあぶない刑事」ではステディカムなど使わず、むっちゃ揺れまくって画面酔いしたもんです。
つまり日本だとようやっと移動撮影で揺れるか揺れないかというタイミングが80年代終わり頃で、たぶん90年代あたりまでそんな調子だったのでは。

今の邦画がどうなのかは観ないのでわからん。
洋画だって1987年ごろのアンタッチャブルでは、マローンのアパート襲撃で長い手持ち移動があっって、ちょい揺れたもんですが、それよか窓ガラスにスタッフが映ってるほうが気になって・・・。
話ズレた。

まあかように、揺れない移動撮影って偉大なんです。
今はなんか映像技術が発達して、B級バカ映画類でも見事な撮影がありますが、わりと底辺映画でもAmazonで買った撮影器具をアクションカメラに取り付ければ、けっこうな絵が撮れる時代。
また単純に広角レンズで揺れを目立たなくして、スピード感も稼ぐ手法もあるし。

シャイニングにもどすと、かよう揺れない移動撮影が売りですが、冒頭の空撮はやや揺れますな。
しかし時代を考えると、やっぱ日本には真似できないレベルだと思う。
ホントーに遅れていたんです、日本映画の技術は。
最近でも犬鳴村のドローン撮影はちょっとだけ揺れましたね、まあ及第点以上つけるけど。

えっと内容はというと。
まず、よくパロディにされる「廊下に血の濁流」ってのが、この映画だったんだと思い出す。
いや観るのはじめてなんですが、シャイニングって様々な媒体によるシーンの紹介がむっちゃ多いんで、そんな場面も知っていたわけです。

細かい話すっと、母親が朝食中にタバコ吸ってんのアメリカらしいわ。
吸わない人にはわからんだろうが、コーヒーと煙草は食後と相場が決まっているもんで、食中とか普通はない、単純にマズくなる食い合わせ。アメリカらしいわ。
あとはいわくつきホテルの紹介とか楽しいですね、巨大な台所とか、食料保存庫も見どころで、今では多少はヘルシーになったかもだが、実にアメリカらしい商品の山。

あとはレッドラムを逆さに読んでマーダー(殺人)ってのもコレが原典なのかな。
ゼノギアスの下水にいた敵がレッドラムでした確か。
ゲームといや、バイオハザードの「かゆいうまい」的な感じを想像して、このシャイニングを観てたわけです。ジャック・ニコルソンが、段々とおかしくなってゆく過程を楽しむ映画かな、みたいな。
だがしかし、けっこー早い段階で変化しました。
そこは意外。

意外といやあ、移動撮影が売りの普通なホラーと思いきや、あんがいスケールが大きい撮影で、よく知られたシーン以外をみると、ホテルがでかいでかい。
庭園の迷路もそうですよね、あんな巨大な施設があるんだ、みたいに感心する。
また1921年の晩餐会など、なかなか贅沢な撮影しとります。
ちな原作はスティーブン・キングだってさ。
キューブリック監督との組み合わせはわりと多い印象だけど、考えてみるとそうでもないか。
またウィキペディアみると、だいぶん原作と違うそうな。
軽く読んだだけだが、ホテルそのものがモンスターみたいな感じで、じゃあゲームにしたほうが面白いかもね今だと。

冬の営業停止期間、管理人が巨大な室内で豪邸ごっこは当然で、そのへん昔のゾンビ映画でも生き残り少数がモールに籠城して・・って話、ありました。
必要以上に大きな部屋で執筆とか、面白い絵だし。
ちなタイプライターは、まあ電動タイプライターではないようで、なんか欧米文化にはいろいろあって、定番なのかちょっと味のある製品なのか、よくわからんですね。
日本だとオリベッティのバレンタイン、通称赤バケツしか知られてませんが、ともあれ1980年でも電動は一般的ではないんですね。
うちにもブラザーのタイプライターありますが(骨董品区分)、電動ではないため、けっこー重いキータッチです。
慣れればむしろ、それが楽しいんですかねえ、楽器みたいに。

なんであれ、有名な映画は観て損はないという好例ですね。
例外もたまにありますが・・・。
始終、なるほどなるほどと感心することしきり、という感じでした。


●創聖のアクエリオン


とちゅーまで観たことあるけど、バンダイチャンネルで完走。

いろいろあって、なんとなく気になったのだが、観て驚いた。
過去の視聴はレンタルでたぶん五話くらいまでだけど、それほど感銘はなかったです。
VHSだったか、画質もよくわからんし、よってロボアクションが迫力ないように思えたような記憶。
3DCGロボなため、非常に軽く見えるんです、重量感無視のスピード演出がすぎて。

ただ、映像がいま、YouTubeなどで観れるため再発見したのは、非常に画質が高いアニメだということで、そうなるとロボの動きがチャカチャカしてても、多少は採点甘くできるな、とオモタ。
それ以外に作画が異常に良くって、こんなアニメあったんだという驚き。
最初のレンタル時でも、デザインワークの凄さだけは認めていたが、それが活きている。
ロボットアニメはかなり孤高の企画であって、理由は司令室、コックピット、格納庫などなど、多様なデザインが要求されるから。それをかなり高水準でこなしている奇跡。

また内容的にも、基本的にギャグ路線で、まいどまいどバカバカしい必殺技を編み出して解決するという、そんな展開も飽きさせない要因で、最後まで引っ張る感じが好感持てる。

そうか、これがアニメスタジオ「サテライト」なのかあ、と再認識しました。

ノブナガ・ザ・フールやら重神機パンドーラやら、なんか滑ってばかりな印象であるサテライトも、こーんな栄光があったのだなと思うとナツトクです。
逆に言うと創聖のアクエリオンで成功したから、のちにコケてもダメージは最小限なんだ。

ただ、ひとつ述べるとこの作品、あまり科学的ではない気がする。
科学的とは、作中に反証を重ねてテスト実験して、結論に近づいていくストーリーであり、アクエリオンの敵である堕天使はもうそーゆーのナシ、机上の空論をぶっつけ本番で、なおかつ失敗して世界を滅ぼしかけるという、それが科学的な態度じゃないということです。
仮説がなんか違っていた、という単純さで。
最近の、例えば戦隊シリーズなんかの敵組織はやたらと実験繰り返すんだけどね。

ともあれ、けっこう見直したみたいな、ロボが軽いゆうだけで当時みるのやめたが、最後まで楽しめる、良い意味で意外な作品でした。

つう感想。


●怪物の森

↑たぶんこれ

なんかいまぐぐったら、同じ2017年に「ウィドウ怪物の森」つうものがあり、じゃあこちらは便乗邦題なのかなと思います。
ともあれアマゾンプライムビデオで視聴。

最近You Tubeをラジオ代わりに流しっぱにして、その中にお馴染みのアラスカの恐怖・魔の三角地帯だっけ、ヒストリーチャンネルのやつがあり、ヘアリーマンとか久しぶりに観たんで、それを思い出したのかどうか、久しく映画などみなかったのにとつぜん怪物の森を観たという。

まあ悪くないゆうか、悪いほうが話のネタになるんですけどね。
学生映画かど素人の映像か、というほどではなく、ちゃんとプロが造っているがB級といった立ち位置かと思われます。
面白いところは1930年代から90年代まで事件を追っていくのだが、再現フィルムがいかにも当時の雰囲気で、30年代のシーンでは怪物の描写にCGを使わない、つまり演出まで当時に似せているのがアレで、最後の90年代だと8ミリビデオが登場、ブレアウィッチみたいなファウンド・フッテージ風味になって、つまりこの映画一本でいろいろ楽しめるという。

いちおう一連の事件の中に、伏線も入ってます。
怪物を倒す手立てみたいなヒントというか・・・最後に登場した「怪物」は、わりと真面目な特殊メイクで造ったっぽい、スーパーヒーローの悪役みたいなデザイン怪人でした。
現代編になってから、ようやっと演出というか特撮も今風になるわけです。

じっさい悪霊というか精霊というか、そんなファンタジー怪物で、原題のビーストとは違うですね。
あーアラスカのヘアリーマンとか、そうゆう謎めいたもんでもないし、まあ、この手の作品群ではよく撮れているほうかな、みたいな感じで、もちろん通常のお客様なら「金返せ」レベルのB級。

とまあ、そんなわけで、底辺映画ほど嬉しい変わり者の感想ですが、わりと面白い。
ただ、こんなのはまだ前座で、50年代、60年代の無名なタイトルを複数、ウォッチリストに入れときました。
そっちのほうが、楽しみであります。

以上。


●ナボンガ


1944年のゴリラ映画。
個人的には面白いですね、飯食いながら観たんでいろいろ見落としているけど。

内容的にはやや「猿人ジョー・ヤング」に似ているというか、ジョー・ヤングのジルはれっきとした文明人ですが、こちらナボンガのドリーンは隠遁生活でターザンですらない。
完全に人里離れた法の及ばない世界での出来事、となります。

昔からゴリラ映画は多くあったらしいですが、着ぐるみゴリラはあまり観ないので貴重。
しかも1944年なら映画の黄金期で、でもアマゾンプライムビデオのはプリント悪いっすね。良い状態のフィルムなら4kにだってできるはずなんですが。

ストーリーはパッとしないというか、お宝物語なんだけど、なんだか誰かがプライムバンカー、つまり信用銀行だろうか、横領したお金を軸にしてるんで、スケールは小さい。
で、犯人が飛行機で逃走、墜落、同乗していた十歳の娘とジャングルで遭難ゆうことで。

そっから脳裏に猿人ジョー・ヤングが浮かんで、ジルと同じ19歳になるまで時間経過だな、と思ったんだけど、そのへん食いながら観てたんで展開見逃した。
つか同時にGと戦ったりもしてたんで、あんがい忙しいんです。

まあ思った通りに数年後の話になるが、元々登場人物おぼえていない上に一新されてるんで、なんだかついてゆけず。
まあ話はいいや。
問題はゴリラスーツですが、思いのほか出来が良い。
まあリアルかと言われればノーと答えるけど、あんがい悪くない。
毛並みはいいし、動きもおそらく、スーツアクターが動物園通いして勉強したのだろう、サルっぽい。
顔はなんだかゴリラにしてはシュッとしてるが、問題のないマスク。
ただまあ、当然ながら等身大なので、迫力はないのが残念。

猿人ジョー・ヤングとかウィリス・オブライエンが手掛けるだけあって、サイズが大きめに設定されているのは、かなり強みなのだとわかりました。
そいやゴリラの花嫁みたいな映画もありましたね、なんにせよ着ぐるみだと小さく感じる。

それも映画によりけりなんでしょね、着ぐるみの出来は。
キングコング(1933)の後にもゴリラスーツ映画が作られたようだけど、ショボいものだと目も当てられないのだと想像する。

一時間半もない短いプログラムだけど、まあ個人的には楽しめました。
B級映画が好きなんで。

それよか面白いのは映画のクレジット最後に、「観客のみなさん、劇場で販売している戦時国債をぜひともお買い求めください」的なことが書いてあって、大日本帝国からすると敵国ながら、その愛国心嫌いじゃないです。
敵ながらあっぱれというかなんというか。

クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」によると日本もアメリカも戦争末期は完全にからっけつだった点は同じなれど、詳細が違っていて、日本は総力戦ゆえ国民生活がどん底、アメリカは軍の予算がなくなっただけで、国民はフツーに生活していた様子が描かれてます。
それで、戦時国債で切り抜けたみたいな。

こーゆー映画、いっぱい観たいですね。
今後もアマゾンプライムビデオのラインナップに期待する次第。


●超速変形ジャイロゼッター


バンダイチャンネルでみっけたタイトル。

うーん順序で語ると、なんか急に「普通のテレビアニメ」が観たくなったんです。自分的にはどうも「有名作品」ばかり観ていて、とーぜん予算も潤沢、作画も良くて当たり前。
そこに来てアニメ関連で話題となる「キャベツ事件」というものもあり、つまり十年以上前のテレビアニメ作画崩壊だけど、「フツーのアニメの作画ってどんなもんだろう」と気になった。
そして、超速変形ジャイロゼッターという、聞いたこともないタイトルがバンダイチャンネルにあったので、とくに考えもなく、サンプルにいいかもと視聴はじめた。

えっと、結論からいうとこれ、フツーのアニメってほどでもないですね、二話まで観たら、極めてクオリティが安定していて、わりとビッグタイトルかもしれん。自分が知らんかっただけで。
で、三話観たくらいでウィキペディアで答え合わせすっと、やっぱそうだ。

そもそも原作がスクエア・エニックスとかクレジットされてたし、主題歌もジョー・リノイエ&近藤真彦とかわりと贅沢だし・・・あ、そのわりには冴えない気がするんだが主題歌。
そしていわゆる、メディアミックス戦略として、アーケードゲームはじめ、いろいろやっとったらしいけど、繰り返すがまったくタイトル聞いたことなかった。

内容には特徴があって、それをウィキペディアで答え合わせした三話くらいまでに、自分なりに考察するのが楽しいというものなんで、やってみた。
まずジャイロゼッターというロボだが、自動車が変形・・・いや変身する。
現代劇なんで、まあ自動車も既存のものであって、それがロボになるのは新しいが、実在しないビークルでよければ過去、いくらでもあった。
実在だと今はトランスフォーマーが、あんだけの超大作なのにシリーズ化している現状。
この超速変形ジャイロゼッターというアニメは2013年というから十年前だが、まあ当時からトランスフォーマーとはかぶると思う。

で、その変身だが、自動車がおそらくパーツ単位まで分解し、瞬時にロボに組み上がる。
じっさいは演出効果により詳細は映らない感じとなっている。ピカッと変身。
つまり、玩具展開できないわけです。レゴブロックみたいにならないかぎり。
自動車からロボに変形する玩具を売るアニメではないのか、という。
それが意外で、しばし悩んだが、出た結論は「カードゲームか」という。
これは半分、当たってましたね。
実在の自動車がカードゲームになり、しかも変身でバトル可能なら、それなりに盛り上がるかと。

劇中にもカード読み取りみたいなガジェットが登場してるので、家庭用ゲームかと思ったら、アーケード展開は意外でした。
こーゆーゲームはまったく縁がないので知らんかったが、売れたのかな。
お馴染みのクルマがカードになればそこそこ楽しそうにも思えるが、どうだろう。

でもって全部で51話か・・・観るかどうかはまだわかりません。
面白くないわけではないが、逆に特別な何かがあるわけでもなく。いまんとこ無難な、クオリティ安定したアニメという雰囲気。
いやホント、無難な造りだなあと思う。
よく食事シーンもあるが、食い物系もありがちな、とくに可もなく不可もなしという絵でした。
まあ勇者王ガオガイガーも、日常パートはそんなもんだったっけ。

純粋に商売ではじめた企画なら、できれば売れて欲しいもんです。
十年前なんで、もう結論は出たでしょうね、そのうちウィキペディアも続き読みます。

しかしなんだね、逆に今まで観てたアニメが、クセが強すぎでしたね。
TRIGGER作品だとキルラキルの下町は完全にスラム街ですし、GRIDMANのアンチ君はほぼ野良犬生活だし、ホント、クセがすげえのが多かった。

十年前とはいえ、超速変形ジャイロゼッターは子供向けアニメなんで、そーゆう要素が入れにくいようで、スタッフもやりにくいでしょうね。
制限がある中で云々という話もありまして、例えば機甲戦記ドラグナーは少年犯罪とナイフという組み合わせがアレなんで、設定にもプラモにもしっかり存在したアザルトナイフが劇中、未使用であったりします。先ほど名前が出た勇者王ガオガイガーもナイフは「子供がナイフで事件をおこさないように」配慮したのか、武器として設定そのものがありません、武器は工具となり申した。
まあガオガイガーのばあい、工具を使った児童事件が発生したらどーすんねん、とは思うけどね。

ジャイロゼッターのばあいは、そんな制限がある中でという論法ですまない程度になってるわけで、ホントたいへん。劇中の大人も禁酒禁煙でたいへんでしょう、お気の毒。
それよか子供の罵詈雑言が聞けないのが視聴者にはつらいかも。

というわけで、観る、観ないはまだ不明です。
ただ、「フツーのアニメとしてのサンプル」は違ったという。

そんな感じ。


●呪いの沼


なんかたまには映画でも観ようと思ったが。
そこでこーんな誰も知らんB級タイトルになるのは、まあ自分らしいなという。

テンプレ通りの怪物映画なんで、とくに語るべきこともない、ということにはなりません。どんな底辺映画でもあるんです、ネタが。
今作品はなんか1966年ということで、自分の年表指標に入っとるのでわかりやすいですね。例えば1600年だと関ヶ原の戦いつうことで、まあ信長は居なくて家康が天下取るくらいの時代とわかるし、1941は太平洋戦争、1954はゴジラ、という具合で、1966はウルトラマンですね。

この脳内年表指標により、1966イコール、もうテレビドラマでさえカラー時代になりつつある時代であると、即座にわかる次第。また大雑把な世相、ファッション感覚も「ウルトラマン」を思い起こせば、すぐ理解できるわけで、そんな指標をいくつか持ってます。

だもんで、けっこう古いタイトルなんですが、それにしても妙な雰囲気だとは思う。
なんか、音がヘンなんです。
明らかにアフレコみたいなシーンもあるし、そのさいに効果音を忘れてチャージマン研前半みたいに間抜けなことになっとるし、音ズレはあるし、ミョーにピッチが高くて、1940年代ならともかく、完全にテレビ時代になった1966でそんなことあるんだ、みたいな。

しかしまあ、そんなもんかもしれません。
個人映画なら80年代だって音には苦労したもんで、品質の良いテープレコーダーもなかなかないだろうし、業界人だとしても、十数年前まではスタジオ撮影が当たり前、野外や郊外の建築で同録撮影は、そらたいへんっしょ。
それよかカラーもなんか変で、まるで8ミリフィルムみたいな雰囲気でややビビット。

元々安いカラーフィルムで撮ったのか、それとも残っているプリントの質が悪いのか、デジタルに起こすさい、手軽な手法を採用したのか、よくわからん。
まあHDリマスターみたいな補正済み映画のほうが逆に、贅沢なのであって、こんな画質がフツーなのかもしれません。

舞台は沼地で、だからスワンプモンスターもので、いわば陸の孤島な地域が魅力で、いちおうアメリカ国内なのかな、そこはメシ食いながら視聴なんで忘れたが。
飛行機でないとアクセス不便なところで、でも滑走路つまり飛行場と雑貨屋があるような村の通りがほぼ同一に存在している不思議とか、語ることあるんだけど、めんどいので割愛。

めんどいけどちょい記しておくB級らしいことといえば、流砂が水で表現みたいな。
そもそも粘度の低い砂が沼地にあるのだろうかと思うが、インディー・ジョーンズ4なんかにもあったので、あるんでしょうが、簡単に撮影できないらしく、フツーに黄色い濁流ですませて。
落ちて死ぬ人間も、フツーに水に入って演技してます。どう見ても水です。
カットごとに上半身、胸まで、首までと沈んでいき、見せ方としてはモタモタしない感じで、悪くないがどう見ても水です。
いや凹んでいる部分はこんくらいか。あとはけっこう律儀に撮れた映画かもしれん。

それよか主役のマッドサイエンティストがウェスカーやん。
バイオハザードシリーズの名物男、ウェスカーやん。
いやじゃっかん薄らハゲで、ちょい痩せっぽちで、サングラスの形もやや違うが、ウェスカーやん。
まさに科学の独善者、狂気の執行人、ヘンな怪物を育てて「美しい」とか言う変質科学者。
悪そうなニヤリ笑いとかソツクリです。
もちろん最後は自分の作品である怪物にやられます。
このころからのパターンなんです。
逆に三十年後のバイオハザード(1996年だっけ?)で、ウェスカーがタイラントに刺されたのはそんなパターンを面白半分に踏襲したわけで、ウェスカーというかバイオハザードは思ったよりはるかに人気が出たゲームタイトルなんで、ウェスカーも「実は生きていた」ということになります、後々に。

それだけでも魅力ですが、やっぱ1966年の映画は見どころ多数です。
ファッションひとつとっても、あるいは何気なくタバコ一服する仕草でも、観てて楽しい。
逆に、悲鳴を上げる頭蓋骨(1958)が50年代という魅力的な時代なのに、見どころまったくなかったのが奇跡のようなことなんで、フツーは古い映画って面白いもんです。
今回、「呪いの沼」はちゃんとフツーに時代を楽しめました。

あ、特筆すべきことあったわひとつ。
あの丸太カッターはなんやねん。
沼地の中にあるから、船の装備なんだろうけど、2から3メートルはあろうかという上部のアーチ状ギザギザアームがガシャコンガシャコンと動き、下部のまっすぐなギザギザアームの中にチェーンソーらしきものがうなりを上げている、そんな機械があったのかと驚く。
巨大なカニバサミで丸木をチョッキンチョッキンするトンデモマシーン。
水の上にあるつうことは、伐採して、とりあえず水に放り込んだ丸木を、これで切るんでしょうね。
どんな時代のどんな国家でも、江戸時代でも、海や河川にそうした丸木を輸送途中で仮置きするのは普通なんで、まあそこでカットもやっちゃえつうことで、それはわかる。

問題は「うっかり殺人」の犯人たちが、被害者をあんがい日中堂々と病人搬送みたいに運び出し、沼にいったん捨てて、それをその丸太カッターでちょん切ろうとしていた件で。
プカプカしている死体を丸太カッターにセットしようとしてるとこで場面転換ですが、要は切断したってことで、なにしとるんじゃワレ。
確かにすげえインパクトある絵だけどさ、犯罪的にどんな意味があるんや。
あいや意味とかなくって、もうインパクトがあるなら映画として成功、と考えるべきなのか。
まあいいや、そんなわけです。

という感想。


●ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦


アマゾンプライムビデオにて発見。
つか2021年だから、まあ知らなかっただけだが、なんとなしにゴジラのパクリっぽいパッケージ絵だけで視聴。

観たらアサイラムでした。いやあ久しぶりですね。
でもって映像がかなり進歩してます。まず、解像度などはもう一流で、よもや底辺映画スタジオじゃあないっすねアサイラム。
でも、じっさい映画をみるとB級映画感は出ているわけで、やっぱり捨て置けない製作会社や。

原題は猿vsモンスターとなっとって、あんがいフツーなフォントのタイトルでした。
時期的に間違いなく、『ゴジラvsコング』のパクリ作品です。レビューのコメントには「でも公開はこっちが先なのかあ」と不思議がる者もいるようですが、アサイラムはそんなもんです。
映画も撮り方によってはスゴく早く出来上がるから、超大作が話題になっている間に、パクリ作品が完成することはありがちで、パシフィック・リムに対する「アトランティック・リム」がそうです。
あれもアサイラムだっけ?

こうしたB級は良いテストケースで、「3DCGがあるから、もう誰でも何でも撮れる」などと言われて三十年ですが、じっさいはどんなもんか、こーゆーのみりゃあわかります。
答えは「そんなわけないじゃん」ですね、3DCG使っても、映画の基本が問われますから、けっきょく昔と同じでしょう。
あるとすれば、過去は専門性があったSF分野に、参入しやすくなったことで、まあデジタルシネマカメラの登場で、ダークバッグ扱えなくても誰もがフィルム交換できるようになったのと同じで、敷居だけは低くなったのは間違いがない。

猿の3DCGは、やっぱ難しいんですね毛だらけだから。
コンピュータのマシンパワー、要求される解像度が変化しただけで、二十年以上前と状況はかわらん様子です、猿はどうしても絵の中で浮いている。
ここでひとつ例をあげると、スクエアのゲーム、パラサイト・イヴは1997年だっけ、ムービーに登場するモンスターにも毛があるタイプいて、とくにネズミ怪物とかですね、最初は気合い入れてフサフサを再現してても、次のムービーではつるっとした元のボディに毛をテクスチャで描いただけになったりします。
そこから四半世紀、あまり変わらんということでして。
むろん自分が使っている無料の3DCG、Blenderでもできることなんですが、まあやりませんねほとんど。まず試す機会がないっす、めんどうだから。
いまや個人のパソコンも二十年くらい前のワークステーションを上回る性能だと思うけど、めんどうです。地面に草生やすくらいなら使いますが、モフモフ生物とかやろうとは、あまりなりません。
なにより自然に映るわけないと、やる前から思うとります。

今回のこの映画では、先述の通り猿が映像の中で浮いている次第。

いっぽうモンスター、つまり巨大トカゲはなかなかしっくり馴染んでますね。日本でもすでにシン・ゴジラが3DCGだったように、毛のないクリーチャーなら確かに「誰でも撮れる」ようになったかもしれません、それもかなり凝ったデザインで。
この巨大トカゲ、見た目はエメリッヒ版ゴジラにクリソツで、かなりのディティール。
エメリッヒ版は1998年で、そこから数年のちのゴジラファイナルウォーズでは「ジラ」として登場して、日本でも気軽に撮れるようにはなっとるわけです、まあクオリティをやや落とせば。

アサイラムという製作会社も、シャークネードあたりはもう弱小とは言えないスタジオになってるので、なかなか良いパクリゴジラですな。
しかもエメリッヒゴジラ対猿ですか、意味わからんけどなんか嬉しいじゃん、予想外すぎてニーズはなかったと思うが、あれば誰でも食いつきたくなる。

ちなみに「なぜトカゲや猿が巨大化しとるのか」というストーリー面はあまり語りません。
そこ重要じゃないんだ、B級は急いでいる怪獣ファン向けであって、モンスター化の理由はそれほど問わない。
また登場人物なども半ばトカゲに食われる要員なんで、これまた重要性低し。
昔からだけど女性主人公、ふたりがメインでアメリカは黒人系、ロシアは白人系という感じ。

まあロシア人とアメリカ人の対立は描いてるけど、アサイラムの映画は正直、「わかってやってるバカ」みたいなんで、テンプレロシア人の冷徹さと、アホのような動物愛護精神なアメリカ人がケンカするとゆう話で、ここ二十年くらいのアメリカ作品はそうですね、自国民は「俺たちヤンキーだから」的に愚かに描きます。
でもそこそこ面白いですね、ストーリー面はあまり語らないと言ったが、あえて例をあげると。
アメリカ人「それは誰の言葉?」
ロシア人「スター・トレックのセリフよ」
といって、いったん親近感をだしといて、実験が進むとやっぱロシアは無情で、
アメリカ人「それはスター・トレック?」
ロシア人「レーニンの言葉」
となり、最後はけっきょく和解するわけで、その過程で
アメリカ人「それもレーニンの論理?」
ロシア人「私の言葉よ」
という、テンプレ通りの心憎さが好感度みたいな。

先ほど「わかってやってるバカ」ゆうたが、怪獣対決もそうですね。
セリフで「チンパンジーがトカゲを倒したぞ」と言うんだけど、観ているこちらは「え、今の小競り合いで決着?」と呆然みたいな。
うん、わざとやっとるねアサイラム映画。
意図的にB級やってるんですよきっと。シャークネードなんかそうだったし。

なんかVHSビデオ時代に育ったんで、B級映画は低画質、という印象だったけど、そんなことないよね。配給側の扱いが酷くて悪いプリントのソフトが出回っていただけで、映画館で観ればフツーに高画質だったに違いないんです過去の底辺映画類も。
今回のロードオブモンスターは、それを思い起こさせますね。
ホント、画質だけは異常に良い。
あとは演じる側の腕がいいのは当たり前で、古来よりどんな怪物映画でも出演者はちゃんと頑張るもんです。不思議なもので。

あ、気のせいかもしれんがエメリッヒ版ゴジラに似た俳優さん起用していたような。

とまあ色々語るのもめんどいのでこのへんで。


●ブラック・レイン(吹替版)

↑後述するがぜったい字幕版がオススメ

アマゾンプライムビデオで、吹き替えだけ無料で観れたので、たまにはと。

何度も観ている作品なれど、吹き替えは初めてで(実はそうではなかったらしいのを後述)新鮮かも、思ったわけですが、それほどでも。
作品について、今ならわかる諸々も記しておきます。

いろいろテーマがあるっぽいけど、ひとつカオスなファンタジー空間みたいなものが現実に存在する、それがアジアなどの各都市なわけで、リドリー・スコット監督はそれ撮りたいんでしょね。
まず、1989年という時代について言うと、当時これほど優れた日本の描写はありませんでした。
そこ、今の人間にはサツパリわからんだろうから強調すると、邦画のグラフィックは低かった。
邦画ファンは怒るかもだが、事実です。

揺れないカメラワーク、ガタガタしない車載撮影、ドリードロークレーンの滑らか描画・・リドリー・スコットはクレーンあまり乗らない派だったっけ?まあいいや。
夜でもピントがクッキリな風景、どれもこれも日本じゃ無理ですた。
あいや写真みたいにキレイに撮るのは得意だったかもしれんが、映画としては完成度低かったのが日本映画の特徴で。
加えて言うなら編集、演出もそうで、ミュージックTV的な矢継ぎ早な絵も、日本じゃあモッタリとしかできんかった事実があり、例を言うなら「劇場版あぶない刑事」の冒頭ですね、あれは確か1988年だと記憶するが、ビバリーヒルズ・コップ、マイアミ・バイスみたいなカッコいいものをやりたかったんだろうけど、編集がスローすぎて・・・。

念のため、当時はフィルム編集だったからとか、そんな言い訳ができんわけです、海外も同じだったから。
さらに加えて言うと、リドリー・スコットというアメリカでもトップレベルの映像達人が手掛けてますからね、主演はマイケル・ダグラスだし、そんな大物が日本を見てくれた、というのも大きい。
今じゃあ世界中から大注目ですけどねジャパン。

有名なエピソードとして、夜中の大阪の街で、散水車を動員して雰囲気づくりしたという逸話。
好景気な時代でも、いやそれゆえか、映画産業は一致団結ではなかったようで、五十億円クラスだと超大作扱いとなり、そんなことも可能となる。
これ、いまわかったが、リドリー・スコット監督は画面の密度を上げたかったんだ。
夜中の繁華街だと、大量エキストラとか不自然なので、仕方なく路面を濡らしたのかと。するとネオンや電飾など街の明かりが路面に反射して、絵の情報量が増える、そーゆーことでしょう。
まあ私なら夜中、人通りが少ないのなら喜んで、スッキリした絵を撮るでしょうね、常人ならそうなる。

やったらゴチャゴチャしたもん撮ろうとしたんだこの監督は。

でもってとりまテーマっぽいのみっつあげると、ひとつ目は今言った映像充実として・・・ふたつ目はこのカオスがどうして誕生したか、という件で、要するに日本には伝統や仁義があったのだが、敗戦でアメリカの価値観に汚染されてしまったため、こーゆー混沌が生まれた、これを劇中用語で黒い雨とゆう。
映画感想のライムスター宇多丸氏の分析だとリドリー・スコット監督は世界観構築に熱心なようで、そうして出来たバーチャル空間に主人公をポイと放り込んで反応をみる、という趣向だそうで、この映画はまさにそれ。

ともあれ、ブラック・レインという題名は伊達じゃないという。

みっつ目のテーマは全く違う主役ふたりの友情だけど。
マイケル・ダグラス刑事と高倉健刑事、ちょいワルどころかヤヴァいアメリカ人と真面目な日本の警官、とーぜんウマがあうわけもなく、とくにマイケル・ダグラスが犯行現場の現金をくすねたところで決定的な溝が生まれますが。
そこから先がもう友情のインフレがスゲえwww
ふたり揃ったエピソードが、すべて友情レベルアップですから、どんだけ〜って思うww

現金は偽札だと判断して無断押収したマイケル・ダグラスの釈明、異様に有能な潤滑油だったアンディ・ガルシア刑事の死、そこで違法は承知で拳銃を手渡す高倉健刑事、協力して犯人松田優作を追う展開、そこから担当から外されてももどってくるふたり、最後には復習に燃えるマイケル・ダグラスが、しかし高倉健たち日本警察の流儀に習って犯人を殺さず、最後には汚職刑事だったマイケル・ダグラスが改心するという、ホント、友情のインフレ率が果てしないw

何気に良いシーンとして、露天でうどん食うところで、ここではじめて、汚職をはぐらかしていたマイケル・ダグラスが高倉健にゲロったんですよね、顔に「本当は後悔している」と書いてある。
ここがひとつ、決定的な友情確立ですね。

ちなアンディ・ガルシアが潤滑油役だったということだけど、アンタッチャブルではショーン・コネリーがそうでしたね。ブラック・レインでは当時の新世代、今どきのオサレで調子がいいが、誰とでも打ち解ける28歳を、アンディ・ガルシアが演じてました。

とまあ、素晴らしい作品なんだけど。
吹き替えによって、なんかチグハグになったですねえ、そーいや過去、テレビ放送でも同じようなこと思ったかもだけど、英語を話せないキャラ、日本語がサッパリな主人公たち、その関係がぜーんぶ吹き替えだから見えなくなる。
さらに表現がまったく違って、英語サツパリな人間でも、こりゃあ字幕版のほうが正しいだろ、と思うわけです。
ジャパニーズスマイルでやったら人差し指をフリフリする刑事にマイケル・ダグラスが「指をちょん切るぞ」と言うシーンは、吹き替えで「ぶっとばすぞ」になったりして、なんで変更したやらです。

ついでに言うとマイケル・ダグラスと高倉健、オヤジふたりの友情が売りなのに、マイケル・ダグラスの吹き替え声がやたら若いのも減点ポイント。
この映画は松田優作の、確か遺作だっけ。とーぜん優作ファンには重要な作品なんだけど、吹き替えだとせっかくの怖さが目減りしますよね。
途中まで無口で、英語なんてわからんだろ思ってたが実はぜーんぶ理解していたとか、そんな雰囲気が吹き替えでは台無しとは言わんが・・・いや台無しか。

という感じで、もう十回は観た映画で、公開当時から評価は変わらず高いですが、吹き替えはあかんですね。

そんなわけで。


●トータル・リコール(2012)


アマゾンプライムビデオで視聴。

いくつか語ることあるが、まづ当時、今から十年以上前くらいだけど、リメイクの話がいくつかあって、けっきょくマスターズ・オブ・ユニバースつまりヒーマンは実現せず、こっちのトータル・リコールはじっさい映画化になったこと、後々にわかったみたいな。

次に前作、アーノルド・シュワルツェネッガー版だけど、これは1990年だっけ。
今は当たり前の一億ドル級の映画は、当時としては「採算とれんのかよ」と疑問つうか、途方もないプロジェクトなんでそら恐ろしい感じでしたね、今じゃあ「あり得るのか」と納得ですが。
監督はバーホーベンだっけ、火星を舞台に、記憶がテーマなストーリーで、でも画面に映っているものはすべて現実と解釈すれば、とりま理解はできる仕組みになってます。
「実は・・・」という別解釈もとーぜん、付属しますが追求しないことにして。

でもって当時はそこそこ、映画情報もみたんで、成り行きは知ってます。
古くからの古典SF小説の短編が原作で、「記憶が偽物だった」というところまでが本来らしいっす。
どうやら有名らしく、テレビアニメのスペースコブラ第一話つうか、ジャンプ掲載の原作第一話もそうでしたね、まったく同じ話で、要はパクリなんでしょね。
あるいは技術が発達すれば、誰でも思いつくことなのかもしれない。「記憶が偽物」までは昔ながらとしても、今では科学文明なんで、「かような機械があるのかもしれん」となるわけで。

他に短い短編が映画化というと、唯一知っているというか、オリジナルを読んだのが007の「リビング・デイライツ」ですね。映画でいうと恒例の魅せオープニングの前にあるプロローグ部分が原作で、あとはぜーんぶ映画オリジナルなストーリーという構成で、これがトータル・リコールと同じというわけです。ダブルオーセブンシリーズはだいたい原作読んだけど、これなんか良い方で、オクトパシーに至ってはタコ要素しか受け継いでいないので、ほぼ原作無しな映画化っす。
トータル・リコール原作は知らないので、どこまでどうなのかわからんかったが、今回の2012では火星ではなくっって、地球上で毒のない居住区域ふたつ、ヨーロッパとオーストラリアという話になっとります。つまり原作に火星はなかったんだと推測。

じゃあ、もう、どうとでも料理できますね。
また別なトータル・リコールを誰か作って欲しい。
まあ今回視聴した2012版は、けっこー雑な映画でしたけどね、あんがい映像は充実なんで、けっこうな超大作みたいですが、話はわりとテキトーな。
でもって前作のシュワルツェネッガー版のアレコレをけっこう引き継いでいるんで、原作がどこまで語ったのか、やや気になる。
小説にもコーヘイゲンとか登場したのだろうか、という感じで。

先にアマゾンプライムビデオについて語ると、変な配信でしたね。
再生してオープニングがなんだか変で、どうも世界観を説明しているっぽいんだけど、字幕でねえし、思わず停止して作品ページを改めると、「再生中に音声、字幕を変更できます」という・・・なんで手動なんだよ、デフォルトで英語音声日本語字幕にすりゃあいいじゃん。
でもってページには一時間五十何分と記してあるのに、再生始めると二時間何十分もある。そう表示されている。
じっさいには一時間五十何分が正解だったようで、何がなんだよ、という感じに。
もし映画の「何が本当なんだ!!」という雰囲気を視聴者におすそ分けなら、要らん配慮や。

また映画そのものも雑と言ったが、映像はクオリティ高いけど無駄なカーチェイスがあって、まあここ二十年くらいのお馴染みなんだけど・・・007の2000年以降作品カーチェイスであっても、スター・ウォーズ、エピソード1のポッドレースやハリー・ポッターのクィディッチ試合とかでも、テレビ放送みてるこちらは席立ってお茶いれる時間にしてます。いつも自然とそうなる。
ルールもよくわからん小競り合いとか、観てるほうは退屈なんですわ。
このたびのトータル・リコールでは、凝ったSF未来カーのバトルなんだけど、どんなスペックでどんな交通ルールなのか知らんから、どんだけ派手でも興が乗らんみたいな。

凝ったSFゆうたが、先に雑な部分もあげておくと、コンテナみたいなエレベータゆうか移動装置、危険すぎだろ。ここで追跡劇になると、誰も彼も轢き殺して、まあロボット兵がほとんどだが、エレベータ内に腕だけ残して、前作でいう「パーティーで会おうぜ」状態ですわ。
いくらディストピア設定だからとて、そんなあぶねえ装置が市内にあるもんかね。

他にもヨーロッパとオーストラリアをつなぐ「支配装置」フォールだけど、後で判明したがあれって唯一無二なんですね、てっきり複数あるもんだと・・・。じゃあそれ止めれば支配も止まるやん。
で、じっさいその通りな展開なわけで。
つかあんな巨大エレベータ、よく爆弾で破壊したなというか、フツーに考えれば無理なわけで、方法論としてもランボーすぎるし、だから「雑」と評したんです。

あと支配層ヨーロッパと、搾取されるオーストラリア、デザインに違いがないので困る。
白と黒、あるいは赤と青など、カラーで差別化くらいが、観る者にはありがたいのだが。
けっきょく主な舞台はどっちだったっけ、未だにわからん。
つか植民地みたいな状況だと説明はされていたが、あっちとこっち、別な国家なんか?
侵略戦争をはじめるくらいだから、まあそうなんだろうけど・・・。
向こうは事実上の宣戦布告みたいに報道されていて、それでも唯一の大量輸送であるフォール周辺の市民はまったく避難していないってのもヘンというか・・・これは映画あるあるですね。
トランスフォーマーのパニック市民もそうですが、「いつまで最前線を走り回っているんだよ」という感じで、大混乱を説明する記号になっとるわけです。
いや昔の映像作家もやるけど、すんげえパニックの直後、だーれもいなくなるという表現でした。チャップリンの独裁者が代表例で、それが当たり前の考えでしょう。

シュワルツェネッガーだと「これで離婚だ」という役どころの鬼嫁は、なかなか美女だなあとオモタら、ケイト・ベッキンセイルでした。白人で美人は珍しいので、稀有な女優さんですね。
私は差別大好きなんで言えますが、中東系とかアジア系とか混じってる方が美女で、ここ何十年かのハリウッド映画はそうなっとります。
ま、差別大嫌いを自称する人々の間でも白人差別はトレンドなんで、無問題発言ということで。

悪い部分も言ったけど、SF考証は面白いのもありますね。
目玉発射とか拘束弾丸とか。
また「キーを探せ」というのがマジでピアノの鍵盤だったとは・・というのは、映画的にはわりとあるあるなんですかね、自分的には意表つかれました。

あと「停止コードは存在しない」というのはつまり、オーストラリアに送られるロボット兵五万が、一斉に戦闘中止することはない、という意味で、それはつまり先ほどあげたスター・ウォーズ、エピソード1の批判でしょうね。そんな全メカを無力化とか、ありえねーっしょ、という、あの映画を観た全員の頭によぎったことをこの作品でやったのかと。
でも代替え案がフォールの爆破ってのも、しつこく繰り返すが雑なんですよね。

まあそんな感じで、わざわざ正座して観るほどでもなかったと後で思う。
しかし面白くないわけでもなく、またケイト・ベッキンセイルが見れたからいいや、みたいな。

そんなわけ。


●アンタッチャブル


なんだかブラック・レイン吹替版で懲りたんで、こんどは字幕版を視聴したくなった。
うまいぐあい、アマゾンプライムビデオにあってよかった。
確か1987年だったと記憶、ブラック・レインより少し前だから、ここで人気出たアンディ・ガルシアがブラック・レインにも登場、といった感じだったような。

先ほど書いたと思うが、アンタッチャブルではショーン・コネリーが皆の求心力となる天使役だったのが、ブラック・レインではアンディ・ガルシアというわけで、でもアンタッチャブルの役どころもいい感じですな。

アンディ・ガルシアだと、登場シーンとか萌え以外の何物でもないやん。
ショーン・コネリーの「コイツ、イタ公だぜ」という挑発からのガンマンのような早業披露、警察内で先輩に銃を突きつけるという壊滅的かつ致命的、転職マガジンデューダ必須な失態なのだがそこからの「気に入った」スカウトという。
ケビン・コスナーもあきれた顔で「はいはい気に入った気に入った」という感じも「規格外の逸材を集めてるから仕方ない」というわけで、ほんといいシーンです。

なんかブラックレインからの流れで観て、でもじっさいにはVHSテープで何度も何度も視聴しているので、そんな新鮮味はないですが、やっぱ面白いっすね。
最初は三軒茶屋のミニシアターで観たんだけど、あのオープニングは衝撃的でしたね、影から映して、まーさかタイトルロゴだったとは!という。
カラー映画になってからか、映画タイトルロゴは立体的に、派手になって、究極はたぶんスター・ウォーズやスーパーマンあたりでしょうか、もう慣れていたはずなんですけどね。
ゴジラシリーズだと怪獣総進撃あたりがもうスゲえ立体的に。
余談ながら1989年版バットマンでは意外や意外、ティム・バートンでかなり鳴り物入りなのに、あんがいおとなしいフツーなフォントで「BATMAN」と出たので「あれ?」オモタが、背景の謎峡谷の移動撮影が引いていくと・・・巨大なバットマークでしたあああ!つう裏切らない演出。

タイトルロゴさらに語ると、他に衝撃的なのはラスト・アクション・ヒーローの劇中劇、「ジャック・スレイター4」の、ひたすら破壊的なオープニングですかね。衝撃的というか笑撃的なんですが。

なんか繰り返し観た作品なんで、なるべく短くまとめたいが、そうもいかんなアンタッチャブル。
なんでそんなに観たかゆうと、ほらほら本屋とかでも映像コンテンツ扱うやん、わりと安い盤を並べて売ってたりするやん、ここ十年くらい本屋行ってねえけど。
そのハシリが80年代で、流れが急激すぎて説明がやっかいだが、80年代初期・・・例えば1982くらいまで映画をビデオパッケージで買うとか高価すぎて無理、な感じでした。
一般に出回ったのは一万円超え、14800円とかが標準的な映画ソフトで、最初にビデオソフトを売っていた東京の専門店では四万円とかあった、というウワサもあります。
この、14800円はしばし続いたと思うが、ゆうても数年ですね。
その中で例えば巨神ゴーグはテレビアニメでは珍しく全話詰め込み販売で、確か第一巻は五話入りだったような・・・それで価格が一万一千円くらいで価格破壊よばわりでしたからね。
そこから数年後の機動警察パトレイバーで、オリジナルビデオアニメ三十分くらいが五千円という感じになって、これまた価格破壊ですが、革命すぎて賛否両論ありますね。
当時からアニメーターの奴隷労働が問題になって、アニメ雑誌の記事にもなったくらいなんで。

で、そうしたメインのビデオソフトとは別に、ややクオリティを落とした版が、確か3800円だったかな、有名映画いくつかラインナップで、本屋に並ぶようになって・・インディー・ジョーンズシリーズはラインナップにあったかな、スター・ウォーズは営業が慎重なんで安売りはしない気がするが、どうだったか。ともあれ、その中にアンタッチャブルがあって、それ、買いました。

でもまあ画質は悪いようだし、年に一度も視聴しなかったような覚えもある。
トリミングも大胆というか、映画館だとワイドスクリーンを強調して、ゴーストバスターズもそうだけど主役四人が横にズラッと勢ぞろいすると映えるんですよねワイド画面は。
あーでもアンタッチャブルにあったっけ四人揃い踏み。
決戦場であるオデッサ階段駅に向かうときはもう二人でしたし。
ともあれVHSテープ版のトリミングは、安いバージョンもそうだけど、もうワイド画面を諦めて、完全にテレビサイズであるスタンダードに編集、そのため独自のシーンがあって、最初のガサ入れが成功して皆が店で葉巻吸ってるとこ、記念写真撮るやん。
そのスチル写真はワイドスクリーンなやつをオリジナル編集で織り込んでるんです、VHSビデオ版では。完全に別物に見えますね。

このたびアマゾンプライムビデオで観たフルHD版では、確か映画館版がそうだっったように、フツーにシームレスに本編とスチル写真が同サイズで、続く怒りのカポネシーンへオーバーラップとなります。
ワイド画面バンザイですね、いい時代や。

余談ながら実は原作つうか、エリオット・ネスの回顧録みたいなやつも読んでいて、当たり前だがまったく違うんですなこれが。有名なのは「じっさいのアンタッチャブルに殉職はいない」だけど、まあ運転手が亡くなっているので、それ含めないのはどうよ、と思うね。
本来は十名で、映画だと先述のとおり映えるので四名なのかな。
それよか気になるのが原作での必殺最終秘密兵器、アーマードトラックが、映画ではいきなり最初のガサ入れで登場、しかも「コイツは役に立たん」という結論になっとる。
ええ、原作というから実話なんでしょね、密輸、密造で働いている犯罪者の巣窟、アジトを、装甲トラックでシャッターぶち破って奇襲するのが最終手段で、これ繰り返してギャングを大量逮捕し、密輸ルートを次々つぶしたわけで。
映画だとあんな扱いになるんだ、という。

あとは・・ウォレス死んだとき「TOUCHABLE」と血文字で書いたの、ウォレスなのかビリー・ドラゴじゃなかった、殺し屋ニッティだったのか、未だにわからんという。
なんせどちらでも意味は通じるから。
いちおうウォレスは見せしめで不自然な吊るされ方してるんで、じゃあニッティなのかなとも思うが、血文字で書いてる余裕あったんかな、とも。手袋汚れるし。

いろいろ綴りたいがめんどいのでこのへんで。
このアンタッチャブル、名作風味な名作ではなく、どちらかというと娯楽作品に振り切った感じなんだけど、好きですね。逆にその割り切りが好感度ですわ。
また名高い役者揃えが活きた、そんな好例でもあります。

といった感想。


●アフリカの女王


たまにはカラー映画も、という気分になって。
あいや順を追って語るとですね、アマゾンプライムビデオを何気なくチェックしてたら、「昆虫怪獣の襲来」が視聴途中になっとるのに気づき、これまた何気に再生ボタンを押して、やはり何気に「最初からみっか」となって。
タイトルや巨大スズメバチの造形などから底辺B級映画に思えそうなこの作品、わりと低予算ではなく、大量の部族が襲来するのは見応えだし、普通にアフリカ探検が面白いですね。
これが白黒だったので、なんだか「カラー映画観たい」と思って、リストの中からアフリカの女王をチョイスみたいな流れ。

そうしてみると、昆虫怪獣の襲来とやや似てますね、アフリカ冒険という点で。
ひとっ風呂でヒゲそって「生き返ったぜ」という場面も、定番なんでしょね。
細かい描写というか、重箱の隅をつつくのが映画の楽しみなんで、ここでもシェービングアイテムについて語ると、昆虫怪獣の襲来はロケット時代で、主役は科学者なんで、アフリカでヒゲ剃るにもジレット型なT字カミソリで、アフリカの女王はいま調べたら時代は第一次世界大戦という設定なので折りたたみの西洋剃刀ですね。
主役のハンフリー・ボガートはその扱いを映画のために習得したのか、それとも50年代の男たちはフツーに西洋剃刀使えるのか、鼻歌気分で軽やかに剃ります。
ちな、この映画では無精ひげの運び屋といったボガートも、このシェービングで「いつもの」ハンフリー・ボガートになるわけで。

観たあとで「第二次じゃなくて第一次世界大戦かあ」となったのですが、昔からドイツ軍横暴だったんですかね。そんなキャラ設定。
またキリスト教宣教師が世界中どこでもいるのも同様で、その宣教師がドイツ軍にやられ、布教している村の連中は男どもだと兵士として徴用、残りは逃げたみたいな。
宣教師は「撃たれたわけではないが同じこと」という、まあ殴られたんですが、ドイツの悪どい所業の数々、こりゃあ1980年代になるまで賠償を求めるような案件ですね。まあ米英の目線からみた物語であり、被害者という名のイギリス人宣教師そのものも、探してみるとけっこー各地で迷惑かけたと思うけど。
そして宣教師の妹だけが残り、久しぶりに来た運び屋ハンフリー・ボガートと一緒にここを出る、わけだけど、そこからが驚愕展開。

ボガートが言うにはこっちもあっちも敵陣で行けない、川を下るのは急流があるし、何より湖には戦艦がいるので無理、ということで、いちおう観ていてツッコミどころ多数なんですが、いったん置いておきます。
宣教師の妹、キャサリン・ヘップバーンが言うには「川下りして戦艦も撃破しましょう」という・・・こんな発案、予想外にもほどがある。
ハンフリー・ボガートもあきれますが、打ち合わせの結果、可能かもしれないと。

なんだかね、まず湖のロケーション聞くとたいへん広いようで、アフリカだからそらそうか。
じゃあ、湖にドイツの戦艦ルイザがいるから移動は無理、というほうが無理というか、まず戦艦が巡回しているなら、周囲にドイツ軍の拠点が複数あるってことやん、じゃあ戦艦を爆破したあとは泳いて岸に・・・というのも無理がある、となり、逆に湖畔は敵がスカスカであるなら、こんどは戦艦を撃沈する必要もないわけです、広い湖で、遭遇するのも難しいでしょうから、やり過ごすのがベターじゃねえかと。
またじっさい湖シーンになるとえらく浅くて、湖というより沼にも思えるのだが・・・。
そうでなくても川にも入る船、ということで、ドイツ戦艦ルイザは日本で言う砲艦、という感じになるのではないかと。
で、映画に出てきたそれは、おそらく木造なのではないだろうか、砲艦でさえないやん、そもそもでかい大砲とか積んでるんか、単なる連絡船ではないのか、色も白いし・・・。
とまあ、ツッコミが止まりません。

いちおう、特攻野郎Aチーム的に、蒸気船アフリカの女王を魚雷に改造するのだが、失敗。
嵐で沈んで、ハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンは遭難して、それぞれ別に捕まって、けっきょく当の戦艦ルイザに連れられて。
そのさい、アフリカの女王は転覆はしたものの、沈み切ってないんです。船艇が水面に出ていて、どんだけ浅いんだこの湖。
それを航行する戦艦ルイザも、やはりとくべつ喫水線の浅い砲艦クラスであって、主砲とかないなら戦艦でもないだろ。

捕まったふたりはドイツ軍によって絞首刑となるが、その前に結婚しようというボガードの提案。
ちょうど刑を執行するドイツ軍船長も目の前にいるし、挙式は可能。
船長にそんな権限があるというのはよく聞くが、古い映画でも定番ネタなんですね。
で、挙式と絞首刑が同時進行、オモタら先ほど沈んだ、魚雷に改造されたアフリカの女王がルイザの進路に・・という詰め込みクライマックス。

なかなか強引なロマンスで楽しめるが、やりすぎ感もありますね。
造ったようなロマンスはつまり、同じハンフリー・ボガートでもマルタの鷹で演じたサム・スペードとは正反対なわけで、まあ私情で美人依頼者を見逃したりしないサム・スペードが別格ストイックなだけなのかもしれんが。

ともかくアフリカ探検の要素がたくさん詰まっていて、とくに川下りはのちの映画でも定番化したのでは、と思う。インディー・ジョーンズも何度か下ってないか、みたいな。
いい絵、というよりいい顔が撮れるんですよねこのシチュエーション。
俳優さんが勝手に「うっぴょ〜!!」という表情をするのか監督の企みかはわからんが。

無事というか無事ではないのだが、戦艦ルイザは轟沈。
でもみんな水に投げ出されただけで、ドイツ兵が死んだ描写もなく、例のふたりはアタフタする敵兵はほうっておいて、勝手に岸にむかって泳いでゆくラスト。
だからだだっ広い、160キロかける90キロだっけ、この湖で、敵に遭遇するほうが難しいだろうに、なんでわざわざ戦艦爆破してるんや、その証拠に岸に泳ぎ着けば脱出完了なんで、じゃあ敵の密度が低すぎるってことじゃん。

そんなツッコミはさておいて、やっぱり楽しめる作品ですね。
まあハンフリー・ボガート的には名作ってほどでもなく、当時の標準的な、ロマンスが売りの甘い映画って感じでしょうが、ちゃんと川下りなどのアクションもあるし。

他には・・・。

アフリカの女王はあんがい小さい蒸気船、確か劇中ではスチームと言っていたが、独特のキャラクターはありますね。炭鉱や街を行き来するため、大人数ぶんの物資を搭載していて、すくなくともハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンふたりの逃避行には困らないだけの食料、物資があり、これで物語の方向性があるていど決まるんです。サバイバルはそうだけど、食料確保に特化するほどでもないストーリーデザイン。
また時々ボイラーがプスプスなって、ボガートがガンガン蹴って直しながら運用するが、本気なのか冗談なのか「誰それが中に工具を落としやがった」「分解して工具を取ろうと思ったが、蹴るのがあんがい楽しいんで放置している」とかなんとか。
要するに、明らかに、制作側が意図的にクセを与えているんです、この船に。
キャラ作りとか萌えとか、そんな用語は昔なかったが、概念はあった、と思っていて、これもそうですね、船に個性を付与している。


それにしても1952年だっけ、けっこうロケ技術が発達してるんですね、カバンサイズの、携帯型テープレコーダーとかこのころあったっけ。
あるいは野外撮影ぶんはアフレコなのかもしれん。

という感想。


●アトラクション 制圧


あんがい低予算底辺映画じゃなくて残念。

いま数日間、バンダイチャンネルもアマゾンプライムビデオも期限切れなタイミングなんで、YouTubeの無料コンテンツみとる次第。
ジパング十三話までというのも視聴してるけど、同じように期間限定タダな映画があったので、という感じですはい。
まあタイトルから、やや躊躇したんですよね。
「UFO -侵略- 」(ジャン・クロード・ヴァンダムが出演して、わけもなくパチンと弾けて死んだやつだっけ)とか「スカイライン -征服-」とか、似たような題名が多いので、「はて、これ観たっけ」という具合で、ためらってしまうわけです。
しかし触れ込みとして「最新SFX」とかなんとかゆうとったので、じゃあ観ていないかな、というふうな流れなわけでして。

まあそれはいいとして、内容的には・・いまぐぐって調べると2017年ロシア映画となってました。
ロシアが舞台で言語もそうらしいので、そこはわかりますが、製作年はそうだったのか、という。
劇中のiPhoneがやや古いちゅうか、まあiPhoneSEか5か、という見た目が多く、ロシアは中古が多いのかなオモタが、製作年が2017ならナツトクだ。

ともあれ、最新SFXということは低予算底辺B級映画じゃあないわけで、そういうのが好きなむきには物足りないとも言えます。
常識的になって、少しでも良い映画観たなら満足しておくべきでしょうねここは。
低予算ではないということは、脚本もマトモです。
だもんでツッコミどころで楽しむ映画じゃないですね。脚本はつまり人件費と時間を要しますから、低予算だとユルい話になりがちなんですが、今回はちゃんとしてる。

地球の静止する日・・自分的にはキアヌ・リーブス版の「地球が静止する日」のほうが馴染みなんだけど、そんなふうに、ひとりの異星人が来訪するストーリーです。
イフを描くのがSFなんで、基本的になんでも楽しめるが、ロシアが事故で降りてきた宇宙船を、町中に撃墜するもんだから大騒ぎ、ということで、そのへんの映像は確かに充実してますね。

円盤もとい宇宙船はみっつのリングがぐるぐるという、まあCGの基本みたいな仕様ですが、これは昔から「特定の物質を回転させれば浮遊する」オカルト系都市伝説の定番なんで、それを元にデザインしたんでしょうね、でもそのリングがあることで、墜落の際に街への被害が凝った絵になる。

異星テクノロジーのパワードスーツも悪くないデザインゆうか、アニメっぽいかもしれん。
全体的に表現が素っ気なくて、これがアメリカだったら・・・例えばX-MENシリーズだとワケもなくパチンコ玉みたいなのが大量に敷かれたテーブルモニターがズザザと立体的に地図を映し出すという無駄極まりないことやったりして「3DCGスゲえだろ」と主張がスゴかったりするのだが、このロシア映画のパワードスーツは人の顔イメージを多重露光みたいに映したけど、顔にあたる部分のたくさんのピースがザザザと並び替わって中の人の表情を伝えるみたいなことはしなかった。

また水だけ入ってたんだっけ無人パワードスーツ。
じゃあロボットやん、思うけど、暴徒と化した市民と戦うにも、なるべく穏当にしようとしていたのはさすがアメリカ以外の外国映画だと関心だわ。
あんだけ強いのだから、大量の人々を大虐殺とか、ありそうにないとわかっててもやるのが一般的な興行だろうが、それはアメリカなどの法則であり、普通は、SFは、こうなるよね。

有人のパワードスーツも、むっちゃ強いんだけど、軍の指揮車は壊せないんだ、というリアリティ。
これに乗った男も、まあ逆上して道を間違えたんだけど、フツーに逮捕で終わるという節度。
で、SFとしては宇宙人の世界では、地球は物騒だけど不思議でもあるとこなんで非干渉という決まりとなっていて、だから来訪して撃墜されたこの男は異端なのだなとわかる。
不死ではない人生って興味深い、そんな理由だったっけ。
ちな元をたどれば地球人と同族らしいとも言ったが、詳しくは語らず。

ユーモアとして面白いのは「言葉に詰まったら笑ってごまかせ」言われて、後々そのとおりにする宇宙人というワンシーン。
また映画そのものとして興味深いのはロシアという舞台ですね。
かつて憧れた「雑なアメリカ」しかし本当に雑な、例えばイギリス人からみればアメリカ人は几帳面すぎるとのことで、じゃあ雑な超大国は映画の中だけで、実在しないのか、いや映画も我々日本人のメガネで観るからそう思っただけで、違うのかと思ったが。
いやあ実在しました、雑な超他国。
中国とロシアがあるやん、ということです、はい。

だから映画とはいえ、ロシアを観るのは楽しいもんです。
今回の作品も、アメリカと違ってあまり飾らない町並みなどが魅力。
いやアメリカもみんな貧しかった1970年代まではあんな雰囲気でしたっけ。
ま、今のアメリカも配信動画などでチラ見したら、昔どおりに汚かったですけどね、ニューヨークだったっけ。いまアメリカは政治の迷走で歴史上類を見ない混乱だそうで、そのせいなのか、二十年ほど前からニューヨークなど米国都市は「今はキレイだよ」と聞いていたが、実はずっとそんな程度なのか・・なんだか実態がわからん。

ロシアは今でもコンクリート打ちっぱなしみたいなのが多数ある、質素な感じみたいです。
映画の中でそうなっとるもん、たぶん事実かと。

アトラクション 制圧・・「この手の」タイトルの慣例として「アトラクション 侵略」つう、ちょい変えただけの続編もあって、どんだけつながりあるかわからんが、じゃあ観ようかと思います。
邦題だと思うけどね、アトラクションなんて「どんな意味よ」ってなるもん。
などと思って原題の「Prityazhenie」をグーグル翻訳かけたら、意外や意外、ホントにアトラクションでした。何がどうアトラクションなんだ、ロシアでは別な意味合いとかあるんか。
じゃあこれまでの「スカイライン〜何々〜」とか「イグジスツ 遭遇」とかもそうなんだろうか。
調べる気にもならんが。

という感じで、本来的な感想はいまめんどいので、このへんで。


●アトラクション 侵略


いやーそうきたか。

続編を観たんだけど、正真正銘、パート2でした。
つかオープニング終わっても前回のあらすじを延々と、しかしCG処理されたわりと贅沢な映像で語っていて、ちょい長すぎやろ、思うのだが。
要はダイジェストであり、なーんか別な方法で「あの事件から三年後」と切り出せる気もする。
理由は、こと細やかに語っても、前作観てない人々にはけっきょく伝わらないと思うんで、イキナリあれから三年後で足りると思うわけですはい。

まあいいや、ともあれ前作の出演者がそのまんまで再スタート。
こんどはソールという輪っかを複数回した宇宙船ではなく、何倍も大きいラーというやつが来て、まあタイトル通りの侵略ではないが、似たようなもんですね。
AIだから杓子定規な考えで行動します、という感じではあるが、やっぱ前作どおり最初はけっこう穏当なんですな。

可能な限り影響は少なく・・・という前半戦は、まずソールからして市内の電話すべてを把握していて、どの番号にかけてもこちらの声紋を瞬時につかまえて、つまり電話なりパソコンなりあればどっからでも指示が可能というか、逆に言えば地球の情報は筒抜けという。

この技術をラーが使うと、地球の軍隊にニセボイスでニセ命令を出し邦題、意のままに動かせるわけで、目的は前作からの主役、ユリアを抹殺すること。
軍隊だけではなく、民間人にもあらゆるニセボイスが出回り、日常会話がもう書き換え状態。
繰り返すが目的はユリア抹殺なので、その日常会話が「それはそうとユリアは許せないよね」と、けっこームリヤリな洗脳を試みて、完全にテロリストに仕立てようとしている。
どうでもいいが昔、「それはそうとカルタゴは滅ぼさねば」というネタが売りの政治家がローマにいたな。つまり話のもって行きかたが強引でしょというユーモアなんだけど、それが、その無理論法がこの映画では市民の電話で使われて、もはやユリア個人が全国WANTEDに。
人類側にユリアを狩り出させて、仕留める目論見。
いわゆるルパン・ゲーム的になってきて、街のパネルがもうユリアの顔だらけ、コイツを探し出せという指名手配状態、さすがにおかしいと思う者もいる。
デジタルを支配するとこうなるという、SFが面白いですね。

これに対し人類は、じゃあデジタル捨てるわって、あっさりスマートフォンを回収。
箱もった係員が来てみーんなそこにポイポイする光景は、ほんとアッサリな連中や。また街でもあっというまにデジタル捨てて、アナログな活動に転じるという、ロシアだからできるのかな、中国だったらデジタルにドップリだから難しいような気もする。アメリカや日本はあんがい、数十年前の遺産を捨ててないことがあり、やっぱり可能かもしれんがまあいいや。

とにかくデジタルに対するレジスタンスみたいな連中も活躍して、だんだんと人々は正気に戻るかと思いつつ、やはり少数は騙されたままで・・。
そんな中、意外な人物が洗脳されとる。
元々ユリアは異星人の腕輪を継承して国の研究対象になってたが、その護衛でかなりリアリストだったように見える堅物、イワンがニセボイスで引っかかったという。
こーゆーのが敵にまわるとやっかいなんだよな、客観自慢なくせに実は思い込み激しいし。

まあこれはクライマックスまでに試練を用意する脚本で、それなりに見どころになるが個人的には重要ではないですね。
それよかデジタル支配が崩れつつあり、なおかつ自分にもミサイルぶち込まれたラーは降り立って、街を水で攻撃するという。
ここからハリウッド超大作みたいなムダスペクタルがはじまるんだけど、街が水に沈み、なおかつ上空にも水が溜まってるんです。つまり上と下、両方が水没して、いづれ地上30メートルのところで合流、完全にすべてが終わるだろうという話に。

絵はスゴいんだけどねえ。
せっかくSFが(アメリカ産映画に比べると)秀でていたのに、絵面で勝負かよ、と思う。
じっさい水でサンドイッチとか、技術の説明はなかった。
前作からもそうだけど、なぜ異星テクノロジーは水を操れるのかはあまり語らず、ただ自身を構成する物質のメンテナンスは乗員であれ乗り物であれ水を使うから、周囲にある多少の水は動かせて当然、とは思うわけで、でも今回ラーが街を包み込むほどの水を動かして、なおかつ上空にも水が貯まるってどんな理屈だよと疑問です。
だって本当に攻撃が目的なら水は下からで足りるし、物質を、その性質を保ったまま上空に保持するのは、エネルギーはもちろん、コントロールが難しいというか、ムダな行為じゃないかなあ。
工業の世界でも水を運んだりするさいは、硬い容器に入れたり、やはり硬い筒つまりパイプや護岸工事された水路に通したり、北国では凍らせたりして、それで動かすもんです。水を水のまま浮かせて運ぶならたいへんな技術が要るというか、現代科学じゃあ無理だし、異星人だって苦労するっしょ、表面張力とかそのまんまで、横から下から航空機が突っ込めばフツーに水難するって、まあ重力を細かく設定すればできなくもないだろうが、先述のとおり下側で大洪水ですむ話なんで、ムダ。
うん、この件はやっぱり絵面優先、ハリウッド興行みたいだという評価っす。

また買い物がわからない、という宇宙人ギャグも、そうなのかなあと思う。
最近だと(作品は最近でもないが)ウルトラマンギンガSで、地底住民が地上の売り物を勝手に持っていこうとして、買い物という概念がわからないらしいのを描いてきたが、ホントにそうなのかなあ、と思う。通貨というものがわからんでも、そうはならんだろと。まあいいや。
今回はちょいと微妙で、宇宙人が買う前にペットボトルあけて試し飲みしまくって、でも治療に純粋な水が必要なんで、緊急事態ともとれるわけで、宇宙非常識というギャグとしては弱い。
あとはロシアの買い物ってレジでポイントとかカードとか作りますか、ってウザいのかな。それで宇宙人がイラッとするというギャグが。

ロシアでもハリウッド的超大作を目指すのはいいけど、その目指すところが80年代以降のハリウッドなんだよね、そこがやや不満や。
日本も中国も、いや世界中どこでもそうなんだけど・・。
そう考えると宮崎駿監督のナウシカとかラピュタってスゴいなあ思うね。いやあれもフルオーケストラ風味なハリウッドテイストはあるけど、基本的には昔からの映画、順当進化だから。
いやまあアメリカにもけっこういると思うけどね、真っ当な映画屋は。
フォルテシモで強引に感動〜というのを嫌うってほどでもなくて、フツーの映画が観たいというだけです、我々一般視聴者は。

ゆうてもやっぱりロシア映画はまあ、悪くないですね。
何より外国の風景が見れる、そんだけで映画って価値があるもんで。

今日は忙しいんでこのへんで。


●ビッグ・バグズ・パニック


過去に観て、あまり良い印象がなかった記憶があるB級ムシムシ映画だけど。
その、過去っていつよ、と思って自分のwiki、このwikiを検索したら、2015年だとさ。

自分歴をいうと、そのころだとiMac2012という、まあ悪くないスペックで、回線は12メガだったっけ、悪くないつうか、その前だと壊れる寸前のiMac2005で、ニコニコ動画がじっさい、熱暴走で止まることもありえたくらい無理な環境、それを思えばiMac2012による動画視聴は今と比べても遜色ないように感じる。

にもかかわらず、記憶の中のビッグ・バグズ・パニックはだいぶん低画質なのが謎。
その2015年に観たときの感想をこうして綴っていて、そんな昔からやってたんだと自分で感心する。映画そのものは2008年くらいなんで、それなりに古く感じたみたいに覚えてる。
どうやって観たかつうと、Gyaoだってさ、そんなに低画質だったか?当時のGyao。
そしてずいぶんとB級映画感があったようにも覚えてるんだけど、このたびYouTubeの公式な期間限定配信でみたら、あんがいシッカリした映画でしたね。

まあ2015年に観たときも映像は悪くないし、ツッコミどころ満載なバカはないとも書いてるけど、どうも今回、YouTubeで視聴したのはえらく絵がキレイで、なんでだろね。
今現在のモニターはいちばん安いフルHDで、まあノングレアではあるが、じゃあiMac2012と変わらないはずなんですけどね、今回えらくコントラストもクッキリな気がして、やっぱGyaoは当時、低画質のDVD用マスターでも使ってたかもしれん。

で、内容的にもあんがいちゃんと映画してるし、登場人物のキャラ造形も隅に置けないのがわかったので、「前に観たときより好印象」だったんだけど。
さっき、YouTubeでぜんぶ観たあとにその、自分の過去感想を読んで気づいたのだが、巨大虫の出自、世界の状況、そーゆー基本情報を描く気がない脚本はやっぱ悪いね。
いやスタッフが何かを振り切った結果だと思うけど、目の前のドラマだけをズームする意味もないっしょ。また「観客の想像に委ねる」ってのは実は、映像作家の嫌うところだと近年知ったし。
あと変なラストもちっと気になる。

ゆうてもその、過去感想にあった「巨大虫の出自と世界の状況」だけかな、他はだいぶん好印象になっとります、今回の視聴。
どこがどう好印象となったか、普通の映画感想を書きたいけどめんどいのでこのへんで。

このYouTubeで公式な期間限定は、プレシディオチャンネルつうところで、この前「アトラクション 侵略」とか観たとこです。他にもいくつかあるんで、早いうちに観たほうがよさげ。

という話。



●デス・アイランド 殺人蜂の恐怖


送料無料を目当てにプライム会員課金したんで、じゃあ何か映画でも観ようかと思い、リストの中からこれをチョイス。
逆にプライム会員切れてる期間も多いわけです、ぶっちゃけそんな映像コンテンツに浸るほど暇人じゃあないんで。

この映画を選んだのは、予告編で中国映画だと知っていたから。
これはB級の予感がするぞ、ということでそーゆーの好きな自分としては見逃す手はないなと。
で、結論からいうと、今ひとつでした。

あんがい、絵が立派なのは、まあ中国もここ十年ちょい、やたら超大国ぶって、何もかも巨大に成長したから、なれば映画産業もそうなのかな、ということで、驚かないです。
立派とゆうても底辺映画ではない、という感じで、絵面が貧しくないという程度ですが。
例えばプロップガンも、ショボい電着銃ではなくなりました。
中国映画とか香港映画はどうやら日本と同じような環境らしく、実銃に空砲とかつめて銃口に詰め物して動作させるようなアメリカ方式はないようですが、記憶曖昧なんで確信はないっす。

今ではマズルフラッシュも排莢もCGでできるんで、リアルなトイガンでも撮影はできそうだけど、まあ、ほとんどの映画でかなりリアルなモデルを使っていて、今回もそう。
また装備品も、仮にスタッフに造形できなくても、Amazonで買ったものでけっこー見栄えはいいはず。中国にAmazonあるのか知らんけど。

とーぜん撮影機材も、今は高画質は当たり前なんで、誰もが良い絵を撮れる次第。
そんなわけで、ぱっと見でショボい映画は減りました。
でも、見たいなあ。
学生映画みたいな底辺B級作品、今では少ないよね、家庭用PCで創作したような3DCGとか、なかなかレアになってきた。
まあいいや。

総括して今ひとつと言ったのは、タイトルはハッタリだった、という感じ。
驚愕のクリーチャーは登場せず、ブオーンというハチの群体と、あとは夜犬という、ほぼドーベルマンみたいな犬だけでして。
アクションは控えめで、そこそこ発泡はするが、撃つだけなら日本映画でもできそうな気がする。
また孤島で怪物とか謎とかいうと、それだけで通常、合格点というか及第点なんだけど、この殺人蜂というのは、なーんかそそらないですね。
対処法もトンチがきかない冷却スプレーで、噴霧器で農薬まいたほうがよくね?とも思えるし。
後半はそれなりにハチや夜犬を研究して、匂いバクダンとか開発するが・・・効果あったんか匂い。
フツーに手榴弾として使っていた気もするが。
またハチの弱点たる野草を見つけ出すが、それが何なのやら。けっきょく大爆発で群体を爆破したやん、それで全滅できる気がしないのだが。

かよう、絵面はわりと立派になって、でも話はやっぱりB級でした。
じゃあ、満足すべきなのかな、底辺映画、B級映画が好きな身としては。
いちおう人物の物語も描いてはいるが、そこが退屈なところだったかもしれん。また異常なクリーチャーはいない、ということは、毒蜂に刺されると二時間で死ぬ、というのが脅威なわけで、それもあってメンバーが次々と「ここは俺が食い止める」方式で減ってゆくという。

ちなシームー博士って日本人かもしれんな。石木と書いてシームーだし、何より首からカメラぶら下げていたから。
中国は人数が多いせいだと思うけど、日本より映画マニアがたくさんいるというイメージで、このカメラぶら下げた日本人もそうだが、戻ったら結婚しようとか、そんな映画ファンならお馴染みのネタがいくつかあるようです。

総括すると、あんがいB級らしさはあったわけで。
いやB級風味はいいんだけど、もっとムチャな映画を観たかったんです、せっかく中国なんだし。
巨大な女王蜂とカーチェイス、くらいなことを期待したわけでして。
つまり地味だったのが残念、ということです。

そんな感想。


●宇宙からの少年


アマゾンプライムビデオでみっけたタイトル。
確か1959年だったかな、白黒映画。
いや予想以上におもろかったわ。

なんか低予算はそうだけど、あんがいいろいろとディティールが凝っていて、見どころが多いというか、いつもの「なんじゃこりゃwww」と草が生えまくるB級SF映画とは違う感じで。
いちばんの違いはちゃんとフツーの映画みたいに、心の機微が描かれていることで、逆に言えば通常のSF低予算映画はそこが雑だったんだ。
脚本の問題ではなく、編集や演出だろうね、円盤や宇宙人や怪獣がなければ、ほんとフツーの映画になってる感じで。

凝っている・・ゆうても宇宙船の実物はやっぱり工作が甘いけど、造っただけ立派でしょう。
またユニフォームも面白いつうか、今だったらごく普通にありそうな宇宙人服なんだけど、V字の模様があるだけで、だいぶん街の人々は奇異に思うらしく、そうなると「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のワンシーンを想起させますね。
また宇宙人が使う惑星検査器具も、じっさい何かの実物なんでしょうね、凝ったディティールで、そーゆーとこが他と違うわけです。

最も目玉商品はおそらく、破壊焦点光線銃でしょうね、ディティールが素晴らしい。
何かの流用なのか、そーゆー玩具があったのか、詳細は不明なれど、単に木材から切り出したモックアップではなく、なんだかモナカ構造っぽいです。
もしスタッフがイチから造ったなら、バキュームフォームでしょうか・・・数年後の「スター・トレック」シリーズではおそらく一般化したはずの技術ですが、まあ映画界で使えないはずないわけで、所有している誰かしらに委託、という形で実現した可能性。

ヒロインのベティも気になるところで、絵に描いたようなアメリカ少女、今みると肩幅あるが、それゆえ小顔に見えるし、パッツンの黒髪などカートゥーンキャラのよう。
衣装もなかなか可愛らしく、そんなところも楽しめる感じで。
あとすぐ白骨死体になったアリスも、いい感じですな。金髪美女といった趣で、まあプールから身を乗り出したシーンばかりだったけど、仕草のすべてが、表情を含めてポーズになっているのが魅力。挑戦的なその姿勢は、アメリカ女子ひとつのテンプレートなのかもしれん。
なんか絵師ではなくてもポスター描きたくなる。

追手のトールは、今なら無問題だけど、当時はギャング顔で、主役を取れなかった俳優さんでしょうね。昔は顔で差別されたからw
で、かよう様々な美点がある映画なれど、唯一残念きわまるのがガーゴンでした。
最初がロブスターで代用ですが、巨大化すれば立派な怪獣になるかと思いきや・・・。
えっと、なんつうのかな、アメリカSF映画で、もっともランクが低い特撮。
「大蜥蜴の怪」、通称ギラモンスターみたいに、実物のトカゲをちっこいミニチュアセットに置いたようなものは、まだいいほうなんです。
一部で「色トカゲ」などと言われる実物ほか、どんなチャチなものでも、造って撮影したなら、まだまだ楽しめるんですが、それよか悪い、最悪の「残念」。
それは多重露光で処理しただけの実物合成。
むろん通常の多重露光は不都合なので、ネガで行うタイプですかね、黒いものほどよりクッキリするアレです。

とっさに頭に浮かんだのは巨大蜘蛛映画で、ちょい調べたらどうやら1955年の「世紀の怪物/タランチュラの襲撃」の模様。
予告編もみたが・・ありゃ、ネガっぽい合成はそうだけど、あんがいちゃんとしてるな。
要はしっかり足が地についた蜘蛛を、揺れないカメラで撮って、うまいこと背景と合わせているため、けっこう成り立ってる。
だけんど、最も残念なクリーチャー表現には違いない。

このたび宇宙からの少年では、このガーゴン、たぶん活きたロブスターだと思うが、だいぶんいーかげんに合成されて、残念さに磨きをかけてるわけ。
おそらく撮影用ロブスターがもう立てないほど弱ってたんだろうね、横においてピクピクしてるシルエット(推測)を起用しているため、もう尻尾の先で立っているか、宙に浮いているとしか思えん。
ウルトラセブンのビラ星人とか、かなり立派なほうだったんだなあと今わかった。
操演でフラフラしてるようで、そこに実在する感じは出てるわけですからウルトラセブンの宇宙人は。まあじっさいに造形して普通に写しているから当たり前なんだけど、ガーゴンのばあいは合成もダメ、被写体もダメという重ね重ねのダメ具合。
とにかく怪獣映画史上、最下位レベルの残念でした。

そんな感想。


●バイオハザード ディジェネレーション


なんか急に、今で言うCGアニメ版バイオハザードが気になって、アマゾンプライムビデオで視聴してみた。

バイオといえばまあ、アリスが主役の実写映画がありますが、こちらCGアニメ版はフツーに日本で制作されているんで、まあ忠実というか、バイオのスタッフが手掛けてるんでしょうたぶん。
この劇場サイズの作品群は、最初がわからんのでとりまディジェネレーションを選びましたが、空港に旅客機が突っ込んでくるシーンはよく見かけましたね。
どこで観たかつうとおそらく、レンタルビデオ屋でデモ版流してたんだと思う。

製作は2008年ということで、どんな感じかなあオモタが、まあ画質はいいし、けっこう楽しめました。ファイナルファンタジー・アドベントチルドレンの三年後くらいになるわけで、ACは当時、驚愕もののクオリティだったので、まあ他社であっても今作品は納得の出来栄えかと。
つか前半の空港シークエンスはなかなか気合入ってるつうか、相当な人数を描いて、それらをモーションキャプチャで演技つけてるのだから、たいへんな仕事だなあと感心する。
ゆうてもこれ、劇場で上映は難しい気もする。
じゃあ、テレビスペシャルアニメとか、そんな感じなのだろうか。
それにしては贅沢すぎるプロダクトに思えるのだが。

こうした3DCGで、フォトリアルな映画サイズの尺ゆうと、最初は映画版ファイナルファンタジーなんだけど、そっから十年経っているわけで、映画FFは百何十億円だっけ、スゲえ予算で大コケしたんだけど、それから数年でアドベントチルドレンが登場し、視聴者の立場でいうと「よかった、懲りてなかった」と3DCG邦画の再誕を歓迎みたいなところです、はい。

ここでちょいウィキペディアを読んだが、制作費とかには触れてませんね。
ただ映画FFから十年なら、まあ百億とかはもうないっしょ。ウソかホントか不明なれど、2013年前後に公開された3DCG版キャプテンハーロックは製作三十億とかゆうてたが、まークオリティを手加減すれば、例えば十億ちょいでも映画サイズは可能だと思う。
制作費は心配するんですよね観る側も。「大丈夫か、大丈夫か?」ってな具合で、それまた映画FFでおそらく、スクエアが行き詰まってエニックスと合併したのでは?などと言われてたのが理由。
ともあれ日本では、もう二度と3DCGに百億以上突っ込まないと思うんで、ゲーム会社とかが傾く気遣いはもういらんのでしょう、たぶん。

内容的にはラクーンシティから七年後とかゆうてて、ちょい残念なのはクレアが市民団体やってるとこで、才能がもったいないと思う。
レオンがエージェントになったのはまあゲーム四作目まで把握してるんで、そこは知っとる。
ゲームでもこのディジェネレーションでも、突出した頑丈さが売りですねレオン君。なんだかバイオシリーズではクリスがレジェンド扱いですが、タフネスだけならレオンが勝っているかもしれん。
余談ながら実写シリーズではいずれも、レオン役は髪型と割れたアゴなどで似せてくるので、なんだか微笑ましいです。

それにしても気が遠くなるようなスゴい製作だなあと、この作品のみならずゲームでも思いますね。
自分も趣味で3DCGやっとるんで、途方もないことはよくわかります。
このディジェネレーションは2008年ですが、いまBlenderとか使って自分が似たようなことやろうとしても、ワンカットはむろん、静止画一枚でさえ無理だもん。
人物もそうだが、広大な背景まで造って、あんな自然な照明とか、よくやるなと感銘です。
加えていうなら、モデリング、レイアウトの腕前もスゲーけど、マシンスペックもそうですね。
よくあんだけの絵を出力できんなと、思わず唸ってしまう。

もちろんありがちですが、気合いは前半の空港シークエンスが充実で、後半はややスタッフの疲れが見えますが、大丈夫、最後まで立派に演りとおしております。
劇中ではウィルファーマという企業が出てますが、初耳ですね。
そのウィルファーマの研究所、まあ大げさなギミックというか・・・トータル・リコールのリメイク版にあった「ザ・フォール」みたいな縦坑、そんなんあるかなあという感じで。
バイオハザード発生したら、研究所ごとボッシュートして封印できる構えはわかるのだが、壮大すぎて、わりとリアリティが売りのバイオにしては、ということです、はい。
 直径百メートル、深さは見えないくらいで、最低でも三百メートルあるっしょあの縦穴。
あれなら核爆発でも封じ込めますが、そこまではせず、エタノール爆発で隠蔽目的な施設ですが、それでもやっぱり「痕跡」というかGの肉片が残って次作に引き継ぎ〜という徒労。
巨大なわりに徹底しないシステムなのかよ。
いや、そこまで粉砕しても残るGの脅威、という話なんでしょう、そう納得しときます。

ここで登場したメインキャラのひとりアンジェラは、プレイヤーキャラなんですかね。
と思ってウィキペディアみたら、名前にリンクがないので違うようですね。たぶん今作のオリジナルかと。なかなか美女だがラストシーンの私服はダサめで、まあアメリカだからそんなもんか。(偏見)
カーティスはなんか他の作品にも出たような気がするが、これまたウィキリンクがないんで、やっぱりここだけキャラなんでしょうね。
子役ラーニーが言う「リムジン」の正体は、ラストにて明らかとなりますが、まあお察しですw
ここで家庭的な発言により、「守るべき存在」をアピールしているようで。
ゲームの特性から、本来はアクション向きではないんですが、需要があるのかシューティングなど、いろんな派生作品があるらしいです。このディジェネレーションでもそこそこ活劇はしてます。
クレアの無駄ガンスピンなど、なかなか面白い要素ですが・・・こんだけ強いのに市民団体かあ。
バイオ最強の女性キャラはジルということですが、そら特殊部隊の訓練で鍛えたから、そうなのかもしれないが、ただの女学生だった頃から同等のクレアが、もっともポテンシャル高いでしょう。
どこかで「ゴリラの妹」という異名を聞いた気もするし。
いやまあ、才能が市民団体に余るとか、余計なお世話かもだが、物語的にはもったいない。

あいや逆に、「市民団体なのに危険に遭遇しやすい」ほうがアクション映画っぽくていいかな。
映画っぽいといやあ過去の他作品には「ただの警察官」なのにイチイチ巨大犯罪に巻き込まれるダイ・ハードなキャラとか、某シリーズにいましたしね。
バイオハザードにもそんなのがひとり、いてもおもろいかもしれん。
クリスやレオンはバイオ犯罪専門対策組織に組み込まれて、現場に派遣されるので問題なし。
なんの不自然もなし。

ともあれ、たまにはCGアニメもいいですね。
なんとなく字幕版を観たが、別に吹き替えでもいいんですよね、そも日本の映画だし。
次はダムネーションだそうで、近日中に観たいもんです。

という感じ。


●ファンフィルム「WIND PRINCESS」

↑たぶんこのリンクだと思う

WIND PRINCESSがなんか、いちおう完成の形みたいっす。
これは風の谷のナウシカを海外ファンが映像化するプロジェクトで、まー「あらゆる収益化はしない」というので、規模としてはショボいかもだが、なんであれファンフィルムは嬉しいもんです。
なんか七年の歳月を・・とか言ってるので、そうかそんなに時間が経つかと感慨深い。

ただ、内容的にはだいぶん残念な感じなので、そこ簡単に語ると。
時間は16分だっけ、なんだけど、けっこー前置きが長い。先程の「あらゆる収益化はしない」という明文を含めてクレジットが長い。
本来、こうした個人的な映画はそーゆーのなるべく短く端折るべきなのだが・・・この時点でなんか、このスタッフのやりたいことが見えてきた。
「壮大な長編大スケールのいち部分を演じたい」そんな意図が見え隠れ・・・ぜんぶ見えてるか。
これが理由で、なーんか残念な結果になっとります。

こうなると、誰でも思うのが「自分だったらどうする」ですが、普通は「もっと人を集めて、本格的な映像に・・」とか考えるかもだが、私だったらちゃいますね、壮大が無理なら見せ方を変えるか、話を変えますね。自分だったらナウシカを主役に、大草原の小さな家的な、無難な実写映像に、遠目の王蟲でも写して、サクサク描くと思う。だいたい原作読めばわかるけど、本来は「何もないセラミック化された世界でサバイバルチャレンジ企画」みたいな話なんで、生活を描いても面白いやん。
「いろいろ資材がないよ〜」「なんとかしましょう」的なコントでもじゅうぶんやん。
別に無理して腐海を描かなくても、という。
「無理をしない」というとネガティブな印象だけど、じっさいには無理をしないことでより良く見せる効果狙いというわけで。
時間も半分以下になるかと。

逆によくできたファンフィルムとして、巨獣特捜ジャスピオンのブラジル映像化があります。
これは戦闘巨人ダイレオンをメインとした、三分ていどの短い作品で、要はストーリーを端折って出来ることだけやったので、うまくまとまっとるわけで。
あと、このジャスピオンファンフィルムが良いのは無理にオリジナルアイデアを盛り込まない点で、80年代なコックピットデザインをそのまま今の技術で磨いている。
WIND PRINCESSさんはロープ銃とか王蟲の目とか、オリジナルつうか、他の作品からの引用だろうか、使っていて、でもナウシカに限れば要らんのです、別解釈とか。

王蟲の目はアニメの通り、つるっと一体化してればいいのであって、ハニカム構造的にディティール加える必要ないんよ。ロープ銃に関しては、あーゆースライドコッキングする銃は風の谷にはないっしょ。
おそらくかような銃はトルメキア軍が所持するみたいな・・コンパクトな実践的鉄砲は徴収されて村にはないかと思う。風の谷はトルメキア軍に何もかも持っていかれて出がらしだし。まあ自分的にそう捉えているだけで、答えをオタク先人・岡田斗司夫先輩に聞きたいとこだが。
そんな劇中でのデザイン使い分けも、今だと逆にSFが豊富すぎてわからん人、多いのだと思う。

あとは素人が観てもわかる点として、光る胞子を採集している場面。
ありゃあ容器を持つ左手までを3DCGにしないと、アニメのような絵にはならんでしょ。
胞子の光移動が表現できないから。
という。
王蟲の疾走は、だから一般ピーポーには無理だって。元のアニメでも難しいから、多くを美術的に描いて切り抜いたボードを使って撮影していて、あえて3DCGを強調した構図に挑まなくても、と思えるが、まあ今現在のファンとしてはやりたいんだよね、アニメの立体化。
無理にでもカメラぐるぐるして写したい、そんな気持ちがあるもんです。もしこのWIND PRINCESSにさらなるバージョンが有るなら、王蟲は無理すんなという。

あとは可能なら、ナウシカの動きに注力してほしいという希望要望。
昔の軍隊みたいにキビキビしてるのが、宮崎駿監督の特徴なので、ナウシカ役もそうだけど、つまり商業映画みたいに撮影前準備ブートキャンプで俳優特訓は無理だとしても、編集で再現できないかな。
うん迂遠な言い方したが、今作品、モタモタしてたってことですw
超絶キビキビな東映の特撮番組たくさん観てるから、そーゆうのわかる、わかってしまう。
残念ひとつ追加。

とまあ個人制作で、なおかつセンスは残念なことになりました。
この文章で「無理」という言葉いくつ出た?
それでもアバター二作目ほどの事故ではないっすw
いやあ興行映画の超大作でも感動狙ってスカッと外した例は多々ありますから。
それに比べりゃ、このWIND PRINCESSはむしろ、ファンの仕事で好感度みたいな、ええ話でしょう。

ときにナウシカ役は悪くないが・・・なんだろう、バイオハザードのアリスを想起させるような。
さほどミラ・ジョボビッチに似てるわけでもなさそうなんだが、どうしてやろ。
まあいいや。

つうわけで、こうしたファンフィルムあると本家にも箔が付いていいことですね。


●バイオハザード ダムネーション


次のヴァンデッタまでアマゾンプライムビデオで観れるんだっけ。
何気にこの前のディジェネレーションはCG映画版の第一弾だったそうで、じゃあちゃんと順よく追っているなという結果論。
ともあれ、ダムネーションを、こんどは吹替版みました。

吹き替え版だとタイトルがちゃんとバイオハザードなんだよね。
何度も書いたけどResident Evilという欧米でのタイトルは、最初のゲームが同名の何かとかぶるんで、テキトーにつけた題名であって、向こうの関係者はそれを激しく後悔しているというのが、私の分析ですはい。ミラ・ジョヴォヴィッチ版の劇中で何度も「バイオハザード」というセリフが出てくるのが何よりの証拠。
つまりこんだけ、文字通りのドル箱になることが事前にわかっていれば、大金積んででもタイトルを買い取って日本と同じバイオハザードにしたのに・・という悔やんでも悔やみきれないみたいな話。

まあ、じゃあ、今からでもと思うのだが、スタッフは「でも欧米ファンはResident Evilで認知しているからなあ」と、カエルにカエラれないのだと、そう推察している。
だもんで実写版リメイクも未だにResident Evilのまま。

余談でした。
今度のは2012年なのかな、2010なのかな、まあともあれ技術が進んでいる。
つか前作もけっこーモーションキャプチャ頑張っていたが、今回はより自然な演技になっとるような気がする。
フォトリアルな映像もなんだかこなれてきて、十年以上前なのに問題なく観れた。
内容的には、まーたレオンかという。
なんだかレオン、出番多いっすね。そんだけ人気キャラなのかもだが、クリスほどもったいぶらずに使い回せる的な感じでもあるかもしれん。
最初は新米警官だったが、すぐにエージェントになって、事件との親和性も高いし。
また頑丈な体質は今作でも相変わらずで、そういう意味でも「使いやすい」のかも。

話の求心力となるのは一作目の洋館事件とアンブレラだが、今作はプラーガ案件となっていて、またBOW流出というか、すでに商品化されて出回っている設定になってるから続編には事欠かないよね。プラーガも洋館事件と関係すると、バイオハザードゼロでそうなったんだっけか。
それにしても32ビット機・・プレステだっけか、初代をみればわかるが、昔から日本は米国アクション映画に対する憧れがあって、もはやコンプレックスと言ってもいい。
それは演出、編集技術、もしくは小道具大道具がまったく揃えられないという邦画の実情があって、刑事ドラマなんかでは頑張っていたんだけど、派手なのはやっぱ今でも海外勢にかなわない。

それが3DCGだったら、日本でもなんとか相応のが出来ることが、2005年のファイナルファンタジー・アドベントチルドレンでわかって、バイオハザードもまた張り切っている様子が伝わる。
エイダ対大統領など、格闘アクションも充実してきた感じで。

ちなプラーガがメインと思いきや、なーんかリッカーを子分に出来るプラーガ能力というのが開発され、すっかりリモコン兵器というか番犬みたいになって多数登場。
と思いきやタイラントも複数体登場、何気にタイラント対リッカーを初めて見た気がするが、やっぱタイラントが圧倒するんだ。よく考えたらタイラントはイベント戦でないと倒せないボス敵だから、そらそうか。

絶望的に強いタイラントはもはやロボットアニメの迫力で、でも航空機の機関砲で粉々にできるんだなあと感心する。
こいつにクリティカルに近いのを何度も食らって立ち上がるレオンはやっぱ頑丈だ。

ゲームのムービーシーン以上のものを見れるんでありがたいシリーズだが、そろそろレオン以外の人物を期待というか、ゲームは実況で四作目までしか把握してないので、彼らのその後がちょい気になるところです。

というわけで、近いうちに続編みる予定。




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