さかのぼること400年江戸時代 吉原遊郭の誕生から現代の吉原 特殊浴場 通称ソープランド街へ至る謎深き快楽の園のバックグラウンドに迫る。

引手茶屋

吉原遊郭における客の相談役であり世話役でもあった引手茶屋。
妓楼に比べると規模は小さいものの、吉原遊郭の目抜き通りである仲の町に面しているだけに、どこも二階建ての凝った造り。主に、契約関係のある見世の中から客の好みと予算に合致した遊女を選んでその見世に連絡を入れ、二階座敷で対面し酒宴をしたあと一緒に見世に向かわせるという流れを取っていました
基本的な流れ
  1. 客が引手茶屋に行く
  2. 客の好みの遊女を呼びに若い者を妓楼へ走らせる
  3. 遊女が客を迎えに引手茶屋へ
  4. 引手茶屋の二階座敷にて客と遊女が対面・酒宴
  5. 客は遊女・女将などと連れだって妓楼へ向かう

大見世は引手茶屋の案内がない客は受け入れず、中見世や小見世に至っても直接登楼する客は受け入れたものの引手茶屋を通して登楼する客は上客として歓迎しました。そのため、余計な費用がかかるにも関わらず金に余裕のある客は中見世や小見世に登楼する場合でも引手茶屋を通すことを選んだのでした。また、引手茶屋は客を流す裁量権を持つということで妓楼に対する立場が強く、妓楼側も上客獲得のため引手茶屋の機嫌を損ねるようなことはしかなかったそうです。
遊興費に関しては、引手茶屋を通して遊ぶ場合、遊興費はすべて引手茶屋が立て替え、あとでまとめて客に請求するという仕組みが取られていました
妓楼からすれば個別に客に請求しなくて済むので安心感があるため、引手茶屋を通した客は自然と優遇されることに。客の揚げ代などは後日、掛け廻りの若い者が引手茶屋に出向いて集金しました。また、客のほうでも宴席に芸人を呼んだり仕出し料理を頼んだりしても、そのたびにいちいち現金で支払いをしなくても済むという利便性がありました。金銭感覚がなくなり、つい散在してしまうという落とし穴付きではありましたが。

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