動脈血酸素分圧(PaO2)は、肺における血液酸素化能力の指標です。PaO2の低下は呼吸器系の異常すなわち呼吸不全を示します。呼吸不全の病態は、動脈血ガス測定で同時に得られる動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)と組み合わせで、換気不全と肺でのガス交換障害に大別されます。
動脈血酸素分圧(PaO2)は、若年健康者でほぼ100Torr(mmHg)、老年健康者で約80Torrです。健康者の動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は、40Torr前後に維持されます。
動脈血ガス測定のための採血は、上腕動脈(肘のあたり)、橈骨動脈(手首)、大腿動脈(太股のつけね)でよく拍動を触れるところで行います。血管に針を刺す瞬間は痛いのですが、驚かないでください。緊張や体動で呼吸や脈拍が変化すると、値が変化してしまうのです。内面を抗凝固剤のヘパリンでうるおした注射器に動脈血を採血し、空気と血液が接触しない様に直ちに気泡を排除してから針先にゴム片を突き刺してから、血液とヘパリンを混和しながら、直ちに検査室に運んで測定します。この動作を急がないと不正確な値になります。その間に、動脈採血を受けた患者さんは、抜針直後から針を刺した部位を、十分に圧迫止血してもらってください。
なお、オキシメーターによる動脈血酸素飽和度(SaO2)で、簡単に、動脈血酸素分圧(PaO2)を知ることができます。

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