ビタミンDは、活性型ビタミンD(カルシトリオールまたは、1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール)として、次の方法により血中のカルシウム(Ca2+)濃度を高める作用がある。

腸からカルシウムの吸収を高め血中濃度を高める。
腎臓の働きによりカルシウムの血中から尿への移動を抑制する。
骨から血中へカルシウムの放出を高める[1]。

また、ビタミンDは免疫反応などへの関与も示唆されている。作用機構および機能の多様性から、ビタミンAとともにホルモンに分類されることがある。
皮膚での生成 [編集]
皮膚の表皮の層。基底層(図の赤色部分)及び有棘層(オレンジ色部分)での生成が最大となる。

皮膚は、主要な2層で形成されている。内側の層は真皮で、結合組織の大部分を占めており、外側の層は薄い表皮である。表皮は、5層で構成されており、外側から内側に順に、角質層、顆粒層、顆粒膜層、有棘層、基底層である。

コレカルシフェロールは、皮膚で7-デヒドロコレステロールから光化学的に生成される。7-デヒドロコレステロールは、ヒトを含むほとんどの脊椎動物の皮膚中で大量に生成される[2]。ビタミンDの生成に効果のある波長300nm付近の紫外線(UV-B線)はドルノ線と呼ばれる。

ヒトにおいては、午前10時から午後3時の日光で、少なくとも週に2回、5分から30分の間、日焼け止めクリームなしで、顔、手足、背中への日光浴で、十分な量のビタミンDが体内で生合成される[3][4] 。

ある種の動物では、毛皮や羽根が紫外線の皮膚への到達を妨げている。鳥類や毛皮を持つ哺乳類においては、皮膚から毛皮や羽根に皮脂を分泌し毛繕いすることによって口からビタミンDを摂取している[5]。

ハダカデバネズミでは、25-ヒドロキシビタミンDが血中で検出されないように元来コレカルシフェロール(ビタミンD)を欠損しているように見える[6]。実際、ハダカデバネズミは、完全地中棲であるので太陽光にあたることはない。興味深いことには、ハダカデバネズミは、老化に対して耐性があり、健康な血管機能を維持でき[7]、げっ歯類の中でとび抜けて寿命が長いことである.[8]。

1923年に7-デヒドロコレステロールに紫外線を照射することによって脂溶性ビタミンを生成できた。アルフレッド・ファビアン・ヘスは、「光はビタミンDと同等である。」ということを示した[9]。ドイツのゲッティンゲン大学のアドルフ・ヴィンダウスは、ステロールと関連ビタミンの構造の解明で、1928年にノーベル化学賞を受賞した[10]。彼は、さらに、1930年代にビタミンDの化学構造を確定した。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

メニューサンプル1

メンバーのみ編集できます