炭素が燃焼すると二酸化炭素が発生するが、酸素の不十分な環境で燃焼(不完全燃焼)が起こると一酸化炭素が発生する。

日本では古くから、マグロなどの鮮魚として出回る魚介を一酸化炭素処理すると、刺身にした際に発色が良くなり新鮮そうに見えることが広く知られていた。1994年には、食品衛生法で禁止されることとなった。
一酸化炭素がミオグロビンに結びつくとカルボキシミオグロビンになり、鮮やかな赤色を呈する。このカルボキシミオグロビンは、酸素が結びついたミオグロビンや酸化されて茶色を呈するメトミオグロビンよりもより安定した物質である。この安定した色が通常のパックよりもあたかも長持ちして新鮮なように見えることとなる。

軽症では、頭痛・耳鳴・めまい・嘔気などが出現するが、風邪の症状に似ているため一酸化炭素への対処が遅れる。すると、意識はあるが徐々に体の自由が利かなくなり、一酸化炭素中毒を疑う頃には また、高い濃度の一酸化炭素を吸った場合には、自覚症状を覚えることなく急速に昏睡に陥る。この場合、高濃度の一酸化炭素をそのまま吸い続ける悪循環に陥り、やがて呼吸や心機能が抑制されて死に至る。
一酸化炭素中毒を自覚するのは難しく、危険を察知できずに死に至る場合が多い。
ヘモグロビンは一酸化炭素と結合すると鮮紅色を呈するため、中毒患者はピンク色の「良い」顔色をしているように見える。


一酸化炭素は酸素の約250倍も赤血球中のヘモグロビンと結合しやすい上、ヘム間相互作用?を変調させる。末梢の酸素分圧が低い組織に運搬されると酸素の結合が乖離し始めるが、結合する酸素が減るほど乖離しやすくなる為、効率的に末梢で酸素を放出する特性があるが、4つある結合部分のうち1つが一酸化炭素と結合したヘモグロビン(カルボニルヘモグロビン)は、他の部分に結合した酸素も安定化し放出しにくくなるため、血液の酸素運搬能力が下がり、末梢で酸素分圧が極端に低下し中毒症状を起す。

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