ようこそ!これは初学者向けのロジバン講座です.

論理接続詞の仕組みについて考えよう。姉ちゃん、コーヒー好きだっけ?

うん。カフェラテ好きだよ。

まあ、ということは「砂糖もミルクも入ったコーヒー」だね。喫茶店の店員になったとして、次のような注文票を考えてみよう。
砂糖ミルク
コーヒー○/×○/×

ふむふむ。私の注文だと、
砂糖ミルク
コーヒー

だね。

そういうこと。ブラックコーヒーの注文なら、
砂糖ミルク
コーヒー××

だね。でもこの注文用紙、少し複雑な注文には対応できないんだよ。「砂糖とミルクどちらかだけ入れて」とか「砂糖とミルク少なくとも片方だけ入れて」とか。こんな注文する変人がいるかはさておき…。

ああ、そういう注文だと、用紙が2枚必要だよね。「砂糖とミルクどちらかだけ」だと「砂糖:○、ミルク:×」と「砂糖:×、ミルク:○」。

もっと厄介なことに「砂糖を入れるならミルクも。砂糖なしならミルクなし」とか…。

もうセルフサービスにしたほうが早い気がする。

というわけで、注文用紙を進化させよう。砂糖とミルクの○×の組み合わせは4通りあるよね?「○○」「○×」「×○」「××」。これを使って…
○○○××○××
T/FT/FT/FT/F

というのを作る。TとFは"True"と"False"の頭文字ね。注文条件が上の組み合わせでOKならT,だめならFを書くの。これならなんと、どんな嫌がらせに近い注文も1枚で済む。

ほう…。私の注文なら…。
○○○××○××
TFFF

かな。ブラックコーヒーなら、
○○○××○××
FFFT

だ。さらに、「砂糖とミルクどちらかだけ」なら…
○○○××○××
FTTF

「砂糖とミルク少なくとも片方だけ入れて」なら…
○○○××○××
TTTF

おおっ、なんかよくわかんないけどすごいぞ!

「砂糖を入れるならミルクも。砂糖なしならミルクなし」なら、
○○○××○××
TFFT

だね。この注文用紙だと16通りの注文に対応できる。これはすべての注文をカバーしてるんだよ。

なるほどね。でも、身についた知識はコーヒーショップの運営の仕方だけなんだけど。

で。ロジバンの論理接続詞は、このTF表のうち代表的なもの4つを土台にしてるんだよ。
  • E系 : P かつ Q (T F F F)
  • A系 : P と Q の少なくとも一方 (T T T F)
  • O系 : P かつ Q 、もしくは P でも Q でもない (Aならば、そのときに限ってB) (T F F T)
  • U系 : Q の如何にかかわらず P (T T F F)

ふむ…。でもこれでカバーしきれてないじゃん。

なので、さらに「否定」を導入するの。たとえば、「Pかつ(Qでない)」という注文は、FTFF。「(Pでない)かつQ」というのは、FFTF...といった感じで。さらにPとQを入れ替える仕組みもあるの。これは{se}をつけて表すよ。入れ替えU系は「Pの如何にかかわらずQ (TFTF)」だね。すると、たとえば項の接続詞だと次のように14通りを表せれるんだよ。*1

TTTT: 作成不可
TTTF: .a (OR)
TTFT: .a nai
TTFF: .u または .u nai
TFTT: na .a
TFTF: se .u
TFFT: .o または na .o nai
TFFF: .e (AND)
FTTT: na .a nai (NAND)
FTTF: na .o または .o nai (FTTF)
FTFT: se .u nai
FTFF: .e nai
FFTT: na .u または na .u nai
FFTF: na .e
FFFT: na .e nai (FFFT)
FFFF: 作成不可

TTTTとFFFFに関しては作れなくてもいいんだよ。TTTTは「砂糖とミルクがあろうがなかろうがなんでもいい」ってことだし、FFFFは「砂糖とミルクのどんな組み合わせも嫌」ってことでただのクレーマーだし。

長い…。けどとりあえず、E系、A系、O系、U系に加えて、否定と入れ替えを使えば、どんなTF表も再現できるってことでいい?

ま、そういうことだね。



今やったTF表(真理値表と言ったりする)の他に、ベン図を使った方法もあるけど、それについてはwikibooks 接続表現を見てもらうといいかも。まあ、TF表よりは視覚的にわかりやすいかもしれない。

でもさ、この14通り、頭で即座に組み立てるっていうのはほぼ無理だよね。

うん、無理だと思う。だから、よく使いそうなやつだけ覚えておく、というのが賢明かな。本編に挙げたようなね。


問題 : 次の注文に則した伝票をロジバンで書け。
※ 砂糖(lo sakta)とミルク(lo ladru)を使うこと。
1. 砂糖とミルクの入ったもの
2. 砂糖が入るならミルクも。砂糖を入れないならミルク無しで。
3. 砂糖は必ず!ミルクはどちらでもよい。
4. 砂糖かミルクどちらかだけ入れて。


答え
1. lo sakta .e lo ladru [TFFF]
2. lo sakta .o lo ladru (砂糖が入るなら、そのときに限ってミルク)[TFFT]
3. lo sakta .u lo ladru (ミルクの如何に関わらず砂糖)[TTFF]
4. lo sakta .onai (または na.o) lo ladru [FTTF]

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