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機能的行政学編集する

最終更新： bennkyotyuu bennkyotyuu 2012年02月16日(木) 13:07:01履歴

  • 政治・行政融合論
　政治からの文壇を通じて行政および行政学を自立させることを目指したアメリカ行政学も、ニューディールや第二次世界大戦の経験を経るにつれ、その考え方が修正されていった。多くの行政学者が行政的体験を積むに従って、行政は政治と分離された純然たる技術的過程ではなく、むしろ政治と不可分な関連を持っていることが認識されてきた。その結果、政治と行政は連続的過程であり、両者を融合面において理解するのが妥当であるとして、政治・行政二分論に代わり政治・行政融合論が主張され、機能的行政学が登場してきた。
  • 正統派批判
　機能的行政学への変化の過程でなされた、伝統的な行政学への主な批判には以下のようなものがある。
  1. ダールの批判　R.A.ダールは、「行政の科学」（1947年）と題する論文で、正統派行政学は、価値の問題、人間行動の非合理的・無意識的要素や社会関係、行政と社会背景との関連といった問題を無視していると批判した
  2. ワルドーの批判　D.ワルドーは、『行政国家』（1948年）と題する著書の中でアメリカ行政学もアメリカ独自の経済的、社会的、政治的、イデオロギー的事実と不可分に結びついて発展してきたことを無視していると�，鯣稟修靴拭�
  3. サイモンの批判　H.A.サイモンは、「行政の諺」（1946年）と題する論文で、正統派行政学が樹立した諸原理も、よく検討すると、諺のように相互に矛盾する対をなしていると批判した。
  • 機能的行政学の特色
　機能的行政学は、経営学で展開されつつあった人間関係論などの影響を受け、能率や責任といった基本的概念を技術的行政学とは異なる視点から論じた。その主なものは、辻清明によれば次のようにまとめられる。
  1. 行政の能率は、機械的・功利的な側面からではなく、社会的・規範的視野から把握されなければならない。
  2. 行政の有効性は、組織を定型的なもの（フォーマル組織）として考えるだけでなく、非定型的（インフォーマル）な人間関係として理解することから生じる。
  3. 広範な自由裁量と委任立法の増加により、行政はあらゆる団塊で政策決定に参加するので、行政は社会の発展との間に常に順応的変化を試みる必要がある。
  4. 現代の行政責任は、行政部自体の指導制の拡大に応じて、立法部に対する外在的責任だけでは不十分であり、行政に対する内在的責任の意味を持つものでなければならない。
  5. 行政の変化は、時に、伝統的な統治機構の自己修正をも要求する。
　以上のような特色を備えつつ、1940年代以降のアメリカ行政学は、経営学や社会学などの隣接諸科学からの影響を受けながら、C.I.バーナードやH.A.サイモンに代表される行動論的・意思決定論的アプローチ、J.ガウスやF.リッグスらに代表される環境論敵・生態学的アプローチ、P.セルズニックの制度論的アプローチなど多彩に展開していった。また、行政学のアイデンティティをどこに求めるかについて力点の置き方にも相違が現れた。サイモンは、「管理の純科学」を発展させることと「行政政策への処方箋を書く」ことの双方が行政学の役割であるとし、両者は相互に強化し合う要因であるから、補完し合い発展すべきだとした。他方、ワルドーは、伝統的な行政学が管理の側面を重視しすぎていたのでもう1度、母なる学問である政治学と接近すべきであるとした。
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