なぜないのか疑問だった

星空に刻む百合の花



「うぅっ、飲み過ぎて気持ち悪い……」

「それはヴェルちゃんの自業自得なのです」


とある夜、とある拠点。
酔いが回って真っ直ぐ歩けない女神と、それに肩を貸す女神。
自他共に認める親友、ヴェルダンディとスピカである。


「全く、どうしてこうなるまで飲んだのです?」

「だってぇ、滅多にない女子会だもん……うっぷ」

「だからってハメ外しすぎなのです!」



女子会―――
道明守の玄武主催、不定期に開催される女神の集い。
豪華絢爛な菓子を並べて会話するときもあれば、酒を呷って不満を語るときもある。
百花繚乱の女神達だって、たまには酒に任せて不満を吐き出したいのだ。

その結果が、今のヴェルダンディな訳であるが。


「もう、困った親友なのです。今夜はスピカの部屋で休むといいのです」


先刻まで二人がいた部屋からは、未だに光が漏れている。
主催が主催で、酒の席である。もうしばらくは続くだろう。
しかし酒をあまり好んで飲まない上、親友の介抱もあるスピカに長居する理由は大して無かった。
千鳥足の時女神を連れ、あまり刺激しないようゆっくりと部屋に向かう。


 ※  ※  ※  ※  ※


「具合はどうなのですか?とりあえず布団に横になるのです」

「うーん、だいぶ火照ってるかな……やっぱ飲み過ぎ…?」

「そう思うなら今後気を付けるのです」

「うええ、私の親友は手厳しいなぁ……」


ヴェルダンディは言われるがままに布団に横になる。
その瞬間、溜まっていたものが全身を回るような感覚に苛まれる。
急に体位を変えたためであろう、アルコールが全身に回りだしたようだ。


(や、ばっ……)


飲んでいる最中は気付かなかったが、今宵メイメイが準備した酒は相当度が強いものだったらしい。
少し横になるだけで正気を保てないほどの酔いがヴェルダンディを襲った。
当然と言えば当然だが、スピカは親友の異変に気付いていない。


「んふふ。さぁて、今日はヴェルちゃんと一緒に寝るのですよー♪」


それどころか、楽しそうである。
既に親友が横になっている布団へ視線を向け、無防備に近寄る。


「ヴェルちゃん?顔真っ赤なのですよ、まだ酔いが抜けないのです?」

「あ、あはは……そんなところ、かな?」
(近い、近いって……!我慢できなくなるからっ…)

「大丈夫なのですよ、今夜はスピカが一緒にいるのです」


そっとヴェルダンディにすり寄るスピカ。
平常時であれば心の拠り所である彼女が隣に居る、それは何にも代えがたい喜びなのだが。



唐突に、乙女の唇が塞がれた。


「っ……む…?!」

「ぷ、は……へへ、すぴかの唇あまぁい…」


犯人は、完全に酔いが回っている親友。
突然の接吻に混乱していると、酔ったヴェルダンディにマウントを取られる。
そして、再び塞がれる唇。


「んっ、ちゅ……は、すぴかぁ……♡」


しかし今度は、先程のような触れ合うだけのキスではない。
舌を絡め合い、口内を蹂躙し、意識を刈り取る接吻。
その濃厚な責めに、乙女の呼吸は艶やかなものになっていた。


「ヴェ、ル……ちゃ…?」

「ぁは、すぴかかわいいよ…もっといじめたくなっちゃう♡」


完全に酔いが回った親友に、服を取り払われるスピカ。
自らの双丘が親友の眼前に晒された羞恥から、思わず視線を逸らしてしまう。
そんな彼女などお構いなしに、ヴェルダンディは双丘に手を伸ばしていく。


「っ、ひゃ……!」

「ほほう、これはなかなかよいものをおもちで…♡」

「んぁ、そこっ……らめなのれすっ…♡」


果実の先端を徹底的に弄られ、初めての快楽に悶える乙女。
自慰の一つもしたことのない彼女には、全く未知の世界。
そんな純粋な身体を走り抜ける強い刺激に、はしたない声を漏らしながら限界を迎えた。


「ぁ、あぁ"っ……なにか、きちゃ、っっ"っ"…ふぅぅ"………♡♡」


スカートに包まれて見ることは叶わないが、その中では下着越しに愛液を噴き出す秘裂があった。
スピカはヴェルダンディに身体を預けたまま息を荒げる。
そんな親友の姿を見て、時女神は妖艶に微笑むのだった。


「ふふ、きもちよかったかしら…♡」

「あ、たま……ふゎふわしてるの、れす……」

「それじゃ、もっとやっちゃおっか♡」

「ふぇ……っ?!」


いつの間にか、スピカは赤と緑の毛糸によって拘束されていた。初めての絶頂で、どうやら思考がぼんやりとしていたらしい。
強く肌に食い込むほどではなく、しかし身体を満足に動かすことはできない―――
どこか、もどかしささえ覚える刺激。


「んひゃ…らめっ、らめなのれすっ……♡」


鋭敏な胸への責めが再開され、再び甘い声で鳴くスピカ。
そんな彼女が再び甘い悲鳴と共に達するまで、そう長くはかからなかった。



 ※  ※  ※  ※  ※


もう、何度絶頂を迎えただろうか。
身体を僅かに拘束する毛糸の甘い刺激、親友に触れられた突起から走り抜ける刺激。
頂に達したときの、雷に打たれたかのような強い刺激。
そして今は、互いに一糸纏わぬ姿を晒して柔肌が擦れ合う。その刺激も、スピカの快楽を高めていくには十分すぎた。


「ふ、ぁぁ……っ、ふぇ…?」


唐突に止まる、親友の責め。
何度目かも分からぬ絶頂を迎える寸前だったために、言葉にし難い虚無感に苛まれる。
気の抜けた表情で放心していると、悪戯っぽい笑みを浮かべるヴェルダンディと目が合った。


「んふ、すぴか?どうしたの?」

「や、めちゃうの…です……?」


数瞬の間を置いて、乙女の顔が耳まで真っ赤に染まる。
その言葉を耳にした時女神は、いやらしく微笑む。


「ふふ、それじゃもっとやろっか♡」


羞恥に満ちた表情を見られたくないと言わんばかりに、顔を覆うスピカ。
その彼女の身体を再度刺激が駆け抜ける。
しかし、先刻までの胸から走る甘い刺激ではない。下腹部から、陰核から駆け上がる強い刺激。


「っっふあやぁぁっ?! くはぁっ……♡」

「やー、すぴかいやらしー…もっと声聞かせてっ♡」

「そ、こっ…♡ふああ、あっ……あぁ"ぁ"っ"っ"…♡♡」


余りにも激しい刺激に、焦らされ続けた身体がそう長く耐えられるはずもなく。
ヴェルダンディの手を愛液で濡らしながら、スピカは再び盛大に果てた。


「うわぁ…♡ すぴかったら、ほんとにえっちなんだから♡
 これで処女なんだから驚き、よねぇ…♡」


愛液でぐちゃぐちゃに濡れた手を舐め、親友の蜜を味わうヴェルダンディ。
未知の快楽を味わい、軽く意識が朦朧としているスピカを抱き寄せ、向かい合った状態っで身体を密着させる。


「ま、わたしもなんだけど…
 それはともかくっ、最後は一緒に気持ちよくなろ…ね♡」

「ふえ……ヴェルちゃ、っああぁ…♡♡」


陰核が、双丘が、先端が擦れ合う。
今までの指による責めなどと比較にならないほどの刺激が、スピカの思考を奪い取っていく。


「はぁっ、ふぅ、んっ……♡ どぉかなっ、すぴかぁ…♡」

「ふひゃぁっ、はぁ…♡ んんうぅぅ"っっ……♡♡」

「聞くまでもないみたいねっ…♡
 すぴかとでこれならっ、本番はもっと…きもちいいんだろーな…っっあ"あ♡♡」



もはやまともな返答もできない程度に、スピカの頭は快楽に埋め尽くされていた。
そんな彼女の痴態を目に焼き付け続けていた時女神も、その秘裂から艶やかな蜜を溢れさせ、それが潤滑油となって陰核が激しく擦れ合う。
ヴェルダンディも下腹部からの快楽に襲われ、彼女に先程までの余裕はもう見られない。

そして―――


「も、らめぇ…♡♡ イくっ、イっちゃうぅぅ……!
 ……っ、ひゃあぁ、っああ"ぁぁぁああ"あ"ん"ん"っ"っ♡♡♡」

「すぴっ、すぴかもっ…♡ なにかぁ、きちゃうぅっ…♡♡
 ら"めっ、なのぉぉ、れすぅぅぅっうう"う"うぅ"ぅ…!!!」


電流が走り抜けるような快楽が、二人の中で爆発した。
蕩け切った甘い悲鳴を上げ、蜜壺からは決壊したかのように愛液が噴き出る。
同時に果てた幸福感からだろうか、ヴェルダンディの表情は先程までの悪戯なそれとは全く異なる、恐らく自分と同じ顔。


「ぁ、は…♡♡ ヴェルちゃんもえっちなかおなのれす…♡」

「そんなっ、ことっ、ないよぉっ…♡♡
 つかれちゃったし、いっしょにねよっか…?」

「もちろん、なのれす…♡」


柔肌を晒したまま、身体を密着させたまま、布団に倒れ込む二人。
就寝の挨拶を交わした後、どちらからともなく睡魔に身を任せた。






(そういえば、ヴェルちゃんが言ってた『本番』って……?
これよりも気持ちいいなんて、ヤってみたいけど気絶しちゃいそうなのです…)

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