最終更新:ID:KvbJoR7aIQ 2016年06月27日(月) 00:26:52履歴
PCより
書こうと思いましたが、何か皆さん凄い後日談に…!?(戦慄
という事で、私もガリッと書かせて頂きました!
PLより
書こうと思いましたが、何か皆さん凄い後日談に…!?(戦慄
という事で、私もガリッと書かせて頂きました!
「……振り返ればとんでも無い1日だった」
朝日を通り越して太陽が空の天辺に上る頃に、やっと自宅に戻ってきてから、そう呟いてしまう。
あらましは話せば長くなる。何せ、5人もの死者を出した怪事件だ。
…さて。私の本職は精神科医だ。なら、私がするべき事は事件について語るのではなく、
事件に関わった人間を記すべきだろう。
彼らが、この”現象”を経て、何が変わったのか。
『宍戸 乱華』
私が思うに、彼女の様な人間が案外何も知らずに事件を解決するんじゃないかと思う。
人の身体能力の限界を、意識せずに越え掛ける高校生。
いつか、彼女も世間とのズレに気づくのだろうか?…その時宍戸さんはどの様な選択をするのだろうか?
…案外。近いうちにまた出会うかもしれないな。
『神代 殊理』
スクールカウンセラーとして、学校から紹介を受けた担当の子であり…今回、治療を”終えてしまった”子だ。
あの子は電話で「何もない」と言った。それはつまり「あの事件が普通」と認識してしまったという事に尽きる。
…恐らくだが、彼女はこれから自分の道義に従い行動する。その結果、社会と衝突した場合、自己を優先する。
……その道は。かつて私が見てきた「いなくなってしまった人達」の生き方だ。
…そうは言ってもあの子は賢い。それに、今回の事で宍戸さんとの縁も深まったのを見て取れた。
あの2人が良き友人関係を維持できる事を願っておこう。
『中村 清太』
15歳で両親を亡くした結果、剣の道に代償行為を求めた青年。
彼が、失ったものを満たせたかは分からない…満たせる筈はないかもしれない。
けれど。その末に、”目の前のあいつ”を斬ることが出来たのなら。
それは間違いなく、彼が築き上げた成果だ。
『吉原 黒鵜』
警察官を親に持つ、老けてみられる事をを気にする大学生。
その言葉の端々に両親柄の敬意と、克己心の強さが滲み出る好青年だと思う。
したかった事が分からない…それは難しい。私の場合は義務と望みが一緒になったから。
でも、彼ならきっといつか見出すだろう。その時は応援しよう。
『白石 蓮』
剣道場の師範代という、とても珍しい経験を持つ男性。
その剣は、非日常都の邂逅でも手放さなかった事を私は知っている。
そして、ぶつけるべき相手にぶつけた事も私は保障する。
”身心一如”。…ただ、銃刀法は考慮して欲しい…かな。
『近衛 実』
彼女については、簡単で難しい。一言でいうなら”共依存”だが、それで済むなら私の様な職業は要らない。
普通であろうとするのに、深淵に自ら足を運ぶ。
誰よりも超常でありながら、弱さを見せたいと希う。
”矛盾”。12歳の彼女がどの様な経緯でそう至ったかを私は知らない。
そして…治そうと思わない患者を医者は助ける事は出来ない。
。。。あの子が、自分を認めないと、きっといつかダメになる。
後は当人同士の問題とはいえ…心配ではある。
……随分多くの人に出会ったと思う。
竜胆 霊華。姉がいるとは知らなかったが…成程、恋人もいたとは。
深川 美佳。…大変だろうが、前を向いて”生きて”欲しい。
深川 御代。あの人はもう大丈夫だ。落ち着いたらまたお茶でも飲もう。
帝 優。異常を普通と認識してしまったもう一人。
帝 光一。異常に親しむあまり、普通の家族の関係を見過ごした。
三島 由美。噛みつくまでする気概があるんだ。まずは胸の内をぶつけてみたらどうだろうか?
山下 美木。頼もしいと思うけれど、同時に不安を覚える。君はいつか、もっと深い事件に出会う。
。。。最も、だからと言って足を止めないだろうというのは、経験から分かっているよ。
田中 均。墓にはもう行ったよ。最後の近衛さんとの邂逅で掬われた事を信じたいな。
目を閉じる。徹夜は慣れているが、今回は流石に疲れた。
ひと眠りしよう。それから……また、日常を始めよう。
朝日を通り越して太陽が空の天辺に上る頃に、やっと自宅に戻ってきてから、そう呟いてしまう。
あらましは話せば長くなる。何せ、5人もの死者を出した怪事件だ。
…さて。私の本職は精神科医だ。なら、私がするべき事は事件について語るのではなく、
事件に関わった人間を記すべきだろう。
彼らが、この”現象”を経て、何が変わったのか。
『宍戸 乱華』
私が思うに、彼女の様な人間が案外何も知らずに事件を解決するんじゃないかと思う。
人の身体能力の限界を、意識せずに越え掛ける高校生。
いつか、彼女も世間とのズレに気づくのだろうか?…その時宍戸さんはどの様な選択をするのだろうか?
…案外。近いうちにまた出会うかもしれないな。
『神代 殊理』
スクールカウンセラーとして、学校から紹介を受けた担当の子であり…今回、治療を”終えてしまった”子だ。
あの子は電話で「何もない」と言った。それはつまり「あの事件が普通」と認識してしまったという事に尽きる。
…恐らくだが、彼女はこれから自分の道義に従い行動する。その結果、社会と衝突した場合、自己を優先する。
……その道は。かつて私が見てきた「いなくなってしまった人達」の生き方だ。
…そうは言ってもあの子は賢い。それに、今回の事で宍戸さんとの縁も深まったのを見て取れた。
あの2人が良き友人関係を維持できる事を願っておこう。
『中村 清太』
15歳で両親を亡くした結果、剣の道に代償行為を求めた青年。
彼が、失ったものを満たせたかは分からない…満たせる筈はないかもしれない。
けれど。その末に、”目の前のあいつ”を斬ることが出来たのなら。
それは間違いなく、彼が築き上げた成果だ。
『吉原 黒鵜』
警察官を親に持つ、老けてみられる事をを気にする大学生。
その言葉の端々に両親柄の敬意と、克己心の強さが滲み出る好青年だと思う。
したかった事が分からない…それは難しい。私の場合は義務と望みが一緒になったから。
でも、彼ならきっといつか見出すだろう。その時は応援しよう。
『白石 蓮』
剣道場の師範代という、とても珍しい経験を持つ男性。
その剣は、非日常都の邂逅でも手放さなかった事を私は知っている。
そして、ぶつけるべき相手にぶつけた事も私は保障する。
”身心一如”。…ただ、銃刀法は考慮して欲しい…かな。
『近衛 実』
彼女については、簡単で難しい。一言でいうなら”共依存”だが、それで済むなら私の様な職業は要らない。
普通であろうとするのに、深淵に自ら足を運ぶ。
誰よりも超常でありながら、弱さを見せたいと希う。
”矛盾”。12歳の彼女がどの様な経緯でそう至ったかを私は知らない。
そして…治そうと思わない患者を医者は助ける事は出来ない。
。。。あの子が、自分を認めないと、きっといつかダメになる。
後は当人同士の問題とはいえ…心配ではある。
……随分多くの人に出会ったと思う。
竜胆 霊華。姉がいるとは知らなかったが…成程、恋人もいたとは。
深川 美佳。…大変だろうが、前を向いて”生きて”欲しい。
深川 御代。あの人はもう大丈夫だ。落ち着いたらまたお茶でも飲もう。
帝 優。異常を普通と認識してしまったもう一人。
帝 光一。異常に親しむあまり、普通の家族の関係を見過ごした。
三島 由美。噛みつくまでする気概があるんだ。まずは胸の内をぶつけてみたらどうだろうか?
山下 美木。頼もしいと思うけれど、同時に不安を覚える。君はいつか、もっと深い事件に出会う。
。。。最も、だからと言って足を止めないだろうというのは、経験から分かっているよ。
田中 均。墓にはもう行ったよ。最後の近衛さんとの邂逅で掬われた事を信じたいな。
目を閉じる。徹夜は慣れているが、今回は流石に疲れた。
ひと眠りしよう。それから……また、日常を始めよう。
残骸に触れる。
あの瞬間の行為を思い出すと、未だに答えが出せない私がいる。
目の前の少女を庇ったのか、危険だと思って隔離しようと思ったのか。
……私の中の血が、それを求めたのか。
====
そう遠くない未来に一度たどり着いた場所。
光差さない深くて昏い青の底。
人でない者による、古代からの都。
”ルルイエ”
生きず、死なぬ海神。
”×××××”
そこで、歌い続ける娘。
彼女は……
====
まるで水面から飛び出した様に意識が戻る。
あの事件から暫く経って。
自室代わりのクリニックのソファーに寝転がったまま、手のひらを白熱灯に透かす。
以前と変わりのない、人の手だ。”今はまだ。”
あの存在との接触は、間違いなく私に何かをもたらした。
外見上は殆ど変化が無くとも、何かが進んだという確信がある。
昔に出会った”同胞”はこれを恐れていたのだろうか。
だけど。
私の中には、それ以上に留まり続けるものがある。
過ごした時間、出会った友人、得た経験、沢山の想い。
それら全てが”川中 湊”を構築する大切な要素だ。
過去。現在。未来。無数に枝分かれし続ける一生という海で。
それこそが、運命の羅針盤になるんじゃないだろうか。
…携帯にメールが入っている事に今更気づいた。
差出人を見れば、あの探偵事務所だ。
溜息を付きながら。
大きな不安と、小さな期待を感じながら、受信フォルダを開く。
願わくば、これもまた。
私として生きる人生の航路となります様に。
あの瞬間の行為を思い出すと、未だに答えが出せない私がいる。
目の前の少女を庇ったのか、危険だと思って隔離しようと思ったのか。
……私の中の血が、それを求めたのか。
====
そう遠くない未来に一度たどり着いた場所。
光差さない深くて昏い青の底。
人でない者による、古代からの都。
”ルルイエ”
生きず、死なぬ海神。
”×××××”
そこで、歌い続ける娘。
彼女は……
====
まるで水面から飛び出した様に意識が戻る。
あの事件から暫く経って。
自室代わりのクリニックのソファーに寝転がったまま、手のひらを白熱灯に透かす。
以前と変わりのない、人の手だ。”今はまだ。”
あの存在との接触は、間違いなく私に何かをもたらした。
外見上は殆ど変化が無くとも、何かが進んだという確信がある。
昔に出会った”同胞”はこれを恐れていたのだろうか。
だけど。
私の中には、それ以上に留まり続けるものがある。
過ごした時間、出会った友人、得た経験、沢山の想い。
それら全てが”川中 湊”を構築する大切な要素だ。
過去。現在。未来。無数に枝分かれし続ける一生という海で。
それこそが、運命の羅針盤になるんじゃないだろうか。
…携帯にメールが入っている事に今更気づいた。
差出人を見れば、あの探偵事務所だ。
溜息を付きながら。
大きな不安と、小さな期待を感じながら、受信フォルダを開く。
願わくば、これもまた。
私として生きる人生の航路となります様に。
まず、最初に。皆さま、お疲れ様でした&全員生還おめでとうございます!(パチパチ)
恐らくではありますが、用意されていた罠をほぼ踏み切ったのでは無いでしょうか…(震え)
にも拘らず、この結末に辿りつけたのはひとえに皆様のお蔭だと思います。。。重ねて感謝を!
PLさんやKPさんへは本編と上記後日談で語らせて頂いたので、1PLとして気楽な駄弁りを。
。。。女性PCが私と山下さん(次点美佳さん)を除いて、全員カッ飛んでいたのは気のせいではないと思います(力説)
継続探索者の片割れとしては、後日談でも深淵にアクセル全開で突っ込んでいく姿を見て戦慄せざるを得ないです!
小学生、コワイ!高校生、コワイ! 女子学生は神話生物だわ!(偏見だが経験則)
逆に男性PCはいぶし銀もとい、安定した動きをしてくれていたと思ってます。
戦闘面でも、RP面でも常識的な視点がどんなにありがたいか…え?ショットガンに居合?私その場にいませんでしたから(逃げ)
NPCは。。。うん。。。山下さん。貴方は天使だ。美佳さん、貴方は堕天使だ(天使だけど死亡しているという意味で)
今回、人数が多かったせいもあり、絡んで行けない人物や場面が多かったのは数少ない心残りです。
…かといって、探索しない=死あるのみなので。。。その辺り、もう少し余裕を持ってやれたらよかったとは思います。
(私ももっと交流したかったという本音はしまっておく形で)
今回、唐突に事務所にお邪魔した謎の人物()ポジではありましたが、この度はご一緒出来て大変うれしく思います!
また何処かでお会いしたら是非とも…次のシナリオが何だか生きて帰れる気が…と、とにかく!
また、何処かでお会いしたらよろしくお願いします=w=b
深淵を覗く、探索者達に幸有らんことを。
セッションを開いて頂いたいのりんさんに感謝を込めて。
恐らくではありますが、用意されていた罠をほぼ踏み切ったのでは無いでしょうか…(震え)
にも拘らず、この結末に辿りつけたのはひとえに皆様のお蔭だと思います。。。重ねて感謝を!
PLさんやKPさんへは本編と上記後日談で語らせて頂いたので、1PLとして気楽な駄弁りを。
。。。女性PCが私と山下さん(次点美佳さん)を除いて、全員カッ飛んでいたのは気のせいではないと思います(力説)
継続探索者の片割れとしては、後日談でも深淵にアクセル全開で突っ込んでいく姿を見て戦慄せざるを得ないです!
小学生、コワイ!高校生、コワイ! 女子学生は神話生物だわ!(偏見だが経験則)
逆に男性PCはいぶし銀もとい、安定した動きをしてくれていたと思ってます。
戦闘面でも、RP面でも常識的な視点がどんなにありがたいか…え?ショットガンに居合?私その場にいませんでしたから(逃げ)
NPCは。。。うん。。。山下さん。貴方は天使だ。美佳さん、貴方は堕天使だ(天使だけど死亡しているという意味で)
今回、人数が多かったせいもあり、絡んで行けない人物や場面が多かったのは数少ない心残りです。
…かといって、探索しない=死あるのみなので。。。その辺り、もう少し余裕を持ってやれたらよかったとは思います。
(私ももっと交流したかったという本音はしまっておく形で)
今回、唐突に事務所にお邪魔した謎の人物()ポジではありましたが、この度はご一緒出来て大変うれしく思います!
また何処かでお会いしたら是非とも…次のシナリオが何だか生きて帰れる気が…と、とにかく!
また、何処かでお会いしたらよろしくお願いします=w=b
深淵を覗く、探索者達に幸有らんことを。
セッションを開いて頂いたいのりんさんに感謝を込めて。
PCより
PLより
気まぐれに関わることになった事件から数日。
今日も今日とて自分はあの探偵事務所に顔を出す。
けど、そこはあの日以来何かが変わってしまっていた。
本来の所長である絢姉がいない。所長の席には霊姉がいる。知ってる人や知らない人が何人かたむろっている。
変わっていないのは、この事実だけだ。
言葉通りに事実だけ。それ以外は――もうなんと言っていいかわからない。
いや、そんなふうに思っているのはもしかしたら自分だけなのかもしれない。
現に、この場にたむろする人がいなくなることはない。居心地の悪さを覚えているのは自分だけという可能性もある。
「……まあ、本当のところどうかなんて関係ないんすけどね」
誰に伝えるわけでもなく独り言をつぶやいて、自分はその場を後にした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
外に出て見上げた空は、いっそ小憎いほどに青々としている。自分の心もこれだけ爽快ならどんなに良いだろう。
「……殊理は、今日はお父さんの手伝いって言ってたはずっすねぇ」
何気なく同級生の友人に電話をかけようとして、そもそも今日一人で事務所に来た理由を思い出す。
なんてことはない。自分もまた何かがおかしくなっているようだった。
今まで手伝ってきたものとは何もかもが異なった今回の事件。
渦中にいる間はそれでも普段通りに行動できたと思う。
怖い思いもしたし、危ない目にもあったけど、正直あの時は特におかしな感じはしなかった。
違和感を覚えたのはいつだったろう。
歯車が噛み合っていない、というわけではない。
むしろ今まで噛み合っていなかった歯車が噛み合って、動いていなかったところが急に動き出したような感じだろうか。
不快かといえばそうではない。では愉快かといえばそういうわけでもない。
ただひとつ言えることがあるとすれば、それはきっと――
「……ああ、そういえば電話をかけれる人は他にもいたっすね」
思い出してみれば、全てが片付いたら電話をすると言っておきながら、まだ仔細の報告をしていない。
いやまあ別の伝手ですでに事情など自分の知らないところまで網羅していることだろうが、約束は約束だ。
アドバイスをもらった恩もある。一言ぐらい礼をのべてもバチは当たるまい。
あの時は時間がなくて詳しくは聞けなかったが、二児の母だという彼女の話を改めて聞かせてもらうのも良いだろう。
もういっそ直接話せるようにお願いして、どこかでご飯をおごってもらうのが最善か。
「えーっと、は行……は行……」
忙しい人らしいので電話にでるか否かは運次第だが、もし幸運にも電話がつながれば、きっと自分は引き返せない。
そう。幸運だ。不運じゃない。私にとってそれは幸運なのだ。
「なべて世は事もなし、というわけにはもう行かないっすねぇ。だってほら、自分、知っちゃったっすもん」
それはきっと、世界の裏側。日常に潜む非日常。知る機会がなければ一生知ることはない、故に取るに足らないモノだったはずの闇。
「なべて世は事もなし。されど世に事はある」
それに気がつくか否か。そして気が付いてしまった者は――
「――――ありゃ、出ちゃったっすねぇ。ああいや、なんでもないっすよ。ところでこの間の事件のことなんすけど……」
これは進んでいるのかそれとも落ちているのか、いずれにせよ変わらないのは後戻り出来ないということ。
行くところまで行く。自分を見失わず、あくまで自分のまま。静かな狂気をその身に宿して。
電話をしている自分はどんな顔をしているだろう。
考えるまでもないか。
きっと笑っているに違いないのだから。
今日も今日とて自分はあの探偵事務所に顔を出す。
けど、そこはあの日以来何かが変わってしまっていた。
本来の所長である絢姉がいない。所長の席には霊姉がいる。知ってる人や知らない人が何人かたむろっている。
変わっていないのは、この事実だけだ。
言葉通りに事実だけ。それ以外は――もうなんと言っていいかわからない。
いや、そんなふうに思っているのはもしかしたら自分だけなのかもしれない。
現に、この場にたむろする人がいなくなることはない。居心地の悪さを覚えているのは自分だけという可能性もある。
「……まあ、本当のところどうかなんて関係ないんすけどね」
誰に伝えるわけでもなく独り言をつぶやいて、自分はその場を後にした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
外に出て見上げた空は、いっそ小憎いほどに青々としている。自分の心もこれだけ爽快ならどんなに良いだろう。
「……殊理は、今日はお父さんの手伝いって言ってたはずっすねぇ」
何気なく同級生の友人に電話をかけようとして、そもそも今日一人で事務所に来た理由を思い出す。
なんてことはない。自分もまた何かがおかしくなっているようだった。
今まで手伝ってきたものとは何もかもが異なった今回の事件。
渦中にいる間はそれでも普段通りに行動できたと思う。
怖い思いもしたし、危ない目にもあったけど、正直あの時は特におかしな感じはしなかった。
違和感を覚えたのはいつだったろう。
歯車が噛み合っていない、というわけではない。
むしろ今まで噛み合っていなかった歯車が噛み合って、動いていなかったところが急に動き出したような感じだろうか。
不快かといえばそうではない。では愉快かといえばそういうわけでもない。
ただひとつ言えることがあるとすれば、それはきっと――
「……ああ、そういえば電話をかけれる人は他にもいたっすね」
思い出してみれば、全てが片付いたら電話をすると言っておきながら、まだ仔細の報告をしていない。
いやまあ別の伝手ですでに事情など自分の知らないところまで網羅していることだろうが、約束は約束だ。
アドバイスをもらった恩もある。一言ぐらい礼をのべてもバチは当たるまい。
あの時は時間がなくて詳しくは聞けなかったが、二児の母だという彼女の話を改めて聞かせてもらうのも良いだろう。
もういっそ直接話せるようにお願いして、どこかでご飯をおごってもらうのが最善か。
「えーっと、は行……は行……」
忙しい人らしいので電話にでるか否かは運次第だが、もし幸運にも電話がつながれば、きっと自分は引き返せない。
そう。幸運だ。不運じゃない。私にとってそれは幸運なのだ。
「なべて世は事もなし、というわけにはもう行かないっすねぇ。だってほら、自分、知っちゃったっすもん」
それはきっと、世界の裏側。日常に潜む非日常。知る機会がなければ一生知ることはない、故に取るに足らないモノだったはずの闇。
「なべて世は事もなし。されど世に事はある」
それに気がつくか否か。そして気が付いてしまった者は――
「――――ありゃ、出ちゃったっすねぇ。ああいや、なんでもないっすよ。ところでこの間の事件のことなんすけど……」
これは進んでいるのかそれとも落ちているのか、いずれにせよ変わらないのは後戻り出来ないということ。
行くところまで行く。自分を見失わず、あくまで自分のまま。静かな狂気をその身に宿して。
電話をしている自分はどんな顔をしているだろう。
考えるまでもないか。
きっと笑っているに違いないのだから。
こんにちは。宍戸乱華の中の人だったカルバノです。
っていっても一緒にセッションした方以外に通じない挨拶ですね。
それはさておき、セッションお疲れ様でした。長丁場でしたが、個人的にはたいへん楽しませていただきました。
卓開始前に特徴二つ目を振って運転<バイク>を手に入れられたのは幸運でした。
おかげで神代殊理嬢とイチャイc――ゲフンゲフン。車二台とは別に行動できる選択肢を得られたのは良かったと思います。(演出的にも)
新規探索者=非日常を知らないという部分に意識が行き過ぎて、継続で来ていた方に負担を集中させてしまったのは申し訳なかったと思います。
事に十六夜様にはPL的にもPC的に要所要所頼りっぱなしですみませんでした。でも大変助かりました。全員生還が出来たのは貴方のおかげだと思います。
さて後日談ですが、勝手ながらちょっとリンクさせていただいております。(といってもこれを書いてる時点では十六夜様ののみですが)
この手の後日談はパラレル的な展開でOKと認識しておりますが、それはそれとしてやっぱりちょっとくらいパク――もといフレーバーを頂くのも楽しみかなぁと思いまして。
あと作中でほぼずっと一緒に行動させてもらってた鯨付き様のPCも拝借させていただいております。バイクで二人乗りした仲ですので是非とも言及したかった。
メインは最終戦前にあった某方との電話内容から。
時間的な都合でほぼ一方的に会話を終わらせてしまいましたが、ほんとうはもうちょっとRPして詳細を聞いてみたい気持ちがありました。
なんか親密度あげると特殊イベントとかあったんじゃなかろうかと妄想した結果がこの後日談です。
まあ、私のPCがセルフ狂気みたいなことになってますが(笑
※上記に関して問題やご意見等ございましたら気が付き次第対応させて頂きます。
複数手に別れてしまった関係上、ことこと様、雨合羽様、揚げ様、エクァス様のPCとの絡みは少なくなってしまいましたが、雨合羽様を除くお三方のPCの生命を危険に晒したのは本当にすみませんでした。
ダイスで全てが決まるのって、本当に余程のことがない限りドラマティックになっちゃうんですね……(言い訳
それでもなんとかクリア出来たのはこの七人であったからこそだと思います。
長々と書き連ねましたが、もしこの後日談までお読みいただけたなら嬉しく思います。
この度はありがとうございました。
またどこかの卓でセッションさせていただけることを願いまして。
っていっても一緒にセッションした方以外に通じない挨拶ですね。
それはさておき、セッションお疲れ様でした。長丁場でしたが、個人的にはたいへん楽しませていただきました。
卓開始前に特徴二つ目を振って運転<バイク>を手に入れられたのは幸運でした。
おかげで神代殊理嬢とイチャイc――ゲフンゲフン。車二台とは別に行動できる選択肢を得られたのは良かったと思います。(演出的にも)
新規探索者=非日常を知らないという部分に意識が行き過ぎて、継続で来ていた方に負担を集中させてしまったのは申し訳なかったと思います。
事に十六夜様にはPL的にもPC的に要所要所頼りっぱなしですみませんでした。でも大変助かりました。全員生還が出来たのは貴方のおかげだと思います。
さて後日談ですが、勝手ながらちょっとリンクさせていただいております。(といってもこれを書いてる時点では十六夜様ののみですが)
この手の後日談はパラレル的な展開でOKと認識しておりますが、それはそれとしてやっぱりちょっとくらいパク――もといフレーバーを頂くのも楽しみかなぁと思いまして。
あと作中でほぼずっと一緒に行動させてもらってた鯨付き様のPCも拝借させていただいております。バイクで二人乗りした仲ですので是非とも言及したかった。
メインは最終戦前にあった某方との電話内容から。
時間的な都合でほぼ一方的に会話を終わらせてしまいましたが、ほんとうはもうちょっとRPして詳細を聞いてみたい気持ちがありました。
なんか親密度あげると特殊イベントとかあったんじゃなかろうかと妄想した結果がこの後日談です。
まあ、私のPCがセルフ狂気みたいなことになってますが(笑
※上記に関して問題やご意見等ございましたら気が付き次第対応させて頂きます。
複数手に別れてしまった関係上、ことこと様、雨合羽様、揚げ様、エクァス様のPCとの絡みは少なくなってしまいましたが、雨合羽様を除くお三方のPCの生命を危険に晒したのは本当にすみませんでした。
ダイスで全てが決まるのって、本当に余程のことがない限りドラマティックになっちゃうんですね……(言い訳
それでもなんとかクリア出来たのはこの七人であったからこそだと思います。
長々と書き連ねましたが、もしこの後日談までお読みいただけたなら嬉しく思います。
この度はありがとうございました。
またどこかの卓でセッションさせていただけることを願いまして。
PCより
PLより
朝8時開始の夜中2時閉幕。休憩時間除いて約16時間の長丁場お疲れ様でした!ブラッドイーターは強敵でしたね…。
今回は新規探索者としてちょっと(?)おかしいJKを作ってみました。楽しいですねJKを演じるの。
そして地味に今回オンセ、オフセ合わせて初めてよそ様のPCを呼び捨てすることができました。いいですね、こういうの。探索者同士の仲のよさのようなものが出せて。
カルバノ様もとい宍戸乱華ちゃんとイチャイチャできて本当に良かった。
セッションに関しては基本的には流れに身を任せたつもりですが、要所要所でご迷惑をおかけしました。冷やしナイフとかやたらめったらNPCを疑ったり。
ダイスの出目もSANチェック以外揮わず探索中は半ば置物と化していました。
でもまあみんな生き残れたし今回はこれでよかったんでしょう…多分
後日談についてですが、カルバノ様がうちの子について言及してくださっていたのでちょっとだけこちらからもリンクしています。
こいつ友達に仕事行くとか言っておいて親父に薬盛ってやがる。
最初はもっと明るい感じの話にしようと考えていましたが、先に書かれていたカルバノ様、十六夜様両名とも不穏な内容だったので私も「チクショー!バッドエンド持って来い!」「あったよ!セルフバッドエンドが!」というテンションで書き直しました。
急いで書いたから文章が少々おかしいけど是非もないネ
内容としては殊理の内面の変化ですね。変化というか退化というか。
ナイフ闇討ち事件のときの精神テンションに戻っちゃってます。多分これから色々やらかすんでしょうね。誰かこいつを救ってやってくれ…
本当はエクァス様の吉原さんと正義について語り合ったりしたり、十六夜様の実ちゃんと生きることなどについて相談をし、過去の自分を振り切るというようにするべきでしたが、それに気がついたのが現在この後日談を書いている瞬間だったりします。
なかなか絡めなかったPL様もいらっしゃいますし、色々と心残りはありますが、とても楽しいセッションでした。精神分析の重要性、NPCを大切にする心、日本刀のかっこよさなど色々と学ぶことができました。
この度はありがとうございました。
KP様もお疲れ様でした。二転三転する終盤の展開にはずっとハラハラしっぱなしでした。また機会があれば応募させてください。
またいつか、どこかで再び会えることを楽しみにしています
※これから後日談を書かれる方へ。うちの子はフリー素材です。ひどい目に合わせること以外で使ってくれると喜びます。
あの儀式の夜から数日。
私は父の法律事務所にある箪笥をひっくり返していた。
父もその場にいるが問題ない。客用のソファで死んだように眠っているからだ。
実ちゃんと深川家で行動を共にしたのは正解だった。「睡眠薬で行動を封じる」という選択肢が増えたのだから。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
事件の後、何度か乱華と湊ちゃんから連絡があった。取り留めのない内容のものがほとんどだったが、決まって毎回「何か変わったことはないか」と聞かれた。
私は「何もない」と答えていた。
…正常と異常の境界線はどこにあるのだろうか。
深川美佳の遺体、帝光一の救助、帝優の振る舞いなど、様々な要因から確実に私の精神は疲弊していた。考えることがまとまらず、思ったことを口に出していた。
そして探偵事務所に帝優を連れて行った時、私は帝優の処遇について乱華にこう言ったのだ。
「今のうちに始末しますか?」、と。他人の命を奪おうという提案。2年前、いじめられていた少女にかけた言葉と寸分違わぬ言葉だった。
その言葉が紡がれた瞬間、私の思考は一気にクリアになった。まるで迷子の幼子が探し求めていた母親を見つけたときのように。
2年前から全く成長していないという失望をかき消すほど、過去に描いた夢がまだ私を見捨てていなかったという高揚感が勝っていた。
今、私の精神状態は『あの事件』を起こしたときと同じ状態だろう。「正義を為し、みんなを笑顔にする。それが私の夢だ。そのためにはどんな犠牲を払ってもよい。」
おおよそ普通の子供が考えることではない。一般的に異常であるといえるであろう。
だが、狂った者が普通の人間のように振舞って生きる。これは正常と言えるだろうか。
抗えぬ運命の元に生まれた人間が現状を受け入れ生きる。これを異常と言えるのだろうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
…見つけた。私の探し求めていたものは父の机の一番下の引き出し、レターパックの下に隠されていた。
2年ぶりに『それ』を手にとると、以前と変わらぬ手触りに一抹の懐かしさを覚える。
鞘から抜き出してみると、新たな発見があった。刃先がほんの少しだけ欠けている。もしかすると未だにあの子の体内に残留しているかもしれない。
これは深川家にあったような殺傷力の高いナイフではなく、町の不良が持っているような小型のナイフ。しかし私にはどんな武器より頼もしく見える。
心の奥底に仕舞っていた夢−−−あの夜に腐り落ち、妄執と成り果てた思いに再び火が灯るのを感じる。
焼けて死んでもかまわない。それが私の進むべき道であるなら。
「おかえりなさい」
ナイフの刃に映る笑顔はひどく幼く見えた。
私は父の法律事務所にある箪笥をひっくり返していた。
父もその場にいるが問題ない。客用のソファで死んだように眠っているからだ。
実ちゃんと深川家で行動を共にしたのは正解だった。「睡眠薬で行動を封じる」という選択肢が増えたのだから。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
事件の後、何度か乱華と湊ちゃんから連絡があった。取り留めのない内容のものがほとんどだったが、決まって毎回「何か変わったことはないか」と聞かれた。
私は「何もない」と答えていた。
…正常と異常の境界線はどこにあるのだろうか。
深川美佳の遺体、帝光一の救助、帝優の振る舞いなど、様々な要因から確実に私の精神は疲弊していた。考えることがまとまらず、思ったことを口に出していた。
そして探偵事務所に帝優を連れて行った時、私は帝優の処遇について乱華にこう言ったのだ。
「今のうちに始末しますか?」、と。他人の命を奪おうという提案。2年前、いじめられていた少女にかけた言葉と寸分違わぬ言葉だった。
その言葉が紡がれた瞬間、私の思考は一気にクリアになった。まるで迷子の幼子が探し求めていた母親を見つけたときのように。
2年前から全く成長していないという失望をかき消すほど、過去に描いた夢がまだ私を見捨てていなかったという高揚感が勝っていた。
今、私の精神状態は『あの事件』を起こしたときと同じ状態だろう。「正義を為し、みんなを笑顔にする。それが私の夢だ。そのためにはどんな犠牲を払ってもよい。」
おおよそ普通の子供が考えることではない。一般的に異常であるといえるであろう。
だが、狂った者が普通の人間のように振舞って生きる。これは正常と言えるだろうか。
抗えぬ運命の元に生まれた人間が現状を受け入れ生きる。これを異常と言えるのだろうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
…見つけた。私の探し求めていたものは父の机の一番下の引き出し、レターパックの下に隠されていた。
2年ぶりに『それ』を手にとると、以前と変わらぬ手触りに一抹の懐かしさを覚える。
鞘から抜き出してみると、新たな発見があった。刃先がほんの少しだけ欠けている。もしかすると未だにあの子の体内に残留しているかもしれない。
これは深川家にあったような殺傷力の高いナイフではなく、町の不良が持っているような小型のナイフ。しかし私にはどんな武器より頼もしく見える。
心の奥底に仕舞っていた夢−−−あの夜に腐り落ち、妄執と成り果てた思いに再び火が灯るのを感じる。
焼けて死んでもかまわない。それが私の進むべき道であるなら。
「おかえりなさい」
ナイフの刃に映る笑顔はひどく幼く見えた。
朝8時開始の夜中2時閉幕。休憩時間除いて約16時間の長丁場お疲れ様でした!ブラッドイーターは強敵でしたね…。
今回は新規探索者としてちょっと(?)おかしいJKを作ってみました。楽しいですねJKを演じるの。
そして地味に今回オンセ、オフセ合わせて初めてよそ様のPCを呼び捨てすることができました。いいですね、こういうの。探索者同士の仲のよさのようなものが出せて。
カルバノ様もとい宍戸乱華ちゃんとイチャイチャできて本当に良かった。
セッションに関しては基本的には流れに身を任せたつもりですが、要所要所でご迷惑をおかけしました。冷やしナイフとかやたらめったらNPCを疑ったり。
ダイスの出目もSANチェック以外揮わず探索中は半ば置物と化していました。
でもまあみんな生き残れたし今回はこれでよかったんでしょう…多分
後日談についてですが、カルバノ様がうちの子について言及してくださっていたのでちょっとだけこちらからもリンクしています。
こいつ友達に仕事行くとか言っておいて親父に薬盛ってやがる。
最初はもっと明るい感じの話にしようと考えていましたが、先に書かれていたカルバノ様、十六夜様両名とも不穏な内容だったので私も「チクショー!バッドエンド持って来い!」「あったよ!セルフバッドエンドが!」というテンションで書き直しました。
急いで書いたから文章が少々おかしいけど是非もないネ
内容としては殊理の内面の変化ですね。変化というか退化というか。
ナイフ闇討ち事件のときの精神テンションに戻っちゃってます。多分これから色々やらかすんでしょうね。誰かこいつを救ってやってくれ…
本当はエクァス様の吉原さんと正義について語り合ったりしたり、十六夜様の実ちゃんと生きることなどについて相談をし、過去の自分を振り切るというようにするべきでしたが、それに気がついたのが現在この後日談を書いている瞬間だったりします。
なかなか絡めなかったPL様もいらっしゃいますし、色々と心残りはありますが、とても楽しいセッションでした。精神分析の重要性、NPCを大切にする心、日本刀のかっこよさなど色々と学ぶことができました。
この度はありがとうございました。
KP様もお疲れ様でした。二転三転する終盤の展開にはずっとハラハラしっぱなしでした。また機会があれば応募させてください。
またいつか、どこかで再び会えることを楽しみにしています
※これから後日談を書かれる方へ。うちの子はフリー素材です。ひどい目に合わせること以外で使ってくれると喜びます。
PCより
カチリ、カチリ、とそれは些細なことだったのかもしれない。
ほんの小さな歯車のズレ。気にもならない差異。
それが少しずつ重なって、気づかなくて―
もう、手遅れのところまで来てしまったのかもしれない。
長時間の詠唱や、異形の怪物との対峙。
心身共に疲弊して、満身創痍といった体で事務所に帰ったわたしを、
霊華お姉ちゃんは優しく抱きしめてくれた。
―大丈夫ですか、実?
―お疲れ様でしたね。
お姉ちゃんの身体は温かくて、柔らかくて、
涙が出るほど―優しくて。
気づけば、みっともなく泣きじゃくっていた。
怖かった。死ぬのは、嫌だった。お姉ちゃんに会えなくなるから…。
だから―
わたしは一つの呪文の名を口に出す。
それは死体を再び蘇らせる秘術。
輪廻の輪に反する行為。
生命の冒涜。
その呪文の存在を―
霊華お姉ちゃんは、受け入れてくれた。
死んでも、ずっと一緒にいてくれるって。
…たぶん、わたしが”そう”させてしまった。
それから―
会えなかった時間を埋めるように、身体を重ね合わせた。
お互いに疲れていたのか、その日はすぐに終わって寝ることになった。
「一週間もお休みがあるんだから、また今度、ゆっくり続きしようね?」
笑顔のわたしに、お姉ちゃんも笑顔で答えてくれた。
―そうですね、実。
―まだ時間はたっぷりあります。
―今日はお疲れでしょうし、そろそろ寝るとしましょう。
そうして、二人で横になって―
目を覚ます。
時間は、まだ一時間ほどしかたっていない。
隣を見れば、大好きな人が幸せそうに眠っている。
眠るわけにはいかなかった…わたしには、やり残したことがあるから。
事務所の机にメモ帳を置いて、ペンを用意する。
絢お姉ちゃんと五月お姉ちゃんはまだ忙しいのか、帰ってこないようだった。
「…………」
目を閉じる。
ただそれだけで、大切な思い出がいくつも瞼の裏に浮かんでくる。
大好きな事務所のこと。
ここでできた、かけがえのない友人たち。
わたしが救えた人、救えなかった人。
そして―
大好きなお姉ちゃんと過ごした大切な時間を。
大切だから…本当に、大切だから…。
溢れそうになる涙を堪えて、ペンを手に取る。
これからする行為をもう一度、頭の中で反芻する。
それだけで、心の中の柔らかい部分を、鉤爪で引き裂かれるような痛みを感じる。
それでも…それでも…!
もう一度だけ、腕で涙を拭って―
わたしは”それ”を書くことにした。
『竜胆 霊華さんへ』
―霊華お姉ちゃんへ
『私は貴方に別れを告げることにしました』
―わたしは、お姉ちゃんの元から離れたいと思います。
『一通りの医療技術や知識を与えてくれたことには感謝しています』
―わたしに獣医さんになるために必要なことをたくさん教えてくれて、ありがとうございました…。
『しかし、これ以上貴方の元にいると、私まで弱い人間になってしまいます』
―わたしがこれ以上一緒にいると、お姉ちゃんの良いところを全部、わたしの弱さが覆いつくしてしまうから…。
涙が、零れた。
拭いても拭いても、際限なく溢れてくる。
たぶん、それは純粋なわたしの気持ち。
『お姉ちゃんとずっと一緒にいたい』という、何よりも強い願い。
でも、それを強引に押さえつけて、わたしは再びペンを執る。
それが『正しいことなんだ』と自分に言い聞かせて。
『預かっていた指輪とメスですが、お返しします。もうわたしには不必要なモノなので』
―お姉ちゃんがくれた指輪とメスは置いていくね。…今のわたしには重すぎるから。
『もう貴方の顔は見たくないので絶対に追いかけて来ないでください』
―わたしはきっとお姉ちゃんを不幸にしてしまうから…追いかけて来ないで。もう傷つけたくないの、お願い…。
『最後に』
―最後に、言うね。
『”竜胆 霊華”貴方のことがずっと大嫌いでした』
―霊華お姉ちゃんのこと…ずっと…大好きだった。
「…ぁ……ぁっ…っ……ぅ……うぅ…っ……」
限界だった。
声を必死に抑えるので精一杯で、手紙にポタポタと雫が落ちるのを止めることができない。
輪郭が曖昧になっていく世界で、ぐちゃぐちゃになっていく手紙を見て―
―早く、出て行こう。
手紙の横に置いたのは銀色に輝く一本のメス。
それと、指から外した透明な指輪。
「……さようなら」
わたしの、愛した人。
行く当てなんて決まってない。
ただ、世界の全てから逃げるように、一人の少女は闇へと消えて行った…。
PLより
カチリ、カチリ、とそれは些細なことだったのかもしれない。
ほんの小さな歯車のズレ。気にもならない差異。
それが少しずつ重なって、気づかなくて―
もう、手遅れのところまで来てしまったのかもしれない。
長時間の詠唱や、異形の怪物との対峙。
心身共に疲弊して、満身創痍といった体で事務所に帰ったわたしを、
霊華お姉ちゃんは優しく抱きしめてくれた。
―大丈夫ですか、実?
―お疲れ様でしたね。
お姉ちゃんの身体は温かくて、柔らかくて、
涙が出るほど―優しくて。
気づけば、みっともなく泣きじゃくっていた。
怖かった。死ぬのは、嫌だった。お姉ちゃんに会えなくなるから…。
だから―
わたしは一つの呪文の名を口に出す。
それは死体を再び蘇らせる秘術。
輪廻の輪に反する行為。
生命の冒涜。
その呪文の存在を―
霊華お姉ちゃんは、受け入れてくれた。
死んでも、ずっと一緒にいてくれるって。
…たぶん、わたしが”そう”させてしまった。
それから―
会えなかった時間を埋めるように、身体を重ね合わせた。
お互いに疲れていたのか、その日はすぐに終わって寝ることになった。
「一週間もお休みがあるんだから、また今度、ゆっくり続きしようね?」
笑顔のわたしに、お姉ちゃんも笑顔で答えてくれた。
―そうですね、実。
―まだ時間はたっぷりあります。
―今日はお疲れでしょうし、そろそろ寝るとしましょう。
そうして、二人で横になって―
目を覚ます。
時間は、まだ一時間ほどしかたっていない。
隣を見れば、大好きな人が幸せそうに眠っている。
眠るわけにはいかなかった…わたしには、やり残したことがあるから。
事務所の机にメモ帳を置いて、ペンを用意する。
絢お姉ちゃんと五月お姉ちゃんはまだ忙しいのか、帰ってこないようだった。
「…………」
目を閉じる。
ただそれだけで、大切な思い出がいくつも瞼の裏に浮かんでくる。
大好きな事務所のこと。
ここでできた、かけがえのない友人たち。
わたしが救えた人、救えなかった人。
そして―
大好きなお姉ちゃんと過ごした大切な時間を。
大切だから…本当に、大切だから…。
溢れそうになる涙を堪えて、ペンを手に取る。
これからする行為をもう一度、頭の中で反芻する。
それだけで、心の中の柔らかい部分を、鉤爪で引き裂かれるような痛みを感じる。
それでも…それでも…!
もう一度だけ、腕で涙を拭って―
わたしは”それ”を書くことにした。
『竜胆 霊華さんへ』
―霊華お姉ちゃんへ
『私は貴方に別れを告げることにしました』
―わたしは、お姉ちゃんの元から離れたいと思います。
『一通りの医療技術や知識を与えてくれたことには感謝しています』
―わたしに獣医さんになるために必要なことをたくさん教えてくれて、ありがとうございました…。
『しかし、これ以上貴方の元にいると、私まで弱い人間になってしまいます』
―わたしがこれ以上一緒にいると、お姉ちゃんの良いところを全部、わたしの弱さが覆いつくしてしまうから…。
涙が、零れた。
拭いても拭いても、際限なく溢れてくる。
たぶん、それは純粋なわたしの気持ち。
『お姉ちゃんとずっと一緒にいたい』という、何よりも強い願い。
でも、それを強引に押さえつけて、わたしは再びペンを執る。
それが『正しいことなんだ』と自分に言い聞かせて。
『預かっていた指輪とメスですが、お返しします。もうわたしには不必要なモノなので』
―お姉ちゃんがくれた指輪とメスは置いていくね。…今のわたしには重すぎるから。
『もう貴方の顔は見たくないので絶対に追いかけて来ないでください』
―わたしはきっとお姉ちゃんを不幸にしてしまうから…追いかけて来ないで。もう傷つけたくないの、お願い…。
『最後に』
―最後に、言うね。
『”竜胆 霊華”貴方のことがずっと大嫌いでした』
―霊華お姉ちゃんのこと…ずっと…大好きだった。
「…ぁ……ぁっ…っ……ぅ……うぅ…っ……」
限界だった。
声を必死に抑えるので精一杯で、手紙にポタポタと雫が落ちるのを止めることができない。
輪郭が曖昧になっていく世界で、ぐちゃぐちゃになっていく手紙を見て―
―早く、出て行こう。
手紙の横に置いたのは銀色に輝く一本のメス。
それと、指から外した透明な指輪。
「……さようなら」
わたしの、愛した人。
行く当てなんて決まってない。
ただ、世界の全てから逃げるように、一人の少女は闇へと消えて行った…。
インターホンが鳴る。
「宅配便です」
返事をしてから、扉を開ける。
瞬間、ガシリと扉をつかまれる。
「警察だ」
その後、人が雪崩れ込んでくる。
「うごくな」「奥を調べろ!」「いたぞ!容疑者だ!」
私は大きな男の人に抑えられる。
部屋から、美佳が連れ出される。
「やめて!離して!」
叫びは誰にも届かない。
ただただ、私は悲鳴を上げながら。
遠くに去っていく、美佳の後姿を……
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「っ!」
目が覚める。
見渡せば、自室。
寝汗はひどく、寝間着が不快に感じる。
「…大丈夫?」
隣で美佳が声をかけてくれた。
どうやら、起きていたようだ。
私は彼女を強引に抱きしめる。
つよく、つよく
「…よしよし、怖かったんだね」
美佳は、何も聞かずに優しく抱きしめてくれる。
熱も感じない、冷たい人形のような体。
でも、私にとってはそれが今、一番大切なもので。
私は、再び眠りに落ちるまでずっと抱きしめていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「〜♪」
自然と笑みが漏れる。
知人からは「どうしたんだ?」と不思議がられるため、抑えているが。
どうしても、それはこぼれてしまう。
だって、私の家には今、愛する人がいるのだから。
私の家に、美佳がいる。
それだけで、勉強に身は入り、すべてがうまくいくような気になってくる。
実際、学校生活もうまくいっており、不自由はない。
確かに、美佳と外で遊べないこととかは、ちょっと気に入らないけど。
それでも、美佳がそばにさえいてくれれば問題ない。
「ああ、楽しみだな」
私ははやる気持ちを抑えながら、急ぎ足で帰路についた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…優、大丈夫?」
「ん〜何が〜?」
「いや、何って…」
「毎晩、うなされてるしさ」
「それに、どんどん体も痩せてきてるよ?」
「ああ、ごはんとか食べてないからね」
「!…どれくらい?」
「ん〜、いつだっけ?」
「…駄目だよ!食べなきゃ!」
「ほら、何なら私がなんか作ってき…」
ぐいっと鎖を引っ張る。
「…駄目だよ、この部屋からでたら」
「!…で、でもほら、ごはん…」
「いいの、美佳だって食べないけど平気でしょ?」
「だから大丈夫」
「…わ、私もおなかすいたな〜」
「何か、優と一緒にたべたいな」
「!…仕方ないなぁ、美佳には私お手製のごはんを作ってあげよう」
「…(よかった…)じゃ、じゃぁそれまで部屋で待ってるからね」
「うん!」
最近の話。
美佳が料理を食べてくれるようになった。
美佳は、ご飯を食べたりすることは、いらないと最初は言っていた。
ほんとは私の料理を食べたくないだけかな、と思っていたけど。
そんなことはなくて、安心した。
本当なら、お風呂もトイレも大学も放棄して、ずっと美佳と一緒にいたいけど。
美佳が
「ほら、他人に怪しまれるといけないでしょ?」
っていうから、一応そのあたりはキチンとしておいた。
…そういえば、ご飯は食べなくてもいいから食べてないけど…。
最後に食べたの、いつだっけ?
「…まぁ、いいか」
今日、美佳と一緒に食べるわけだしね。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あの事件の後。
私は美佳を監禁した。
外では、美佳が警察に追われているそうだ。
犯人は"深川 美佳"という扱いで、捜査中。
時期がおとなしくならないと、美佳は外に出てはいけないだろう。
そう。
この監禁は、美佳は不当な罪から逃げるための正当なもの。
けっして…
けっして、私が彼女をとらえるためじゃない。
「…じゃぁ、なんで首輪や手錠なんてつけてるのさ」
もう一人の私が、声をかける。
「どうせ、美佳を手放したくないだけじゃん」
私の中の私が、糾弾する。
「ねぇ、もういいじゃない」
「全部、美佳にいっちゃいなよ」
「…全部って、何をさ」
「そりゃねぇ」
"貴方の事がほしいから、蘇生させて監禁しました"
―違う
私は、美佳を守りたいだけで。
―違う
別に、そんなことはなくて。
―違う
これは、正しいことなの!
「どこが?」
いや!いや!言わないで!教えないで!
「"何も知らない被害者"でいれると思うの?」
違う!私は…
「自らの欲望で、人を閉じ込める…化け物"なんだよ」
「いやああああああああああああああああ!!!!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「―優!――優!」
「っ!」
「よかったぁ…やっぱりうなされていたけど、大丈―」
美佳を押し倒す。
ギシッとベッドの軋む音と、ジャラリ、と鎖の絡む音。
「…美佳」
「…な、何?」
「今から、抱くから…ごめんね?」
彼女が何か言う前に、口をふさぐ。
強引に服を脱がし、彼女の体に触れる。
熱はない…でも構わない。
今はただ…彼女をものにできれば。
そう考え、強引に抱こうとしたところで。
「…駄目だよ」
彼女に止められて…そして、優しく抱きしめられた。
「…ごめんなさい」
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
「…うわあああああっ!」
泣いてしまった。
本当は、美佳の方が泣きたいはずなのに。
私はただ、泣いてしまった。
…酷く、幼く泣きじゃくりながら、美佳に抱きしめられるその時間は。
幼いころに、戻った気がした…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…ねぇ、優」
泣きじゃくる私に、彼女は優しく声をかける。
「今はまだ、言えないけど」
その声は、とても優しい声色で
「いつか、あなたに伝えたいことがあるの」
私の心に沁みこんできて
「だから、貴方がまた元気になって、笑顔を見せてくれるまで」
ないはずの、彼女の暖かさを感じて
「…ずっと待っているから…」
私は、彼女を抱きしめて返して
「…今は、ゆっくり休んで」
声が遠くなっていく
「…お休み」
「…おやすみなさい」
心地よい、眠りの世界に…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「じゃぁ、美佳、大学行ってくるね!」
「車には気をつけてね〜」
朝
私は美佳に挨拶を済ませ、大学に向かう。
昨日の事は、覚えていないようで覚えてる。
私はどこか、急ぎすぎていて
彼女がどこかいっちゃうんじゃないかって、怖くて。
でも
「待ってるから」
その言葉が、何よりの救いだった。
あの子は待ってくれている。
だから、私も元気にならなくちゃ
「…ねぇ、美佳」
誰ともいえない空に向かって、私はつぶやく
「愛してる」
それを、いつか伝えるから。
―まっていてね?
私の人生を一言で述べるとしたら「急転直下」
一か月前までは、割といい人生だったと思う。
幼馴染は可愛くて優しかったし。
家庭は少し変わっていたけど暖かかったし。
目標もあって、そこに前進できたし。
順風満帆…まぁ、時たま躓くこともあるが、特に大きな問題もなく。
平均寿命の1/4辺りまでは、それなりに幸せな人生だった。
さて、そこからが問題だ。
まず、愛してくれる人を失った。
父親を失うというのは、何分つらいもので。
年頃の娘だと、父親を嫌うものだが、私は割と好きだった。
…まぁ、とはいえ。
実に摩訶不思議な殺されかたをした父親に、私は悲しんだようだ。
心が折れたのか、自暴自棄になったのかはわからないが。
とはいえ、そこから歯車が狂いだしたらしい。
父親の死を認めたくなくて。
何か理由を探して。
結果、20年前の"廃屋"を知り。
そして、その"原因"を知るために、私はそこに乗り込んだ。
…あまりにも無謀で、愚かな賭けは、見事敗北をもたらした。
目の前に迫る"何か"
もう、足も動かないほどに疲れ切っている。
たぶん、躱すことはできそうにない。
死ぬだろう。
その時、脳裏に思い浮かべたのは。
家族がいて、幼馴染がいて、幸せだったあの頃。
…そして、私の人生は…哀れにも、幕を閉じた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
それを"奇跡"と言うには、あまりにも冒涜的すぎる。
朽ちず、滅びず、そしてただ"存在し続ける"
そんな肉体に、いったい何の価値が存在するというのだろう?
しかし、それでも。
君のおかげで、もう一度やり直せるというのならば。
それは、奇跡ではなく"対価"
君が正気という代償を払って手に入れた"対価"と呼ぶのにふさわしい。
ならば、この命は。
君に捧げるのが、当然といえるだろう?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…ねぇ、優」
「何?美佳」
「いや、これ…」
私がどこにいるか?
そんな事は分かり切っている。
私は今「帝 優」の家…もうちょっと正確に言えば、彼女の部屋に住んでいる。
…首輪みたいなのや手錠のようなものをつけられている風にも見える。
あと、部屋から一切出ることは許されていない。
「駄目だよ、外には美佳を狙う人がいっぱいいるんだから」
「しばらくは、ここにいなくちゃだめだよ、ね?」
可愛い…じゃ、なくて
「いやまぁ、そう過敏にならなくても…」
「駄目だよ!」
「!?」
「…駄目なんだから…駄目なの…ここから出るのは」
「…じゃぁ、私大学行ってくるからね…?」
そういって、彼女は部屋から出て行った。
…まぁ、なんだ…身もふたもなく言えば「監禁されている」
その言葉が妥当かもしれない。
あの事件にて、犯人は「私」ということになっている。
実際には、まぁ色々あるらしいけど、大まかな犯人は「私」のようだ。
父親は「母の仕事」の関係で恨みを持った外国人テロリストが殺した。
その後、私は勘違いして殺害当日に出会っていた元オカルトサークルのメンバーであった4人を殺害していた。
しかし、最後に「帝 光一」の殺害を断念、逃走して行方不明。
…我ながら、ひどい話だ。
こちらとしては、殺しの罪を背負わされるなんてたまったものではないが、仕方ない一面もある。
何せ、犯人は化け物だったし、それを世間に「殺したのは化け物です」なんて公表できるはずもない。
さりとて、犯人不明で終わらせてしまえばそれはそれで問題だ。
「この事件を闇に葬るための生贄となってくれ」
あの刑事さんのそう頼まれたとき、私は断ることができなかった。
しかし、今考えれば断るべきだったか。
…この事件、まぁ色々あったわけだけど、結果として優は私のことが好きらしい。
それで、私が死んだんで色々こじらせちゃったんだと。
今、優は悪夢から必至で逃れるために、私をとらえている。
私がどこかにいなくなるのではないか?という不安に駆られているのだ。
そして、その予感は実は当たっている。
私は、この事件が終わったら、母さんとともに海外にいこうかと考えていた。
この部屋に監禁される前、母さんに再会した。
母さんは、変わり果てた私を見ても、相も変わらず抱きしめてくれてた。
その後「いっしょに海外に行かない?」との誘いをかけてくれた。
なんでも、父さんの死をきっかけに何かが吹っ切れたようで、仕事を再開するらしい。
「その体も生かせるわよ?」と、私に誘いをかけたとのことだ。
確かに、海外に行けば割と自由だし、それに母さんと一緒にいられる。
私は二つ返事でついて行こうとして…そして、あの子のことを思い出した。
"誰か"はいまさら言うまでもない。
「…ごめん、私はそばにいたい人がいるから」
そうやって母さんに伝えたら、母さんは私の頭を撫でて
「…その人の手は、絶対離しちゃだめよ」
といってくれた。
そして、私は最後の"親孝行"を終えたのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
その後は、言うまでもないだろう。
優に会いに行ったら、そのまま部屋に連れ込まれて、少々うとうとしたら首輪と手錠でつながれて終了。
まぁ、トイレや食事なんかはいらないわけだから、別段不自由はない。
…この手錠も、本当は簡単に破壊できる。
出ようと思えば、いつでも出られるわけだ。
でも、私はそれをする気はない。
「…だって、優が大切だから」
君の事を離したくないのは、私も同じ。
だけど、もし私が君に思いを伝えても、君は話を聞かないだろう。
だって、私は「死人」で優の「奴隷」だから。
…生きているうちに、言えばよかったけど。
もう、その願いはかなわない。
だから、私は君が正気に戻るまで、待とうと思う。
君の全てを、私はほしいから。
その小さな箱庭に、私は種をまく。
それは、死んだ私が、あなたのために植える"種"
それは、君が正気に戻るとともに、発芽してくれるだろう。
…その種を、君はどう思うかな、優
「…愛してる」
私だけの部屋でつぶやいたその言葉は…部屋に響いて…そして、沁みわたっていった。
―走る。
足は殆ど棒のようになりながらも、それでも森林を駆ける。
自分が草木をかき分ける音に加えて、背後から迫る黒い影。
―まずい。
―あと少し
―あと少しで…
瞬間、木の根に躓く。
倒れる体。
ゆっくりとスローモーションになる世界の中で。
その黒い影は、大きな鉤爪をこちらに振り下ろす―!
と、そこで森林の中に鳴り響く似つかわない電子音。
「…やっとか」
その溜息とともに、黒い影は急激に苦しみだす。
「…さて、準備はいいかな?"怪物"さん」
私は、ゆっくりと銀錫杖を構える。
そして、動かない怪物の胴体にめがけて、それを――!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「…死ぬ、これ絶対死ぬよ…」
「でも、うまくいったじゃないですか」
御津門大学―部室棟―第三資料室―「オカルトサークル 禁じられた遊び」
女子大生二人だけのサークル活動は、名前からして怪しいものである。
大学内では、既に「二人はできている」とか「夜な夜な卑猥なことを」とかひどい噂だ。
…在学中に彼氏はできそうにないな…。
「…だからって…囮で1時間も森の中走らせるかな?普通」
「危うく死ぬところだったよ?」
「そこはほら…美木さん以外にできませんでしたし」
「それに、もう被害者は出ませんし、あの村は無事救われたんじゃないですか?」
「まぁ、そうだけどさ…」
この倶楽部の実態を簡単に説明するならば「怪異の蒐集」
どうして一介の大学生がこのようなことをしているか、それは数か月前にさかのぼる…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私達がかかわった事件は、それまでの常識を大きくひっくり返すものだった。
死ぬかもしれない。
いや、そうではない。
「怪異は常に隣にいて」「日常の地続きの存在で」「常識には裏側があって」
あの日、多すぎるほどの経験をした私が選んだ道は…「無垢を助けること」
自らの父親が、このような出来事を起こしていたように。
私は、世界を守るために…この日常を守るために、何かしたいと考えた。
…だから、私は「怪異の収集」を行うことに決めた。
困っている人を助けたいから。
…怪異で苦しむ人たちを…これ以上、増やしたくないから。
そのために、最初はサークル活動をやめようとしたのだが…。
「じゃ、ここ利用してやりましょうよ、私も手伝いますし」
との、三島の意見により「怪異倶楽部:禁じられた遊び」を新たに発足。
そして、私と三島は、休日やサークル活動で「怪異」の事件について様々な調査を行う。
はずれも多く、また眉唾物や創作物も多いから、正直ただのオカルトサークルと変わらない。
そう、最初は考えていた。
…でも。
「で、今度はこの村に…」
と、三島が旅行の算段を立て始めてから、何かおかしくなった。
具体的には、三島が夜這いしてきたり、行く先々で怪異に遭遇したり、三島が夜這いしてきたり、先は怪物と戦ったり。
さらに、三島の夜這いに生贄騒ぎ、悪霊に三島の夜這い、はたまた"神"と怪物を崇める村まで。
この3か月で、解決した怪異は10を超える。
三島に聞いてみると
「なんとなく、わかるんですよ」
「なぜでしょうね?」
…明らかに魅かれてるだろ、これ…。
まぁ、それは問題ない。
数が多いとはいえ、私が望んだことだ。
問題は…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最近、美木さんのガードが下がってきている気がする。
いやまぁ、これは距離が近づいてきたとみてもいいのか。
事の発端は怪異蒐集初旅行の際にさかのぼる。
とりあえず、美木さんのパジャマ姿がひどく魅惑的で夜這いしたのだが、美木さんにけりを入れられた。
まぁ、最初はまだ期待していたわけじゃないけど。
とはいえ、何度も繰り返すうちに美木さんは拒まないようになった。
いや、ヤラセテくれるわけじゃないんだけど、一緒に寝るくらいは許可された。
曰く
「まぁ、危ないからね」
だそうだ。
実際、怪異蒐集では夜に襲われ、危うく二人で儀式の生贄にされそうになったこともある。
そのため、きっと旅行先では二人で一緒に眠るんだよなぁ。
みたいな感じに思っているのだろう。
しかし最近、ふつうの旅行になったときも、なぜか一緒に寝ていた。
美木さんはつい癖で、といったが、私的にはもしかしたら若干意識しているのかもしれない。
そう、この意味は確実な"吊り橋効果"を狙ったものである。
何度も怪異と遭遇し、そのたびに二人で切り抜けている。
命を預けあうような行動、まさに怪異にはうってつけと言わんばかりのものだ。
さらに、四六時中旅行先で一緒にいることで、二人でいる事を苦にさせないプレイング。
これはもう、完璧にはまってるでしょう…なんて。
そんな、ありえないことは考えてない。
第一、化け物に犯された私と美木さんが釣り合うわけないじゃないですか。
美木さんが優しいだけですよ。
ほら、そんな愛おしいものを見る目で見ないでください。
…期待、しちゃうじゃないですか。
ありえないよなぁ…。
で、少々不安なことが一つ。
最近、美木さんは悩んでいるようなのです。
もちろん、このことは確定ではありませんが。
物憂げな表情、ふと窓の外を見て黄昏、哀愁が漂う立ち振る舞い。
しかし、私には相談してくれません。
それに、聞いても「なんでもない」の一点張り。
怪異の事なら私に相談するはず。
―もしかして…いや、間違いなく。
"好きな人"ができたのだろう。
相手はだれだろうか?
私ではない、今までの態度から確定だ。
正直、いやだと感じる自分がいる。
美木さんに幸せになってほしくないだなんて、ひどくわがままだけど。
でも、それでも前を向かなきゃ。
いつか、美木さんに恋愛相談とかされるんだろうな…。
…いや…だな。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
問題なのは、私があの子を好きになってしまっているということだ。
最初こそ邪険にしていたものの、一緒に過ごすようになって、いろんな姿や性格をしって。
なにより、生死の境を共にし続けて、愛着がわかないほうが無理難題というわけだがしかし。
いまさらなこともあり、何とも伝えるのが難しい。
だから、私は誕生日に告白することにした。
三島の誕生日プレゼントを考えて、いろいろと悩んでいる。
さすがに、全裸リボンで「プレゼントは私☆」なんてやる勇気はない。
ので、結果的に無難なものになりそうな予感がするが。
「…はぁ、どうするから」
その憂いが見えているのか、心配して顔を覗き込んでくる三島、かわいい。
「…っと、そういえば」
確かこの前、大学近くの骨董屋でブローチがあったな。
結構きれいだったり、悪くないかも。
…そこそこ高かったが…まぁ、バイトで給料入ったし大丈夫だ。
そうと決まれば善は急げ
私はバイクを走らせ、その骨董屋に向かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
このあと。
このブローチは、実は邪神の力が宿っており。
その後、世界が滅びる事態に巻き込まれ。
山下美木と三島由美は、世界を救うことになる。
が、それは今はまだ、誰も知らない。
…これは
とある、オカルトサークルが繰り広げる、世界を巻き込む「怪異忌憚」
『怪異倶楽部的世界救済』
その物語は…今、静かに幕を上げた。
事件の発端は20年前に遡る。
当時、オカルトサークル「禁じられた聖杯」の活動をしていた「帝 光一」
彼はあるとき、異国の商人(APP18の黒人、ようはニャル)に、ある琥珀と呪文、そして像を受け取る。
琥珀には「星の精の亜種"琥珀の悪魔"」が封じられていた。
呪文は「封印を解く呪文」と「悪魔から身を守る呪文」であった。
像は、悪魔が暴れだしたときに一時的に封じ込めるものである。
サークル活動の一環で「これを召喚してみないか?」とみんなを誘ったのだ。
まぁ、誰一人として、悪魔が現れるとは思ってもみなかったが。
結論から言えば、その話は「本物」だった。
悪魔自身は、召喚された門の中からは出られなかったが、サークルメンバーの一人が錯乱して門を消してしまう。
しかし「帝 光一」は機転と胆力、そして観察眼の鋭さや身のこなしを駆使。
悪魔を像に一時的に封印することにする。
この辺りは「帝 光一の遺書」を参考。
…だが、当時彼らは悪魔を「還す」手段を持たなかった。
彼らが選んだのは「このまま封印し続ける」そして「怪異を蒐集する」
それ以来、このサークル活動はなりをひそめ、この事件の書類関係は全て破棄。
唯一「土地の所有者についての書類」は破棄できなかった(法律の都合)。
このため、オカルトサークルには殆ど資料が残っていなかった。
さて、そこから20年が経過し、シナリオ開始数カ月前に遡る。
「田中 均」は大学生活で暇を持て余していた。
ゆえに、何か楽しいことを探していたのだ。
その一環で見つけた「休止中同然のオカルトサークル」である。
一応、サークル自体は細々と続いていたのだが、ほぼ幽霊サークル同然だった。
そこを溜まり場にできないかと考えた彼はさっそく実行。
同学年で「いい奴」と評判だった「山下美木」に雑用を押し付けサークルを再開させる。
それからすぐ「三島由美」が入り3人のサークル活動が続いた。
…まぁ、全員暇つぶし程度(三島は山下目当て)にしかやってなかったけど。
そんな中、田中は自然公園にサークル所有の建物があることを知る(土地の所有者についての書類)。
以前から綺麗で可愛い「三島由美」を「山下がくる」とそそのかし誘う。
いいところを見せて惚れさせようという魂胆だった。
三島は来ないことに気付くと毒づきながらも、サークル活動の一環と押し切られて渋々散策を開始。
二階まで到達した時点で像があることに二人は気付く。
大き目の像だったので田中は人影と勘違いし、懐中電灯で殴打。
20年前から管理すらされていなかった像は、粉々に砕け散った。
像を壊した焦りで田中は逃げ出し、三島は一人廃墟に残される。
…そこで、像から出てきた悪魔と対峙、発狂して動けなくなる。
封印から解除された悪魔は、現在がかなり時間経過していることに気付く。
そして、目の前の三島を利用することで、この小屋からの従属を解くことに決めた。
三島を犯し、体内に自分の肉体の一部を寄生させて精神的に無自覚で操る。
彼女は精神的ショックと従属で記憶を失い、日常に戻った。
…が、悪魔に無自覚に何度も利用、そして殺人事件が起こり始める。
彼女で被害者を誘導したり、時に自ら移動して殺したり、と。
初の被害者は、近くに住んでいた、という理由で「深川 陽一」が殺された。
…さて、父親の死に疑惑を感じた「深川美佳」
彼女はジャーナリスト志望であり、情報収集に長けていた。
その中で、父親の遺品から「悪魔を還す手段を調べていた痕跡」を発見。
そこでオカルトサークルの名前を目にして調査開始。
そして、オカルトサークルを調べていくうちに土地に関する書類を発見。
また、殺人事件の被害者=オカルトサークルメンバーということに気付く。
そして、真相を確かめるべく、父親の遺品から「イブン=グハジの粉」を精製。
廃墟まで向かった…が、悪魔に遭遇。
写真を撮り、身のこなしで悪魔を受け流しつつも殺される(そもそもタイマンで勝てる相手ではないが)。
そして、殺害されて消息不明の彼女を探すため「帝 優」が調査に依頼した。
結果として、田中均、及び招来に参加した4名が命を失う。
しかし、君たちは結果としてその"過去"に終止符を打つことができた。
悪魔は帰るべき場所へと還った…この物語を綴る文章は、これだけで十分だろ。
NPCのその後は、後日談を参照。
今回の依頼主であり、クレイジーサイコレズ枠その1。
幼馴染の「深川美佳」の事が大好きである。
彼女の為限定ならとてつもない集中力を発揮できる。
父親の影響か、冒涜的知識に対する親和性も高かったようだ。
シナリオ内では「帝光一」が原因だと分かると彼を問い詰める。
その後、彼の部屋で呪文「再会の庭」を習得する。
正気度が0になると、深川美佳と一緒になるために自ら自殺する。
…割と危険なキャラ。
とはいえ、今回は無事救われた。
幼馴染の「深川美佳」の事が大好きである。
彼女の為限定ならとてつもない集中力を発揮できる。
父親の影響か、冒涜的知識に対する親和性も高かったようだ。
シナリオ内では「帝光一」が原因だと分かると彼を問い詰める。
その後、彼の部屋で呪文「再会の庭」を習得する。
正気度が0になると、深川美佳と一緒になるために自ら自殺する。
…割と危険なキャラ。
とはいえ、今回は無事救われた。
今回のシナリオで父親を失い、目標を失い、自分の命を失った人。
被害者枠その1。
シナリオ開始時点で死んでおり、助けることはできない。
が、前述の「帝 優」の影響で死人からゾンビ程度には戻れる。
ジャーナリスト志望で好奇心旺盛、明るく友人も多かった。
…父親が死んだことで、その道を歪められるというのは酷くかわいそうである。
「帝 優」の事はそれなりに好き。
今回のシナリオで、命がけで助けてくれた彼女をもっと好きになった。
今回のシナリオの最後では…?
被害者枠その1。
シナリオ開始時点で死んでおり、助けることはできない。
が、前述の「帝 優」の影響で死人からゾンビ程度には戻れる。
ジャーナリスト志望で好奇心旺盛、明るく友人も多かった。
…父親が死んだことで、その道を歪められるというのは酷くかわいそうである。
「帝 優」の事はそれなりに好き。
今回のシナリオで、命がけで助けてくれた彼女をもっと好きになった。
今回のシナリオの最後では…?
お助けNPCである。
今回のお持ち帰り枠だったりする。
事なかれ主義といいつつ、困っている人を見ると放っておけない性格。
そのせいで田中に頼まれサークル活動の雑用などを押し付けられている。
大学で彼女について<聞き込み>を行うと出てくる評価は。
「いいやつ」
「私、彼女の助けられたことあるよ」
「何だかんだで助けてくれるよな」
という、概ねいい評価が帰ってくる。
…過去、その性格が災いし、両親の喧嘩を止めようとした。
結果、幼心に手痛い傷と、両親の離婚というトラウマを手に入れることとなる。
その為、人と深くかかわることをしない。
三島由美との関係も「友人」程度にしか見ていなかったが…?
彼女を疑い「山下美木」について調べると、旧姓が「中田」であることがわかる。
…そう「禁じられた聖杯」の当時部長だった人物の娘(現在は母親の元にいる)である。
とはいえ、彼女は実際いい奴なので、お助けNPCとして重宝する。
普通に巻き込まれた枠、世が世なら探索者になりえる。
今回のお持ち帰り枠だったりする。
事なかれ主義といいつつ、困っている人を見ると放っておけない性格。
そのせいで田中に頼まれサークル活動の雑用などを押し付けられている。
大学で彼女について<聞き込み>を行うと出てくる評価は。
「いいやつ」
「私、彼女の助けられたことあるよ」
「何だかんだで助けてくれるよな」
という、概ねいい評価が帰ってくる。
…過去、その性格が災いし、両親の喧嘩を止めようとした。
結果、幼心に手痛い傷と、両親の離婚というトラウマを手に入れることとなる。
その為、人と深くかかわることをしない。
三島由美との関係も「友人」程度にしか見ていなかったが…?
彼女を疑い「山下美木」について調べると、旧姓が「中田」であることがわかる。
…そう「禁じられた聖杯」の当時部長だった人物の娘(現在は母親の元にいる)である。
とはいえ、彼女は実際いい奴なので、お助けNPCとして重宝する。
普通に巻き込まれた枠、世が世なら探索者になりえる。
クレイジーサイコレズ枠その2。
とはいえ、実際は普通に被害者。
田中に誘われ廃屋の肝試しで悪魔復活の場に居合わせる(もとい、田中に置いて行かれる)。
そして化け物に犯され、体内に化け物の一部を埋め込まれる。
その後、殆ど無意識的に化け物に操られるように行動を行う。
深川美佳を廃屋に誘い出したのは彼女である。
今回の事件で、人を誘い出すポジショニングになっているが、彼女自身に自覚はない。
…冴木さんの腕を噛み付いたのは素…ではなく、怪物の手ごまを増やすための一撃。
山下美木は、コミュ障ボッチだった彼女を助けてくれたとして好きになる。
オカルトサークル入部も彼女を追いかけるため。
両親はバリバリの商社マンとキャリアウーマン、そのため家を空けがち。
なお、彼女の持っていたナイフは悪魔が魔力を込めたものであり、人を操る効果がある。
悪魔の退散により、体内の一部とナイフは元に戻り、無事人間に戻れた。
自覚のない黒幕、ゆえに探索者達を振り回す枠でもある。
とはいえ、実際は普通に被害者。
田中に誘われ廃屋の肝試しで悪魔復活の場に居合わせる(もとい、田中に置いて行かれる)。
そして化け物に犯され、体内に化け物の一部を埋め込まれる。
その後、殆ど無意識的に化け物に操られるように行動を行う。
深川美佳を廃屋に誘い出したのは彼女である。
今回の事件で、人を誘い出すポジショニングになっているが、彼女自身に自覚はない。
…冴木さんの腕を噛み付いたのは素…ではなく、怪物の手ごまを増やすための一撃。
山下美木は、コミュ障ボッチだった彼女を助けてくれたとして好きになる。
オカルトサークル入部も彼女を追いかけるため。
両親はバリバリの商社マンとキャリアウーマン、そのため家を空けがち。
なお、彼女の持っていたナイフは悪魔が魔力を込めたものであり、人を操る効果がある。
悪魔の退散により、体内の一部とナイフは元に戻り、無事人間に戻れた。
自覚のない黒幕、ゆえに探索者達を振り回す枠でもある。
今回の事件の元凶。
20年前にお遊びで異国の商人(APP18の黒人・ニャル)からかった琥珀から悪魔召喚。
結果として、今回の事件の引き金を作ることになる。
しかし、冒涜的知識は非常に優秀で、過去に一人の被害者も出さず悪魔を封じ込めた胆力。
知識の蒐集する集中力と情報収集能力、五感による観察眼に長けている。
だが、責任感も人一倍あるために、娘に問い詰められて自殺を図った。
因みに、彼の妻はいい人だったが、病気で亡くなった。
「再会の庭」は彼が妻を復活させようと冒涜的知識を蒐集した名残。
…一度「亡霊に命令する」で再会し、妻に「優を大切にしてあげて」と言われて以来、それはしていない。
作中では生きていた場合、探索者達に「身を守る」呪文を渡してくれる。
しかし、彼は非常に正気度が低く、その事を自覚している。
ゆえに、悪魔退散にはついていかない。
今回のお助けNPC兼最終防衛ライン、彼が死ぬかどうかでシナリオが大きく変わる。
探索者が依頼される数日前に、やっと「退散の呪文」を手に入れる…が、既に時は遅かったようだ。
20年前にお遊びで異国の商人(APP18の黒人・ニャル)からかった琥珀から悪魔召喚。
結果として、今回の事件の引き金を作ることになる。
しかし、冒涜的知識は非常に優秀で、過去に一人の被害者も出さず悪魔を封じ込めた胆力。
知識の蒐集する集中力と情報収集能力、五感による観察眼に長けている。
だが、責任感も人一倍あるために、娘に問い詰められて自殺を図った。
因みに、彼の妻はいい人だったが、病気で亡くなった。
「再会の庭」は彼が妻を復活させようと冒涜的知識を蒐集した名残。
…一度「亡霊に命令する」で再会し、妻に「優を大切にしてあげて」と言われて以来、それはしていない。
作中では生きていた場合、探索者達に「身を守る」呪文を渡してくれる。
しかし、彼は非常に正気度が低く、その事を自覚している。
ゆえに、悪魔退散にはついていかない。
今回のお助けNPC兼最終防衛ライン、彼が死ぬかどうかでシナリオが大きく変わる。
探索者が依頼される数日前に、やっと「退散の呪文」を手に入れる…が、既に時は遅かったようだ。
かなり不幸な人。
旦那は死亡、週刊誌にはあることないことかかれ、それの影響で娘も死亡。
自殺寸前だった彼女だが、探索者には救われたようだ。
…一応、今は前向きに生きている。
情報吐き出させる枠なので、事が済んだら自殺させる予定であった。
探索者に武装させるためとして元民間軍事メンバーという肩書ができる。
過去に紛争地帯で両親を亡くし、その後その会社の社員に拾われ育てられた。
15歳で会社を飛び出し、16歳で結婚し美佳を産む。
…ほんと、ハチャメチャな人だな。
今回のシナリオ最後で職場復帰するらしい。
旦那は死亡、週刊誌にはあることないことかかれ、それの影響で娘も死亡。
自殺寸前だった彼女だが、探索者には救われたようだ。
…一応、今は前向きに生きている。
情報吐き出させる枠なので、事が済んだら自殺させる予定であった。
探索者に武装させるためとして元民間軍事メンバーという肩書ができる。
過去に紛争地帯で両親を亡くし、その後その会社の社員に拾われ育てられた。
15歳で会社を飛び出し、16歳で結婚し美佳を産む。
…ほんと、ハチャメチャな人だな。
今回のシナリオ最後で職場復帰するらしい。
今回の原因であり、引き金を引いた人物。
大学での都合のいいたまり場を作るため、「No」といえない山下を巻き込んでサークルを作成。
その後、廃屋の土地登録証を見つけたため、気になっていた「三島 由美」を誘い肝試しを行う。
…結果、悪魔の封印を解き大変なこととなった。
悪い奴ではないのだが、探索者の邪魔になる存在。
唯一の自慢は通信空手を習っていること。
…悪い奴ではないんだ…悪い奴で…うん。
大学での都合のいいたまり場を作るため、「No」といえない山下を巻き込んでサークルを作成。
その後、廃屋の土地登録証を見つけたため、気になっていた「三島 由美」を誘い肝試しを行う。
…結果、悪魔の封印を解き大変なこととなった。
悪い奴ではないのだが、探索者の邪魔になる存在。
唯一の自慢は通信空手を習っていること。
…悪い奴ではないんだ…悪い奴で…うん。
KPの探索者をリサイクルして使用しているNPC。
探偵事務所という便利な導入のために利用している。
2010の私立探偵であるため、そこそこの技能と能力を兼ね備えている。
怪異や神話に対しても心得があり、また人脈も広いため優秀。
今回のシナリオは、連続殺人事件の「別の」被害者遺族からの依頼で調査をしていた。
導入枠で何度も現れるが、ついぞ妹のその場所さえ奪われて…。
探偵事務所という便利な導入のために利用している。
2010の私立探偵であるため、そこそこの技能と能力を兼ね備えている。
怪異や神話に対しても心得があり、また人脈も広いため優秀。
今回のシナリオは、連続殺人事件の「別の」被害者遺族からの依頼で調査をしていた。
導入枠で何度も現れるが、ついぞ妹のその場所さえ奪われて…。
KPの探索者をリサイクルして使用しているNPCその2。
所長代理として、事務所を守る…というのは建前のニート。
「依頼とはいえ事務所留守にするのどうなのよ?」という設定から誕生。
ニートなので動かない…が、ヒーラーなので事務所が宿屋状態になる。
Cityの際は非常に便利、一家に一台。
なお「近衛 実」との慣れ染めは、シナリオ「蒐集」にて現れる。
さぁ、どんどん参加してくれ!
所長代理として、事務所を守る…というのは建前のニート。
「依頼とはいえ事務所留守にするのどうなのよ?」という設定から誕生。
ニートなので動かない…が、ヒーラーなので事務所が宿屋状態になる。
Cityの際は非常に便利、一家に一台。
なお「近衛 実」との慣れ染めは、シナリオ「蒐集」にて現れる。
さぁ、どんどん参加してくれ!
後日談を書かなきゃと思いつつ、またこりずにKPをやっています、いのりんです。
さて、本日は「ブラッドイーター」、プレイしていただきありがとうございます。
7人という人数でしたが、いかがでしたでしょうか?
…私自身も、オフセでしか経験したことない人数でしたよ…。
まぁ、とはいえ色々ありましたが、無事物語を終えることはできました。
新規探索者である方々は、これからの怪異と災難に頭を悩ませつつ。
継続探索者の方々は、この怪異すらも素晴らしい思い出と変えて。
そして、このCoCの世界を歩き始めてもらえれば、幸いです。
NPC後日談などについては、随時追加していきます。
暇があれば、少しだけ覗いて、あの時の彼らに思いをはせるのも…まぁ、悪くないと思います。
…さて、それでは恒例の謝辞を。
ことこと様、今回はご参加ありがとうございます。
継続で混血児、追加で魔術師の医者と狂っているくらいに属性の持つ探索者。
しかし、実際のシナリオでは常識的に、そして安定した探索を行ってくれました。
時折裏の顔を見せつつ、そして狂気の中で抗う姿はまさに「探索者」でした。
この物語でまた深淵に一歩近づいてしまいましたが、さて最後はどうなるか。
「川中 湊」の狂気の行く末をお祈り致します。
カルバノ様、今回はご参加ありがとうございます。
女子高生!戦士!武闘派!鎖鎌!宍戸梅軒!と呼称の多い女子高性。
しかし、実際のシナリオでは頼れる人懐っこい女子高性、といったイメージでしたね。
割と女性刑事に対して強く来たので、肝っ玉も据わっているイメージ。
後日談では、その深淵に魅入られているのかもしれません。
優秀な探索者を、怪異は逃さない…さて、彼女の未来と鎖鎌の活躍やいかに?
「宍戸 乱華」の戦いの行く末をお祈り致します。
鯨付き様、今回はご参加ありがとうございます。
ナイファー系女子高生という流れであり、そして勿論戦士!。
実際のシナリオでは、新規探索者として事件は狂気の物語に振り回されつつ。
それでも、最終決戦ではナイフを生かして戦士らしい活躍を見せてくれました。
重い過去を持つ彼女ですが、その過去を乗り越え、強い探索者に成長してくださいませ。
「神代 殊理」の成長の行く末をお祈り致します。
雨合羽様、今回はご参加ありがとうございます。
侍系探索者、安定した高い探索技能や交渉系、そして高い日本刀と居合をもつ剣道屋でしたね。
実際のシナリオでは、安定した探索技能で歩をすすめ、情報入手を堅実に行っていました。
そして最終決戦では、その日本刀の力を発揮!大きなダメージソースとして活躍しました。
この怪異を通して、そして自ら磨いた技はどこまで到達していくのか。
あと、彼に彼女はできるのだろうか?
「白石 蓮」の幸せの行く末をお祈り致します。
揚げ様、今回はご参加ありがとうございます。
重い過去を持ち、それを振り払い為に剣道を始めた大学生。
実際のシナリオでは、その過去を億尾にも出さず、一人の「巻き込まれた大学生」をRPしていましたね。
目立たないながらも終始安定した探索をしつつ、進行の助力となりました。
さて、彼はいつの日か、両親の死と向き合う日がくるのでしょうか?
「中村 清太」の過去への思いの行く末をお祈り致します。
エクァス様、急きょのご参加ありがとうございます。
見学席からのご参加でしたが、積極的なRPをありがとうございます。
武闘派で警察官を両親を持つ大学生、という設定としてのご参加でした。
両親が警察という提案は、もう少し受け入れればよかったとKP反省。
しかしながら、戦闘やRPと安定した活躍を見せていた姿はまさに探索者でした。
彼がこの先、怪異にかかわったうえで、どのような身の振り方となるのか。
そして、彼の目標はどのようなものになるのか、楽しみです。
「吉原 黒鵜」の目標の行く末をお祈り致します。
十六夜様、ゲスト枠でのご参加ありがとうございます。
いやぁ、やっぱり小学生は強敵でしたね。
毎度の如くひっかきまわす小学生ですが、今回は落ち着いていましたね。
攻略ターゲットも決まっており、そして数少ない継続探索者。
結果、皆さんを引っ張るのが小学生と、落ち着いたポジションに座ったという感じなのか。
しかし、それでも積極的に探索しつつ、NPCを気遣う姿は小学生でした。
さて、後日談では失踪、その後は「竜胆 実」として中学生になるのかどうか。
まぁ、このまま手を出すのが警察にばれたら、一生離れ離れですしね…。
とはいえ、私としてもなつかしさを感じる探索者、また出会いたいものです。
「近衛 実」の「竜胆 霊華」との愛の行く末をお祈りいたします。
さて、この度は「ブラッドイーター」ご参加いただきありがとうございました。
また彼ら彼女らが生きていれば、次なるシナリオでお会い致しましょう。
それでは、過去と未来の"探索者"達の無事と行く末を祈って。
コメントをかく