クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

白黒の大樹の下、眠る少女が一人。
彼女はずっと偽りの笑顔で笑い続けていた。
終わった楽園で笑い続けていた少女は、最期にようやく自分になれた。
『約束だよ。忘れないでね』
今できる最高の笑顔でさようなら。

美術館を出てみんなと別れ、私は一人家に帰る

「……ただいまです」

返事なんて返って来ないのはわかってる
それでも習慣になっている帰宅時の癖

「（今日も誰もいないですか・・・）」

そっと溜息をつきながら自室の扉を開ける
たくさんぬいぐるみのおかれた我ながら子供っぽい部屋だと思う
そんな部屋の壁には決してうまいとは言えない落書きがされている
小さな青い花・・・たしか勿忘草というらしい
10年ほど前に親への嫌がらせも兼ねて描いたもの
あまり構ってくれない両親がこれをみて怒ってくれないかと期待を込めて・・・
まあ、失敗に終わったのだけどね
特に何も言われず、自分で消すこともなかったからずっと残っている

「・・・よし」

しばらく壁を眺めてから机の引き出しを漁る
そこからペンを取り出し、私はもう一度壁に絵を描きだす
私のことを友達って言ってくれたイヴと、あの時一緒だった人達を想って

「……」
「ふぅ……こんなかんじでしょうか？」

描き終わり、少し離れて絵全体を見る
昔かいた花のまわりには・・・
仲良く笑っているイヴと秋葉さん
土下座する生田さん
バケツをかぶっている七種さん
なんだろうこれ？描いた自分が一番首を傾げている
そしてふと思いだす

「……あ、自分のことかきわすれてる」
「でももう空いてるところがないし。…！こうしよう」

みんなの上、少し空いたところに虹を書き足して行く

「うん、これでいいや」

これで今度こそ全員
私は満足げに頷きペンを置く
正直絵を描くのなんて久々だし上手くはないけど心だけは込めてみた
いつまでも忘れないように約束したから
だから

「いつかまたみんなでお茶しましょうね」

ここにいない人達に呟き、微笑む

後日談遅くなってすみません（土下座
しかもまとまりがなくて飛び飛びな内容だし・・・
そしてPL的にはどうなんだろ?と思うところですが、PCとしては友達がたくさんできて喜んでいます
皆さん個性があって一緒にやってて楽しかったです
またご一緒することがありましたらその時もよろしくお願いします

あの不思議な体験から1日が過ぎた。
また、ベッドの中、いつも通りの朝を迎えて、いつもの様に変わらない1日が始まる。
でも、今日は違うわ。仕事は任せてしまいましょう、私にはするべきことがあるもの！
思い立ったら行動は早い、仕舞い込んだ画材を引っ張り出し、キャンバス片手に、ある部屋を目指す。
大きな家の中、廊下の隅にポツリと一つ、私の中で、そこだけ時間が止まっている部屋がある。
止まった時計の針を進める様に、そっと、その扉を開く。


「....ふぅ、いつ以来かしらね、この部屋で絵を描くなんて」


アトリエと言うには少々不格好だが、私が学生時代よく籠っていた作業部屋
仕事が忙しくなってからは、殆ど絵を描く時間も余裕も忘れていたけど
でも、やっぱりこの場所は落ち着く...なんだかんだ、私も絵を描くのが好きなのね...
学生時代から、一つの嗜みとして、目的もなく、ただ闇雲に描き続けてきた絵画。
沢山の人に評価されたけど...正直、何か描きたいモノがあった訳じゃない。
でも、筆を取ると無性にワクワクした、何もない純粋な白い世界に、自分を詰め込める、そう思えた。
結局、込めたい思いも、描きたいモノも、何一つ、形にならないままに離れてしまったけど、、
でも、今なら解る。今なら、きっと描ける....貴女と出会えたから。
ゆっくりと、椅子に腰掛け、大きく、まっさらなキャンパスと向き合う。
筆を取り、パレットに色を重ね、白いキャンパスに一つ一つ彩を加えて行く。
多分、高校の美術コンクール以来だろうか、腕が鈍ってないかは心配だ。
でも、きっと大丈夫、あの光景は、あの日の出来事は何一つ色褪せたりしない。
目を閉じればいつでも思い出せる、皆の事も、貴女の笑顔も...ここにある。


「.............イヴ...........」


私は描く....誰かにとっての理想なんかじゃない
　　だって、私は貴女の事を知ってるもの。


　　とっても絵が上手で


　　　　　　　　　　　　高飛車で


　　　　　　寂しがりやで


でも、純粋で優しい心をもった貴女を...
私のかけがえのない友達。


　　　　　「よし、出来た.....♪」


気が付けば、日が落ち、月が天高く登って、部屋を照らしている。
まっさらだったキャンバスの中、私が描いた風景は
澄み渡る青空、様々に薔薇が咲き誇る園、その下で開かれるお茶会。
そこには、あの美術館で出会った個性的な仲間達が居る。
バケツを被り、怪人バケツダーと化した七種さん...
それを迎え討たんと、天高く飛び上がったライダー生田さん...
そんな二人を背景に、呆れながらも、微笑ましくそれを眺めるアイリスさんが居て...
その中心には、皆に囲まれ楽しそうに笑う貴女の姿があって...
むー、私の事はイヴの隣に描いちゃったけど、そこはいいわよね...?
ま、嫌と言われても、譲る気はないのだけど♪


「約束よ、私は貴女を忘れない....だから、イヴもちゃんと約束を守りなさいよ....？」


貴女の曖昧な微笑み、描き続ける風景、貴女は自分がそうあるしかないと言った
でもね、貴女は確かに、ただ一人の貴女としてそこに居た、悲しさも、苦しさも、寂しさも
全部全部、貴女だけのモノだわ、貴女はまっさらなキャンパスと一緒、どんな色にだってなれる。
貴女が貴女自身に迷う時は...今度は、私も一緒に悩んであげる。隣りで一緒に描いてあげるわ。
友達なんだから、抱え込まずに相談してくれればいいの...一人で抱え込んで突っ走り過ぎなのよイヴは。
次に会う時は、もっともっと沢山の事を教えてあげる、美味しいモノもいっぱい食べて、一日中遊びましょう。
最後の瞬間、貴女が見せてくれた精一杯の笑顔....それに応えられる様、私も、笑顔で、待ってるから。


「今度は、私が待ってるから...だから、次はイヴから会いに来てよね♪」


劇的な再開なんていらない、そこには私が居て、皆が居て、貴女が居る。
当たり前のように会話を交わし、当たり前のように喧嘩して...
何一つ特別なんかじゃない、普通も普通の日常風景
とりとめもなく消費する、かけがえのない時間を。
その日が来たら、この絵と共に貴女に贈ろう。


　　　　　　　　　　『-- Dear my friend --』

まずは、皆様、素敵な時間をありがとうございました。
皆さんが皆さん、とても個性的で、本当に楽しい時間でした！
ギミック面で驚かされつつも、素敵なシナリオで、初テストとして少しでも参考になったのであれば幸いです
秋葉は二代目ですね、二代目ロ(ry....ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ、として、これからも歩んでいくと思います。
この道の先で、イヴちゃんや皆さんと出会える日を、心から楽しみにしつつ、また、どこかで！

芸術<絵画>の成長の方、ありがたく頂きますm(__)m (まさかでしたねｗｗもう二代目継ぐ以外無い！
軫星　秋葉：1d6+4 絵画
DiceBot : (1D6+4) → 5[5]+4 → 9

芸術<絵画>を成長させておいていいですよ（最後のCが個人的にツボだったので）
1d6+4でどうぞ（どどんとふのログでもこちらに張って証明としていただければ大丈夫です。

――某日某所　とある撮影所にて。

「おぉ、お土産なんていいのに〜。でもありがとうな。楽しめたか美術館?」
「……ええ、そうですね、楽しかったです。……俺は芸術なんて判らないけど、素敵だと
思いました」

招待券をくれた先輩にお土産の絵葉書を渡した俺は、僅かに残る胸の痛みを忘れるように
そう答えると、なんとか笑って返す。……笑えてるかな?　ちゃんと笑えているといいんだけど。

「……なんかあったか?」
「え……」
「変な笑い方してるからさ。ダメだぞ、スタントったって画面に映るんだから、そんなシケた
ツラしたら」
「……はは、シケたツラは生まれつきですよ。……あはは」

――だめだったようだ。
……変な笑い方か。そうだな……『あの子』の世界から帰ってきてもう何日も経つのに、
俺は未だあの奇妙な世界の事を、思い出にする事ができない。

――あの子。――イヴ。
画家の理想として、美しい世界に閉じ込められたまま置き去りにされた少女。
……とてもきれいな、でも悲しい、孤独な子供。

俺は何もできなかった。何もできないまま彼女が俺達を助けてくれるのを、ただ見ている
しかなかった。


――忘れないでね――


……忘れないよ、イヴ。……忘れられないよ。……君は俺に、消えない傷を残した。
……俺はその痛みを和らげる事も、まだできそうにないんだ。

「お……おいおいっ?　生田、お前泣いてんのか?!」
「……え……すみませんっ!」
「ほ、本当に大丈夫か?　なんだ?　美術館で女にでもフラれたのかぁ?」
「……あはは、そうかもしれません」
「え?　ほんとかっ?」
「……冗談です。……あはは」
「お……おぉい……?」

先輩に言われて、初めて頬を伝う温かいものに気付き、俺は慌ててそれを手で拭う。
ああ、ダメだな。情緒不安定ってこういうのを言うのか。俺にはそんな繊細なもの、無縁だと
思っていたのに……。

「――大丈夫ですか?　具合でも悪いの、生田さん?」
「あ、い、いえ……」

そんな醜態を、撮影現場の中心である、主演の少女にまで見られてしまった。


「しっかりしてくださいよ。今日は私を抱っこして、ビルから飛び降りるシーンですよ?」
「……すみません。大丈夫です。……ほら、この通り元気元気」
「もう、バック転じゃ誤魔化されませんよ?　私これでも中学生なんですからね?」

まだ小さいのにすごく大人で、大人の理想通りの少女を演じる実力派。
……イヴを思い出して、また泣けてくる。ああ、なんてこった、情けない……。

「――ほら、これあげますから、元気出してください」
「……っ」

――そんな少女が、ふいに差し出した手に乗っかっていた……小さなタルト。

「プロデューサーさんの差し入れです。銀座のすっごく美味しいお店の、きれいでしょう?」
「……うん。すごくきれいだね。……薔薇園のお茶会に、似合いそうだ」
「薔薇園っ?　あははっ、生田さんでもそういう想像するんですね、なんだか意外っ」

……君が慰めてくれたみたいだ、なんて……図々しい話だけど。
……でもイヴ。君がいた楽しい光景も、今やっと思い出せたよ。

「君は、タルトとか好き?」
「嫌いじゃないけど、沢山は無理です。太っちゃうし、肌荒れしたら監督さんに怒られるし」
「……あはは、そうだよね」
「男の人は、そういうの鈍いんですよね〜。女の子には洋菓子が似合う〜、とか簡単に言って
くれますよ〜も〜」
「……あははは」

俺はきっとこれからも、日常のあちこちに君との記憶を見つけて、苦しかったり悲しかったり
するんだろう。

……でもそれをいつか、優しい思い出にすることができればと思う。
……笑顔の君とまた会った時に、……俺も笑い返したいからね。

――また、どこかで……イヴ。

初回しに参加させていただき、ありがとうございました。そして色々とすみませんでしたぁああ!!
おじさん!!　死なないでおじさん!!　軽くトラウマなシーン少々も含め、愉しいセッションを
ありがとうございました。今後続く廃園のイデアのご多幸をお祈りします。

この世界は変わらない。変わらないのは永遠。
水面に映る『イヴ』の顔は美しく愛らしいモノらしい。
けれど私にはわからない。
だって『イヴ』以外いないから。ずっと一人。
あるのはタルトと紅茶、そして拾ったスケッチブック。
ボロボロだけれど真っ白なソレになにを描こう？
彼は『イヴ』を描き続けていたけれど…。
……………
………
…
わからない、知ってみたい。けれどあの人はもう何も言わなくなった。
誰か教えて『イヴ』に教えて。トモダチってなにかしら？
……………
………
…
やっとわかったわ。
「…約束よ」
『私』が描きたいもの。
「私を忘れないでね」
それがトモダチだったのね。
もし次に描ける時が来たらアナタを描きたいわ。
だからそんな顔、しないでほしいの。精一杯笑って欲しいの。
私も笑うから、だから。
「……約束、だよ？」
アナタも笑って。そして、いつか…。
『また、どこかで』