最終更新:ID:DxlwJG1afA 2016年06月12日(日) 12:34:51履歴
PCより
PLより
生島海人は1人、目の前に広がる広大な海を見つめていた。
一緒に旅行に来た3人の姿はなく、1人何をするでもなく太陽に照らされてキラキラと光る海を眺めている。
新曲のアイデアを求めて参加した旅行。
そこで起きた自分が生きてきた世界とはまるで別次元のような出来事。
大きな蛇におぞましい形状をした神様、そして正気をなくした人間。
そんなものを見てきたのだ、少々感傷に浸ってもおかしくないだろう。
絵色姉弟は失踪という形になっているらしい。そのおかげで島の人々は連日大騒ぎだ。
化戸さんは幼馴染の失踪ということもあってかなり心配していた。真実を伝えるべきか伝えないべきかといったら、間違いなく伝えないほうがいいと俺は思う。
彼の中の幼馴染は、さわやかな好青年であって姉に歪んだ愛情を持つ彼ではないのだから……。
生島海人は、女好きだ。
それは自分自身でも理解していることで、理解しているからこそ馬鹿正直に女性を口説いていられる。
彼にとって愛というのは、相手のことを大事に思い相手の願いをちゃんと聞き入れてやることでもあった。
だから、あの弟の愛情表現を見たときは驚きでなんの言葉もかけられず立ち去ることしかできなかった。
あんな愛情の表現の仕方もある……の、だろうか。
蓮は「2人が幸せならそれも1つの形だ」とかなんとか言ってたっけ。
できることなら2人を救いたかったと思う。叶うことなら仲睦まじい姉弟になってほしかったと思う。
でも、きっとそれは叶わないのだ。例え、本物のヒーローだったとしても、叶わない。世の中不条理というものはどこにだって存在する。
……風尋は、海尋のことを愛していた。
きっとそれだけで愛は成立するのだ。俺が女性を一方的に口説くのと同じように。歪な形ではあったけれど、確かにそこに愛情は存在した。
「……ヒーローねえ……」
全てが終わった後に蓮が俺に言ってくれた言葉。格好良かったって。正直悪い気はしない。
あんなかわいい子……しかもこの旅行中だけでも2回ほど一本投げされそうになった相手から、そんな言葉を言われたんだ。
例え俺でなくてもテンション上がると思う。
でも、俺は本当にヒーローだったのか?
ヒーローっていうものはみんなを命かけて守るもんだろう。
……思い返してみれば、俺は守られてばかりだった気がする。
今でもあの恐ろしい大蛇が記憶に残っているが、それを強烈な蹴りで仕留めた荒木さんの姿が脳に焼き付いて離れないのだ。
荒木さんがいなかったら……と考えると、今でも身震いする。護身術をかじってる程度の自分が、あの荒木さんに勝てるわけがないのだが、それでも悔しい。
あのとき吹けなかった笛を、懐から取り出して口にくわえてみた。
あのとき、自分で鳴らせなかった音色が零れ落ちていく。そういえばこれも、浅田さんがやってくれたことだ。
浅田さんが笛を吹いて2匹のハブを退散させたんだっけ……。それに浅田さんはあの神サマの攻撃から蓮を助けた。
荒木さんも浅田さんも、俺的にはヒーローだったと思う。蓮は言うなればヒロインで。……俺は……なんだったんだろう。
俺が、みんなのためにできたことってなんだったんだろう。
もしも、俺が本当に主人公(ヒーロー)になれたならどれほどよかっただろうか……。
「……もしもし、おう久しぶり。そっちどうだ?」
「あーそうそう、今から帰りの船に乗るとこ」
「実はちょっとお願いがあってさ」
「こう……かっこいい感じの曲、作ってくんね?作詞はこっちでするからさ。タイトルは……そうだな、『ヒーロー』って感じで」
「ん?そうそう、皆既日食からインスピレーションを得たってとこだよ」
「……うっせえ!俺が曲作んの苦手なの知ってんだろー!……まあ、頼むわ」
……これで本来の目的も果たせたし、よかったかな。
新曲、完成したら真っ先に蓮に聞かせたいな。
いや、蓮に最初に聞かせたいとか告白みたいだな。荒木さん怒るかな……。
「海人ー!」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえる。
荷物をまとめ終わった3人がこちらへやってくるところだった。
こうして、俺の2週間にわたる長い長い旅行は、幕を閉じた。
一緒に旅行に来た3人の姿はなく、1人何をするでもなく太陽に照らされてキラキラと光る海を眺めている。
新曲のアイデアを求めて参加した旅行。
そこで起きた自分が生きてきた世界とはまるで別次元のような出来事。
大きな蛇におぞましい形状をした神様、そして正気をなくした人間。
そんなものを見てきたのだ、少々感傷に浸ってもおかしくないだろう。
絵色姉弟は失踪という形になっているらしい。そのおかげで島の人々は連日大騒ぎだ。
化戸さんは幼馴染の失踪ということもあってかなり心配していた。真実を伝えるべきか伝えないべきかといったら、間違いなく伝えないほうがいいと俺は思う。
彼の中の幼馴染は、さわやかな好青年であって姉に歪んだ愛情を持つ彼ではないのだから……。
生島海人は、女好きだ。
それは自分自身でも理解していることで、理解しているからこそ馬鹿正直に女性を口説いていられる。
彼にとって愛というのは、相手のことを大事に思い相手の願いをちゃんと聞き入れてやることでもあった。
だから、あの弟の愛情表現を見たときは驚きでなんの言葉もかけられず立ち去ることしかできなかった。
あんな愛情の表現の仕方もある……の、だろうか。
蓮は「2人が幸せならそれも1つの形だ」とかなんとか言ってたっけ。
できることなら2人を救いたかったと思う。叶うことなら仲睦まじい姉弟になってほしかったと思う。
でも、きっとそれは叶わないのだ。例え、本物のヒーローだったとしても、叶わない。世の中不条理というものはどこにだって存在する。
……風尋は、海尋のことを愛していた。
きっとそれだけで愛は成立するのだ。俺が女性を一方的に口説くのと同じように。歪な形ではあったけれど、確かにそこに愛情は存在した。
「……ヒーローねえ……」
全てが終わった後に蓮が俺に言ってくれた言葉。格好良かったって。正直悪い気はしない。
あんなかわいい子……しかもこの旅行中だけでも2回ほど一本投げされそうになった相手から、そんな言葉を言われたんだ。
例え俺でなくてもテンション上がると思う。
でも、俺は本当にヒーローだったのか?
ヒーローっていうものはみんなを命かけて守るもんだろう。
……思い返してみれば、俺は守られてばかりだった気がする。
今でもあの恐ろしい大蛇が記憶に残っているが、それを強烈な蹴りで仕留めた荒木さんの姿が脳に焼き付いて離れないのだ。
荒木さんがいなかったら……と考えると、今でも身震いする。護身術をかじってる程度の自分が、あの荒木さんに勝てるわけがないのだが、それでも悔しい。
あのとき吹けなかった笛を、懐から取り出して口にくわえてみた。
あのとき、自分で鳴らせなかった音色が零れ落ちていく。そういえばこれも、浅田さんがやってくれたことだ。
浅田さんが笛を吹いて2匹のハブを退散させたんだっけ……。それに浅田さんはあの神サマの攻撃から蓮を助けた。
荒木さんも浅田さんも、俺的にはヒーローだったと思う。蓮は言うなればヒロインで。……俺は……なんだったんだろう。
俺が、みんなのためにできたことってなんだったんだろう。
もしも、俺が本当に主人公(ヒーロー)になれたならどれほどよかっただろうか……。
「……もしもし、おう久しぶり。そっちどうだ?」
「あーそうそう、今から帰りの船に乗るとこ」
「実はちょっとお願いがあってさ」
「こう……かっこいい感じの曲、作ってくんね?作詞はこっちでするからさ。タイトルは……そうだな、『ヒーロー』って感じで」
「ん?そうそう、皆既日食からインスピレーションを得たってとこだよ」
「……うっせえ!俺が曲作んの苦手なの知ってんだろー!……まあ、頼むわ」
……これで本来の目的も果たせたし、よかったかな。
新曲、完成したら真っ先に蓮に聞かせたいな。
いや、蓮に最初に聞かせたいとか告白みたいだな。荒木さん怒るかな……。
「海人ー!」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえる。
荷物をまとめ終わった3人がこちらへやってくるところだった。
こうして、俺の2週間にわたる長い長い旅行は、幕を閉じた。
今回がオンセ初参加でしたが、経験者さんが引っ張ってくれたりKPさんや見学者さんが支えてくれたので精一杯楽しむことができました!
へぽん様と最後までご一緒できなかったことが少し残念です…。
最初はかなりぎこちないRPだったのですが、やっていくうちに生島海人という人間がどういった行動をするのか分かってきた感じがしました。これがRPの楽しさなんだと思いました。
当初の設定より正義感が強い人間になったと思います。きっと彼は姉弟のことを救えないと分かっているとしても、心のどこかで救いたかったと考えてるんだろうなー。
蓮ちゃんとは大分フラグがたって嬉しかったけど、荒木さんと蓮ちゃんの2人を見守っていたい気持ちもあって複雑でしたw
今回せっかく仲のいい友人という設定だったので、またどこかでご一緒にセッションできたら嬉しいです!
長々と失礼いたしました。今回こんな素敵な卓を開いてくださったKPの百様、ご一緒してくださったPLの方々、そして見学者の方々、本当にありがとうございました!
へぽん様と最後までご一緒できなかったことが少し残念です…。
最初はかなりぎこちないRPだったのですが、やっていくうちに生島海人という人間がどういった行動をするのか分かってきた感じがしました。これがRPの楽しさなんだと思いました。
当初の設定より正義感が強い人間になったと思います。きっと彼は姉弟のことを救えないと分かっているとしても、心のどこかで救いたかったと考えてるんだろうなー。
蓮ちゃんとは大分フラグがたって嬉しかったけど、荒木さんと蓮ちゃんの2人を見守っていたい気持ちもあって複雑でしたw
今回せっかく仲のいい友人という設定だったので、またどこかでご一緒にセッションできたら嬉しいです!
長々と失礼いたしました。今回こんな素敵な卓を開いてくださったKPの百様、ご一緒してくださったPLの方々、そして見学者の方々、本当にありがとうございました!
PCより
PLより
「ひゃーっ、海だ!」
荒木の一言で、海で泳ぐことになる二人の女子がいた
一人その姿をカメラに抑えようと目論む不届きものもいた
しかし、代咲はそれも日常だ、と思っていた
…しかし、彼女は、まだ気付いてはいない
あの出来事は、ただの第一歩に過ぎないことに
代咲は、これから自分を殺人鬼と呼ぶような出来事が起こりうるかもしれない
「ねぇ荒木さん 日食、綺麗だったねー」
「そうだね、蓮ちゃんの方が可愛いけどね」
「う、うーん?(褒められてるのかな)」
アイデア 1d100<=75 100
「(そういえば、海人まで来ているなぁ…泳ぎたいのかな、僕達も早く上がった方がいいかも)」
「蓮ちゃん、もっと泳ごうよ♪ 折角来たんだから」もにゅっ
「ふぇあ!? や、やめてよ!」
「(な、何で? 嫉妬してるのかな? 変態だからなのかなぁ…?)」
「(蓮ちゃんへのアプローチは徹底的にしないと!」
アイデア 1d100<=75 82
「(まぁ、これも嫉妬してるのかな)」
一人の鈍感娘の冒険譚、一章は何事もなく、日常に戻ったとさ
荒木の一言で、海で泳ぐことになる二人の女子がいた
一人その姿をカメラに抑えようと目論む不届きものもいた
しかし、代咲はそれも日常だ、と思っていた
…しかし、彼女は、まだ気付いてはいない
あの出来事は、ただの第一歩に過ぎないことに
代咲は、これから自分を殺人鬼と呼ぶような出来事が起こりうるかもしれない
「ねぇ荒木さん 日食、綺麗だったねー」
「そうだね、蓮ちゃんの方が可愛いけどね」
「う、うーん?(褒められてるのかな)」
アイデア 1d100<=75 100
「(そういえば、海人まで来ているなぁ…泳ぎたいのかな、僕達も早く上がった方がいいかも)」
「蓮ちゃん、もっと泳ごうよ♪ 折角来たんだから」もにゅっ
「ふぇあ!? や、やめてよ!」
「(な、何で? 嫉妬してるのかな? 変態だからなのかなぁ…?)」
「(蓮ちゃんへのアプローチは徹底的にしないと!」
アイデア 1d100<=75 82
「(まぁ、これも嫉妬してるのかな)」
一人の鈍感娘の冒険譚、一章は何事もなく、日常に戻ったとさ
PCより
PLより
今回の事件というのは今まで私が関わってきた事件と比べたら少し小さいくらいのものではあった。
どちらにせよあの弟君が儀式を止めようが止めまいが歪んだ愛を成就していた事はおそらく確かであろう。
何が歪んだ愛で。何が正しい愛なのか。
ここからは私の事になるんだけれども、今回の旅行で自分自身でも蓮ちゃんに対してどのような感情を抱いていたかが分かった気がする。
保護欲
この言葉が一番合うのだろうかなと思う。元々、自分の事を男だと偽って日々暮らし、身体もそこまで強い訳でないのに危険な事に顔を出していく。
思えば、出会いも殺人事件の捜査の時で犯人を突き止めた蓮ちゃんに襲いかかってきた犯人から守ったことから始まったのだ、
守ってあげたいという気持ちがあるのだろうし、男の子として偽っている蓮ちゃんに私と一緒の間は女の子として過ごせるようにしてあげたい守ってあげたいという気持ちがあったのだという様に私は思う。
このような考えを持ったのは大方あの私の愉快な三人の妹たちのお陰なのであろう。好奇心旺盛なくせに揃いも揃って私より護身術で長けている訳でもない。
恥ずかしい事に蓮ちゃんの事を妹と思っているかもしれないな私は。
妹といえば加奈ちゃんに東京に帰ってからキチンとお手紙を送った。
何と言っても、事件後の間は一緒にお祖母様の山にもう一度登ってお礼を言いに行ったり、商店街でアイスを奢ったり、他の友達を連れて海に泳ぎに行ったりもしたものだ。
加奈ちゃんには、鏡を借りたり、お祖母様の説得を手伝ってもらったりとお世話してもらってばかりだったから、私は加奈ちゃんにもう少し大きくなったら東京観光に連れて行ってあげると言ってあげた。
東京?とまだあまり理解してなかったみたいだから、手紙の中で東京を調べる事を宿題ねとしてある。
加奈ちゃんが東京に来たらどんなところに連れて行ってあげようか。
海人くんはライブの所に連れて行こう。
蓮ちゃんには……内緒で事務所に突撃してあげるのが一番かな。あのビックリした顔を見れる事だろうし、私の眼福にもなる。
普段のみんなの姿を見せてあげられたらなぁと呑気に私は思うのであった。
どちらにせよあの弟君が儀式を止めようが止めまいが歪んだ愛を成就していた事はおそらく確かであろう。
何が歪んだ愛で。何が正しい愛なのか。
ここからは私の事になるんだけれども、今回の旅行で自分自身でも蓮ちゃんに対してどのような感情を抱いていたかが分かった気がする。
保護欲
この言葉が一番合うのだろうかなと思う。元々、自分の事を男だと偽って日々暮らし、身体もそこまで強い訳でないのに危険な事に顔を出していく。
思えば、出会いも殺人事件の捜査の時で犯人を突き止めた蓮ちゃんに襲いかかってきた犯人から守ったことから始まったのだ、
守ってあげたいという気持ちがあるのだろうし、男の子として偽っている蓮ちゃんに私と一緒の間は女の子として過ごせるようにしてあげたい守ってあげたいという気持ちがあったのだという様に私は思う。
このような考えを持ったのは大方あの私の愉快な三人の妹たちのお陰なのであろう。好奇心旺盛なくせに揃いも揃って私より護身術で長けている訳でもない。
恥ずかしい事に蓮ちゃんの事を妹と思っているかもしれないな私は。
妹といえば加奈ちゃんに東京に帰ってからキチンとお手紙を送った。
何と言っても、事件後の間は一緒にお祖母様の山にもう一度登ってお礼を言いに行ったり、商店街でアイスを奢ったり、他の友達を連れて海に泳ぎに行ったりもしたものだ。
加奈ちゃんには、鏡を借りたり、お祖母様の説得を手伝ってもらったりとお世話してもらってばかりだったから、私は加奈ちゃんにもう少し大きくなったら東京観光に連れて行ってあげると言ってあげた。
東京?とまだあまり理解してなかったみたいだから、手紙の中で東京を調べる事を宿題ねとしてある。
加奈ちゃんが東京に来たらどんなところに連れて行ってあげようか。
海人くんはライブの所に連れて行こう。
蓮ちゃんには……内緒で事務所に突撃してあげるのが一番かな。あのビックリした顔を見れる事だろうし、私の眼福にもなる。
普段のみんなの姿を見せてあげられたらなぁと呑気に私は思うのであった。
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