PCより
願わくば、夢のような結末を
岡山発の電車の中、神楽坂一樹は憂鬱気に窓の外を眺めていた。
窓の向こうには、暗闇が広がっていた。
一樹が岡山に着いたのは、太陽が高い未だ昼前のことであった。
じーじと蝉の声を耳に、彼が向かおうとする場所は初めて訪れる場所ではなかった。しかし、改札口を出てすぐに彼は地図を広げた。前回は電車を使わずに来たから、行き方を知らなかったのだ。
首を傾げながら目的地を目指し、そして辿りついたのは昼過ぎであった。
随分と遠回りをしてしまったのだろう。それがなくとも、一樹には運動不足の気があった。
「…………」
初めに目に映ったのは、墓地であった。
大きくはない墓地である。数個の苗字、それに、10名の子の名前が彫られた墓とが置かれていた。墓石の周りには草が生い茂っている。手入れされていないのだろう、墓地の様子を見、一樹は顔を顰める。軍手を持って来れば良かっただろうか。そう思うも、遅いだろう。
手を合わせるだけで終いとし、次いで向かったのは先の階段を上った先にある神社だ。
神社はすっかりと朽ちていた。手入れがされることなく老朽化が進んだ社は所々が腐ったように黒ずんでいた。整列していたはずの石畳は草に押しのけられて歪み、欠けていた。立て札に書かれた文字は溶けて形をなくしていた。
体感的なものであれば十数日前は正しくあった光景は、今は流れた数十の年月により、壊れてしまっていた。
それでも面影を残す風景は、彼の表情を一層曇らせる。
この村を訪れるまで、一樹は心の底では思っていたのだ。この村が続いているのではないかと。廃村となったことは聞いていた。しかし、先の一件により変化が起こり、もしかしたら朝生あやめと再会を果たすことが出来るのではないか。そうとすら考えていた。
現実味のない出来事であったのだから、現実的な結末とは限らないじゃないかと。
しかし、現実は甘くはなかった。
電車の中、神楽坂一樹は憂鬱気に窓の外を眺めていた。
一日中村を回り、酷使した足は疲労を訴えていた。
しかし、彼がどれだけ探したところで蛍の一匹を見つけることは出来なかった。
PLより
後日談ってどう書くのでしょう、少なくともこれは違うと思いながらもまあ良いやと。
KP、PLの皆様、ありがとうございました。今回、未だPL経験が少ないため応募させて頂くことに不安を覚えながらキャラクターシートを提出することに始まりました。運が良かったのでしょうか、HO2は誰とも被ることはなく、不運な身でありますから抽選することなく決まり大変嬉しく、と同時に始まる前から既に緊張していました。セッション中も何かしでかしてしまったらどうしようと思いながら。
しかしセッション中、PLの皆さんが雑談で話す様子に緊張が解れ、臆病さが残った物の、セッションを楽しもうとする気持ちを一番に強くすることが出来たと思います。神楽坂一樹と言う人間を演じることには、やや失敗してしまったでしょうか。それでも、彼らの行いを見られたこと、良い結末を迎えられたことで抱いた感情に失敗はなく、この感情、時間を提供して頂いた皆様に感謝を。
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