クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

「少年と幽霊少女の邂逅…ロマンス、かあ…」
上唇と鼻の間に鉛筆を挟んだまま器用に呟いてみたものの、広げたスクープノートは白紙のままだ。
「やまのっち、辛いよね、しばらくは…」
山野くん、栞ちゃん、ためとも君と一緒に奔走した日々は、つい先週のことだ。
それなのに、もう遠い想い出のような気がする。

あの日、初めて旧校舎の図書館で彼女に出会い、ハンカチを拾った日、
山野くんにそれの返却を押しつけたのは、ちょっとしたイタズラ心からだった。
彼がどんな顔をしてハンカチを返すのか見たくて、そして、あわよくば記事にしてやろうという、そんな腹づもりだった。
今回の件で一番心を痛めたのは、間違いなく彼だろう。
「ボクは、よけいなことを言ったかな。ゴメンね。やまのっち…」
彼の姿を見るたび、小さなトゲのようなものが私の心をチクリと刺す。

学校で見かける山野くんの様子は、明らかに以前とは違う。
授業には真面目に出るようになったし、先生に質問しに行ったりもしているようだ。
そして時々読んでいるのを見かけるのは、あの時の本…幻夢楼。
一度どんな内容なのか聞こうかとしたけど、本を読んでいる山野くんの表情を見ると、
何か邪魔しちゃいけないという気にさせられて何も言えなくなった。

そして、今回の事件を記事に起こすべくペンを取るも、私の手はぴくりとも動かないのだ。

「ボクがこのことを書けるようになるのは、だいぶ先になるかもしれないな…」
スクープノートをパタンと閉じる。
私はこの事件を胸にしまう。数週間…数ヶ月…もしかしたら、数年後になるかもしれない。
気持ちに整理が付いたら、そのときに書こう。
それまでに頑張って、もっともっと良い記事を書けるようになろうと思う。

彼女は、あの日、15年遅れの卒業式を迎え、やっと前へと進んだのだ。
自分も進まなければいけない。友人たちと一緒に。
私たちにも、新しい春がやってくるのだから。

満月さん、七島さん、世界の放浪者さん、genyさん、本当に楽しいセッションをありがとうございました。
そして、今日まで後日談を執筆せずにいたことをお詫び申し上げます。
セッション直後は胸がいっぱいで、上記の真のように筆が進まない状態にあったのだと言い訳させていただきます。
しかし本日同シナリオを回されているのを拝見し、参加された方が当時の自分と同じように感動しているのを見て、今更ながら筆を執る決心をいたしました。
時間が経ちすぎていることもあり当時の余韻を再現できているか不安ではありますが、当時のPCの思いはこうであったろうと思い起こしつつ。

栞ちゃんこと七島さん、勝手に食いしん坊なキャラ付けをして済みません、とても可愛かったです。

ためとも君ことgenyさん、山野くんとの男子コンビでありながら、展開が山野くん寄りになったこともあり、なにかと気を使う役回りでしたね。
けなげに頑張る後輩とう感じが出ていて良かったです、

山野君こと世界の放浪者さん、物語をグイグイ引っ張って行く重要な役割を立派に演じきりましたね。とても感動的でした。

KPさんとこ猫倉 満月さん、素晴らしいセッションをしていただき、本当にありがとうございました。
クトゥルフでこのような青春群像劇を見られる機会は、なかなか無いと思います。

やや記憶が怪しげではありますが、この場をお借りして長々と書かせていただいたことに感謝します。
それでは、またみなさんとご一緒出来ることを願って。

二度寝から目覚め、慌てて家を飛び出し全速力でなんとか学校に駆け込む。
先生たちの目を盗みながら早弁して、部活して、仲の良いみんなと集まって駄弁って帰る。
そして美味しいご飯を食べて、ピアノをちょっと練習してからゆっくり夢を見る。
これが新名栞こと、私の女子高生な日常。
そんなゆるやかな毎日に流れ込んできた”あの数日間”はまるで春の嵐のようだった。
震えながらも彼女のために何が出来るのかを知りたくて必死だったのだ。
職員室は苦手になったし、切なさで胸がキュッとなる時もあるけれど、
それでも彼女とみんながくれた”何か”は私の中に大切にしまってある。

…結局のところ、何が起こって助かったのかいまいち私には分からない。
知りたいけれど其れに踏み込んでしまうのは怖いのだ。
姫ちゃんのお兄さんを見かけるたびにそう思う。…考えすぎなのかな。

「『図書館に集合』……りょーかいっ」ポンっと。
メッセージに既読を付けて、友人たちの元へと駈け出した。
−　新名栞は今日も元気です

KP満月さん、参加者の皆様、お疲れ様でした〜
埋没できるとても雰囲気の良いシナリオとそれに馴染む探索者たち、
皆で物語を作っているという感じがあってとても楽しかったです！
流れに合わせてここぞ！とばかりにドラマを作ってくるダイスに「やっぱり神はいる…」と思いました。笑
交渉RPやNPCとの交流が得意ではないので皆様に助けて頂いた場面もしばしば…
本当にありがとうございました！皆様と卓を囲めて良かったです
また卓を囲むことがありましたらよろしくお願いします！
満月さんの泉ヶ丘町シナリオ，八丈学園シナリオ待ってます〜
駄文失礼いたしました

「相模　由美さんへ」

こう聞くのも変かもしれませんが……お元気ですか?
貴方が卒業してから、三週間の時が経ち、
何か、何か、貴方への思いを残す手段を考えた結果、
こうして筆を取った次第です。

誰かに向けて、手紙を書くのは生まれて初めてで、
書いては消して、書いては消して、
汚れが酷くなればまた新たに書き直して……
もう、何枚書いたか分かりません。

俺も、皆も、元気です。
りょうの奴は、この前の小テストで学年で1位を取ったってのに黙ってたんです、
ちょっと、可愛げが無かったので牛乳等、
カルシウムが取れる物をプレゼントしました。
――ついでに、アイツが喜びそうな本をいくつか。
(後者の方が嬉しかったようです)


津向は更にスクープへの情熱を燃やして、
ふと心配になるくらい校内や町中を走り回ってます。
(たまに、簡単そうな取材活動に付き合わされていますが……彼女なりの気づかいと感じています)


新名なんか、軽音楽部のくせしてオカルト研究会でも、よく姿を見かけます。
担当している楽器を引いている姿からは、想像できません。(結構上手いんですよ)
(内緒ですが……オカルトよりも、音楽よりも、
彼女には、美味しい食べ物を美味しそうに食べているのが、俺は一番似合っていると思っています)


俺は……。
まず授業を抜けるのを止めました。　
(ゲームを持ってくるのも)
真面目に先生方の話を聞いて、ノートに書き写して、
分からない事を聞きに行ったりしています。
(成果は……実感がない、です)


あ、そうそう。
実はあの時……俺も幻夢楼を持ってきていたんです。
(友達が働いているアンティークショップで購入しました)
結果は渡しそびれてしまいましたが、
今では、渡せなくて良かったと思います。
――貴方が本当に欲しかった物を手に入れる事が出来たから。


上・下巻のセットは……毎日、時間がある時に読んでいます。
正直言うと……今まで児童文学を真面目に読んだ事が無く、
四苦八苦しています……感想は、またの機会に。
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由美さん、こんな事、書くと……
貴方に嫌われてしまうかも知れないけれど、
あの時から、貴方に対しても、皆に対しても、
はっきりと口に出していなかった事があります。
其れを秘めたままでは、俺自身が前に進めない、
皆に、置いて行かれてしまうと思うから、書きます。


俺は……貴方ともっと、過ごしたかった。
貴方が、本当に楽しそうに本を読んでいる姿を傍で見ていたかった。
貴方が友達と、楽しそうに話しているのを、見ていたかった。
貴方と一緒の時間を過ごしたかった。
――けど、僕自身の我が儘で、貴方にも、皆にも、迷惑を掛けてしまうと思ったから。
いえ……違います――勇気がなかっただけ、なんです。
――貴方に、一番伝えたかった言葉も、言えませんでしたから。
(書面上での、言葉、です、口に出す、勇気が、今も持てません)
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相模、由美さん。
俺、山野和己は……一人の男として。
貴方が……好きです。
……貴方を愛しています。
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お返事は何時かの、その時に、お願いします。
其れまでは、その日その日を精一杯過ごしてみます。
大切な貴方に、大切な皆に、誇れる男になりたいから。
――長い文を、ごめんなさい。
少し時間は空くと思いますが、また、手紙を書きます。
それじゃあ……また。


「山野　和己より」

其処まで書いて……俺は、入学祝に買ってもらった勉強机に突っ伏した。
そのまま、我ながら時間を掛けた「手紙」を見つめる。
けれど……手紙を書けた満足感より、不安の方が先にやってくる。
今、伝えたい事を、あの時、口に出せなかった思いを書いたこの手紙。
もし、由美さんが見たら……どう思うのだろう?

「驚く、かな……困っちゃう、かな……」

あの事件の後、念の為、住職さんにお祓いをしてもらってから、
旧図書室には一度も行っていない――行かずとも、鮮明に思い出せるから。

「……ふぅ」

時計のアラームが鳴る。　
時刻は23時、高校生に成るまでは、とっくに寝ていた時間だ。
由美さんへの手紙を、何も入っていない鍵付きの引き出しに入れ
勉強道具を取り出し、机に広げる。
――先ずは。

「はぁ……まずは、英語、だな」

出された宿題を早めに片づけられる男に、なる。

人間、直ぐには変われない、な後日談。
(勝手にキャラを出してしまい、すいません、問題がある場合、無視してくださいm(__)m)

こほん、改めて、KP満月さん、黄猫屋さん、genyさん、七島さん。
セッションお疲れ様でしたー!!
まだまだ初心者の身で、自分なりに頑張ってみたセッションでありましたが、
本当、この幸せな結果は、皆様に引っ張って頂けたおかげだと思っております。
皆様に助けていただいたからこそ、両極端なダイス運が、ありました(苦笑)

其れでは、また何処かの世界でお会いする事ありましたら、宜しくお願いします。
楽しく遊びましょう!!(もっとルール覚えてきますー!!)

僕は、あの日から桜の咲く季節になると涙もろくなってしまいます。
いつもは生意気とか、可愛げがないとか、そんなこと言われてるの知ってます。
でも自分の理性を裏切ってまで、どうしても涙をこぼしたくなるんです。

最近は吹っ切れて、恥ずかしげもなく思いっきり泣いてやることにしています。
それは悲しい涙ではありません。かと言って、喜ばしい涙でもないんです。
ただあの日を忘れたくないという本能が、僕を支配するのです。

ごめんなさい、僕は薄情だから、きっと名前もそのうち忘れてしまいます。
あの日冒険した友人たちも、大人になった今ではあまり会えなくなりました。
でも、この時期の涙腺のゆるみは治まってくれません。
会えなくなった友人たちからの年賀状は毎年絶えません。
あの日のあなたの笑顔が記憶から消えません。

そんな毎日を過ごしながら、今度は僕も、待っています。
あの桜の木が咲く日を、思い出がよみがえる特別な日を。
ばいばい、またね、また来年。

KPの満月さん、参加者の皆さん、お疲れ様でした〜！
（この記載順、どうしたらいいか迷ってこの位置ですが深い意味はないので、
お気になさらずお願いします…）

すごく青春なシナリオに、すごく青春してる探索者、胸が熱くなりました…
ダイスは相変わらずドラマティックに気紛れで、やたら主人公主人公言ってしまって
ﾌﾟﾚｯｼｬｰなんかも与えてしまいましたが、とてもキャラのバランスがいいパーティ
だったんじゃないかと思います。
色々とご迷惑もおかけしてしまいましたが、最後までこの友人の輪にいさせて
いただけて、お陰さまで本当に楽しかったです。
やっぱりハッピーエンドがいい…素敵なセッションをありがとうございました！
またぜひご一緒できたら嬉しいです。

追伸
放浪者さん、りょうとのその後も語ってくれてありがとうございます〜！
キャラしっかり掴んでくれてる感すごい…まさに、牛乳にキレて本に喜ぶ、
そんなキャラだと思います…ｗ

桜の花びらの下、高梨は桜の花びらを眺めていた。
「先生・・・どうかしたんですか？」
後から大沢あかねが話しかける。
高梨は、あの事件からずっとひとつ心に引っかかっていたことがあった。
「相模はボクを恨んではいなかった・・・いや・・・彼女は元々そんなことをする娘じゃなかった・・・」
アカネは首肯する。
「由美ちゃんは、会って一日話しただけだけど・・・きっと、ずっと恨んだりとかそういうことを考えることができるような娘じゃなかったですよね」
高梨は目を瞑り・・・
「もしかして彼女を縛り付けていたのはボクの未練かもしれない・・・彼女を苦しめていたのは・・・」
そう告げる。
アカネはあるかもしれないと少し考える。
彼女を縛っていたのは未練の糸、人の未練に巣をはった、蜘蛛の化け物の糸・・・
ならばもしかして・・・彼女自身が持った未練だけではなく周りの人間の未練もその意図により合わせていたかもしれない・・・
考えられない話しではない・・・
でも
だけど
「先生・・・だとして・・・そうだとしてどうするんです？」
高梨は振り返る。
「彼女は誰も恨んでいなかった。そしてずっと心残りだった本を待っていた。そして心残りを満たして・・・」
「私たちと再会の約束をして空へ還っていった・・・」
「きっと、再会の焼く祖は先生との約束でもあるんですよ？」
「だったらそれでいいんじゃないですか？間にはすれ違いとかあったかもしれませんし、先生は私たちより彼女との付き合いが長いから思う所があるかもしれないけど・・・」
「あの時の彼女の笑みを・・・笑みを見て先生はまだ、彼女が不幸だったと思うのですか？」
高梨はゆっくりと首を振る
「いや・・・彼女の幸せを疑うことは・・・きっと間違いだとおもう」
高梨は桜の花を見上げる・・・
満開の桜は夕日に微笑む彼女の笑顔のように風にふわふわとゆれていた。

そんな光景を二階の教室から眺めながら、鴨居はため息をつく。
「今回は面倒だったな・・・幽霊なんて化け物は蜘蛛と一緒に払ってしまえば楽だったのに・・・」
にやりと笑う
「でもまぁ・・・不思議と悪い気分ではないか・・・な・・・」

学園の中では様々な喧騒が流れ、抜けるような青い空には一片の桜の花びらが笑っているかのように風に舞っていた・・・