DBZクロス4話

俺がこの世界に来て数ヶ月が過ぎた
本当にここの世界は平和だ
笑いあってって生活ができる
いいことだ

「おはよう。はやて。」
「おはよう。悟飯。あいかわらず早いなぁ。」
「そうかな?」
「そうやで。」
「朝ご飯作るんだろ。手伝うよ。」
「いつもありがとな。」
「いいって。今日のメニューは?」
「和食にしようと思っとるんや。」
「和食か。それじゃ魚は俺が焼くよ。」
「うん。よろしくな。」
こういった朝の風景も

「あ、悟飯君。」
「シャマルさん。何か用ですか?」
「これ、食べてみてくれる?」
「なんですか?これ。」
「テレビで簡単料理っていうのやってたから作ってみたの。」
「そうなんですか。」
「どう、食べてくれる?」
「それじゃ、いたただきます。」
「どうぞ、召し上がれ。」
「…………。」
「どう?」
「…………。」
「悟飯君?」
「こう…甘くて苦くて辛くて酸っぱくて…こ…個性的な…味…です…ね…。」
「あら?悟飯君?」
こういったハプニングも

「ごーはーんー。」
「ヴィータ。どうした?」
「一緒に出かけねーか。」
「……アイスでもほしいの?」
「な!べ…別にいーだろ!!」
「わかったよ。アイス、買いにいこっか。」
「やった!」
「わ、わ、コラ、引っ張るなって。」
「いーから、いーから。早く行こうぜ!!」
「わかったって。」
こういった日常も

「おまえも不思議な奴だな。孫。」
「何がですか?シグナムさん。」
「我等と普通に話せることだ。」
「?」
「聞いてるとは思うが我等は魔道生命体。人間ではない。
主はやてもそうだがよくこう普通に接することができると思ってな。」
「うーん、でもあなた達は俺達少し生まれ方が少し違うだけでしょ。」
「どういうことだ?」
「つまり生まれ方が少し違うだけで他は何も変わらないってことですよ。」
「何も変わらない?」
「そうですよ。一緒に話したり笑ったり泣いたり怒ったり。
なにも変わらないですよ。」
「そう…なのか?」
「そうですよ。少なくとも俺とはやてはそう思ってますよ。」
「そうか。…すまなかったな。変なことを聞いて。」
「いえ、いいですよ。」
こんな会話も

「いい夜空ですね。」
「…そうだな。」
「どうしたんですか、ザフィーラさん?」
「今までの主は我等を道具としてしか見ていなかったからな。
今の主はそんなことはしない。そのことを不思議に感じていてな。」
「でも、いやな感じはしないでしょ。」
「ああ。」
「ならいいじゃないですか。それは今を幸せに感じてる証拠ですよ。」
「…そうだな。」
「さて、結構遅い時間ですから戻りましょうか。」
「そうだな。」
こういった一日の終わり方も

この世界に来てからこういった生活がとても穏やかだと感じられる
ずっと忘れてた感覚だ
勿論平和ボケしないように修行は毎日している
自分の戦闘力を落とす訳にはいかないしね
むしろ上げなければならない
そう思っているけど
ただ
こんな日常がずっと続けばいい
こんな穏やかな日々がずっと続けばいい
こうも思っている
庭先で修行していたらはやて達が帰ってきたみたいだ
ただ、はやて以外のみんなの顔色が良くなかった
どうしたのかと聞いてみれば
「なんでもない。気にするな。」
と言うだけだった
はやての前じゃ顔色は戻っていたから深くは追求しなかった
だけどやはり違和感は感じる
何も起こらなければいいけど…

夜中、みんなが寝静まったころ
この家から離れていく気を四つ感じた
多分、シャマルさん、ヴィータ、シグナムさん、ザフィーラさんの四人だ
確証はないが当ってるはずだ
どうも気と魔力は別物らしく
気と同じ要領では魔力を感じることができない
かといって魔力を感じる方法もわからない
だけどみんなからまったく気を感じないというわけでもない
ただ、みんな…というより一般人の気を探るにしてもかなり集中して探さなければ見つからない
みんなが帰ってきた時の様子に不安を感じてずっと集中しておいたので
見逃さずにすんだみたいだ
悪いとは思うが気を消して付けさせてもらおう

……どうも悪い話のようだ
はやての命がこのままでは危険だということだ
くわしいことはわからなかったが
蒐集ということをして闇の書を完成させなければはやての命はない
というものだった
ならば俺のやることは決まっている
「俺にも手伝わせてくれ。」
そう言って俺はみんなの前に姿を現した
「え!?ご、悟飯君!?ど…どうしてここに!?」
「今日のみんなの様子がおかしかったので
悪いとは思いましたが付けさせてもらいました。」
みんな驚いた顔してるな
俺に付けられてるとは思わなかったんだろう
「な、なぁ悟飯、い…今の話聞いてたのか!?」
「ああ、くわしいことはわからないが
蒐集ということをして闇の書を完成させないとはやてがやばいんだろ。
だったら数は多いほうがいいだろ。」
ヴィータも焦った顔してるな
「…孫。」
「なんですか、シグナムさん?」
「おまえの申し出はうれしい。
だが、おまえの実力では我等の足手まといになりかねん。」
「そう…ですか、なら。」
抑えていた気を開放し
超高速移動でシグナムさんの後ろに回りこみ腕を掴む
無論腕を動かせないくらいに力を込めて
「これでも実力、足りませんか?」
「「「「な!?」」」」
この状態が数秒続いた
「…孫。」
「なんですか?」
そういって腕を開放する
「おまえの実力はわかった。だが一つ聞かせてくれ。」
「なにをです?」
「なぜ我等に協力しようと思ったのかを。」
「はやてを死なせたくないというのもあります。
けど、わかるから。」
「何をだ?」
「大切な人を何が何でも助けたいって気持ちを。」
ふと、お父さん顔が頭を過ぎった
「そして知ってるから。その大切な人を死なせてしまった時の
虚しさを、つらさを、悲しさを。」
あの時
お父さんが体調を崩したあの時
お医者さんがただの風邪だと言って
俺はその日お父さんがいつもしていることを
木材を運んだり、魚を獲ってきたり、薬草を集めたりすることをした
少しお父さんに近づけた感じがしてうれしかった
その後お父さんは元気になったけど
それから体調を崩しがちになった
そして、それからしばらくたったある日お父さんは倒れた
その時お母さんが教えてくれた
お父さんは心臓病だって
それを聞いたとたん俺はすぐに家を飛び出した
ブルマさん家に向かいドラゴンレーダーを貸してもらい
ドラゴンボールを集めにいった
そして数日後
ドラゴンボールを全て集めることができた



『いでよ、神龍!!そして願いを叶えたまえ!!』
空が暗くなって神龍が現れた
やった、これでお父さんの病気は治る
『さぁ、願い事を言え。どんな願い事でも一つだけ叶えてやろう。』
『あの、お父さんの病気を治してください。』
『残念だが、それはできない。』
え?
どうして?
『どうしてですか!?』
『おまえの父親、孫悟空は既に死んでいるからだ。』
『え?』
お父さんが死んだ?
『嘘だ。』
僕はそのまま駆け出した

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
『嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。』
お父さんがお父さんが死んだだなんて
『嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。』
あの強いお父さんが
あの優しいお父さんが
死んだだなんて
『嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。嘘だ!!』
さらにスピードを上げた
お父さんが死ぬはずがない
フリーザにだって勝ったんだ
『そうだ!!死ぬはずがないんだ!!』
フリーザとフリーザ父親が地球に来たときだって
お父さんは瞬間移動で現れて
超サイヤ人になって
フリーザとフリーザの父親を倒したじゃないか
その後僕やみんなに笑顔で
『みんな、ただいま!元気だったか?』
って言ってくれたじゃないか
その後僕を抱っこして
『大きくなったなぁ、悟飯。』
って言ってくれたじゃないか
そんなお父さんが死んだだなんて
『嘘だ!!』
またさらにスピードを上げた
やっと家が見えてきた
家の方を見ると
ピッコロさん、クリリンさん、ヤムチャさん、天津飯さん、餃子さん、ヤジロべーさん
ベジータさん、ブルマさん、トランクス、ウーロンさん、プーアルさん
みんながいた
『悟飯!!』
『早く早く!!』
クリリンさんとウーロンさんが叫んでいた
どうしてみんな悲しそうな顔してるの
なんで、涙を流しているの
まさか…
嘘だ嘘だ嘘だ
ドアを開ければお父さんとお母さんがいつもみたいに笑顔で
『お帰り、悟飯。』
って言ってくれるはずだ
そう思ってドアを開けた
『悟飯!!』
お母さんが涙目で僕の名前を呼んだ
なんで泣いてるの
そうだお父さんは
お父さんの呼吸音が聞こえない
お父さんの胸が上下していない
お父さんの気が…感じ…られな…い
『お……お父…さ…ん…。』
涙で…視界が……歪んだ




「俺は、そんな想いをみんなにしてほしくないから。」
「そう…か。」
そう言ってシグナムさんは俺の涙を拭いてくれた
いつのまにか涙を流していたいたようだ
「孫。いや、孫悟飯。おまえの力我等に貸してくれるか?」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
こうして俺は蒐集活動を手伝うことになった

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2007年07月15日(日) 16:58:53 Modified by beast0916




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