クレージュにて(お守り続編)

精霊達の助力でいんちきくさい神の正体を暴いたアルス達は
魔王との最終決戦に向け力をつけるべくレベルアップにいそしんでいた。
そんなある日のある夜、ある宿屋での出来事。
メルビンとアイラは隣の部屋から聞こえてくる騒音にため息をついていた。
「またやってるわね・・」
「今日もマリベル殿は怒ってますな」
アルスとマリベルが相部屋になるため自動的に彼等も相部屋となる。
彼等の話題といえば大抵が隣の事である。
「最近は喧嘩ばっかりね。喧嘩といってもマリベルが怒ってるだけみたいだけど」
「ここ一週間ぐらいでござるか。二人とも青春でござるの〜」
二人は顔を見合わせて笑った。
隣の二人は隠す気がないのかいつも何をやってるのか丸聞こえである。
「今日もアルス殿がせまって断られたのでござるな」
「そうね。でも今日は結構粘ってるわね」
「ふむ、アルス殿もお若い。我慢できなくなってきたのでござろう」
「原因はやっぱりまだアレ?」
「で、ござろうな」
そういってメルビンはお茶をすする。
「マリベルもそろそろ許してあげればいいのに。
 あんまりじらすと他の女に走っちゃうよ。アルスって結構もててるみたいだし」
「いや、それは大丈夫でござるよ」
「まあね」
二人でお茶をすすりせんべいを食べる。
隣から衝撃音と破裂音が聞こえてきた。
「この音はマリベルの鞭じゃない?」
「そのようでござるな」
隣の部屋の新展開に聞き耳をたてる二人であった。

「マリベル。どうしてそんなに怒ってるんだ!?」
怒りを隠そうともせずにらんでくる恋人にアルスは戸惑っていた。
「なんで!?理由は何回もいったはずよ!」
「だから中で出したのは謝ってるだろ。もうしないよ」
マリベルは部屋の中央で仁王立ちのままだ。
「・・何回もダメだっていった。もうしないもうしないっていつも口ばっかり」
マリベルの冷たい視線と言葉がアルスを刺す。
「今度こそもうしないって」
「・・・お尻もいじるなって言ったのにすぐいじるし。アルスの変態!」
アルスとして言い返す言葉もない。素直に謝った。
「だから反省してるよ。悪かった。ごめん」
「反省してるんなら我慢しなさいよ」
毎日これの繰り返しでアルスは仕方なく我慢してきたが今日は引き下がらなかった。
「だからって一週間もさせてくれないなんて酷いよ。一週間だよ!」
アルスは真剣な眼差しでマリベルを見つめる。
「どこが酷いのよ!それくらい我慢しなさいよ!」
「無理だ!この一週間だって死ぬほど苦しかったんだ!」
男らしく言い切るアルスであったが内容は少し情けない。
「なによ、あんたなんかとはもうしない。あたしはあんたなんか好きでもなんでもないんだから!」
言った後にマリベルも言いすぎたと後悔したが撤回するような性格ではない。
アルスは呆然としていたが、我に帰るとマリベルを見た。
「僕は今からマリベルを抱く。僕が嫌いなら殺せばいい、抵抗はしないから」
そういってアルスはマリベルの方に歩いてきた。

マリベルはとっさにグリンガムの鞭をふるう。
アルスの服が裂け肌に血がにじむ。
だがお構いなしにアルスはマリベルに近づいてくる。
さすが勇者である、アルスの傷口は次々とふさがっている。
マリベルは後退しながら鞭を振るうがアルスは止まらない。
破裂音と衝撃音が部屋を満たす。
ゆっくりとアルスはマリベルを部屋の隅に追い詰め、手首をつかんだ。
鞭が床に落ちる。
「マリベル・・」
「なによ!バカ!変態!」
アルスは身をよじるマリベルの手を自分の首にあてがった。
「マリベル。今呪文使えば僕は簡単に死ぬ。僕が嫌いならそうしてくれ」
アルスはマリベルをのぞきこんで返事を待った。
マリベルの手にアルスの体温が伝わるとマリベルの手から力が抜けた。
「どうしたの?何もしないんなら僕はマリベルを抱くよ」
マリベルの手がアルスの胸の前で軽くにぎられる。
ほんの少しだけマリベルの体重がアルスにかかった。
「・・MP切れよ」
弱弱しくつぶやいたマリベルの言葉にアルスはにっこり微笑んだ。
ゆっくりと顔を近づけマリベルの口を吸う。
「ん・・」
柔らかな唇を楽しみながら腕をマリベルのお尻の下にまわし持ち上げる。
「・・中にだしちゃダメだよ」
「わかってるよ。まだ子供は欲しくないしね。ほら手上げて」
マリベルをベットに運ぶと手をあげさせシャツを脱がせる。
「お尻もだめ」
「いれはしないよ」
もう一度キスをしながらスカートを脱がせる。
「一回だけだからね」
「それはきけない」
そういってマリベルを布団に押し倒した。

「仲直りしたようね」
「まったく若い者は元気でござるなあ。」
ベットのきしむ音と嬌声が聞こえていた。
アイラとメルビンは二人の仲直りした様子に安心してベットにはいる。
(それにしても・・少しは静かに出来ないのかしら)
隣の部屋から聞こえる音につつまれながら二人はため息をついた。
2008年12月27日(土) 05:06:06 Modified by test66test




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