ジャミ×ビアンカ 885@Part12

この塔に踏み込んだ時、俺には特別な異常などは感じられ無かった。あくまで普通の塔だ。普段どうり大量の魔物が巣食っている、ただそれだけの。
幾多の魔物を薙ぎ倒し、たどり着いた最上階。階段を駆け上がる俺を見て、ビアンカが顔をぱっと顔を輝かせるのが見えた。
「来てくれたのね!」
産後間もないビアンカの身が心配だったが、今見た限りでは体調に問題は無いようだ。寝間着のままではあるが、拘束もされていないし、怪我もなさそうだ。
「でも…来ないほうが良かったかも」
肩で息をする俺にそう言って微笑んだ妻の笑顔には、少しだけ影があった。辛い目にあっただろう。怖かっただろう。でももう大丈夫だ。絶対に俺がここから連れ戻してみせる。
申し訳無さそうに言うビアンカを見ていると、胸が切なさで一杯になる。今すぐに彼女を抱きしめたかった。
ビアンカが掠われてからすでに五日が経ってしまっていた。初動の遅れと、塔でのモンスターとの戦いに苦戦を余儀なくされた俺は、三日目に重傷を追い、身動きが取れなくなり城へ退き戻るしかなかったのだ。
怪我がある程度治り、体が動かせるようになるのを待った俺は、いまだ塞がらない傷の痛みを無視してここまでやってきた。
歩み寄ればビアンカを抱きしめられる距離にまで来ておきながら…まさか、ここにあいつがいるなんて。
ビアンカの後ろ、豪奢な椅子に跨がる、忘れもしないこの馬面。父さんの仇でもあるジャミは、にやにやと嫌味な笑みを浮かべ俺を出迎えた。
「遅かったじゃないか、退屈したぞ?」
奴は俺など簡単にあしらえるとでも思っているのか、余裕の体で寛ぐ姿勢を崩さない。
その声、その気配、呼気の流れる音にさえ…覚えるのは殺意、殺意殺意!
殺してやる。父さんを殺し、今度はビアンカまで…。
再び見える事を、あの日から渇望した。初めて俺に憎しみと言う名の感情が実在することを教えた者。あの時、俺は「ぼく」ではなくなった。「ぼく」のままではいられなくなった。
まさか父さんの仇を、今ここで、晴らせるなんて…。
「あまりに退屈なもので、つい悪戯をしていたところだ」
俺の気も知らず、暗い喜びを含んだ声で言いながら、ジャミはビアンカの背後へと歩み寄り、
「お前の可愛い妻にな…」

彼女の肩に手を添えた。

ビアンカは怯えた様子も無く小さく頷くと、寝間着へと手をかけ、なんの躊躇いも無くそれを脱ぎ捨てる。

ビアンカは怯えた様子も無く小さく頷くと、寝間着へと手をかけ、なんの躊躇いも無くそれを脱ぎ捨てる。
俺は、呆然とするより他無かった。
ビアンカの体を包む、黒々とした艶やかな革と金属。これは…拘束服、なのか?
革は腹部を紐で編み上げてぴったりと被っている。まるでビスチェのように。
だが、母乳を含んだ豊かな乳房は、その形を、大きさを強調するように剥き出しのままツンと突き出され、淡い色の二つの頂には小さな銀環のピアスが光り、凝った意匠の細い鎖が繋がっている。
ガーターベルトに吊られた黒革の靴下は太腿までを被い、その隙間の肌にはあるべき薄い恥毛が無く、性器がよく見えるよう丸出しにされていたのだ。
「ビアンカ」
ジャミの声に彼女はまた小さく頷き、肘よりも長い黒革の手袋の左手の薬指からあの指輪をするりと抜き去ると、足元に落とし、踵の高いブーツの底で躊躇い無く踏みにじる。
何が起きてるんだ…?呆けることしかできない俺に、ビアンカは言った。
「だから来ない方がよかったかもって言ったのに」
俺が見たことの無い質の笑顔。
ビアンカはくすくすと小さく笑いながら背後のジャミにゆったりと背中を預ける。ジャミはそれが当たり前であるかのように抱き寄せる。
「ビアンカに…ビアンカに何をした!」
俺が初めて口にできた言葉は、激しい怒りとそれを越えるような戸惑いで酷く掠れていた。
「悪戯されちゃったの。ジャミ様に」
腹へと回されたジャミの腕を指先でなぞり、ビアンカが答える。それはまるで恋人同士の仕種のようで…。ジャミは…ジャミは何も言わずにただにやにやと笑っているのみだ。
「私が掠われて、今日で五日…。なんだっけ、昔から言うじゃない。男子三日会わずば、って」
ビアンカは夢見る少女のように喋り続ける。
「女だってそうだと思わない?三日もあれば、愛しい愛しい旦那サマを忘れて…」
ちろりと舌を覗かせて…
「魔族の肉奴隷になれる。あなたは来るのが遅すぎたのよ、も・と・旦那サマ?」
さっきから、ビアンカは俺が知らない顔しかしない。
ビアンカはそんな笑顔で笑わない。ビアンカは…ビアンカは!

「あぁ、言っておくけど、これは現実だからね?幻でもないの。私が堕ちただけ。私から言ったのよ『ジャミ様の肉奴隷になります』って」
愛しげにジャミの頬へと口付けるビアンカ。
「これだって自分で選んで着たのよ?」
愛しげにジャミの首に後ろ手で絡み付くビアンカ。
「いやらしいでしょ?体の線がまる見えで」
上気させた頬を自慢げに緩ませるビアンカ。
「胸も、ここも、お尻だって全部まる見え」
乳首を繋ぐ鎖を引いて乳房を持ち上げるビアンカ。
「ほどよく体を締め付けるのよ」
蕩けた顔で肩を抱きしめるビアンカ。
「まるで…ジャミ様に抱かれているみたいに」
ジャミの蹄がビアンカの顎先に添えられる。彼女は小さく声を漏らし、奴の軽いくちづけを受け入れた。
「酷いことなんかされなかっわ。一日目は美味しい料理と美味しいお酒の後で、全身を舐め回されて、カラダに火が点いた所で犯されたの。長いこの舌で…ん、んんっ」
自ら舌を伸ばし、視線を絡ませたまま、ジャミの紫色の舌を舐め上げるビアンカ。
奴はこちらに一度だけ視線を送ると、わざとらしくこってりとした唾液を口元から溢れさせる。ビアンカは、甘く鼻を鳴らして、その濃厚な唾液を、細い喉を鳴らして飲み込んでいく。それは間違いなくキスをした後で見せる、俺だけが知っている顔だった。
「んぁ…。いくら双子を産んだばかりだからって、いきなりジャミ様のオチンチンは大きすぎるから。だから、ジャミ様はこの舌で私のおんなの穴をゆっくりゆっくり解してくれたの」
自ら差し出した舌を名残惜しそうに仕舞うビアンカ。
「数え切れないくらいダメになっちゃったわ。あなたがそれまでイかせてくれた数よりたぁくさん…ほら、太くて長ぁいでしょ?あなたのオチンチンより」
口許を濡らす唾液を舌でゆっくりと舐め取り、頬を染めるビアンカ。
「初めはね、抵抗もしたし、虚勢も張ったわよ。我慢もした。ジャミ様は私がダメになる度に必ず確かめてきたけど、私は首を縦に振らなかった。だって、あなたを愛して『いた』から」
おもねる顔でジャミと視線を絡ませるビアンカ。
「ジャミ様の舌が子宮を突き上げて、感じすぎて訳が解らなくなった私がジャミ様の顔に粗相をしても、ジャミ様は舌を抜かなかった。とっても…凄かった」
ふるりと身を震わせ、剥き出しの肩を抱くビアンカは、明らかに欲情して見えた。
「でも、何度も何度もイかされた後で子宮の入口を舐め回されて、寸前で焦らされたら誰だって言うわ『イかせてください』って。初めてよ?「イく」なんていやらしい言葉を使ったの」
とろりと澱んだ瞳でビアンカは腰をくねらせる。見れば、彼女の股間にはいつの間にか強烈に勃起したジャミの男根が食い込んで、こちらにそのはち切れんばかりの先端を覗かせている。
大きい…。確かにそれは俺の物より二回りは大きく、早くも先走りの液体が零れ落ち、剥き出しのビアンカの性器から溢れ出た蜜と交わりながら、床を汚していく。

そう…ビアンカはそこを濡らしていた。奴とのほんの、軽い触れ合いだけで。
ひくりとジャミの男根がうごめき反り上がる度に股間に食い込むのか、妻は甘い声を漏らして身震いする。
「二日目はね?まずジャミ様の顔の上に乗せられて、また何度もイかされて…。でもジャミ様ったらいつまでたっても私を犯そうとしないのよ?目の前にあるオチンチンがね、ひくひく動くとね?ジャミ様のおつゆが沢山溢れてくるの」
指先でジャミの先走りをすくい取ると、ビアンカはそれを突き出した舌でぺろりと舐めとる。
「オスの匂いがぷんぷんして…涎が沢山込み上げてきて、『苦しそうだな、射精(だ)したいんだろうな』って思ったのよ。だからせめて口でなら、まぁいいかなって。あなたにはした事無かったけど、そういう事をするっていうのは知ってたの」
甘い蜜を舐めるようなその顔。唾液で濡れた指を、今度はそそり立つ肉の凶器の割れ目に当てて、愛しげに撫で回す。
その刺激にまたびゅくりと先走りは溢れ、俺の鼻先まで獣の臭いが届いてくる。
「もちろん最後までするつもりなんてさらさらなかったわ。でも気付いたらこのおっきなオチンチンに跨がって、思いきり腰を振ってたのよ」
ビアンカはまるで悪びれもせず、まっすぐに俺の目を見つめて話し続ける。
「オチンチンは大きさじゃないなんて言うけど…そんなのろくに男を知らない女の言う可哀相な諦めよ。馬鹿みたいよね?ふふふっ、オマンコの中の弱いところも何もかも全部まとめて擦られて子宮の入口まで突かれたら、気持ち良いに決まってるのに」

ビアンカが何を言っているのかどうしても俺には判らなかった。
数日前、出産を間近に控えた夜、不安に顔を曇らせた彼女にキスをした、あの時見せてくれたあの微笑みは?
幼い頃から変わらない、真夏の向日葵のような眼差しは?
彼女は、彼女が…ビアンカなのか?
「まだ信じられないの?そうかもね、無理も無いわ。だって、私、ほんの五日前までは何にも知らない可愛いだけの、あなたの奥さんだったんだもの」
嘘だ。信じない。まやかしだ。術の源を探せ。熱くなるな。
「だから、これからきちんと証拠を見せてあげる。私が自分からジャミ様のものになった証拠を…」
うるさい。ビアンカの姿で囀るな。
「ジャミ様?ビアンカお口が寂しいんです…ですから、ね?」
違う。違う。違う。ビアンカは甘える事はあっても、そんな風に誰かに媚びたりしない。絶対しない。
「ほう、口が寂しいか…どれ」
「んっ!?……ふぁ、ん…んくっ」
「どうだ、満足か?」
「………はぁっ、うふふっ、もぅジャミ様の意地悪。キスじゃなくて…判ってるくせに」
「そうかそうか。俺としたことがとんだ勘違いをしていたようだな?」
「ジャミ様ったら…さぁ、命じてください。舐めろって…しゃぶれって。貴方の可愛いビアンカは………」
「ビアンカは?」


「貴方のいいなりです」


思い出せ。結婚式の時の彼女の涙を。
「嬉しい事を言ってくれる。ではビアンカ…」
「はい」
「見せ付けてやれ」



「………………はい」

思い出せ………。
あの頃…ぼくの手を引いてくれた掌の温かさを。
「とっても…かたぁい。骨が入ってるみたい。ふふっ、手袋…脱いじゃお。私の手、痛くないですか?はぁ…やっぱり凄い、指が全然回り切らないんだもん…ご立派ですジャミ様…んっ、ちゅっ」
惑わされるな。
「…にがぁい」
惑わされるな。
「でも」
惑わされるな。
「美味しい…」
惑わされるな。
「子胤は子袋に注ぐものなのに…私」
惑わされるな。
「んぁ……ジャミ様の匂い大好き」
ビアンカ…。
「根本…ぁっ舐めてるだけなのに、どんどん溢れて…。このとろとろ…頭ぼうっとしちゃう」
ビアンカ…。
「こっちも…味わわせてください。んむっ……あん!ここもおっきい。ぱんぱんになってる。昨日もあんなに射精(だ)したのに。ここに、ここにジャミ様の子胤が…ちゅっ、れぁ…愛しい」
…………。
「お口の…ふぁかれコリコリして………匂いが濃くって。私っ、わたし…あぁぁジャミ様の子胤…あぁん、どうしよう。私、なんでぇ…?ジャミ様ぁ…笑わないでくださいね?嫌わないでくださいね?私、おしゃぶりしてるだけで…頭の中が、頭の中まで…」
………。
「いいですよねジャミ様?馬鹿になっちゃっていいですよね?おもいっきりいやらしい女の子になっちゃっていいですよね?」
……。
「あは…ジャミ様の言った事…本当だったのね。しちゃいけない事ほど、受け入れれば気持ち良くなれる…」
…。
「お口はオチンチンなんて入れる所じゃない。お尻は物を入れる所じゃない。夫以外の人に抱かれちゃいけない」

あぁ…

「夫の見ている前で…おっきなオチンチンに夢中でしゃぶりついちゃいけない」

あぁ…

「夫の見ている前で…おっきなオチンチンに夢中でしゃぶりついちゃいけない」

ようやく理解できた

「ほら見てる?もっと良く見てぇ?私の舌…ふぁ、よく動くれしょ?ほらほら、あなたはこんなの知らないでしょ?おっぱいでこうして挟んであげるの。ジャミ様のとろとろをたくさん塗して…んっ」

ビアンカは

「また、びゅくびゅくしてる…嬉しい。私の体でジャミ様が喜んでる」

変わってしまった…。

「これ…三日目に教えてもらったのよ?二日目の夜はジャミ様に沢山可愛がられて、体中子胤と唾液でドロドロのまま、汗を流す間もなく眠っちゃったの。ジャミ様の腕の中で…ね」
いや、変えられてしまった、が正しいんだろう。
「朝になって目覚めたらびっくりしちゃった。こびりついた子胤とよだれ、後は私が粗相したおしっこ…、全部が混じり合って物凄い臭いになってるんだもの」
愛しげに体を擦り寄せて、恍惚の表情で魔族の男のものを舐めしゃぶる…。
これが………ビアンカ。
そうだ。始めから変だったじゃないか。頭のどこかで気付いてたじゃないか。

「しばらく呆然としてたわ。昨日ここで何があったか良く思い出したら、死のうかと思った、だって」
拘束もされていない。衰弱もしていない。目立った怪我もない。寝間着には汚れの一つも無い。
「あなた以外の人に抱かれ、ううん、跨がって、腰を振って、よがって、手を握って、唇を吸われて、吸って、舌を入れられて、からめあって、飲まされて、舐められて、舐めて」
見たことも無い紫色の紅を差して、革の手袋の指先が見えていた。
「首にしがみついて、雄の臭いがくらくらして、声なんか我慢しなくなって、どんなに気持ちいいか言わされて、自分から言うようになって、射精(だ)すって言われて、奥に欲しくて、抜きたくなくて、たくさん出されて」
そんなこと夢にも思うわけないじゃないか。
まさか助けを待っている妻が…心の底まで変えられているなんて。
「お口で後始末をさせられて、褒められて、自分が大きくしたそれを見てたらまた欲しくなって、股をひろげて、逞しいのがまた入って来て、足を絡めて、ねだって、もうどうでもよくなって、わけがわからなくなって、おもらしして…」
何があってもぼく達は一緒だって思ってたから…。君が側にいてくれるって信じてたんだから。
「それが…彼を受け入れた事が、堪らなく気持ち良かったんだもの」
2008年12月27日(土) 21:05:31 Modified by test66test




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