ホイミスライム×マーニャ 休憩厨@Lv.8

(まったく、ミネアったらわかってないんだから)
 マーニャは腹を立てていた。
 ついさっき夕食の後で、ミネアに厳しいお達しを受けたのだ。
「いい、ねえさん。わたしたちは勇者様とご一緒して、この世界の
危機に立ち向かうのよ。そのためには威厳ってものがいるの。
わかる、威厳。これまでみたいにすぐに男の人と遊んでたら、勇者様の
評判を落とすことになるのよ」
 もちろんそれはその通りで、派手に遊んで勇者は娼婦を連れ歩いている
なんて変な風評が立つのはマーニャとしても困る。
 だけど、とマーニャは憤懣やる方ない。どうもミネアはあたしって
ものを、その前に踊り子というものをわかってない。踊り子はプロだ。
ただ無思慮に遊んでいるだけと思われてはたまらない。
 マーニャの遊びにだって、条件というものがあるのだ。
(まず、いいオトコだってことは絶対よね)
 顔はもちろんとして、体つき、年齢、アレの大きさまで、そんじょ
そこらの十人並みのオトコと遊んではマーニャさんの名折れ。もちろん
テクニックも欠かせない。中年の商人なんて断じてお断り。
(ま、オンナもオンナでいいんだけど)
 その場合はあまり成熟したのは駄目だ。自分のからだに自信の
ありすぎるオンナとは、気分よく遊べない。といって、あんまり
子供なのも却下。下手に毒牙にかけて、その娘の一生を狂わせては
かわいそうだし。
(かわいそうといえば、あんまり真面目なのもねー)
 一晩の夢ですむから遊びなのに、夜が終わっても「マーニャさん、
真剣にお付き合いを!」なんて言ってくるのは論外。それに真面目に
罪悪感に悩んだりするのも駄目。あのカワイイ神官戦士に手を出さない
のは、その辺の事情があるからだ。

(けど、そうなると……)
 夜の街モンバーバラでは、そういう機微をわきまえた相手には
事欠かなかった。毎晩違う男(か女)で遊び続けることもできた。
エンドールになるとワカッテナイのが増えた。ブランカだの
ソレッタだのでは、マーニャさんともあろうものが健全に早寝早起きだ。
このところちっとも遊んでない。
「勇者ちゃんでも誘おっかなー。でもミネアが怒るしなー」
 つい口に出してしまい、マーニャはまわりを見まわす。気づくと
いつの間にか、キャンプから随分離れていた。焚火の明かりに馬車が
映えている。少し寒くなってきた。安らぎのローブの前を合わせる。
マーニャは退屈に飽いた溜息をついて、キャンプに戻ろうと踵を返す。
 その時だった。背後の茂みががさりと音を立てた。
 振り返る一瞬の間に、マーニャは毒蛾のナイフを抜いていた。この
辺りの魔物に負ける気はしないが、油断は大敵。
 しかし、鋭い視線の中に入ってきた魔物を見て、マーニャは力を
緩めた。出てきたのはホイミスライムが一匹。メラを使う気にも
ならない。声をかける。
「あんた、いい度胸してるわねー。おねえさんと遊びたいの?」
 もちろん冗談だった。こんな下等な魔物に人語がわかるはずはない。
しかし目の前のホイミスライムは、それを聞いて嬉しそうに触手を
波打たせた。笑いが張りついたような口が動く。
「遊んでくれるの? よかった、優しそうな人間で。殺されちゃうかと
思った。ぼく、ホイミンって名前なの」
「……なにあんた、喋れるの」
 毒蛾のナイフを構えるのも忘れて、マーニャは訊いた。ホイミ
スライムは器用に頭を動かす。どうも、頷いているつもりらしい。

「うん、喋れるよ。ぼくの友達もみんな喋れるよ」
「何でこんなとこうろついてるのよ。ホイミスライムが出る場所じゃ
ないでしょ」
 触手がわさわさと蠢いた。
「ぼく、人間になりたいんだ。それで旅をしてるの。……人間と話す
のは久しぶりだな。ねえおねえさん、何して遊ぶの?」
 変なホイミスライムの出現に、マーニャはあきれた。とにかく、
ナイフは鞘に収める。そして改めて、ホイミスライムを見た。
 馬鹿みたいな笑い顔。ちっともこちらを疑ってない無防備な様子。
頭の下でうにょうにょ動く触手。二本だけ太いのは、あれが手に当たる
のだろうか。
(……うふ)
 マーニャはほくそ笑んだ。
(いいこと思いついちゃった)
 オトコでもオンナでもないので何かとこだわる必要もない。どう
考えても後腐れもない。それに、テクニックなんかなくてもちょっと
スゴそうじゃない。
 マーニャは手を後ろに組んで、前かがみにホイミンを覗き込む。
つい胸を強調するような姿勢を取ってしまうのはほとんど職業病だ。
そして、ウインクして、甘い声で言った。
「あんた、人間になりたいんでしょ」
「うん!」
「それじゃ、人間の夜の遊びを教えてあげる。これさえ知ってたら、
どこにいっても人気者よ」
 ホイミンは無数の触手を一斉に振った。どうやら喜んでいるようだ。

 安らぎのローブを脱ぎ落とす。その下にマーニャは、踊り子の服を
身につけていた。ギャザースカートのスリットからすらりと長い脚が
覗く。男の目を惹くための、完成されたからだ。
 しかしホイミスライムの目は惹きつけないらしい。
「……おねえさん、寒くないの?」
 見とれるどころかまるで野暮な言葉に幾分むっとするが、ふと
思いついて、妖艶な笑みを浮かべた。
「ちょっと寒いかな。だから暖めてよ」
「どうするの?」
「最初は胸から始めるのよ」
 首の後ろに手をまわし、トップを脱ぎ落とす。大きさでは妹の
ミネアに実は少し劣っているものの、つんと上を向いた形のいい
胸がまろびでる。そっと下からすくい上げ、強調するように体を
反らせた。
「さわってごらん」
「え、いいの?」
「いいから、さあ」
 おそるおそるといったようにゆっくりと、ホイミンの触手が伸びて
くる。ぴとり、と両の乳房が同時に触手に包まれた。
(……あ、意外とあったかい)
「あ、やわらかーい。生まれたてのスライムみたーい」
 ホイミンはマーニャの胸が気に入ったようだ。触手をうごめかせ、
青い頭を擦りつけてくる。
 ホイミスライムの触手は微妙にぬめっていて、なめらかに乳房を
揺すりたてた。

 黄色く細い触手が乳房を包み、乳首の方へ絞るように蠕動する。
次第次第にしこってくる乳首に、ホイミンは興味を感じたようだ。
二本の太い触手で、つんつんとつついてくる。遠慮がちなようでいて、
人間には再現できない感触。ぞわり、とマーニャは身をふるわせた。
胸だけでこんな気分になったのは、随分久しぶりのような気がする。
「ん……」
 これは思ったよりいいかも。マーニャは少し舌を出し、くちびるを
舐めた。
 すでにマーニャの上半身は、油を塗ったようなてかりに覆われ
ている。ホイミスライムの触手から出る粘液が、あちこちに擦り
つけられ、延ばされているのだ。
「ふ……。あ……」
 マーニャは艶かしい吐息を漏らす。魔物と遊ぶという初めての経験に
昂ぶっているのか、いつもより感じているようだ。
 ……それとも、この粘液に何かあるのだろうか?
「おねえさん? 苦しいの?」
 触手の動きが緩む。マーニャはブレスレットを鳴らしながら、
ホイミンの青い頭を胸に押しつけた。
「わたた、ちょ、ちょっと」
「ううん、楽しいのよ」
 ふうーっと長く息を吐く。しっとりと秘所が濡れているのがわかる。
「でもぼくが苦しいよぅ」
「あら。ごめんね」
 手を離すと、ホイミンは二本の太い触手を上下に振りまわす。抗議
らしい。マーニャは気にしない。
「あなた、なかなか素敵よ。じゃあ、次は……」
 ギャザースカートを少しだけめくる。
「こっちね」

「? ここ?」
 触手をのたくらせ、ホイミンはマーニャの褐色のからだの上を
動いていく。へそに細い触手が入り込み、くすぐったいと思ったら
もう、ホイミンはスカートに入り込んでいた。
 スカートの内から、ホイミンのくぐもった喜びの声が聞こえた。
「うわあ、すごーい。ぬとぬとだ! ……バブルスライムみたい!」
 種族的本能なのだろうか。マーニャが何も言わないうちに、触手が
秘所に入り込んできた。
(あ、ちょっと!)
 濡れた粘膜が親近感を抱かせたのか、ホイミンの動きが積極的に、
強引になる。無数の触手を秘所に差し込み、奥へ奥へと突きこんでくる。
陰核には興味はなさそうだが、秘所に入りきらない触手がばたついて
そこにも粘液を塗りつけてきた。
「あ、あんた、待ち……ああっ!」
 止める声が、声にならずにかき消えた。太腿が突っ張り、立って
いられずマーニャは草むらに座り込んでしまう。ホイミンはそれに
気づきもせずに、嬉しそうにはしゃぎ続ける。
「すごーい、すごーい! 知らなかったよ、人間にこんなところが
あるなんて!」
 ホイミンの動きは無遠慮で、秘所の内部を暴れまわる。粘膜のひだの
間や内側、いままで誰も触ったことのないところも責め立ててくる。
オトコのモノでもオンナの細指でも届かない最奥もつつかれる。
味わったことのない快楽が一瞬ごとに押し寄せ、マーニャの余裕は
たちまち消し飛んだ。

(す、すごいのはあんたよっ!)
「ちょ、もうちょっと、ああああっ、だめだってば! ふううううんっ、
ああん、いい、いいよっ!」
「いいの? だめなの? ……なんだかぼくも楽しくなってきたよ」
「そこ、そこはだめ! いまはだめ! あ、ひっっ!」
 秘所に入りきらない触手が、陰核をこすりたてる。ホイミンは
気づいているのかいないのか。十人の舌でねぶられるような、たとえ
ようもない感じ。
 滲み出る愛液と、触手の粘液とで、マーニャの山吹色のギャザー
スカートに大きなしみが広がっていく。長い脚がホイミンを秘所に
押しつけるように動く。
 マーニャは自分が追い詰められていくのをはっきり自覚していた。
からだをがのけぞり、草むらの上にブリッジをつくる。
(も、もうだめなの? あたしが?)
「……うっ、ううっ。そんな、早い、あたしが、こんなに早くなんて……。
う、んああああっ!」
 堪えようとするが、無駄だった。ホイミンはマーニャの様子にきづかず、
一向に触手の勢いを緩めないのだ。
 ひだを一枚一枚こすり上げられ、陰核をねぶられ、マーニャは腕を
ばたつかせる。人間相手と全然違う快感にブリッジを作る脚はふるえ、
息が詰まる。
「……あ、ひいいいっ!!」
 声が一段高くなる。限界だった。目の端から涙を落とし、マーニャは
絶叫した。

「ああっ、すごい、ホイミスライムすごいいいいいっ!! 触手が、
触手があたしの……! いっ……!!」
 全身が痙攣し、のたうち、ホイミンを振りまわす。
「……いっ……、く!」
 マーニャの動きが止まった。
 がくり、と草むらにふせる。力が抜ける。はあ、はあっと息が荒い。
 さすがに異状に気づいたのか、ホイミンがスカートから出てきた。
「お、おねえさん? おねえさん!」
 マーニャは返事もできなかった。このマーニャさんがさんざんに
イカされるなんて……。とちょっと悔しさを感じながら。
 しかしホイミンはその沈黙を別の意味に取った。
「たいへん! ぼくが夢中になっているうちに……。待ってて
おねえさん、助けてあげる! ホイミ! ホイミ!」
(うそっ!)
 止める間もなかった。連続して唱えられたホイミが、マーニャの
からだに作用する。疲労が抜け、鈍磨した神経は再び鮮烈な快感を
脳に伝え、新たな蜜が噴き出した。
(ひどい、そんなの反則!)
 しかしマーニャの口からは違う言葉がほとばしっていた。
「あはあっ、もっと、もっと! もっといじって! 奥まで!
誰も届かないところも、全部うううっっ!」
「よかったおねえさん、回復したんだね。……あ、またねとねと
してきたよ」
「……あ、ひ、ひゃああああんっ!!」

 真夜中近く、マーニャはようやくキャンプに戻ってきた。馬車の
近くではクリフトが寝ずの番をしている。足元が覚束ないマーニャに、
クリフトは声をかけてきた。
「マーニャさん、どうかしましたか」
「ん。……ちょっと、魔物に襲われたの」
「! だから一人歩きは危険だと。怪我は? ホイミが必要ですか?」
「も、もう、勘弁して……」
 それにしても、人外のものってあんなにすごいなんて。マーニャは
ぼやけた頭で、快楽を反芻する。とろけた蜜がまだ脚を伝っているが、
夜のことだ、多分ばれないだろう。まだすこしうっとりとした視線の
先に、立ったまま眠るパトリシアが映った。
「クリフト……。パトリシアってオスだっけ?」
 いきなりの質問に戸惑いながら、クリフトは答える。
「いえ、メスですよ」
「……そっか、メスか」
 肩を落とす。しかしすぐに、にんまりとした笑みが浮かぶ
(あ、でも、ソレッタにはたくさんいたよね)
(……いいこと思いついちゃった)
 キャンプは平和で、夜は白み始めていた。
2008年12月27日(土) 20:22:49 Modified by test66test




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