ライアン×ロザリー

 ロザリーヒル。美しい女がいる。その見目形より美しさを誇った声で一人の男を呼び止めた。

「あなたはモンスターに近いですね。」

 その凛々しさ、鋭さに、美貌の戦士は振り向いた。
「どう言う事なのです?」美しい女は子供の様に戸惑っている。女勇者アンは伝える。
 「彼はホイミスライムと旅して、目的を全うした事があるんです。人間になるのが夢だった
そのスライムは、夢を果たして人になったんです。」
 「そんな事があるのかしら・・・・」美女は泣いた。・・・様に勇者には見えた。
 「ロザリーちゃん・・・・」善良な深い青色のスライムは、美女を慰め様と飛びつく。
「大丈夫。嬉しいのよ。違う種族が分かり合えるなんて素敵ね・・・・」

 そのロザリーも、アンに強さと優しさを見た。ロザリーを守る為、勇者達と有無を言わさず
戦ったピサロナイトの屈強さに勝ち、そしてその命は奪わなかったからだ。
 「貴様等が・・・・ロザリー様に危害を加えない者とは解った・・・!」
傷つき、足元が定まらないモンスターピサロナイトは、まだ威嚇を続ける。剣を構える。
 「デスピサロ様がここに居ないと言ったろっ・・・・この上この方に何を求める事がある!!」
鎧の重装備。瞼甲から片目だけが覗き、鈍い眼光が黄色く鋭い。
「やめてっ」妖精ロザリーは、美しい緑の髪を振り乱してナイトに走り寄る。
 「私は、この方々に頼み事があります・・・・・」ナイトにロザリーは耳打ちする。
「ロザリー様!」もう声はいさめている。「わかって」懇願する美女の声。
 ナイトはロザリーに階下に下りて傷を治す様、命令されてしまった。従うしかないが、都合
も良い。また戦える。(階下に居ようと、監視は続ける!おかしな事をして見ろ!)ピサロナ
イトは戦士ライアンを睨み続け階下に下りた。
 ロザリーはスライムにも耳打ちする。「ロザリーちゃんたらー〜」とヘラヘラと青いスライ
ムは赤くなってテレている。そして部屋を出ていった。
 「私達も失礼しなきゃ・・・・」アンが言う。
「えぇ、でも戦士様、ここにお残り下さいませんか?」
「・・・・何故」長身の美貌。妖しげな戦士は、無感動な声で聞く。
「お話を、何故モンスターと居られたのです?」

 「どう言う事です」二人きりの部屋。臆せず、男が先に口を開く。
「あなたはモンスターを愛せる人だわ・・・・そうでしょ?」
 「えぇ・・・・確かに彼は親友でしたが」その時、ロザリーがライアンの首に両の二の腕を巻き
付かせて来た。
 186cmと言うライアンと、その2cm程しか下回らないロザリーの顔と顔は近い。
 「時間が無いの。あなたと言う人が知りたい」
 「私の何が知りたいのです?」高貴、紳士、冷たい風貌のライアンは、女に翻弄される男で
は決して無いが、ロザリーの魅力に動けない。
 「愛・・・・」
 そう言ってロザリーはライアンにキスする。
(冷たいっ)(あぁ熱い・・・)二人の唇はさっと離れた。ライアンは、自分達が結ばれては
いけない種族同士だと直感して、密着した体さえ離した。
 「危険だっ」彼女も感じているだろう事を、ライアンは伝える。
ライアンに離された体を、ロザリーはベッドに倒した。
 「来て下さい。唇とは違うわ」
 顔はベッドに伏せていて、彼女の表情は解らない。
 「・・・・・・・理由は?」そこまでする理由を、立ち姿の男は聞く。
「人が知りたい・・・・・・あの方に教えてあげたい・・・・」
ベッドに伏せた顔だが、明らかに泣いている。
 彼女の恋の相手はモンスターだ。彼女を下らない理由で苦しめた人間に怒り、その種全
てを滅ぼそうと画策。だが今は、自分が手に入れた絶大な力を、それを口実に(勿論真剣
な怒りであるが)使ってみたいと野心を燃やしていると思って正しい。
 彼女はそれを止めたいと泣く。すでに彼女の力だけではどうする事も出来ないだろう
口実にされた時点で。いくら今だ深く愛されようと。

 「男と女を思い出して欲しいの・・・・もっと萎えた世界を・・・・あの方は私しか抱かない
から私しか出来ない事・・・・・」それは、
 「あなたの快感をあの方に教える事が出来るの。私の事も。交わる全てを」
「これから、二人のする事全てですか?」ロザリーは小さくうなずく。唖然とするライ
アンを尻目に、
 「あの方はきっと変わるわ。人を見る目を変えるわ。私がきっかけで、標的にされて
しまった人類だもの・・・・・・ピサロ様の事と・・・これは私の使命ですわ」
 上半身を上げ、ベッドに手を付き、涙に濡れた顔を上げてライアンに見せた。涙は宝
石となり、ベッドに触れると塵と消えた。
 ライアンにも使命がある。モンスターデスピサロの野望を阻止する為のパーティーの
の一人だ。このピサロがロザリーの恋の相手。
 (ピサロが変わる・・・・この女を信じて・・・・信じるに足る女だろうか・・・・)
 「あなたは人間に酷い目にあわされたと聞きました・・・・・」
 「滅びるなんて信じられ無い事よ・・・・それにピサロ様の為なら私・・・・」
 「こっちを・・・」と言ってライアンはロザリーのあごを取る。唇程ではないがヒヤリ
とする。
 ロザリーの目には邪悪さのひとかけらも無く、涙に濡れて美しいだけだ。
ライアンはベッドに座って泣く女を抱きしめた。
 「よし、・・・・・・一時あなたに、この命をお預けしよう」
ライアンはロザリーを初めて見たときに、あの洞窟の感動、ホイミンとの出会いの高揚
が走って、今だ胸にある事を思った。

  昼日中。太陽の光が射す快晴だ。
 「あぁ、熱い」ロザリーの真っ白な首に、彼女を後ろから抱くライアンの唇が這って
いる。唇同士程では全く無い熱さ。苦しみすらない。その態度を見てライアンは続ける。
ライアンもヒヤリとするが、苦しみはない。
 「私が愛しているのはピサロ様だけです。ピサロ様にもあなたにも失礼な事・・・・・・
お許し下さい・・・・・」
 ライアンはロザリーのドレスに手をかけた。
 「脱がさないで。明るい所では、ピサロ様にも肌は見せた事ないの・・・・・・」
ライアンは従う。その手はロザリーの女性へ。それは濡れている。十分に男を迎えられる。
 「あなたを見た時から、ずっとこうなる事を考えておりましたから・・・・」
真っ赤な顔で伏し目で、ライアンをチラチラ見る。
 ライアンはその細く長い指を、ひだが大き目のロザリーに滑らせた。勿論この部分
も冷たく、恥丘が無かった。(ん・・・・)ライアンは心の中だけの驚きに終わらせた。
 だが、この妖精の急所は解って来た。恥丘の無い事をのぞけば、人間の女とさほど
変わりは無い。濡れ過ぎているロザリーからは、白濁した物がドロドロ出て来る。
 実はライアンは今だ鎧兜姿。ルザリーの首に巻き付けた腕を、そのままで自分に伸
ばし、兜を取る。美男。
 短く刈上げた髪、切り揃えた髭は、どちらもカラスの様に黒々としてそれだけでも
端正。つり上がった切れ長の、大きな白目勝ちの青い目・・・・表情は乏しい。冷たい
印象だ。さらに今、無表情。眼球の青さだけをサッと動かし、ロザリーを見つめている。
 (ピサロ様とどちらが美しいかしら・・・・・)ロザリーは自分は美しさでピサロに劣ると
思っている。ライアンはそのピサロをも凌駕するか・・・・。
 その美男、自分の指に付いたロザリーの白濁した物を、妖しい表情と舌使いでなめる。
 「いやっ・・・・・」ロザリーはそのなめ上げるライアンの腕を、彼の身を案じて、そして
羞恥で掴む。
 「変わりません、人の女と」未知に捨て身になってくれた事、自分を昂めてくれた事
にロザリーは気付き、鼓動が早くなった。

 ライアンは鎧を脱ぎ去り、黒の長袖、長いパンツ姿になる。
 「失礼・・・・」と言って、ロザリーの腰を大きく掴み上げる。
 ドレスとシーツの衣擦れと、ライアンの唇がロザリーの女性に触れる音がする。
(あぁ・・・・そんな事・・・・)誰にもされた事がない。ライアンの唇は
(熱い、熱い・・・・・ぁぁ)しかし快感がある事を発見した。顔が歪む程熱いが。舌はあ
まり熱さを感じない。ロザリーの性器をぬるぬると動く。少し丸めて挿入。
 (舌が、入ってる、私の中に・・・・・あぁぁ)その都度当るライアンの熱い唇は、快感に
なっている。(教えてあげたいわ。)「私にも・・・・」そう言って彼のパンツと下着を下
ろし、男性をくわえる。
 (冷たいっ)ロザリーはあまり熱さを感じていない様だ。
 「変わらない?冷たさが・・・・・」唇と舌のぬきさしの合間にロザリーが言う。(そう
言えば・・・でも冷たいな)ライアンは荒い息が出る。冷たさと快感がない交ぜになって、
それは興奮に変わっていった。
 ライアンの男性はもう反り返って立ち上がった。
 (人の男だわ・・・ピサロ様に似てる)(膣の部分は人と変わらなかった)
 そして黒い服の男と、ドレスを着込んだ女は69へと進む。

  体は求め合う男女。だが
(ピサロ様許して・・・・・)ロザリーは心にこれしか無く、両者心はどこか他の所へ飛んでチグハグ
だ。(・・・・・・・・・・・・)ライアンに至っては無だ。何も考えていない。
 しかし両者体は(ああぁ、熱い)と(冷たい・・・・)と感じている。動物としての反応に過ぎないが。
 ライアンは離れ、ロザリーの足を、自分の胸と両腕に包んだ。
 魅惑的な女性は彼を見るも、妖しい気品の男は彼女を見るも、
二人で(体を合わせるのは危険だ)と思いあっている。だが、二人はつながった。何の抵抗も無く
スルリと入って
 両者共に激しい苦しみがある。毒におかされた様な苦痛。
余りの苦しみ。ライアンは初めて口元と眉間が歪む。(なぜ、こうまで拒む!)
(・・・・・・・)ロザリーは何も考えられない程苦しんでいる。
 仕方なく、ライアンは女性から抜きさろうとするも抜けない。
力なくロザリーはライアンにしがみ付く。しばらくすると、全く苦痛は無くなった。
 ロザリーは真っ青な顔でベッドに倒れ込む。(この種の妖精の美しさは捨て置き、人間の特に
男こそ、その宝石となる涙ばかり求めたのは、この為か・・・・・)
 そう思うライアン、今なら抜き去る事が出来るのに気付く。いつでも戻れる。だが
 「どうです・・・・・あなたがお嫌やなら、私はいつでも止めましょう」ライアンはロザリーを心配
そうに聞く。
 「あなたはどうしたいか・・・・聞かせて。・・・それで決めます」ロザリーは男に殆どを委ねてしまう。
 「あなたが欲しい」低い声は地鳴りの様だった。・・・・・・・・・・・・・・・女はうなずく。従った。

 熟れた果実の様な甘い快感。
「あぁぁっ!あんっ」ロザリーは濡れて喘ぐ。(うっ・・・・うっ・・!)声には出さないが、ライアン
は心の中で何度も鳴いた。
 あおむけで、ベッドから腰を高く浮かせているロザリーの畳んだ両足は、ライアンの腕に抱
かれ、男の体重を重圧を強く感じる。高い位置の女のひだ、膝を浮かせたライアン、両者の腰
は地を離れ交わる。男は強く体重をかけ、その腰で彼女を愛し続ける。甘い摩擦。
 (熱いっ熱いっ)体中が男に酔っている。熱さは快感から来るものが殆どだ。
 (冷たい・・・)血の凍る様な冷たさ。だが濡れた激しい快感に負ける。
 「はぁ・・・・はぁ・・・・あ・・あぁ------ぁっ!」ロザリーは自分の口をとっさに塞ぐ。ピサロに
聞かせた事の無い声を出してしまう。「はぁ・・・・あんっ!」深く、浅く、攻めるライアンに酔う。
 自分を激しく苦しめた者と同種の男と、ロザリーはこうして愛し合う事が出来ている。彼女
の心境は複雑だ。
 苦痛はまたやって来ている。
 紳士的なライアンだが、どの女性に対しても、挿入すると乱暴になる。この女を支配したと
言う感覚が、どうしても頭にもたげて来る。ロザリーに対してもそれはやって来た。
 腰を落とし正常位へ移行。彼女の手を取り激しく組み敷く。これ程心が奪われ様とライアン
はそうしてしまう。
 ロザリーは暴戻な人間達の事を思い出してしまう。
 二人の苦痛は又も、捨て置けない程激しくなって来た。
 「くそっ!またか!」ライアンは声を荒げる。男の叫びにロザリーは、嫌な記憶が怒涛の様
によみがえって来る。
 もう、先程の苦痛とくらべものにならない。
 (人間が恐い・・・・・あなたは違うと言って・・・・・)
 (この女性を守れ無いものか・・・)また、二人の体は離れ無くなっている。
 (これは・・・・・死ぬかも知れん・・・・)屈強なライアンがそう思う程の苦しみ。ロザリーの方
はもう、死に足を踏み入れてボンヤリしている。
 「一緒に死ぬのかしら・・・・私達・・・」彼女は死の恍惚で声が出ている。
(いいや!あなたを死なせるものか)まだ体力のある男。生命の苦しみで声が出ない。
 (私はあなたとなら、共に死んでしまいたい・・・・・でもピサロ様を残してなんて・・・・それに
戦士様・・・・・・あなたの心が解らないわ・・・・・)

(目をあけて!弱気になってはいけない!)その時ロザリーの目から涙が。二人の苦痛は嘘の
様に消えた。
 ライアンは呆気に取られ、ロザリーは力無くはらはらと泣いている。その涙はまた、ベッド
に落ちると消えて無くなる。
 「ロザリー。ロザリー!」ライアンは初めて女の名を呼ぶ。生命の反応を期待して、名と言
う概念を使ったに過ぎないが。
 彼女は目を開けた・・・「私の涙が・・・・」「そうらしい・・・・」しばらく黙った後、
「ごめんなさい・・・・私の為にあなたを苦しめてしまったわ・・・・」彼女はとうとう号泣する。
 ライアンは気にせず、ロザリーに抱き付く。
「よかった!よく生きていた!」彼には珍しい満面の笑みだ。
 「勿論私も共に死ぬつもりでしたとも!だが、あなたを連れて行きたく無かったんだ!」
心の奥が、彼には珍しくベラベラと出て来る。
 「・・・・・私に触れて・・・いつでも泣く様心掛けます。苦痛を消す事が出来るわ」
いつでも泣ける。嬉しさで。
 「お脱ぎなさい。こんな物は」ライアンはドレスを取る。
「あっ・・・・・」と言う間にロザリーは全裸、ライアンも全裸。男の体は細身に似合わず隆々と
した肉体。
 「その体を・・・・・誰にも見せた事が無かったのですか・・・・」
人間の女と変わる事の無い体。全体肉付きがよく、流水の様にしなやか。形の良い大きな乳房
はそれだけで宝石の様だ。
 「いや、みないで・・・」あれだけ女の秘所を隠さなかった女性は、乳房に手を当て、体をひね
り、うつ伏せに背中を向ける。
 「見せなさい。すばらしい」
 「・・・・・いや・・・いや・・・」片手を両手を、ライアンに奪われようとしている女性は、抵抗する
も、力も声も弱い。
 両手を男の両手で、自分の顔の両側にベッドに押し付けられたロザリーは、肩をすぼめてうつ
むく。その肩のせいで、大きな乳房が動いた。
 「私だけですか、この姿を見たのは・・・・・」ロザリーは赤い顔を横に向ける。遅れてやっと
うなずいた。
 「キスを・・・・」ロザリーは少し驚いて、間近に妖しく迫ったライアンの顔を見る。

 ロザリーの返事も聞かず、男は口付けた。(冷たい・・・)やはり悲しい程冷たい。だが、キス
では初めてだが、快感がある。激しい熱さながらロザリーも同様の快感。
 舌はさらに互いを拒む冷たさと熱さ。だが二人は離れる気が全く無い。
 (・・・愛か・・・・・・・)目を閉じ、唇を激しく泳がせ、戦士はポツリと思う。
 (ライアン・・・・愛してしまいそう・・・・)薄目を開けて、妖精は動く男を見ている。

 傷の癒えたピサロナイトが覗いている。廊下から、扉の小窓を開け。
白いロザリーの上に、白いライアンが乗って、いや、逆にもなって、胸、頬、唇、そして・・・・・
を合わせて、擦り合わせて。
 (ロ、ロザリー様!)(ロザリーちゃん!)小窓にへばり付くスライム。ロザリーの裸体は
三者の男に見られた事になる。
 (すごいっ、ひどいっ、人とは淫乱だ!)ナイトは目が眩む。ロザリーとライアンは唾液の
糸を引いてキスしている。
 (筋肉は良く付いているが、生っ白い・・・・・本当にオレはあの男に負けたのか?)ナイトは
決定的な打撃をライアンから受けた。
 (すごい・・・・こう目を細めれば、女同士が絡み合ってる様に・・・・・・)ロザリーも180cm半ば
の長身だ。確かにそう・・・見えなかった。男だ。あの腕に敗れた。やはりナイトも淫靡。
 怒り、嫉妬、敗北感、ナイトは震えが止まらない。
 「ナイトー〜〜。」「だまれっ!」今、スライムの可愛い声は罪悪だ。

  ライアンはロザリーの乳房を、乳首を、時には噛んで強く握って、乱暴に愛した。
サラッとした肌。絹の様な感触。体の良い女だ。
 「ライアン、・・・・ライアンっ・・・」座って抱かれるロザリーは嗄れた涙声だ。ライ
アンの舌は彼女の胸部、いたる所に伸びる。
 ライアンはロザリーを寝かせ、彼女の片足を自分の腕と胸で締め、高く上げさせる。
脇腹、片足、片腕をベッドに付けたロザリーに、ライアンは縦でつながる。彼女の高く
上げた足に、彼の胸、腹が摩擦の度、当る。
 「あ゙ぁっ・・・あ゙ぁっ・・・うんっ」ロザリーはこの体位が好きらしい。悦び方が違っ
た。緑の髪が顔にかかったり、片手でその髪を掻き上げたり、快感に酔って嬉しそうな
顔に見える。口元も眉もほころんでいる。
 ライアンはロザリーを仰向けにする。そして濡れたそれをロザリーの大きな乳房に挟
んだ。ゆっくり摩擦する。「あぁ゙っ・・ライアンっ・・」濡れ過ぎのその男が、乳房に擦れ
上下に動く。彼女は快感だ。
 息の荒い男。声と言って良い息もある。「はぁ・・・はぁ・・・ぅぅっ・・・うっ・・」咽喉を
鳴らして喘ぐ。「うぁっ・・・ぁっ、いく、ぞっ」ロザリーから離れ、自分の指で触れる。
 ロザリーの乳房の下側、肋骨の部位にサッと白い物が。(しまった!肌に触れて平気
だろうか!)彼女はキョトンとしている。(ほっ)様々な気遣いが走る男の射精直後。
 (いや、俺は生きていた)見慣れた白い物を見て、あの独特の虚しさよりもまずホッ
とした。
 「綺麗・・・・」ロザリーはライアンの白い物を見ている。「これが人ね、ライアンね」
と言い、指に付け、少女の様にキャァキャァと楽しそうに笑っている。
 (や、止め・・・・)興奮の少し萎えたライアンはテレた。言葉が出てこない。その物が
自分の物で無ければ、彼女を可愛いと思ったろう。彼女は指に付いた物をなめた。
 (お!)ライアンは少し身じろぎする。彼女の身が心配だ。
 「温かい・・・・ぬるいわ・・・・」彼女はどう言う体をしているのだろう。ライアンの子を
産めるのだろうか。

 ライアンはそれを飲ませた事など無い。さらにこの場合飲まれた。色の白いライアンは
自分の顔が赤いのではと、手の甲を縦に頬に当てた。彼女はまた指に付け、自分の性器へ。
男は黙って見守る。その指は中へ中へ。(この女性の自慰が見てみたい)ライアンは思う。
口には出さなかったが。
 「全然平気。今みたいに沢山出して、私に」少しある虚しさは捨て置いて、ライアン
次はバック。ロザリーは乳房を思い切り揺らし「とけるっとけるっ」と高い可愛い声で
鳴く。ライアンの熱さに当てられている。
 苦痛があったが、気付くと消えた。すでにロザリーは泣いていた。ライアンに背を向
け、彼を求め動くロザリーの涙はなぜか消えずに、原形をとどめ、美しく光っている。
 激しい肌と肌の音を立てて、ロザリーに腰を打ちつけるライアンは、快感に埋れなが
ら怪訝そうだ。段階を経て、正常位に移行した時に聞いた。
 「まっ・・・てっ、あっ」彼女は腰を激しく動かす、回す。
 「あっぁ、ライアン!・・・とけそうっ、わたしっああっ あ-----っ ぁぁぁ」変な
タイミングで、ライアンはロザリーをイかせてしまった。そして又、彼女は泣いている。
その涙も砕けずにしっかり残っている。
 「悲しい時の涙は消えてしまうの。嬉しい時の涙は永遠に消えず、宝石として残るん
です。」(成る程・・・宝石になるのは嘘じゃ無かったのか・・・・)ライアンは嬉しい理由
など解っているのに、
 「嬉しいって何がです?ピサロの役に立てる事が?」「言わせないで・・・」少女のわ
がままの様に言うロザリーは真っ赤な顔でうつむいた。その後、男女は満面の笑みで、
声を上げて笑い、体を離さず、女三回、男四回果てた。

 「普通の人間が恐かったんです。あなた変わってるわ。あなたを知っても人間を知
った事にならないかも・・・・」裸で臥す男女。
 「そんな事はない」と男がキスする(熱い・・・)またロザリーは少し苦しむ。
「ほら・・・・ずっと苦しかったでしょう。良く我慢されました」
 「我慢・・・あの方もされないかしら・・・ピサロ様は私では変わらない方。私の言う事
に耳を傾けにならない・・・・・」「生き方ですからね」はっきりとだが、優しくライアン
は言った。
 「私がピサロでもあなたの言う事は聞きませんな」ロザリーはライアンを、愛しい
人を見る。「私もそう言う男です」
 「だからピサロも自分と似た男の、快感や苦痛では変わるかも知れません。人間に
もそうしたのが居ると解れば・・・・今日の事、ピサロに会ったら必ず伝えて下さい」
 ライアンは鎧を着込む。そしてベッドへ。結局ロザリーは人間を愛したと言っても、
恋の相手と同じ様な男に惹かれただけだった。
 「冷たい事を言いましたが、あなたの言う使命の、本当の所を知って頂きたくて・・」
時間を掛けてこの女性を慰めたい。しかし、もうこの女には会わないだろう。時間も
本当に無い。そのまま部屋を出ようとする。
 「まって!」ライアンは愛しかけた女性を振り向く。
 「この記憶を伝えても、あの方が変わらない時や、私がピサロ様にもう会えないの
なら、無駄な事・・・・」
 (もう会えないとは・・・・)今抱いた女性の死など、すぐの思い付く男ではない。
 「だから、その時は・・・・」「お願い。あなたの手であの人を葬って欲しい」
 あれだけ流れた涙は涸れずに、今日一番の激しさと量で流れ続ける。原形をとどめ
た雫は一つもなかった。

 ライアンが扉を開けると、廊下に二者の男。
 「きっさ、ま!」剣を抜きさるピサロナイト。「怒っちゃだめ。怒っちゃだめだよぅ」
その剣を構えた腕に乗ってスライムが跳ねている。
 「あの様な泣かれ方をするロザリー様を、オレは唯の一度も、一度も見た事がないっっ!!」
スライムも憮然と可愛くうつもいている。
 「・・・・・・・・」無表情。冷たい流し目でナイトを見る戦士。
 「何をした貴様!!!」
 「何も出来なかった・・・・・・」  スライムもナイトも唖然。
無表情の瞼を閉じ、そのままライアンは階段を降り、外へつながる扉を開けた。

 ナイトは思った。瞼を閉じたのを見たとき強く思った。こいつには冷たさに隠れて
深い愛がある。怪物然とした。数ある戦士の中、ホイミスライムがこの男を選んだ理
由が理解出来た。 帰って来いよ!と思う。
 ナイトはロザリーを守り、生き続け、ピサロに勇者達の強さを伝えた後、ピサロの
命による極刑の道を心に深く決めていた。その忠誠の男が。
 ピサロ様と戦おうとあいつは死ぬ事なく、ロザリー様を一生愛し続けろ!と
ピサロが変わり、また二人幸せの形よりナイトはそれが望ましい。ロザリーにはライアン
の方が相応しいと直感してしまう。
 彼の恋は盲目だ。ロザリーさえ良ければそれで良い。だがロザリーへ向けてだけだろう
か・・・・・・
 ライアンが離した扉が締まると、ピサロナイトは自分でも思いがけず絶命する。主君を
変えた彼は、ピサロから離れた彼は、自らの体に巣くう、魔の力によって自殺せしめられ
たと言う所か。ライアンに支配され死んだ。

 イムルの宿屋でライアンは、人の男に、無抵抗のロザリーが殺される夢を見た。予知夢
かと思わせるリアルさ。夢とは言え、彼の悲しみは海の様に深かい。
2008年04月12日(土) 15:53:10 Modified by dqnovels




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