汚い、さすが勇者汚い

「あー、かったりーなー。」
そういいながら勇者は森の木の根っこに腰をかけ、ジパングのお土産売場にあったキセルをふかしていた。
この勇者は今、ジパングという国のヤマタノオロチという怪物を倒し、休憩している最中であった。
「なんつーか、なんで親父が勇者だからって俺が勇者になんなきゃいけねーんだ?職種ぐらいえらばしてくれよ。選択の自由とかなんとかっつーのがあるだろ。」
と、ルイーダの酒場をでて約半年、ただただ父オルテガのあとを周囲の希望に反論する気もなく勇者になった自分を何かと後悔している日々であった。
「城下町じゃあ、勇者の息子ってだけでちやほやされて、女にも困らなかったってのに…あーこんなめんどくせー上、しんどいんならなんなきゃよかった。」
「だいたいもう旅に出てSEXなんかしてねーしな。もう少しラフにやらせろよ。」
と、勇者はなげく。
勇者はルイーダの酒場で女戦士、女僧侶、女武闘家を仲間にした。もちろん下心があっての編成である。
しかし、勇者の性格とは裏腹に真面目な三人組のためまったく勇者が望んだ行為などなかった。
特にうるさいのは僧侶で、なにかと刺のある言い方をするのは武闘家、戦士はまぁあまりうるさくなく、むしろ内向的な性格であった。
また、口うるさいのは町でのナンパや夜のそういう店や女の子との行為にたいしてもであった。

〜とある町〜
「ねーねーおねーちゃん、俺勇者なんだけどさ、今晩この町にとまるんだけどよかったら…」
と、声をかけようとすると、
「勇者様!」
と、いきなり後ろから大声がして、
「何をなさってるのですか?あなた様はまがりなりにも勇者なんですよ。なんでそんなことをなさるんですか!?」
などと、いってきたり、


〜とある砂漠の町の夜〜
「ちょっと出かけてくるな。」
というと、
「どこに行こうとなさってるのですか?ダメです。そんな明日からは砂漠を抜ける過酷な旅があるというのに、そんなことで体力を使うなど…」
と言われ、反論で、
「いや、俺だってたまには一人きりになりたいんだよ、いいじゃねーか少しぐらいよー、だいたい…」
等と言おうものなら、
「いーえ、我々は世界を救うために旅をしてるのですよ、そんな個人的なことを優先してはいけません!」
や、
「そうそう、そんなことする気力があるなら少しは明日を頑張る努力するべきよ。」


などと言われ、辟易していた。

「あーもーやめちまおうかな、けどやめたら俺ニートになっちまうし、その後何も残らねーからなぁ。むしろ地元に居れなくなりそうだし…。」
などと辞めるにも辞めれない昨今の不況事情であった。
「でもさすがに性欲はがまんできねーな…どーすっかなー。」
などと考えてふと勇者は不適な笑みを浮かべた。
「そーかそーか、簡単なことだったな。へっへっへっ。」
と、一人森のなかでほくそ笑みながら休憩をやめ、パーティーのもとへ戻った。
「なぁなぁ、」
というと、仲間三人はなんだ、という顔で勇者の方を見た。
「せっかくジパングにいるんだし温泉に泊まっていこうぜ?ヤマタノオロチを退治した俺等ならただで個室にまで泊めてくれると思うぜ。」
と、提案した。すると武闘家は、
「いいじゃーん、私もたまにはゆっくりしたいよ。」
といい、戦士は、
「そうですね、溶岩など暑い場所にいたから汗も流したいですね。」
というと僧侶は、
「まぁたまにはいいんじゃありませんか?今晩はジパングでゆっくりしていく、ということで。」
など、みんな賛成意見であった。
『けっ、てめー等の欲望にだけは素直に賛同しやがって。』 
と勇者は心のなかで毒吐きながらジパングの首都へ向かった。

ジパングの首都では盛大な祭りが開かれ最高のお持て成しがなされた。
そして、一人一人がゆっくり休める個室を用意してくれて(勇者が口添えしたのは言うまでもない)ヤマタノオロチとの疲れをとるためみんな個室にこもった。
そこから勇者が動きだした。
「さて、じゃあまずは戦士のとこでもいくかな。」
と、勇者は戦士の部屋の前にいきノックをした。
「はい、どなたでしょうか?」
と、恐る恐るドアをあけて顔を出してきた。
「あ、勇者様…どうなさったのですかこんな夜更けに?」
と顔を出したまま話してくる。
「おまえと話があるから来たんだよ。なかにいれろよ。」
と、ドアの取っ手をつかみあけようとした瞬間反対の取っ手を握る手に力が入りあけさせないようにひっぱられ、
「あ…あのぅ、私もうパジャマでして、…だからできればこのままでお話が…」
などと顔を赤らめ下を向きながら言ってくる。
「はぁ?何言ってんだ?俺は勇者でおまえは戦士だろ?なんで俺が尋ねてきたのにおまえは俺を追いだそうとするんだ?えぇ?」
と、勇者が言うと、
「でも…あの…夜中ですし…」
など、しどろもどろの返事をするため、
「うっせーな、いいから入れろって言うんだよ。勇者に逆らうのかおまえは?何のためにルイーダで選んでやったんだよ?」
と言うと、戦士はあきらめたようにドアをあけ勇者をなかにいれた。
「けっ、最初からいれりゃあいいんだよ。ったく。」
と中に入り勇者は戦士をみた。いや、見たというより視姦するようにみた。
それに居心地の悪さを感じた戦士は、
「あ…あのー、どのような御用事で…?」
と、気まずい口調で言った。

ここで勇者は一言、
「犯らせろよ。」
とだけ言った。
戦士はその言葉を理解するのに数秒ようした。そして、
「え!?あの…そ…それは…」
と顔を真っ赤にして豊満な胸と股間を隠すようにぎゅっと腕を強ばらせて言った。
「あーそのまんまの意味だよ。簡単に言うとHさせろってこと、どぅーゆーあんだーすたん?」
といい戦士に近付き肩をつかんだ。
その瞬間より一層筋肉が収縮してかたくなり自然と女としての防衛反応が行われた。
「わ…私はそういうためにいるのではなく、ただ、世界を救いたいために…だからあの…」
と、勇者になにかを伝え言おうとするが、勇者にとってここまでは想定内であった。
「はぁ?俺は頼んでんじゃないの、命令してんの。さっさと脱げよ、な。」
と、戦士を近くにあったベッドのうえに投げ飛ばした。
「…あ…い…いゃぁ…いやぁ…」
と、戦士は泣きながら拒否しようとする。そんな戦士の上からかぶさりながら、
「はぁ?いいよ、いやなら辞めても。」
といい、戦士は少し顔をあげた瞬間、
「その代わり俺勇者辞めるから。」
と、言った。そして戦士は、
え!?
といった顔をした。
「だから、おまえがいやっていうなら無理矢理やんねーけど、じゃあ俺は勇者辞めるよ、っていってんの。」
と言い、
「その代わり、俺が世界救うのやめた理由はお前だって言い触らしてやるからな。」
と言い放つと戦士は泣きながら、
「そんな…ひ…ひど…」
と言おうとした瞬間に
「ひどくねーよ。大体おまえらが俺の性欲を毎回邪魔してたんだから、性欲処理ぐらいしろよ。」
と怒気をいれた声で言った。
「そ…れは…ぁ…」
「あ?いいんだよ、いやなら、お前のために世界救うの辞めてやっても。どっちがいいんだぜ?」
「そ…そんなひどっ…ひどっ…ぃっ」
と泣きながら言うと、
「お前が夜拒んだってことで俺が勇者辞めたとしられたらおまえどーなるかな?きっとお前だけじゃなく家族親類たいへんなことになるぜ。」
と、にたにたしながら言い、
「犯られるのと辞められるのとどっちがいいんだよ?」
と睨みながら戦士に言った。


「うっ…あっ…あ…あ…」
その後戦士はずっと泣きながら、本能では嫌がる体を無理矢理勇者のために開いた。
「へっへっへっ、いい体してんな、半年分だ今晩はゆっくりさせてもらうぜ。」
と、勇者は楽しそうに言った。
「あ、ゴムねーな、ま、いっか。」
というと戦士は泣きじゃくったそしておどろいた顔を勇者に向けた。
しかし勇者はそんなことはおかまいなくズボンを脱いだ。


「っ…っ…ぅっ」
事が済み戦士の啜り泣きと、勇者のタバコの煙が部屋を彩る。
『いやー、勇者って肩書きもいいもんだな。世界を救えば最近流行りの孤独死都下とも無縁だろうし…役得役得。』
と、ダーマ神殿産のタバコをふかしながら勇者はのんびり考えていた。
その後勇者は久しぶりの女に満足し、自分の体だけキレイにして戦士には一瞥もせずに部屋を出ようとする。そして取っ手に手を掛けたとき、
「あ、夜はこれから頼むぜ、あと俺が望むときは外でもな。他の奴に言いたかったら言えよ、まぁそんときゃ…わかってるよな?」
といい勇者は出ていった。
勇者はにたにたと笑いながらゆっくりと自分の部屋に戻っていく。
そんな勇者の心の中は、すでに次のターゲットをどっちにするかを考えていた。

つづくかも(予定は未定)
2013年05月23日(木) 23:05:06 Modified by moulinglacia




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