懐かしい人

 幽霊ばかりの村
       母さん
 勇者の母が若い姿で居る
       死霊もあるが 此の地での強い感情の残り火の姿である
 武闘家霊に関し精通
       魔王の城より出る黒い霧の為?
       霧の所為か しかし霧は隣の大穴から
 若い大男(戦い飽くした戦士成)そして先程の武闘家
       母さん
 勇者は近付く 生きた体から霊が離れているとは心配
 さて 先程の若い男は勃起ちぬ
 仲間より五歩程離れる若い体
 太り 愛くるしい体と成っている勇者の母 御歳33 一度見受けしただけの彼女の母に対し 若い戦士
       いいな
 と見ていた その女性今自分と同等の若さを誇り 
 略(ほぼ)生れたままの姿 腰に薄い短い布革を捲いただけ 
 痩せた長身 黒茶の肌 焼けた髪は上で少し束ねられ 黒い涙か幾筋も体に降注ぐ
 素晴らしい美女 彫刻か 絵画か 人の目が憧れるすっきりとした女体
 勇者である娘の 男を狂わせる色気 匂う様な体と趣を違え 清潔な高貴な肢体
 大きな形良い胸 女のしなやかな肉付きの長く細い足 
       まずい まずい
 団体行動は避けたい男の体
 近付いた勇者に 娘に似ている云々 嬉しそうな深い親近を寄せる母だが
       私はまだ若く
 美しい顔が愛らしい笑顔で言う 歳が違え母子が双方似る事も有るか知らとも 鈴の様な声
       翼が有れば何処へ 私は彼地へ
 彼の地とはアリアハン 夫が迎えに来ると言う 此の地はもう危険 なので乳飲み子の娘は早速其処に 
       早く会ってあげたい
 一日 二日のこの状態に拘わらず 母がテドンに残した激しい感情は幸せだった
 彼女は待つ事を幸せに出来る人なら 今のアリアハンでの生活は幸せなのかも知れない
 勇者はその母の心 日頃解してはいたが・・・・置こう 彼女は生きた母の霊が彷徨するのは考え物
       どうしよう
 うろたえ泣きそうな娘 さて武闘家は勇者の涙 テドンの絡みしか知らない 余り泣かない人
 戦士は他に一度・・・・・置いて こうした事で思案顔になる両者に 少し出遅れる 付いて行き辛い 天涯の孤児

       言葉が解る母さん?名は?
 武闘家が勇者に聞く 当時の母も彼の地の語は解る筈
       サンダ!
 良く通る男の美声に母は振り向く そして自分を呼んだ男に裸で付く
 何の疑いも無く この大男の顔を見て幸せそうだ 
       さぁ アリアハンへ行こう
 澄んだ低い声が爽やかだ 
       はい
 男女は深く目を閉じ 抱き合う 男は美女に口を付ける 幼年者に見せられぬ口付け 女は消えた
      (きゃ------!)    (あっ!)
 勇者は戦士はキスした事への驚き 
 母は此の男を夫と思い彼地へ消えた 武闘家とオルテガは全く似てい無い
 戦士が似ている程である・・・・・(因みに顔は似ていない)
       声
 美声が自らの声の事を語る あ 勇者が今まで 何故か知ら
      (御懐かしい)
 と思った声 今思えば父に似る
       勘である
 若い女は母を助けた仲間へ抱き付く 嬉しい しかしキスはしないで欲しいと 男は笑って
       可愛く・・・・
 勿体無いから 否 リアリティーの追求云々
 処で 勇者が抱き付いた時から武闘家の腰は引けていた 男の妙声に因ったれば
       起つ 否 起った
       か 母さんで!
 母を愛でられ嬉し しかし恥かし
 若輩男 十余歳離れる男に 今更か云々と言うも止まん これも己の体嬉しい恥かしい
2008年04月25日(金) 00:12:31 Modified by dqnovels




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