主人公×ビアンカ 649@Part5

 薄手の毛布にくるまっていた私が目を覚ますと、視界には宿屋の部屋の壁があるだけ
だった。体を起こしてベッドの反対側を見る。リュカはまだ眠ってた。
 リュカも私も裸だ。毛布は私が独り占めしていたから、彼はお腹も晒して寝ていたわ
けだけど、今は暑い季節だから風邪をこじらせる事はないと思う。頑丈な人だし。
 私はつい、夫の無防備な寝顔や今までの旅で鍛えられた体に見とれてしまった。だけ
ど一番興味を持ったのは、昨夜私の中に入ってきたときとは打って変わって縮んでいる、
アレ。
 大人の男の人の、こういう状態のを見たのは初めてだ。親がアルカパで宿屋をやって
いた頃に、お客さんの小さな男の子のおちんちんを見ちゃったことはある。でも、子供
のとは違って、リュカのは先の方の皮が剥けていてピンク色の中身が見えてる。ここが
子供と大人の違いなんだろう。
 だけど本当に、このフニャフニャなのが、あんなに大きく固くなるの? それがどう
も信じられない。昨夜のリュカのを思い出しながら、私は目の前のと見比べた。
 と、それが突然動き始めた。ゆっくりとのたうちながら、少しずつ大きくなっていく。
少しグロテスクかも。と思いながらも、私は息を飲んでそれを観察した。

 やがて、それはすっかり大きくなって、ピン、とそそり立った。
 男の体って不思議だ。思わず感嘆すると、
「ビアンカ」
 急に声をかけられて、とても焦った。いつの間にかリュカの下半身に顔を近づけて屈
めていた背中を一瞬で伸ばしながら振り返る。
「あ、おはようー」
 何事もなかったかのように振る舞う。だけど、
「朝から何やってるんだよ?」
「別に何もしてないわよ」
「俺のをじっと見てただろ」
 ああ、やっぱりバレてた……
「え……っと……」
 言い訳を考えてる内に、リュカは勘違いしたのか、こんな事を聞いてきた。
「ビアンカ、そんなにしたいの?」
「ち、違うわよ。ただの好奇心。男の人の体への好奇心というか興味というか……」
 こんな事を説明するのもすごく恥ずかしいけど、朝起きてすぐにいたしたくなる女だ
と思われるのはちょっと抵抗ある。顔から火が出る思いで弁解して、どうにか彼は納得
してくれた。わずかにがっかりした素振りを見せたのが少し可笑しかった。

 それにしても恥ずかしいところを見られてしまった。誤解は解いたけど、私はまだ動
揺してる。
 顔を洗って胸を落ち着かせようと思って、服を着るためにベッドから降りた。すると、
リュカは私を呼び止めて、ベッドの縁に腰掛けた。彼は下半身を隠してもいないから、
私は目のやり場に困った。
 彼はしばらく迷った後、単刀直入に切り出す。
「口でしてくれないかな」
「え……、く、くち……?」
 彼は顔が真っ赤になっている。たぶん、言い出すのにかなりの決心をしたのだろう。
だけどそんな事、言われた方も困る。私が口ごもっているとリュカはすごい理論を展開
した。
「君に見られたせいでこうなったんだ。だからその責任は取ってくれ」
 なんて馬鹿なことを。無茶苦茶な理屈だ。
 私が呆れながらそう言っても、彼はまだ食い下がってきた。
 ──うーん、どうしよう……
 子供の頃そうだったみたいに、私がもっと強く断ればすぐにリュカは諦めるだろうと
思う。だけど、勘違いとはいえリュカに期待させてしまったのは確かだし、あんまり強
く言うのも可哀相かもしれない。私が本気で怒っていないかどうかをうかがう視線もな
んだか可愛いし……
「一回だけだからね」
 根負けした私はリュカの足下に膝をついた。
2008年12月27日(土) 02:46:08 Modified by test66test




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