主人公×ビアンカ 740@Part9

アルカパの町に着いた。

お父さんの病気を直す為に村を出てから、もう何年経ったのだろう。
月日が流れるのは本当に早いものだ。
町を出たあの日、泣きじゃくる幼い私の手を引いてくれたお母さんはもういない。
でも…今の私の傍(そば)には大好きなアベルがいる。
昔この町に遊びに来た時は小さな子供だったアベルが、今では私の大事な旦那様だ。

月日が流れるのは本当に早いものだ。

「どうしたの?ビアンカ?」
宿屋を見つめ、少し涙目になっていた私を見てアベルが言う。
「ん…ううん、なんでもないよ。」
いけない。アベルの前では泣いたら駄目だよね。私は涙をそっとぬぐった。

「ねえ、アベル。せっかくアルカパに来たんだから今日はいっぱい仲良くしようね?」
「え?仲良くって…?」くすり、とアベルは笑った。

「いつも仲良しじゃん、僕達。」そう言うとアベルは私の手をぎゅっと握った。
嬉しい。
私がアベルを大好きなように、アベルも私のことが大好きなようだ。

その日私達は、ゆっくりと時間をかけてアルカパの町を歩いて回った。
宿屋のぶどう棚が意外と低かったこと。子供の頃は手を伸ばしてもジャンプしても
ぶどうの実に手が届かなかったのに。
酒場で伝説の勇者のことを知ってるおじいさんから面白い話を聞けたこと。
宿屋のテラスでお父さんの事を知ってる人に会えたこと。
まだ私やお父さんの事を覚えてくれていた人に会えた事がとても嬉しかった。
時間がゆっくり流れている。世界がこんな風にすべてゆっくり動いていけばいいのに…。

私達が宿に戻ったのは、すっかり日が暮れてからだった。

「へえ!新婚さんですか!じゃあ、サービスしないとねぇ。」

ちょっぴり太目の宿屋のおばさんが声をあげる。
食事を終えて、二人でコーヒーを頼もうかとしていたらおばさんのほうから
色々と聞いてきた。お客は私達だけなので、私達の事や旅の事、以前私が
この宿にいた時の事などをおばさんとアベルと私の3人でゆっくりおしゃべりした。
「幼馴染同士で結婚ねえ…幸せものだよ、二人とも。」
「いや、近くにいたんでたまたま…です。」と、アベルが照れ隠しに言う。
「あら、じゃあやっぱり本当はフローラさんが良かったのね?フローラさんいいコ
だったもんねぇ〜。やさしくて可愛くてスタイル抜群で。」
ちょっぴり妬けるが、私は意地悪してみた。
「まあまあ、奥さんそう言わずに。いい物持ってきてあげるね。」
そう言い残し、おばさんはカウンターの方へ消えていった。
奥さん…他人からそう言われたのは初めてだ。ちょっぴりドキドキしてしまった。

「ほら、この安眠まくらプレゼントだよ。このまくらを使えばどんな初めての宿でも
ぐっすり眠れるからね。」
おばさんは可愛らしいピンク色のまくらをプレゼントしてくれた。
確かに可愛いまくらだ。
「ありがとうございます。さっそく今夜使ってみますね。」
アベルが嬉しそうに受け取った。
…今夜?ぐっすり…?いけない、私何を想像したんだろう。
確かに旅の最中だし明日何が起きるか解らないから、ぐっすり眠って疲れを取るのは
重要なことだ。でも…せっかく思い出のアルカパに来たんだし…。

色々考えてしまう。アベルが傍にいたらいたで余計な事まで考えてしまう。
(あたしってイヤな女だなぁ…。)
浮かぬ顔つきで、私はアベルの後に続いて寝室へと向かった。

「先にシャワー浴びていい?」

部屋に入るとアベルは私にそう言った。
実は結婚してから、まだ一緒にお風呂に入ったことは無い。お父さんに結婚の報告を
しに山奥の村に行った時、温泉に入ろうとしたのだがその時は何となく気恥ずかしく
別々に温泉に入ったのだ。
「え?あ…いいよ。今日はいっぱい歩いたからアベル疲れてるもんね。」
私は言った。
やっぱりアベルは今日は先に寝たいみたいだ。仕方ない、か。
でもこれからずっと一緒にいるんだし、何も色々あせる事は…。

「ビアンカ。」
アベルが私のほうを振り向く。ちょっと顔つきが険しい。
「なあに?」
アベルは少し視線を外した。
「あのさ…一緒に入らない?」

え??本当に?今度は私が視線をそらす番になった。
心臓がドキドキする。顔が赤くなってくるのが自分でもはっきりわかる。
「えっと…あ…の、いいよ、一緒に入ろ。」
しまった。声が少し上ずってしまった。私が年上なのに緊張するなんて。
視線をアベルの顔に戻すとアベルの顔も少し赤くなっていた。

アベルは私の手を引いてお風呂場へと向かった。

もちろん結婚してるんだし、夫婦らしい事もちゃんとしている。
でも厳しい旅の途中だしそんなに回数はこなしてないし、私もアベルも
はっきり言ってまだまだ不慣れだ。
いつも薄暗いベッドの中でしか肌を合わせていないから、明るいとこで裸を
見られるのはやっぱり恥ずかしい。

「??ビアンカ、脱がないの?」
アベルはシャツを脱ぎながら私を見た。私はドキっとした。
明るいところで始めてる見るアベルの裸。外からは少し華奢に見えるのに、
中身は筋肉質でガッチリしている。パパスおじさまも身体鍛えてたから父親譲り
なんだろうな。
「えっと、ほら、やっぱり…あの…、ね。」
「何?」
私はもう我慢が出来なかった。
「ゴメン、アベル先に入ってて。やっぱり脱ぐとこ見られるの恥ずかしいよ。」
わたしはもう顔が真っ赤だ。そんな私を見てアベルはくすっと笑った。
「いいよ、待ってるから。」
全てを脱ぎ捨て、アベルは浴室へ入っていった。

くもりガラスの向こうにアベルの裸がうっすら見える。
私の心臓はドキドキしっぱなしだ。えっと…服を脱がなきゃ。
脱いでいる間もさっき目に入った、アベルのたくましい裸が目先にちらつく。
全て脱ぎ捨てた。髪もほどいた。恥ずかしいけど…今日はアベルといっぱい
仲良くするんだ。

私は浴室のドアをガラっと開けた。

湯気の向こうにアベルがいた。湯船につかってドアの方を向いていた。
見られた…よね。一応前はタオルで隠してたけど。
いけない、夫婦でお風呂なんだもん。こそこそすること無いよね。
アベルだって堂々としてるじゃない。私もいいかげん落ち着かなきゃ。

「明るいとこでビアンカの身体見るの初めてだな。」
ギクっとした。何だアベルも同じ事考えてるじゃない。
「そ、そうね。どう、気に入った?」
駄目だ、声がどうしても上ずる。それにしてもどうしてアベルはこんなに落ち着いて
いるんだろう。
「湯船、広いねぇ。」私は言った。
実際広めに作られたバスルームだ。2人で十分湯船につかれそうだ。
愛する旦那様と一緒にお風呂…駄目、もうのぼせそう。
「こっちおいでよ。」
アベルは私の手を引き寄せた。
アベルにもたれるように、私はお湯の中に身体を沈めた。

「気持ちいいねぇ〜。」
お湯につかるとやっと気分がほぐれてきた。温かいお湯と背中のアベルの温かい胸板。
身体中の疲れが吹き飛んでいくようだ。
「ビアンカとお風呂に入るのって子供のとき以来かな。」
「そうねぇ。アベルが…ほらレヌール城を冒険した時何日かウチに泊まったじゃない。
その時以来よね。その時はこのお風呂じゃなくて、1階のウチの家族用のお風呂だったけど。」
そっか。裸を見られるのは初めてじゃないんだな。
「幼馴染ってこんな思い出を一緒に話せるから嬉しいよね。」とアベルが言った。
私も凄く嬉しいよ、アベル。

その時わたしは背中にちょっと違和感を感じた。

何か硬いものが当たっているのに私は気づいた。
これって…。
「ビアンカ…。」
アベルが後ろからきゅっと私を抱きしめた。
上目遣いに振り向いてみると…アベルが私の首筋に舌を這わせてきた。
ぴちゃぴちゃ…。
あ、アベルはもうその気なんだ…。いいよ、好きなだけ好きなことしていいよ。
私の身体も心もみんなアベルの物なんだからね。

やがてアベルは背後から私の胸を揉みしだいてきた。
「あっ、ああっ…。」
狭い浴室に、私の淫らな声が響き渡る。胸を愛撫している間もアベルは巧みに
私の首や耳を、その舌先で攻めてくる。
気持ちいいよ…アベル…。
そして、アベルの指先が私の両方の乳首を軽く転がし始めた。
「あんっ…あああっ、あっあっ。」
はしたなくも私は声を荒げてしまう。いつもより感じやすい。
「ビアンカ…好きだよ。」
アベルは少し身体乗り出し、私の唇に自らの唇をそっと重ねた。
ああ、もう駄目…。

「ああ、好きよ…アベル…ああっ、あん、ああっ!」

キスとバストへの愛撫で私は浴槽の中で達してしまった。

私はしばらくアベルにもたれて休憩した。
と、いうより湯船から立ち上がれなかった。ぬるめのお湯が身体を癒し、
大好きなアベルが心を癒してくれる。

「ね、身体洗おうか。」とアベルが言った。
いけない。ついウトウトしてしまった。
「そうね、洗ってあげる。」
と、言って私はざぶりとバスタブから上がる。
その時アベルの股間に目がいってしまった。
アベルの股間のそれは硬くなっていた。そっか、私はイったけどアベルはまだ
気持ちよくなってないんだよね。
「ね、先に洗ってあげるから座って。」
私はアベルを椅子に促した。

「アベルってこんな広い背中してたっけ?」
背中を流しながら私はアベルにそう言った。明るいところで見るアベルの裸は
がっしりとして本当にたくましい大人の男へ成長していた。
「そうだね、奴隷経験の時に鍛えられたからなぁ。」
明るくアベルは笑った。
「ほら、前も洗ったげる。こっち向いて。」
「え?いいよ、前は…自分でやるよ。」
あれ、アベルも本当は恥ずかしいんだ。よし、ここは形勢逆転…。
「だーめ。こっち向きなさい。ビアンカお姉ちゃんが洗ったげるから。」
実際アベルの物をじっくり見た事はない。どんなのかな…。
しぶしぶアベルはこっちを向いた。立膝ついてる私はどこも隠してないが、
もういいや。隠すから恥ずかしいんだよね、堂々としてれば…。

(ひゃっ!)
私は心の中で悲鳴をあげた。
振り向いたアベルのペニスは太く硬くそそりたっていた。
しかも身体にに不釣合いなくらいたくましい。これだけ硬くなっていると
いうことは、射精させないともう元には戻らないんだろう。
「あ、アベルって本当にもう大人になったよねぇ〜ははっ。」
動揺を悟られないように私はスポンジにボディーソープを塗り直した。

どうしよう…。余裕をみせたものの逆にこっちがドキドキするよ。
私はゆっくりとスポンジを泡立てながら時間を稼いだ。
あんなに硬くなってるって事は…少し刺激したら出ちゃうよね…。
もう一度ちらりとアベルを見る。
アベルと一緒に大きなペニスも首をもたげて洗われるのを待っているみたいだ。
「さ、キレイにしましょう。」
私は意を決して、アベルの足先から丹念に洗い出した。

「くすぐったいよ!ビアンカ!」
アベルは笑いながら身体をよじった。
「だめよ、ここもキレイにしなきゃ。」
私はアベルの足の指先、裏まで綺麗に洗った。足の裏はくすぐったいに決まってるけど
わざとだよ。でもアベルの肌ってキレイだな。
だんだんとスポンジが足の上のほうに近づいていく。
私はもう一度アベルのペニスをちらりと見た。
良く見ると、カワイイんだな。先のほうは綺麗に剥けてピンク色だ。
上目遣いにアベルを見ると目を閉じて…触られるの待ってるのかな?

私はスポンジの泡を両手にとって、直接アベルのペニスを両手の泡でぬるりと
つかんだ。
「あっ!ダメだよ、ビアンカ…。」
アベルの腰とペニスがピクっと弾んだ。

両手の泡と手のひらでアベルのペニスをゆるゆると撫でてみた。
にゅるりとした感触が手のひらに伝わる。
その両方の手のひらにペニスの熱が伝わってくる。
…熱いなぁ…。痛くないのかな、こんなに硬くして。
私はぬるり、ぬるりと手のひらを上下に動かした。
「あぁぁ、ビアンカ…ダメだよ…。」
アベルの声が震えてる。気持ち良いみたいだね、いいよもっと気持ちよくなって。

狭い浴室に今度はアベルの淫らな声が響く。
「はあっ、あうっ、あっビアンカ…。」
ちょっと意地悪しようかな。
「なぁに?どうしたの、アベル?」
「あっ、気持ちいいよ…あっああぁっ!」
にゅるにゅると泡まみれのペニスから透明な液体が漏れてきた。
ねっとりしてる。
「アベル…何か出てきたよ?」
「うっ…ビアンカ、もう出ちゃうよ…。」
火がついたようにペニスが熱い。何度も何度も私の手のひらの中でピクピクと、
まるで命を持っているように動いている。
私はそっとアベルの耳元に唇を寄せて小声で言った。
「いいよ…アベル。気持ちよくなって…。」
その言葉がアベルの何かを動かしたみたいだ。

「ああっ、ああっ!ビアンカ!もう駄目だよ!!あっああっ!!」
私は手のひらの動きを早くした。アベルに限界が来たようだ。
にゅっ、にゅる、ぬる、ぬるっ、にゅっ…
「はあぁっ!!あうっ!あっ!!」
ペニスが大きく弾んだ。その時アベルは正面に膝立ちした私の身体を抱き寄せた。
ぴゅっっどくん、どくっ、どくっ…。
「おおおっ…はぁぁっ…。」
どくん、どくっ…。アベルのペニスから白い命のしずくが凄い勢いでほとばしった。
あまりの勢いで、白いしずくが私の胸まで飛んできた。
「はぁぁっ…。」
私の手のひらの中で石鹸の泡とアベルの命のしずくが混ざり合った。
手のひらの中のペニスが首を下ろしていく。
もう一度アベルの顔を見ると、うっとりしたような満足げなアベルの顔がそこにあった。

お互いを洗いあって、私達は再びさっきと同じ姿勢でいっしょに湯船に入った。
アベルは私のことをうしろからぎゅっと抱きしめている。

「気持ちよかった?アベル?」
「ん〜。まぁ…ね。」
アベルは照れてるみたいだ。
「な〜に言ってるのよ。さっきは目を閉じて「あっあっ」とか言ってたクセに。」
「言ったな!ビアンカだってさっきお風呂の中で感じてたじゃない?」
言いつつアベルは後ろから私の両方のバストをぎゅっと握ってきた。
「もう!エッチ!アベルがこんないやらしいコに成長するなんて…ビアンカお姉ちゃんは
悲しいぞ。」
「ひどいなぁ〜。いつもそんなにしてお姉ちゃんぶるんだから。」
アベルはまた唇を重ねてきた。私もそれに応える。

「んっんっ…んん…。」
アベルは巧みに舌先を私の口の中に滑らせてきた。お返しに…
「はうっ…ああん…。」
私もアベルの舌先に自分の舌を絡ませた。
ぴちゃ、ぴちゃ…くちゅ…。
いやらしい音が浴室に響く。ハタから見たらすごくエッチっぽいよね。
長い時間、私とアベルは唇を重ね、舌先を絡めあった。

「ね、ビアンカ…ベッドに行こうか?」
「うん…いいよ。」

楽しいお風呂だった。私は先に上がって身体を拭いて寝室に向かった。


アベルが浴室から出てくる間、私は着替えが入ったバッグの中から一枚の下着を出した。
その下着は黒いレースで出来ていて、ブラのカップも小さく、まともにつけるには
とても恥ずかしい物だ。
実は結婚式の後サラボナを出るとき、酒場のお姉さんからもらったものだ。
「これね、「エッチな下着」っていうのよ。これできっと旦那様も夢中になるよ。」
え、いやいくらお祝いとはいえそんな…と思ったけど実は興味はある。
結局もらっておくことにした。
まさか本当に着けることになるなんてね…。私は下着をつけてみた。
鏡に映る私の身体。白い肌に黒い下着。
なるほど、名前の通りエッチな下着だな。私はなんだか急に恥ずかしくなってきた。
(ダメ、やっぱりいつもの普通の下着に…)

がちゃり。
浴室のからアベルが出てきた。宿屋備え付けの白いガウンを身にまとい、無造作に
タオルでゴシゴシと頭を拭いている。
「あれ?何してるの?」
私はあわててガウンの胸元を合わせた。
「え、いや、ははっ!あの…何でもないよ!」
へんなの、って感じでアベルはベッドに腰掛けた。
「いいお湯だったねぇ。」アベルは大きくのびをしながら言った。
「そうね。疲れ取れた?」
「うん、本当にさっぱりしたな。」
アベルはそう言いつつ、私の手を引いた。

「ビアンカ、こっちへおいでよ。」

あ、やっぱり…。いいよ、今日はいっぱい仲良くするんだから。
私はアベル隣に腰掛けた。アベルからいい匂いがする。石鹸のにおいだね。
アベルはもう我慢できないようだ。私を引き寄せ、ちょっぴり乱暴にベッドに
私を押し倒した。
真剣な顔つきのアベルがとても可愛らしい。でも私の心臓もドキドキしてる。
アベルは私に口づけしながら、開いた右手でガウンの隙間から私のバストを
揉みしだき始めた。
「んっんんっ…。あっ、ううん…。」
ブラの上から触られただけでこんなに感じてしまう。
アベルは両手を私の背中に回しブラのホックを探った。
でもよくわからないみたいで何度も指を滑らせてしまう。
いいよ…、良かったアベルが慣れてないみたいで。逆に私はほっとした。
私は左手を背中に回した。ぷちんと音がしてブラがたわんだ。
アベルは両手を背中から私の肩に回して、ストラップをずらした。
カップに隠されていた私の両方のバストが剥き出しになる。

アベルの両手が乳房にひきつけられるように下から私の乳房を持ち上げる。
「くっ…っくぅううっん…。あっ!!はあぁぁん!」
つい、大きな声が出てしまった。一瞬アベルが私の顔を見た。
しかし、すぐに私の乳房を両手で強く揉みしだきながら唇を乳首に近づけていく。
子供の頃の記憶がよみがえったかのように、アベルは私の乳首を唇に含んだ。

「あぁぁん、アベル、アベル!」
私は両手をアベルの髪の中にうずめ胸に抱き寄せるようにした。
ぴちゃ、くちゅり、くちゅっ、ちゅぽ…。
私の乳首がアベルの唇の中で硬くなっていくのがはっきりと解った。

アベルの唇が、舌が、手のひらが激しく私の胸を愛撫する。
あまりの心地よさに私は抱きしめたアベルの髪をかきまわした。
「はっ…あぅうう。」
ダメ。もう頭の中がゆであがったようにぼうっとなって、体中が熱に覆われている
みたい…。
あ…またアベルの硬いのが私に当たってる…。いいよ私だけ気持ち良くなったらずるいよね。
アベルも気持ちよくしてあげないと。
私は懸命に手を伸ばしてアベルの反り返ったペニスをそっと握った。
アベルは一瞬ピクっと動いて乳首から唇を放して悶えた。
「くぅぅっ…。」
今度はアベルが気持ちよくなる番だよ。私もがんばるからね。
私は五本の指でそっとアベルの硬いペニスをそっと撫ぜはせた。下腹にくっつくほど
持ち上がったペニスが、今度は発火したように熱くなる。
その時だった。

「あぁぁぁん…。」
何とアベルは再び乳首に吸い付きながら右手を私の股間に下ろし、下着のふちから
巧みに指を滑り込ませて来た。
「あっ、ちょっと、アベル、やだ…。」
アベルはいつもはこんなに乱暴じゃない。私に触れるときはいつもそっと優しく
おずおずと触れてくるのだ。でも…今日のアベルはいつもと違うみたい。
いいよ、もっと触って。私をもっと気持ちよくさせて。
アベルは私の胸に再び顔をうずめながら、右手で私の股間をもて遊び始めた。
あっ、そこは…。

「あああああんっ!!」

その時アベルの右手が私のクリトリスを強く刺激した。

一瞬頭の中が真っ白になった。一瞬息が止まるほど気持ちが良かった。
今の声…大きすぎたかな?
アベルは全く気にしてないみたい。でも…全部終わった後アベルの顔まともに
みれないかも…。
アベルはそんなことお構いなしに私の身体を撫で回している。
「ビアンカ…。」
アベルは私の唇を再びふさいできた。同時にまた舌先を私の舌に絡めてくる。
ぴちゃ、ぴちゃ、…くちゅ…。
アベルも私もキスが大好きみたいだ。

唇を放した後、アベルは身体をずらし…って、何?両手を…私のパンティにかけてきた。
え、いや、自分で脱ぐのは良いけど…脱がされるのは恥ずかしいよ!
あ、ダメ脱がさないで、あ…ちょっと…あ…。
ダメだった。アベルはいとも簡単にするりと私のパンティを引き下ろした。

「はぁぁん…。」
思わず声が出てしまう。そんな至近距離で見られたら恥ずかしいよ。
「ね、アベル。お願いランプ消して。明るいのイヤ…。」
「…。」
アベルは無言だ。って、何?私の両足に両手をかけて…あ、力入れないで…。
今、身体に力が入らないのに…。ダメ…。

アベルは私の両足を開かせて、右足からパンティを抜き取った。
私はベッドのヘッドレストにもたれからるようにしてるから…全部見えてる…。

「やぁぁぁん…。」
私は目をつぶった。いくら夫婦とはいえ恥ずかしいものは恥ずかしい。
私もアベルも何も身につけていない。もちろんさっきお風呂場でも同じ格好
だったけど、明るいベッドの上で裸を、ましてや普段見せないとこまでじっくり
見られたら…。恥ずかしくてクラクラしてきたよ。
その時アベルが素早く身体を折って、唇を私の股間に近づけてきた。
え…?まさか…?

ぴちゃ…ぴちゃ…。アベルが舌を差し出して私の股間に吸い付いてきた。
「はぁぁああぁん、ああっ!!あ、あっ!」
アベルが舌を上下に動かして、亀裂に沿って舐めまわして来る。
私はあまりの心地よさに腰を波打たせた。
「アベル、アベル!」
声を荒げながら股間にうずまったアベルの髪に両手をうずめる。
アベルはお構いなしにジュルジュルと卑猥な音を立てながら私の股間にむさぼり
ついている。

「ああぁっ、アベル…。」

私はうわ言のようにアベルの名前を呼んでいた。


「ビアンカ…。」
アベルが私の股間から顔を上げ、私の顔を見つめた。
ランプの明かりに照らされたアベルの表情がはっきり見える。
「…何?」
アベルは私の目をまっすぐ見つめている。

「好きだよ、ビアンカ。」

私はその一言で身体中が、かぁっと熱くなった。
嬉しいとか幸せとか…もう何もかも考えられない。
アベルにしがみつく。抱いて、アベル。私をぎゅっと抱きしめて。
好きよ、大好きよアベル…。

「あああああっ!!!あうっ!!はああん!」
その時アベルの硬いペニスが前触れも無く、私の中に侵入してきた。
アベルがぐっと腰を密着させる。私の奥深くにアベルが入ってくる。
ぐちゅ…ぐっ…、にゅっ、ぐちゅ…
「はぁっ、はっ、ビアンカ…。」
卑猥な音とアベルの声が聞こえる。私はただ夢中でアベルの身体にひしと
しがみついていた。

アベルは私に向かってひたすら動いている。
そのたびにくちゅちゅと粘膜同士がこすれ合う音が、私の性感を強くした。
しかも一突きする度にアベルのペニスがぴくりぴくりとうごめき、巧みに
私を高みへと導いていく。
「アベル…アベル…。」
私は声にならない声でアベルの声を何度も呼んだ。
その時私の中に入ったアベルのペニスが大きく弾んだ。
アベルの絶頂が近いのを私は悟った。
「ううっ、ビアンカ…。」
アベルの動きが速くなる。
「はぁっん、アベル…いいよ、きて…。」
アベルはさっと身体を離し射精しようとした。まだ旅の途中だし子供が
出来ないようにしようね、と二人でいつも話していたのだ。
でも…今日は…。
引き抜こうとするアベルを私は腰に巻きついた両足でぐっと抑えた。
「いいよ、来て…このまま…。」
「ええっ、な、中で!?あ、ああっ、!」
アベルはこらえる術が無かった。身体が先に反応したようだ。
「ああっ!ビアンカ!ビアンカっ!!」

びゅっ、どくっ、どくっ、どく…。

アベルの全てが私の中に注ぎ込まれる。私もその熱いほとばしりを受けて
達してしまった。
「ああっ…あっ、ああん…。」

アベルの荒い息遣いを聞きながら、私は例えようの無い幸福感bに満ち溢れていた。

全てが終わりアベルが私の横へごろりと横たわる。

私はアベルの腕まくらの中に身を寄せた。
結婚して何度も繰り返したことだが、今日は一段と幸せだ。
ランプの明かりの中のアベルの顔をもう一度ちらりと見つめる。
大好きなアベルの顔がそこにある。
「ねえ、今日のビアンカっていつもとちょっと違うね。」
「え…?そっかな?」
「お風呂でもベッドでも。やっぱりビアンカの故郷だしこの家もそうだし、
 色々落ち着くのかな。」
「そうね…。」
私はアベルのたくましい胸板に身を寄せた。
アベルはごそごそとベッドの下から何か取り出している。
「なぁに?アベル?」
「ん…さっき宿屋のおばさんからもらった…ほら。」
アベルは安眠まくらを取り出した。
「さ、今日はぐっすり寝よう。疲れたでしょ?」
アベルはにっこり笑った。私もつられてにっこり笑う。
「そうね、アベルたくさん動いたから疲れたでしょ?」
「そうだね、今度はビアンカに上に乗って動いてもらおうかな、ははは。」
「よく言うわ、今日ちょっぴり早かったぞ。」
「言ったな!」
アベルは私をぐっと押さえつけた。こんなじゃれあい楽しいね、アベル。
もっともっとこれからもいっぱい仲良くしようね…。

そして私達は眠りについた。

私は夢を見ていた。

ここは…どこだろう?大きなお城の庭園みたい。ラインハットじゃなさそう。
初めて見るお城だけど…何か懐かしいような気がする。
あ、このお城雲の上に浮かんでるんだ…。

お茶の用意がしてある。そこにアベルがいた。
いいよ、お茶は私が入れるよ。隣の男性は…?パパスおじさま!?
パパスおじさまとアベルが楽しそうにお話してる。やっぱり父子なんだね、
雰囲気がそっくりだよ。
庭園の向こうから女性が一人歩いてきた。凄く上品な女性だ。
「ビアンカさん。」
あれ、どうして私の名前を知ってるんだろ?
「小さい頃からあなたの事を知ってますよ。小さいあなたとアベルがレヌール城を
冒険したり、結婚して一緒に旅をしたり…。ずっと見守ってますよ。
女性はずっとにこやかで、温かい眼差しで私を見つめている。
「ビアンカさん、息子をこれからもずっとよろしくお願いしますね。」
あ…わかった、アベルのお母様のマーサ様だ。
素敵…なんて神々しい雰囲気の人なんだろう。

「わーい、おとうさん、おかあさん、遊ぼうよ!」
「ねえ、あたしも一緒に遊んで!!」
私と同じ髪の色をした二人の子供が元気にあたりを駆け回っている。
可愛い子供達だな。そうだ、アベル子供は男の子と女の子一人ずつがいいね。

「ビアンカ、久しぶりね。あまりにも楽しそうだから私も来ちゃったよ。」
え!?私は慌てて懐かしい声がしたほうを振り向いた。
「お母さん!」
そこには3年ぶりに見る私の母が立っていた。
「ビアンカ、結婚おめでとう。ずっと言ってあげたかったのよ。毎日お墓に
来てくれてありがとう。私もあなた達の事、ずっとずっと見守ってるからね。」
「お母さん…。」
私は声にならない声をあげて母にしがみついた。
母は私の背中を優しくさすってくれた。
「もっともっと幸せになってね、ビアンカ。私の事は心配しなくていいよ。
あんたにはアベルがいるし、これから出会うたくさんの素敵な人たちや出来事が
待ってるんだから、ね。」
私は涙が止まらなかった。
「お〜い、お茶が入ったぞ〜。」
聞きなれた声がした。あ、お父さんだ。山奥の村から来てくれたのね。
身体つらいのに、無理しちゃって…。
アベルが迎えに来てくれた。

「行こう、ビアンカみんなが待ってるよ。」

雲の上のお城のお茶会は、とても楽しかった。

私の横にはアベルがいる。
パパスおじ様とマーサ様がいる。
私のお父さん、お母さんがいる。
金色の髪をした男の子と女の子がいる。
みんなたくさん笑っている。
私にはこんなに愛する人たちがいるんだ。

幸せだな…ずっとこのままでいられればいいのに…。

このまま時間が止まってしまえばいいのに…。

夜が明けたようだ。小鳥のさえずり、差し込む日差し。
今日も新しい一日が始まった。

私は目を覚ましてすぐにあたりを見回した。
隣りにはアベルが寝ている。もちろん…アベルだけ。
あたりまえだよね。パパスおじ様たちはいる訳ないよね。ほうっとため息をついた。

今日もアベルと一緒に旅をする。
いつまで続くのか、どこまで旅を続けるのかはわからない。
でも一つだけわかっていることがある。これからも私はずっとアベルと一緒だ、と
言うことだ。
アルカパの街に来て良かった。アベルのことがもっともっと好きになれた。
これからもよろしくね、大好きだよ、アベル。

「ううう〜ん…。」

あ、アベルが大きな伸びをした。もう起きるのかな?起きたらなんて声を
かけようかな。私はアベルが目を覚ますまでじっとアベルの顔を見つめながら
考えた。

「うう〜ん、ふぁぁあ〜。」
よし、決めた。


「おはよう、アベル!」



(fin)
2008年12月27日(土) 21:00:26 Modified by test66test




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