星の輝く下で

月が美しく輝いている夜だった。風は全く無く、虫の鳴き声だけが聞こえていた。
人々は夢の中へ入り、幸せそうに寝ていた。

しかし、焚き火に当たっていた1人の少女だけは違っていた。
「…うう…逃げて…逃げて…シン…シア…」
丸太に座りながら、前かがみになって悪い夢を見ていた。
人里離れた名もなき村で起きた、突然の災い。
モシャスを唱え、自分のために犠牲になった親友のシンシア。
自分だけが生き残ったつらい現実。1人になると、いつも少女はこの数ヶ月前の悪夢を見ていた。

少女が悪夢を見始めてしばらく経ったころ、1人の青年がこの少女に向かって歩いてきていた。
見張りの交代の時間だった。その青年は片手に聖書を持っていた。
だんだんと少女との距離が縮まっていく。そしてあと数歩というところで、少女の異変に気が付いた。
「セフィアさん!?」
その青年に声をかけられ、少女は目を覚ました。額には脂汗をかいていた。

その少女こそ、この世界を救うといわれた女勇者セフィアであった。

「…大丈夫ですか?うなされてましたけど。怖い夢でも見てたんですか?」
その言葉を聞いた時には、セフィアはその青年の胸へと飛び込んでいた。
「うわ〜〜ん!」
青年は突然のことで少し戸惑ったが、無言のままセフィアに胸を貸した。
そしてセフィアの背中にそっと手を置き、やさしく抱きしめた。
「シン…シアが……村の…みん…なが……」
その青年の胸の中で、セフィアは涙を流しながら苦しみを訴えていた。

セフィアが青年の胸で泣き始めて、長い時間が経った。流す涙も、徐々に減ってきていた。
「いつも、1人で悩んでいたんですね……」
青年の言葉を聞き、セフィアは頭をこくんと縦に振った。
「でも、そんなときは私に相談してください。頼りないかもしれないですが……」
今度の言葉にはセフィアは首を横に振った。
「そんなことないよ。クリフトは…優しいし……」
その青年はクリフトという名前であった。導かれし者の1人だった。
クリフトは同じく導かれし者のアリーナのお供だった。アリーナに密かに心を秘めているのは皆が知っていた。
しかし、それは数ヶ月前までのことで、今は違うことは誰も知らなかった。
「それでは、今日はもうお休みになってください」
クリフトはセフィアに抱きしめたまま、そう告げた。
「ありがとう…クリフト……大好き…」
クリフトは突然の告白に、えっと声を漏らした。
セフィアも自分の発言に気がつき、あわててクリフトから離れた。顔は真っ赤に染まっていた。
「ご、ごめんなさい…。あなたはアリーナのこと、好きなのに…」
セフィアは下を向いていた。涙が頬を伝わって一滴落ちた。
「セフィアさん……」
セフィアの涙は次々と地面に落ちていった。そして俯きながら、クリフトへの思いを告げた。
「…ぐすっ…ミントスで…苦しんでいた…クリフトを見て……助けてあげたいと思った……
 そして…そして…パデキアで元気になって…よかったと思った……」
「…………………………」
「…それから……だんだんクリフトの……こと…かっこいいと…思うようになった…。
 ……でも…クリフトは……アリーナのことが……好きだから…。
 ぐすん…ごめんね…迷惑かけて……。…それじゃ…おやすみ…なさ…い」
セフィアは涙を浮かべた顔で、精一杯の笑顔をクリフトに見せ、馬車に戻ろうとした。
「待ってください!」
クリフトはそう叫び、帰ろうとしているセフィアの腕をつかんだ。
セフィアはクリフトに顔を見せず、背中を見せたままだった。
「離して……もう、私はアリーナには勝てないから…」
そう言ってクリフトの手を振り解こうとしたとき、クリフトが回り込んだ。そして間を置かずに2人の唇は重なり合っていた。
「んんっ…うぐぅ…」
突然のことで、セフィアは息が出来なかった。そして無意識のうちにクリフトを突き放していた。
「もう同情はやめて!私がつらいだけだから!」
「ち、違うんです……」
クリフトは小さな声で申し訳なさそうに答えた。逆にそのことがセフィアの怒りに触れてしまった。
「私のことからかってるの?もうクリフトなんて、きらい!」
クリフトは衝撃を受けた。そして頭を深く下げ、ゆっくりと話し始めた。
「本当に違うんです…私は確かに、姫さまのことが好きでした。
 でも、ミントスからは少しずつ変わっていったんです。
 今は…パテギアを持ってきてくれた、セフィアさんのことが好きなんです。
 セフィアさんは私の命の恩人ですから……」
「…えっ…そんな…」
セフィアはクリフトの返事に少し戸惑っていた。
「本当に……私で…いいの?」
「ええ、もちろんです」
クリフトの言葉に、セフィアはまた涙を流した。
そして流れる涙を指ではらい、恥ずかしそうに顔を赤く染め、返事をした。
「…ありがとう…お願い、クリフト。抱きしめて……」

クリフトはセフィアの兜をゆっくりと外した。髪がふわっと浮いた。
そして再び抱きしめあい、2人の唇が触れ合った。クリフトはセフィアの背中に手を回し、きつく抱きしめた。
セフィアはきつく抱きしめられたことが分かると、おそるおそるながらクリフトの唇を割り、舌を進めた。
お互いの舌が絡み合い、唾液が接合部分から数滴垂れて、地面に落ちた。そのことは気にも留めず、2人は長く舌を絡めあっていた。時間だけが過ぎていった。
セフィアは背中にあるクリフトの手をとり、自分の胸に押し付けた。
クリフトは柔らかい感触に驚き、唇を離した。2人をつなぐ透き通った糸が一瞬だけでき、地面へと消えていった。
「セ、セフィアさん?」
「…ドキドキしてるでしょ?クリフトがこんなに近くにいたことはなかったから。
 …でも、もっとクリフトが欲しいの。もっと私を愛して欲しいの。わがまま言ってごめんね」
「セフィアさん……。分かりました。もしも、嫌なことがあったらちゃんと言ってくださいね。
 どんなときでも、理性だけはしっかりと持ってますから…」
そう告げ、クリフトはセフィアの衣服を脱がした。何も身に着けていない異性を見るのは生まれて初めてだった。
セフィアの頬がほんのりと赤く染まり、胸と秘所を手で覆い隠した。
「恥ずかしい……。私、マーニャみたいな胸はないし。小さいときからいっつも剣術を教えられてて、
 こんなに腕が太いし。私、女としては魅力ないよね…」
セフィアがため息交じりで言葉を漏らした。クリフトはその言葉を聞き流すように、自分の服を脱ぎ始めた。

クリフトは服を脱ぎ終えると、セフィアを丸太の上に座らせた。そして自分も座った。
セフィアのほうには目線を向けず、地面の雑草を見つめてセフィアに話した。
「セフィアさんはセフィアさんですから。比べる必要はありません。魅力的な女性だと、私は思っていますよ」
「クリフト……」
セフィアはクリフトの名前を言うと、何も身に着けていない胸にクリフトの手を置いた。
「私を本当に愛して」
セフィアは言葉を残し、丸太の上に仰向けに寝た。その上にクリフトが覆いかぶさった。
セフィアの胸にクリフトはちゅっと、唇を当てた。セフィアの胸はぷるっと揺れた。
クリフトは小さい突起物を口に含むと、乳飲み子のようにゆっくりと吸い始めた。
徐々にセフィアの胸の突起は硬く大きくなる。息もだんだんと荒くなっていく。
セフィアの突起が大きくなると、クリフトは舌先で転がすように舐める。
セフィアが刺激を受け、声を漏らす。
「あっあっ…」
クリフトは胸からわき腹へと舌を動かしていく。もうすでにセフィアの体はうっすらと汗をかいていた。
そしてわき腹からセフィアの秘所へと舌を動かす。秘所に舌が近づくたび、セフィアは喘ぎ声をあげた。
「ふぁっ、んっ…。あぁん…」
クリフトはセフィアの秘所に手を置き、割れ目を少し開いた。割れ目の中に舌を入れると、セフィアは体をぶるっと震わせた。
秘所からは熱い密が流れ出し、秘所を覆い隠す毛と密が絡み合っていた。
クリフトが蜜を舌で舐めるたび、じゅるっという音がしていた。
「あん、んんっ、あああん…あん…」
セフィアは自分が声を上げていることに意識はあったが、それを止める気持ちはなかった。
この快感を途中で止めて欲しくない、もうクリフトに全てを挙げたいという気持ちだけが残っていた。
「んあっ、あぁ、ひん…クリフト…来て…」
セフィアの秘所は何かを欲しがるかのようにひくひくとしていた。
「力を抜いてください…。初めては痛いと聞いていますので。あと、1つ。本当に私でいいんですか?」
セフィアは無言でうなずき、クリフトに全てを任せることにした。
クリフトはセフィアの秘所の入り口に、自分の天を仰いでいる剣を当てた。
そしてゆっくりと腰を沈めていった。にゅるっと最初は入ったが、途中でクリフトの進入を拒むものがあった。
それでも腰をゆっくりと沈めていく。抵抗するものを裂いたような感触がお互いにあった。
その2人が結ばれている秘所からは、赤い血が一筋流れていた。
同時に、セフィアの顔に苦痛の色が見えた。抵抗していたものは、セフィアの処女膜だった。
「うぁ…ぅいた…痛い…。いあ…ぃあぃ……」
セフィアの顔には脂汗が流れていた。クリフトは腰を動かすのをやめ、呪文を唱えた。
「ホイミ!」
呪文を唱えると徐々に秘所からの出血は止まり、セフィアの苦痛を訴える顔はなくなっていった。
が、疑問に思ったことがあるようで、剣が入ったまま体を起こし、クリフトに問いかけた。
「…アリーナと、したことあるの?」
「いえ、ありません。でも、なぜそのようなことを?」
セフィアの目には涙がたまっていた。涙で声がかすれていた。
「…だって…、初めてにしては色々知っているみたいだし…。
 さっき痛かったときにホイミをかけてたし。……本当に、アリーナとは何も無いの?」
クリフトは下を向いているセフィアの顔を上げ、再び唇を重ね合わせた。そして耳元でささやいた。
「私もいろいろと…。神の教えに反する本を読んだこともあります。
 ただ、理性で止めていました。知識だけはあったんです」
セフィアの目から涙が一滴落ちた。その涙はクリフトの太ももへと落ちた。
「ごめんなさい、疑ったりして。わがままばっかり聞いてもらって…。
 クリフト、続けよう。全部…愛して」
クリフトはセフィアの体を抱きしめた。そして突き上げるようにゆっくりと腰を動かし始めた。
「あふん…あん、あんっつはんああん、うんあううんあん…」
クリフトが突き上げるたび、セフィアは快楽の声を上げた。愛する人と結ばれている喜び、愛する人に一番近い自分…。
そのことだけを思って、声を出していた。

ぎりぎりまで引き抜き、そして1番奥まで突き上げる。セフィアの秘所もそれに受け答えるように、クリフトの剣を締め付ける。
秘所の敏感なところがこすれあうたび、セフィアは体をびくんっと跳ねさせる。
「ひゃあん!ひいん!」
セフィアの秘所から滴り落ちる密は、クリフトの剣の潤滑油となり、いっそう動きを激しくさせた。
「んっ…うあん…!あぁああああぁん…頭が…あぁっは…白く…」
セフィアは絶頂への階段を上り終えようとしていた。セフィア自らも腰を振り、クリフトを離さないようにと、無意識のうちに手をまわしていた。
クリフトもそれに答えるかのように、パンパンと音がするくらいまで腰を打ちつけた。
「さい、…ごはセフィ、アって呼、んで…」
「ううっ、セ、フィア…もう…大丈夫だから……」
セフィアの秘所の締め付けがいっそうきつくなり、限界を迎えた。
クリフトは膨張した剣を引き抜くと同時に、先端から白い放物線を放った。白い放物線はセフィアの白い肌へと落ちた。

クリフトは着ていた服からティッシュを取り出すと、自分の放った白い液を拭った。
そして、快感の余韻にいたセフィアに服を着るように話しかけた。
お互い服を着終えると、体を密着させて座った。長い沈黙が続いたが、先に口を開いたのはセフィアだった。
「私ね…、誰にもつらいなんて言えなかったの。皆が私のことを勇者、勇者って言うから。
 勇者なんだからしっかりしなきゃって。でも、1人になると、いつも不安だった。
 また私は1人ぼっちなんだって。だから、いつも見張りのときは泣いてた。
 でも、クリフトが私のことをちゃんと分かってくれた。本当にうれしかった。
 私、これからもクリフトのこと好きでいていいよね?」
クリフトはセフィアに微笑みながら、言葉を返した。
「もちろんです。私は、セフィアさんを好きですから」
「ありがとう。でも、何で最後は中で出さなかったの?」
クリフトは顔が赤くなり、下を向いて説明した。
「もし中に出して、セフィアさんに赤ちゃんができてしまうと、戦いのときに迷惑をかけてしまうと思って」
「クリフトって、やっぱり優しい。だから、大好きなの。ねえ、今日はここで寝ていい?」
「ええ、いいですよ。それでは、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
セフィアはクリフトに膝枕をしてもらうと、すやすやと寝息を立てて眠りについた。
不安を感じることの無い笑顔であった。

クリフトは夜が明けるまで、見張りを続けることにした。
時々幸せそうに寝ているセフィアの顔を見ながら。

雲が1つも無い、星の輝く空の下での出来事だった。
2008年05月11日(日) 20:15:20 Modified by dqnovels




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