二人の新婚初夜

「なんだか恥ずかしいなぁ・・・」

金髪の美女が、モジモジと呟く。
結婚初夜、しかも幼い頃からの想い人との結婚初夜、彼女は自身の故郷のアルカパで夫と二人で宿屋に泊まった。
彼が連れていた魔物は、夫・リュカの親友であるラインハット王が兵たちの調練も兼ねて当分預かってくれるとの事で、二人きりでの時間も持てそうだった。

「どうしたのビアンカ?」
「あのお化け退治の後にお別れしてもう会えないと思ってたのに、結婚できちゃうなんてね、って思ってね。私の初恋だったから、不思議な気分よ」
「僕も同じだよ。年上で、腕白だったビアンカがこんな美人になって、僕のお嫁さんになってくれるなんて信じられなかったからさ」
「もう、腕白は余計よっ」

昔のように威張って見せて、ビアンカは思わず吹き出した。
何もかもが昔のままだ。
ただひとつ、二人が大人になっている、ということを除いては。
月明かりに照らされた寝室で、どちらからともなく抱きしめあった二人は、三度目のキスを交わした。
二人が唇を離すと、互いの桃色に染まった顔がそこにはあって。

「これで、三回目、だね?」
「子供のときと、結婚式のときと、今ので三回だね」
「でも、これからはもっともっといっぱいキスするんだよね」
「うん、そうだよビアンカ。もっともっといっぱい、ビアンカが嫌っていうぐらいキスするから、覚悟してよ?」
「うん、覚悟するわ。・・・大好きよ、リュカ」

ビアンカがネグリジェを少しずつ肌蹴させていく。
美しく、豊満な胸。
白く細い首、腕。
引き締まっている腰。
すべてが、リュカの視覚を犯していく。

「ビアンカ、一緒になろう?」
「うん、私もリュカに初めてをあげるから、だから」

ビアンカが全裸になる、と同時に、リュカに抱きつく。

「優しくしてね?」

リュカは答えない。
ただビアンカに、小さくキスをするだけだ。
それが何よりの答えだと、ビアンカは理解していた。

二人、ベッドの上で向き合う。
互いに離れていた時間が長すぎて、相手の成長に驚いたりもするが。

「わ。リュカの、こんなに立派になっちゃってる・・ちゃんと口でしてあげられるかな」
「ビアンカのここも、なんだかいやらしい匂いがするよ」
「じゃあ、一緒に、せぇのでやりましょう」
「うん、それがいいね」
「じゃあ、いっせぇの、で!」

ビアンカの掛け声で、二人は互いに前戯を始める。
リュカはビアンカにクンニを、ビアンカはフェラチオを。
いわゆるシックスナインを始めた。
とは言っても、二人とも初体験。
不器用で、下手なのは仕方がない。

(はむはむ・・・リュカのが大きすぎて口に入りきらないよぉ・・)
(ビアンカのここのお汁、少ししょっぱいや・・)
(あ・・・リュカのから何か出てきた。飲んじゃえっ)
(ビアンカのお汁、溢れてきたよ。飲みきれないかなぁ)

ただ目の前のものを舐めたりしゃぶることでいっぱいの二人は、しかし気持ちよくなりつつあった。
愛おしさが募り、最愛の人を悦ばせようと躍起になるのも、この二人らしいといえばらしい。

(あ、リュカのがピクピクしてる・・・どうしたんだろ?ふぅぅ、でも、リュカの舐めてるところが気持ちよくて・・変になっちゃいそう・・)
(ビアンカ、腰がヒクヒクしてるよ・・。可愛いなぁ。・・・う、ビアンカの舐めてる所が気持ちよすぎて・・・何かでちゃうよ)

自身の体が徐々に絶頂に向かうことを知りつつ、二人は愛撫を重ねる。

互いに、どちらからともなく愛撫は終わる。
見事すぎるほどに勃起したリュカのペニス、淫猥すぎる程に愛液を垂れ流すビアンカ。
二人は一度離れて見詰め合うと、一緒に息を吐き出した。

「じゃあリュカ、私の初めてをもらってください」
「うん。君を僕のものにするよ」

リュカは優しくビアンカを寝かせると、自分のペニスをビアンカの膣口に当てる。

「・・・行くね」

リュカはそう告げると、ゆっくりと挿入していく。
しかし未使用のビアンカの細い秘所が、みちみちと悲鳴を上げる。
ビアンカの顔にもありありと恐怖、そして痛いという感情が浮かび出ていた。

「だ、大丈夫かい!?もうやめておこうか?」
「だ、大丈夫なわけないでしょう・・・・?でも、いいの、リュカになら、リュカのためなら耐えて見せるから、私の初めてをもらって・・!!」
「・・・・・・分かったよ。君の初めてを、もらう。せめて痛いのが一瞬ですむようにするからね!」

リュカが一思いにビアンカの処女を、奪う。
ビアンカの顔が激痛に歪み、彼女の膣からは純潔の証である鮮血が流れ出る。
小動物のようにリュカの胸の中で震える彼女を、彼は優しく抱きしめた。

「ごめんね、大丈夫かい?」
「だ、大丈夫じゃないわよぉ・・・!こんなに痛いなんて・・知らないわよ・・・」
「もうやめようか?」
「それは、ダメよ・・。確かに痛いけど、大事な初めてだもの。最後までやって?」
「・・・・じゃあせめて、君の痛みが引くまで待ってるよ。そうでないと、君を苦しませるだけだからね?」
「うん、ありがとう・・・」

ビアンカは、あぁ、と息をついた。
そして、痛感する。
長年別れていても変わらない優しさを持つ青年が、自分の夫であることを。
密かな自慢である黄色の髪を撫でられながら、ビアンカはすこしだけ痛みが和らいでいく感覚を覚えた。


しかしビアンカとリュカの望みとは裏腹に、その夜と翌日は、ビアンカが痛みから解放されることはなく、二人が真に結ばれるのは残念ながら先送りとなった。
それも、リュカがビアンカを怖がらせたくない、痛い思いをさせたくないと願ってのことだった。
仲間モンスターたちと合流した二人は、これから待ち受ける運命も知らず、ただ今の幸せをかみ締めながら旅路を行く。


その後、彼らが勇者の親となり、魔の手から世界を救うことなど、まだ誰も知らない・・。
2008年12月27日(土) 21:09:52 Modified by test66test




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