多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。


キュトスの姉妹結界の六十二妹

65番目。混濁のヲルヴォーレ。ヴォルフォーレとも。ストロベリーより後代。
錬金術師。水銀と王水を発見。硫黄(死納豆?)をフィルティエルトと研究した。ある種の電磁波を水銀に照射することで金を生成できる(が効率が悪く採算が取れない)亊を発見・隠匿した。当時の水銀の中に含まれていた不純物のうちの金を凝集させただけでないかと後に指摘される。
理知的。
研究に没頭するあまりあまり風呂に入らない。というか研究室から出てこない。
インターヴァル毒花と化学研究を行う。副産物として化粧品の幾つかを開発した。また化学薬品も精製しているようだ。
コキューネと仲が悪い。人格に直接手を加えて変更する亊を忌み嫌っている。

累卵の記述項

累卵の記述項
2-65ヲルヴォーレ・ヴォルフォーレ

「混濁」

水と油は相容れない。
だが、彼女はこれらを相容れさせる。
完全な名前先行で、名前はストロベリー命名。ある路の王によって能力が付加されたがその内面・性質については全く触れられないまま、フィルティエルトの友人、錬金術師、銃の開発者としての設定のみが出来上がった。
実の所、銃で有名なフィルティエルトは彼女が銃を開発するまで銃を持っていなかった。
フィルティエルトを語る上では重要な人物なのである。
が、ストロベリーに言わせれば「フィルティエルトという姉妹の強度を高めるための土台の一つ」でしかないらしい。

星見の塔の一室に篭もって怪しげな研究を続けている。
頼まれれば誰にでも力を貸すが、フィルティエルトの頼みだけは絶対に聞かない。
銃を作った時に何かあったらしい。

ちなみに作った銃は【愴銃】【喜銃】、そして【産卵管】の三つ。



誕生後、基礎原体としての魂魄を市井の少女に託された彼女は十数年の期間を一般人として過ごした。
そこで彼女は普通の両親や友人に囲まれまっとうに生活していたが、両親の間には諍いが絶えなかった。
両親は共働きであり、子供である少女にかまけている時間が余り無かった。二人は常に帰りが遅く、また朝早く出かけるので家族が揃うことは稀だった。
夫は妻に仕事をやめることを要求し、妻は譲らなかった。夫婦は互いに不満を持ち続けた。
ある時、休暇を貰った両親が家族揃ってハイキングに出かけようと提案した。少女は喜んだが、そこでも両親は些細な事で喧嘩を始め、外出は中止になった。
それから父親は娘に会う度に口癖のように呟く。俺たち夫婦は水と油みたいなものなんだ。
母親は娘に会うたびに言う。もっとちゃんとした人がいれば、私たちは幸せになれるのにね。
ちゃんとした人、というのがどういった人なのか、少女には分からなかった。
ちゃんとする、ということがどのようなことなのか、母親は説明しなかった。
娘は母親から見知らぬ男性を紹介され、幾度か会うようになる。不信が募り、父親に打ち明ける。
破局が訪れた。母親の心は他の男に移り、離婚が協議された。
幼い少女は両親を等しく愛していたが、見知らぬ男は恐ろしかった。彼女は父親に引き取られる事を選んだ。
お前は清らかな水だ。父親は言った。母親とは違う、混じり気の無い水、「ちゃんとした」人間なんだ。
少女は父親の言う事が良く分からなかったし、何故自分が母親と違うのか理解できなかった。
ただ、父親の言う通りに、両親は水と油で、見知らぬ男は油らしい、ということだけはおぼろげに理解した。
そして、自分と父親は水らしい、ということも、父親は念入りに教えてくれた。
父親は家庭を顧みるようになり、たった一人の娘を大切に大切に扱い、壊れ物のように接し、また愛した。
やがて少女は成長し、世の中には水は水同士、油は油同士で固まり、また水と油以外にも様々なモノが存在している事を知った。同じ「モノ」が集い、仲良くし、愛し合うのだということも理解していった。
ある日、少女は自分と同じ「水」らしい少年を見つけ、共に多くの時間を過ごすようになった。
少女と少年はお互いを好き合うようになり、様々な場所へ出かけ、やがて全ての恋人同士がそうなるように、深く求め、愛し合った。それからほどなくして、少女は自宅に少年を招きいれた。
招待された少年は、そこでも少女と愛を確かめ合い、そして当然のような顔をしてその二人の行為に及んでいた部屋に父親を招きいれた事に愕然とした。そして少女は父親とも事に及ぼうとする段に至って、ようやく自分を愛していた筈の少女が自分の父親にも同じ感情を向け、同じ行為を行っていた事を理解し、激怒。
事態は露見し、父親は逮捕された。少女と少年の関係は破綻した。
少女は何故そのような事態が起こったのか、まったく理解できないでいた。
水は水と混ざり合う筈であり、水同士が愛し合う事は不自然なことでは無い。父親はそう教えてくれたし、母親やあの見知らぬ男をはじめとする多くの人々もそれを示しているように思えた。少なくとも、彼女はそう理解していた。
水であるはずの少年と父親、そして自分は愛し合える筈だった。・・・等しく。
やがて脱獄した父親が少年を殺し、自らも自害するに至って、少女は自分が信じていた理念が音を立てて崩壊するのを感じた。

彼女は同じモノ同士ならば理解し、愛し合う事が可能なのだと思っていた。幸福になれるのだと思っていた。
水と油という違うモノ同士が一緒になり、不幸になった様を見てきた彼女にとってそれは真理だった。
そしてそれは、周囲の人々が実証していた。彼女の周囲では水と油が反発し合い、しかし同じモノ同士は同調し共存していた。
ならば、なぜ自分達はまちがってしまったのか。ひょっとして、自分は水ではなかったのか。だから反発してしまったのか。
わからなかった。彼女はついに自分でその答えを出すことが出来なかった。
しかし、ただ一つ。水と油が混ざり合うことさえあれば、このような悲劇は起こらなかったのではないか、と。
ありえない事実を空想して、彼女の人格形成は終了した。


ヲルヴォーレとして再臨した混濁の魔女は、自らは相容れないモノを混濁させる事で幸福になれるという信念を持っていた。
それはもはや信仰と言っても良いものであり、相反するモノが相容れず、同一のモノが相容れるというあたりまえの事実に狂的な忌避感を示しすようになる。
【相容れないモノ同士は、混濁しなくてはならない。相容れるモノ同士もまた、完全に合一してはならない】
調和と不調和の両立を語るその瞳はどこか遠くを見ているようであり、またひどく虚ろであったと言う。
**
キュトスの姉妹の第65番、混濁の『ヲルヴォーレ』。ヴォルフォーレとも。
錬金術師。水銀と王水を発見し、硫黄(死納豆)の性質をフィルティエルトと共同で解き明かした。
錬金術の目的である金の生成がある種の電磁波を水銀に照射することで可能である事に気づいたが、採算が取れないので技術ごと闇に葬り去ったと言う。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/7039/...

表記ゆれ

ヴォルフォーレ、ヲルヴォーレ・ヴォルフォーレ、ヲルヴォール・ヴォルフォール、wolvohle

関連リンク

其の他のリンク

アマゾンアソシエイト

管理人連絡先

amogaataあっとまーくyahoo.co.jp

紹介サイト


メンバーのみ編集できます

メンバー募集!