最終更新:ID:Bbk/DH21Jg 2015年08月10日(月) 15:40:01履歴
男子会も終わった数日後の、ある日。
アナグラのラウンジには――このアナグラで働く、様々な女性が集まって、いわゆる『女子会』というものを行っていた。
ブラッドからはシエル、ナナ。第一部隊からエリナ、防衛班からはカノン、ジーナ。クレイドルからアリサ。
その他にも、極東支部で保護を受けているレア博士や、整備班のリッカ――オペレーターのフランやヒバリ、世界で活動しているユノや、そのマネージャーのサツキなどなど。
男性陣はただひたすらに食って騒いでといった感じだったが、女性陣の話のテーマといえば『恋』。
そう、今まさに、アラガミが現れるまで放映されていたという『ドラマ』のようなドロドロとした恋愛の話が繰り広げられている。
「それで、シエルさんは、す、す……好きな人はいるんですか?」
アリサが控えめに話を切り出す。
彼女もまた、今は遠征に行っていていない、極東支部に彼ありとまで言われる凄腕のGEに恋をする一人の乙女だ。
「私は……えっと、その、ブラッドの、隊長のことが、す、好き、です……」
ボンッ! という音とともに破裂してしまいそうなほど顔を真っ赤に染めたシエル。
一方、同じブラッド隊に所属しているナナはあっさりとしたもので、
「うん! わたしも隊長のこと好きだよ〜」
あっさりと自分が好意を寄せる人物を明かした。
「わ、私も先輩のことが好きですっ!
え、えっと、年下ですけど……頑張ってますっ」
負けじと話に割り込むエリナ。ブラッドの隊長(唐揚げ好き)の彼には『可愛い後輩』という認識しかされていないのだが、そこら辺に突っ込むのは野暮だ。
「ユノさんはどうですか?」
シエルが問う。
「ここでは自分に正直になってくださいね!」
エリナがさらに念を押していく。
「え、えっと……私も、その、彼のことが……」
サツキ、驚愕。思わず頬をつねり、それから「現実なのね……」と呟く。そう、これが現実なのである。
「私たちは……」
「ライバル、ってやつだね〜!」
「ま、負けませんから!」
「私も……負けないから……!」
「待ってください」
四人の冷戦に割り込む女性。
オペレーターのフランだった。
「私も彼のことが好きです。彼は、普段目立たない私にも、感謝の言葉をかけてくれますから……」
顔を赤く染める。
「そういうわけですので、私も譲りませんよ」
「くっ……」
「これは激戦だね〜!」
「先輩と付き合うのはわたしです!」
「絶対に……!」
「恋、って大変なんだね。9歳だからかなぁ、全然わからないよ〜」
「キュルッ」
それを笑いながら見つめる、少女と一匹。
前第一部隊隊長に思いを寄せる組に続く。
「アリサ、バレバレだぞ〜」と、コウタに言われたのはいつだったろうか。
自分では結構頑張って隠しているつもりだったのだが、それもそうか、恋心を自覚してからというもの、顔を合わせるだけでロクに喋れないほどだ。
神機使いの模範と言われている、アリサのような優秀なGEでも、恋には勝てないのだ。
「そうね……彼が以前、目を怪我した時に眼帯をつけていたわね。
『ジーナさんとお揃いですねー』と言われて、ふふ……すごく興奮したわ」
唐突に切り出すジーナ。
独特の価値観を持つ彼女であるが、しかし形に多少の違いこそあれど彼女もまた前第一部隊隊長に想いを寄せる一人だったらしい。
今日も相変わらず嘆きの平原だが。――もう一度言おう、嘆きの平原だ。
「んー、冷やしカレードリンクを照れながら差し入れしてくれた彼の可愛さったらなかったよ」
多少ドヤ顔をしながら話すリッカ。イマイチ掴みどころのないような人物だが、しかしそれでも一人の乙女ということか。
まぁ、彼の神機を整備していたのは彼女だけだったのだから、その顔も当然と言えば当然なのかもしれない。
「だ、だったら、誤射をされた時の怯えた表情を見たことがあるのは私だけだと思います!」
「……」
……。
「…………」
…………。
「………………」
………………。
ノーコメントだった。『お前それは直せよ』という言外の視線がスピアの如くカノンに突き刺さる。
誤射をされて怯えた顔を見て喜ぶのはカノンだけだろう。いや、本当に彼のことを愛しているドン引きロシアンガールの彼女ならば喜ぶかもしれないが。
「ふふ、皆さん元気ですね」
ヒバリが皆の話し合い(冷戦)を見ながら、ニコニコと花が咲いたような笑顔で言う。
「そうね……でも、悪いことではないと思うわ。きっと、彼らを救って、彼らに救われていなければ、彼女たちも好意を寄せることはなかった。
運命って不思議」
「全く、その通りですよね」
ヒバリとレア博士。
接点はないように思えるが、実は意外とレアはヒバリにお酒を作ってもらったりしている。
そういうことをしているうちに仲良くなっていくのも、自然なことだった。
「毎日は、ここにいる皆さんの物語の集合体ですから」
アナグラのラウンジには――このアナグラで働く、様々な女性が集まって、いわゆる『女子会』というものを行っていた。
ブラッドからはシエル、ナナ。第一部隊からエリナ、防衛班からはカノン、ジーナ。クレイドルからアリサ。
その他にも、極東支部で保護を受けているレア博士や、整備班のリッカ――オペレーターのフランやヒバリ、世界で活動しているユノや、そのマネージャーのサツキなどなど。
男性陣はただひたすらに食って騒いでといった感じだったが、女性陣の話のテーマといえば『恋』。
そう、今まさに、アラガミが現れるまで放映されていたという『ドラマ』のようなドロドロとした恋愛の話が繰り広げられている。
「それで、シエルさんは、す、す……好きな人はいるんですか?」
アリサが控えめに話を切り出す。
彼女もまた、今は遠征に行っていていない、極東支部に彼ありとまで言われる凄腕のGEに恋をする一人の乙女だ。
「私は……えっと、その、ブラッドの、隊長のことが、す、好き、です……」
ボンッ! という音とともに破裂してしまいそうなほど顔を真っ赤に染めたシエル。
一方、同じブラッド隊に所属しているナナはあっさりとしたもので、
「うん! わたしも隊長のこと好きだよ〜」
あっさりと自分が好意を寄せる人物を明かした。
「わ、私も先輩のことが好きですっ!
え、えっと、年下ですけど……頑張ってますっ」
負けじと話に割り込むエリナ。ブラッドの隊長(唐揚げ好き)の彼には『可愛い後輩』という認識しかされていないのだが、そこら辺に突っ込むのは野暮だ。
「ユノさんはどうですか?」
シエルが問う。
「ここでは自分に正直になってくださいね!」
エリナがさらに念を押していく。
「え、えっと……私も、その、彼のことが……」
サツキ、驚愕。思わず頬をつねり、それから「現実なのね……」と呟く。そう、これが現実なのである。
「私たちは……」
「ライバル、ってやつだね〜!」
「ま、負けませんから!」
「私も……負けないから……!」
「待ってください」
四人の冷戦に割り込む女性。
オペレーターのフランだった。
「私も彼のことが好きです。彼は、普段目立たない私にも、感謝の言葉をかけてくれますから……」
顔を赤く染める。
「そういうわけですので、私も譲りませんよ」
「くっ……」
「これは激戦だね〜!」
「先輩と付き合うのはわたしです!」
「絶対に……!」
「恋、って大変なんだね。9歳だからかなぁ、全然わからないよ〜」
「キュルッ」
それを笑いながら見つめる、少女と一匹。
前第一部隊隊長に思いを寄せる組に続く。
「アリサ、バレバレだぞ〜」と、コウタに言われたのはいつだったろうか。
自分では結構頑張って隠しているつもりだったのだが、それもそうか、恋心を自覚してからというもの、顔を合わせるだけでロクに喋れないほどだ。
神機使いの模範と言われている、アリサのような優秀なGEでも、恋には勝てないのだ。
「そうね……彼が以前、目を怪我した時に眼帯をつけていたわね。
『ジーナさんとお揃いですねー』と言われて、ふふ……すごく興奮したわ」
唐突に切り出すジーナ。
独特の価値観を持つ彼女であるが、しかし形に多少の違いこそあれど彼女もまた前第一部隊隊長に想いを寄せる一人だったらしい。
今日も相変わらず嘆きの平原だが。――もう一度言おう、嘆きの平原だ。
「んー、冷やしカレードリンクを照れながら差し入れしてくれた彼の可愛さったらなかったよ」
多少ドヤ顔をしながら話すリッカ。イマイチ掴みどころのないような人物だが、しかしそれでも一人の乙女ということか。
まぁ、彼の神機を整備していたのは彼女だけだったのだから、その顔も当然と言えば当然なのかもしれない。
「だ、だったら、誤射をされた時の怯えた表情を見たことがあるのは私だけだと思います!」
「……」
……。
「…………」
…………。
「………………」
………………。
ノーコメントだった。『お前それは直せよ』という言外の視線がスピアの如くカノンに突き刺さる。
誤射をされて怯えた顔を見て喜ぶのはカノンだけだろう。いや、本当に彼のことを愛しているドン引きロシアンガールの彼女ならば喜ぶかもしれないが。
「ふふ、皆さん元気ですね」
ヒバリが皆の話し合い(冷戦)を見ながら、ニコニコと花が咲いたような笑顔で言う。
「そうね……でも、悪いことではないと思うわ。きっと、彼らを救って、彼らに救われていなければ、彼女たちも好意を寄せることはなかった。
運命って不思議」
「全く、その通りですよね」
ヒバリとレア博士。
接点はないように思えるが、実は意外とレアはヒバリにお酒を作ってもらったりしている。
そういうことをしているうちに仲良くなっていくのも、自然なことだった。
「毎日は、ここにいる皆さんの物語の集合体ですから」
このページへのコメント
シエルちゃんこそ主人公の嫁
あらら~これは面白い話だなぁ~ww
ここに二人の主人公がいたらどうなるんだろうな~www