(読み方:ゆるしたししずかにしずかにしらいきはく)

つらいよね、とっても辛いよね、「許せない」って言いたいのよね。
でも、理性が・道理が・やさしさが突き放すことを良しとしないの。
それで「どうしたら許せるか」って身体と相談して考えた行動なの。
感情が暴れないよう、そぉ〜っと・そぉ〜っと優しくなだめてるの。

暴れだした感情は暴風の激しさとなって、何もかも薙ぎ倒すのだわ。
そうならないよう、暴れ馬をなだめるように、必死でなだめるのよ。
御主人様に頼りたい状況だけど、今は多佳子様が橋本家の主なのね。
それにしても無責任に「気にしてないわ」って、言えない多佳子様。

己の心身を身代りにして許さなければならないって、辛くて苦しい。
その辛さを真正面から受け止めて乗り越えられた御一生だったのね。
御自分の心を厳しく律して、身体を傷めて、お一人で格闘なさった。
深く吸うのは構わないけれど「しずかに静かに吐く」のが健康的ね。

寒空の下で呼吸を整えられてて次第に、身体も呼気も凍っていくの。
冷たい外気を吸い込んで、体内の疲れた気と入れ替えてらっしゃる。
昂っていた感情もやがて静まり、血管を流れる血潮も冷静になるわ。
多佳子様を苦しめた原因はこうして封印されて眠りについたのだわ。

この句を詠んだのは昭和25年以前、多佳子様50歳以前だと思います。
現代と異なって、汗を流して気分を発散する習慣が無い時代でした。

(句集「紅絲」)
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橋本多佳子様の「白息吐く」を思いつつ、次下に子供を詠んでみました。

  白息の益々白き子供の輪    於多福姉

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