タバサは俺の○○

とりあえず、腰が抜ける前に開放された才人は。
名残惜しそうに見つめるアンをとりあえず浴場に案内して、自分は用事があるから、と学院内にシルフィードを探しに出た。
そしてアホ竜はすぐに見つかる。
というよりも、アホ竜が才人を発見した。

「捜したのねサイトーっ!『呪印』捕まえたのねーっ!きゅいきゅい!
 …って随分顔色悪いのね?」

シルフィードが指摘するとおり、才人の顔色は悪かった。当然である。
発情した牝奴隷が、一度咥え込んだ主人をそうそう離すはずもない。
ちなみに牝奴隷の攻め手が緩むまで本日は5ラウンドを消化した。
才人の顔は軽く青ざめ、心なしか腰が引けていた。

「ああ…そう見えるか…。
 実際しんどいよ、今日は正直もう寝たい気分」

なるべくなら、厨房によって生卵の2、3個も補充したいところではある。
しかし時間は昼を少し過ぎた頃。寝るには少々日が高い。
それに。

「何を言ってるのね!早く『呪印』を取り出さないと、あとの二人がやばいのね!」

そう言いながらシルフィードの広げた小さな紙切れには、二人の少女の名前。
タバサと、ティファニア。
この二人に、残り二匹の『呪印』が取り憑いているのである。
ちなみに『呪印』とは、人に取り憑き、その魔力を食らう、魔法生物である。

「今日中に二人ともなんとかしないと、たいへんな事になるのねー!」

『呪印』が食らうのは魔力。つまり人の心の力である。
心の力を食われたものはどうなるか。心の死んだ人間は…すなわち廃人である。
しかし。

「あとの二人って…イタヅラだけで済まないじゃん…」

げんなりした顔で才人は言う。
『呪印』を宿主から引き剥がす方法は唯一つ。
宿主を興奮させ、体内の活動を活発にさせればいいのである。
つまり、タバサとティファニアにイケナイ悪戯をして興奮させなければならないのであった。
だがそれこそが問題であった。
そもそもこの二人、才人と肉体関係がある。
タバサはここ数ヶ月で既に全身開発済みだし、ティファニアに至っては最近才人との関係が進展してなんだかはりきりつつあるのだ。
そんな状態で悪戯なんかしたら間違いなく、その代償に才人が廃人になることは目に見えていた。
そんな才人に、シルフィードが笑顔で緑色の丸薬を手渡した。

「大丈夫なのね!はいこれ」
「…ナニコレ」
「淫竜特製の精力剤なのね!コレ呑んで元気になるのね!」
「…どっから手に入れてんだよこんなもの…」

しかし背に腹は換えられない。
才人はその丸薬を手に取ると、丸呑みにした。

「すぐは効かないと思うのね。でも移動時間中に回復すると思うから」
「…そうなることを願うよ」

やっぱりゲンナリした顔で、才人は応える。
そして、シルフィードは元気一杯宣言した。

「さー、次はおねえさまの番なのねー!きゅいきゅい!」

私は知っている。
この感覚を。
何の感慨も沸いてこない、心のどこかにぽっかり穴が開いているような、この感覚。
そう、確か、シルフィードが言っていた。
『呪印』とかいう魔法生物が、私に取り憑いた時の感覚。
…いつの間に。というより、まだいたの?
私は椅子に掛けたまま、あのときの事を思い出していた。
サイトに、思い切り辱められた。
窓に押し付けられて。
外から見えるように。
思い切り脚を開かされて。
乱暴に、何度も犯された。

…とくん。

その回想に、私の中で何かが震える。
…あれ…?
前の時と違う。
前は、この程度じゃぜんぜん心が震えなかった。
というよりも、サイトに愛撫されている間ですら、身体だけが反応して心が一切動かなかった。
でも。
今は違った。
サイトとのえっちを思い出す。

…とく、とく。

背筋に軽い悪寒が走って、私の中を微弱な官能が走り回る。
…いつも自分でする時みたいに、乱暴な衝動じゃあないけど。
確かに私の心は震えている。
この『呪印』は魔力を、心の力を糧とする。
しかし、宿主の身体の中にいられるのは、宿主の心が震えていないときだけ。
羽虫が火に入れないのと同じような理屈だろうか。
だったら、心を震わせて追い出してしまえばいい。
…あの時、サイトが私にしたみたいに。
きっとサイトは来てくれる。それまで、私は私の勇者が来るまで、心を震わせていればいいんだ。
私は椅子の上でショーツを脱ぐ。
つう、とショーツと私の女の部分の間に、粘液の糸が渡される。
そこは、サイトと逢うまで、ずっと一生使うことはないだろうと思っていた場所。
今は、彼を悦ばせるためだけに存在する、彼のためだけの場所。
そして将来は…彼がよければ、なんだけども…。
うんと、彼の子を…孕むための、場所。
…ちょ、やだ、私何考えてるのかしら…っ!
その想像に、また心が震える。頬が熱くなる。
よ、よし、この調子で…!
そして私は妄想する。
一番、恥ずかしい事を。彼にされて、一番、嫌で、恥ずかしくて、死にそうになることを。
それは、『あの行為』を彼に見られること。
汚いものを吐き出す自分を、彼に見られること。
それを、想像する。

…ちゅく。

指が、自然に股間に伸びていた。
そこは、自分の妄想で、とろとろに融けていた。

…やっぱり私、変態さんになっちゃったのかも。
恥ずかしくなるのがキモチイイ。すごく、ゾクゾクする。
こんなの、普通の女の子は考えない。絶対に。
…こんな、淫乱で変態な女の子は、だれも娶ってくれないだろう。
それがたとえ、ガリアの王族でも。
だから私は、心に決めている。
私は彼の物。ずっと一生。
私に刻まれた彼の刻印は、一生消えない。
彼の跡をなぞる様に、指が勝手に動く。
湿った私の中を、指が前後する。

ぐちゅ、ぐちゅ。

だから、サイトには、責任を、とって、もらわなきゃ…。
ゆびで、硬くなった所を押してみる。

ぷちゅ、くちゅっ!

きも、ちいい…っ!
こんな、えっちな、あ、あな…。
えっちな、か、からだに、されちゃったんだから…。

「サイト、さいとぉ…」

声が、かってに…!
でも、よばなきゃ…!
わたしは、考える…。
さいとに、あのひとに、見られてるって…。えっちな、だめな私をいっぱい…。
やだ、みないで…!でも、もっと見て……!

「さいとぉ…!は、はやくぅ…!」

ばたん!

突然扉が乱暴に開いた。
来た。来てくれた。
私の、勇者様…!

「助けに来たのねおねえさまーっ!」

お前は呼んでない。
私は全力で隣の椅子に立てかけてあった杖を、シルフィードの脳天めがけて放り投げた。

「痛いのね、酷いのね〜」

杖の直撃を顔面に食らったシルフィードは、真っ赤な顔を抑えてうずくまり、ひんひん泣いていた。
タバサはそんな使い魔をいつものように冷たい目で見下ろした後、すぐ後ろの人物に気がつく。
そして、その直前までしていた行為と、両の足首に引っかかっている濡れたショーツを思い出す。
タバサの頬に朱が注した。
そして、思わずそんなタバサを注視してしまった才人に言い放つ。

「…何見てるの」

普段の彼女ならそんな事は言わないはずだ。
思わず泣きそうになり、真っ赤になってその場にしゃがみこむだろう。
『呪印』の影響だと、才人もタバサも理解していた。
すぐに、タバサはその事を謝る。

「…ごめんなさい」

タバサはすぐに謝るが、その間にも『呪印』の影響か、昂ぶった心が冷めていくのが分かる。
また、あの時と同じ。
いや、少し違う。
今、タバサはこの場から立ち去りたいという衝動に駆られていた。
才人がここにいるというのに、羞恥を感じる心も冷めているというのに。
前の『呪印』と違う…?
タバサがそう疑問を感じた瞬間。

「今だチャンスだ!なのねー!」

突然のシルフィードの叫びとともに、タバサの周囲に、光の輪が現れる。

「ぷろてくとほ〜〜るど!」

シルフィードはいつの間にやら魔法の詠唱を終えていたらしい。
タバサの周囲に現れた光の輪が一気に縮まり、両腕と足を拘束する。
タバサは自分を拘束するシルフィードを睨む。
その目はすでに自分の使い魔を見る目ではなかった。
場末のチンピラにでも向けるような、冷たい目であった。

「くぅ、『呪印』の影響なのね!おねえさまがこんな目でシルフィを見るなんて!」

悔しそうにシルフィードは拳を握り締めるが。
才人は容赦なく突っ込む。

「普段と変わんないんじゃねえの?」
「そんなことないのね!シルフィとおねえさまは鉄の鎖よりも硬い『使い魔の契約』で結ばれて」
「…解消できるなら契約解消したい」

拘束されたタバサからも、容赦ない突っ込みが入る。
シルフィードは開いた口が塞がらなくなった。
そして。

「あーもうわかったのね!
 おねえさまには最高の恥辱をプレゼントしてやるのねっ!」

キレた。
シルフィードはすたすたと部屋の隅にある棚に寄って行く。
まさか。
タバサはある事に思い当たる。
そしてそれは的中する。

「あったのね…。コイツでひんひん言わしてやるのねー!」

シルフィードが棚から取り出したものは。
二本のガラス瓶と、箱。
どうしてシルフィードが、これの場所を知っているの…!?
タバサの瞳が、驚愕に見開かれる。

「そ、それは…」
「くっくっく。その通りなのね。
 おねえさまがいっちばん恥ずかしい事を、サイトの前でしてもうのね…!」

シルフィードがぱちん、と指を鳴らすと、タバサを拘束していた光の輪が動き、両足を強引に開かせる。
短いスカートの内側から、真っ白なタバサの肌と、濡れた桜色の牝の器官が露になる。
それを見つめる才人の喉がごくりと鳴った。
床の上で人の字にされたタバサは、必死に懇願した。

「や、やめてシルフィード、お願い…!」
「もー知らないのね。シルフィは完全にトサカにきました」

シルフィードはタバサの懇願をそう受け流し、無常にも箱を開けてしまう。
そこから取り出されたのは、大きな注射器と、羊の腸でできた、耐水性の細いチューブ。チューブは片方の先端が三重に折り曲げられ、固められてこぶのようになっていた。
シルフィードはてきぱきと注射器とチューブをつなぎ、注射器の中に角ばった青いほうのガラス瓶の中身を注ぐ。
軽い粘りをもったその液体は、注射器を満たす事なく空になる。
それを見たタバサは蒼白になる。

「だ、だめ、原液で使ったら…!」

この薬は本来、薄めて使用するものなのだ。

「…なあシルフィード、なにそれ?」

才人の疑問に、まずタバサの顔が真っ赤になる。
シルフィードはそれを見て満足そうに嗤う。

「聞いて驚くのねサイト。
 おねえさまは、サイトにお尻でしてもらうために、これでお腹をからっぽにしてるのね…!
 さあ、サイトの前でおもらししてもらうのねー!」

シルフィードはノリノリで原液の詰まった注射器の先から伸びるチューブを、タバサの肛門へ持っていく。
タバサの顔が、羞恥と恐怖に歪む。
やだ。サイトの前で、そんな、そんな…!
タバサの頬を、涙の筋が伝った。

「いや、お願い、やめて、それだけはっ…!」
「くくくくく…何を今更…!さあ、中身をぶちまけて、特殊な趣味の皆様をさんざん悦ばせるがいいのね…っ!」

ごすん。

「いったーい!何するのねサイト!?」

そんなシルフィードの後頭部を、才人の拳が直撃する。

才人は言った。

「いーかげんにしろ。シャルロット泣いてるだろ。
 それに、ほれ」

才人の指差した、僅かに覗くタバサのお腹の上に。
複雑な文様が、浮かび上がっていた。
先ほどの責めで興奮したタバサから、『呪印』が剥離していた。

「さっさと捕まえろよ」
「く、くう、仕方ないのね…!」

本来の目的を思い出したシルフィードは、呪文を唱える。

「風の韻竜、イルククゥの名に於いて。我は汝を封印する」

詠唱が終わると、シルフィードの手から光が伸び、剥離した『呪印』を捕らえる。
それはシルフィードがいつの間にか手にしていた一冊の本に、吸い込まれる。
これで、『呪印』の封印は完了した。
そして。

「さー、それじゃあシルフィは次の『呪印』を捜しに行かなきゃなのね」

逃げようとしたシルフィードの首根っこを、才人ががっしりと掴んだ。
ぎぎぎぎ、と大量の冷や汗と共にぎこちなくシルフィードが振り向くと、そこには笑顔の才人が。
そして、その奥には。
怒りのあまり完全に表情の消えた、雪風の二つ名を持つ、シルフィードの主人がいた。

「じゃあ、お仕置きされてみようか?」
「いーーーーーーやーーーーーーーーーー!」

どかぁん!かっきん!ばこばこばこばこばこばこばこばこばこばこばこばこ…ぼりっ。

「…今日はこの辺で勘弁してあげる」
「…は、はひ。もういたひまへん…」

吹っ飛ばされ体を半分凍らされひたすら杖で頭を小突かれて、シルフィードは半死半生で床に転がされた。

「さてと。んじゃ次の『呪印』捜しに行かないと」

それを横で見ていた才人は、そそくさと部屋を出て行こうとした。

しかし。

「…待って…」

その背後から掛けられる、鳴きだしそうな少女の声。
…いや分かってるんだけど。ここで振り向いたら負けだって。
理性がそう囁くが、才人の本能はそれよりコンマ5秒早く、才人を反転させていた。
そして、理性の予想どおり。
才人の振り向いたそこには。
ベッドの前で、両手でスカートのすそをたくしあげ、本気度2000%の潤んだ目と、火照った頬で、才人を見つめる青い髪の少女。
もちろんスカートの下ははいてない。白いニーハイソックスと黒いローファー以外は。
ごくり、と才人の喉がなる。

「…お願い」

消え入りそうな声で、タバサが囁く。

「ガマン、できないの…」

何が、と聞くほど空気が読めない才人ではなかった。

「して…」

そこまで言ったタバサを。
才人は、彼女の予定通りベッドに押し倒したのだった。

『呪印』の抑制の解けた私の心と身体は、サイトの愛撫に過剰なほど反応していた。
それが証拠に、サイトに押し倒された時点で、私の心臓は痛いほど脈打っている。
私の唇を乱暴に塞ぐサイトの耳に、この恥ずかしい音が届いてるんじゃないだろうか。
そして、そう考えると同時に、背筋を這い回る恥辱によるたまらない悪寒…快感。
恥ずかしい…でも、キモチイイ。
羞恥の感情が快楽に繋がるなんて、絶対おかしい。
私の中の『常識』が、たまらない快感に嬌声と蜜を溢れさせる私の身体を否定する。
でも…否定するたび…否定されるたび…。
股間から、どうしようもないほどいやらしい粘液が溢れてくるのがわかる。背筋を、快感が駆け回るのが分かる。
サイトの声が、愛撫と一緒に耳元で囁く。

「シャルロット…今どんな格好してるかわかる?」

え…?
私は、今まで甘く流れ込んでくる快楽を受け止めるのに精一杯で、自分がどんな格好をしているのかなんて気にも留めていなかった。
その質問と一緒に、サイトの責めが停まる。
いつの間にか。
サイトは私の両足首を掴んで、私の身体を二つ折りにしていた。
頭の上まで足が来て…私の…あそこが…。
丸見え…!

「見える?シャルロット、こんなにべちょべちょ」

お尻の向こうで、サイトが…。
濡れた私に…!

ちゅるるるっ!

「あひぃ!」

舌で塗れた部分を舐められた私の喉が勝手に鳴る。
物凄く恥ずかしい格好をさせられて。
それでも、私の身体は歓喜に吼える。
心で否定しても、駄目。

「やだっ、こんなっ、恥ずかしっ…やだぁ!」

声にも出してみるけど…駄目。
私の身体は意思を完全に無視して、びくびくと震える。
腰の奥の器官が、サイトを、牡を欲して高鳴る心臓よりも強く脈打つ。
私の牝の顎から、牡を欲する唾液が、どんどん分泌される。
私が高まっていく。高められていく。
喉がいやらしく謳って、限界が近づいてくる。
やだ…きちゃう…きちゃう!

「やっ!らめぇ!もっ、いっ、くぅっ…!」

ヤだ!サイトがなかにいないのにぃ!なかに、ほしいのにぃ…!やだやだやだや……、
だ──────────………………………………………………。

タバサが絶頂の余韻から目を醒ますと、才人の上でうつ伏せになっている自分に気がついた。

「…サイトの意地悪」

乱れた半裸の状態のまま、タバサは軽く朱に染まった頬で才人を半眼で見上げ、文句を言う。
それは、恥ずかしい格好で逝かされたことに対する抗議。
しかし、身体を完全に才人に預け、胸板に頬を寄せて掌で才人の身体を撫でながら言っても説得力はない。

「…ンなこと言って、シャルロット思いっきり感じてたじゃんか」
「…しらない」

才人の言葉に、拗ねたようにぷい、とそっぽを向いてしまうタバサ。
それでも、タバサは才人の上からどこうとしない。彼の体温に肌触りに、もっと融けていたかったから。
もっと密着したくて、タバサは足を動かす。
すると。
太股の内側に、熱くて硬くてぬるぬるしたものが当たった。
それは、先ほどからタバサの欲しているもの。
タバサの腰の奥の牝の器官が、その刺激に完全に覚醒し、牡を喰らえとタバサを動かす。
潤んだ目で、タバサは才人を見上げた。
視線が絡み合う。
才人はタバサの視線の意味を汲み取り、タバサの両脇を抱え、抱き上げる。
タバサはそのまま才人をまたぎ、馬乗りになる。タバサの桜色に染まった白い臀部が、脈打ち、屹立する才人に押し当てられる。
タバサの視線が訴える。才人は軽く頷いた。
愛する人の許可を得たタバサは、膝立ちになると、腰を浮かせる。
真っ直ぐ天を衝く肉棒をまたぐと、それに指を添えて、自分の入り口に押し当てる。
牝の期待に溢れた蜜が、牡の唾液と混じりあう。
入り口に押し当てられる温度と硬さに、タバサの喉から溜息が押し出される。
もう一度、タバサは才人を見つめる。

「いいよ。シャルロットの好きにしな」

今度は、言葉で応えてくれた。
歓喜に震える心が、身体を動かす。
腰が自然に下がり、ずぶずぶと才人を飲み込んでいく。
身体を削られる快感が、タバサの喉から牝の啼き声を溢れさせた。

「あ…はぁっ…!」

それでも無意識に、タバサは声を絞る。
それは、恥ずかしいからではない。
サイトが、そうしたほうが好きだから。サイトが、そうしたほうが興奮するから。
愛する男の悦ぶことを、この青い髪の小さな少女は、完全に知り尽くしていた。
そして、その小さな体はあまりにもスムーズに、才人を奥まで咥え込んでしまった。

ごり…。

小さな少女の膣道は、男の剛直で奥を押し上げられる。

「はぁ、はぁ、はぁ…」

奥を犯される快感に、荒い息をつきながら、タバサは才人の胸板に両手をつく。
そしてそのまま、奥に当たる才人の感覚を愉しむ。

「シャルロット…動かないの?」

才人の言葉に、タバサは、行為の最中とは思えないほど、優しく笑って応えた。

「サイトにおくまでされてるの…キモチイイの…」

それは答えになっていなかったが、才人はそれに満足した。
そのまま動かず、動かないタバサを優しく見守る。
二人の中で、快感が静かに高まっていく。

「あっあっ…びくびくって…してるぅっ…」
「シャルロット…気持ちいいよ…」
「隙ありなーのねー!」

そんな二人の睦言を、アホ竜の声が引き裂いた。
アホ竜は青い髪をなびかせ、全裸で背後からタバサに抱きついた。
空気の読めない自分の使い魔に、振り返りながらタバサは、行為の最中とは思えないほど、冷たい視線を送る。

「引っ込め」

その声は二つ名の『雪風』のごとく、完全に冷え切っていた。
しかしアホ竜は怯まない。

「コレ見てもそんなこと言えるのかー?なのねー!」

その手には、一本の青い張形が握られていた。
それは、どこかで見た形。

「そ、それ…!」

タバサの顔が驚愕と羞恥に染まる。
シルフィードは才人に貫かれたタバサを抱き締め、その顔の横で『才人に向かって』説明を始める。

「これはねー、おねえさまがオナニー用に買ってきた張形なのねー。でねえ」
「し、シルフィ…!やめなさ…」

止めようとしたタバサの口を、左手で器用に封じてしまう。
その力は意外に強く、タバサが両手で引き剥がそうとしても、適わなかった。
そして、タバサとシルフィードの下敷きになっている才人は、その話に興味をそそられた。
腰を浮かそうとしたタバサの臀部を掴み、もう一度奥まで犯す。

「ふぅぐぅーっ!?」
「で?続き聞かせてよ」

恥辱に抵抗するタバサを腰を捻りながら快感と力で抑え込み、才人はシルフィードを促す。
シルフィードは、右手で張形を見せ付けるように、ぷらぷらと指先だけでつまんで揺らしてみせる。
そして続けた。

「これね、サイトのおちんちんと同じ形なのね。
 おねえさまったら、ケースに並んでるコレ見ただけでサイトのだって気付いたのね」
「ふ、ぐぅーっ?」

どうして、どうしてアナタがその事しってるのっ…!?

心の中でそう尋ねるタバサの声を、使い魔であるシルフィードは受け取った。

「ふふん。シルフィを甘く見ちゃダメなのね。
 おねえさまがそわそわしながら一人で街に出かけるときはたいがいえちぃ道具を買いにいくときだから、こっそりつけてったのね。
 でねえ、サイト。おねさまがコレ使ってどういうことしてるか知りたくなぁい?」

悪戯っぽく笑うシルフィード。
その心の中に、絶叫が響く。

やめて!お願いやめて!そんなこと、サイトに教えないでぇ!

涙交じりのその声に。

「もー遅いのね。
 サイトも知りたいでしょぉ?」

シルフィードは拒否を示した。
そして、才人の答えがタバサの絶望を後押しする。

「うん、知りたい知りたい」

より一層強くなるタバサの力。
しかし捻りをいれて奥を犯され、力が抜ける。

もう…だめぇ…!

タバサの心が絶望と…とんでもない羞恥の快楽に塗りつぶされる。

「それはねぇ…こうしてるのね…!」

ずぶぅ!

シルフィードが張形を持ち替えてタバサに密着すると。
タバサの目が大きく開かれ、そして開放された口から嬌声が漏れた。

「あっひ───────────────!」

才人を容赦なく締め付け、絶頂するタバサ。
そして、才人の剛直に、タバサの締め付け以外の刺激が襲ってくる。
それは、薄いタバサの肉を挟んで、感じる硬い異物。

「おねえさまったら、コレでお尻でオナニーしてるのね。
 お尻で張形でオナニーで感じるなんてとんでもないへんたいさんなのね。きゅいきゅい」

言いながらシルフィードはタバサの肛門に突き刺した張形をゆっくり引き抜く。

ぶじゅじゅじゅじゅじゅ…。

肉を巻き込む音をさせ、才人の一物に張形の振動とタバサの脈動が伝わる。
感じなれた異物の排泄感と脈打つ牡の快感に、タバサの意識が強制的に覚醒する。
絶頂の嵐が、タバサを襲っていた。

「やぁ!らめぇ!こわれっ、こわれ、ちゃうっ!」

タバサの中で、乱暴な快楽が弾け、才人を締め付ける。
同時に括約筋もぎゅうぎゅうと締まり、才人そっくりの張形を締め上げる。

「ぎちぎちなのねー?おねえさまひょっとしてイきまくってるー?」
「あ、ひ、や、めぇ…はっ、あっ、もっ、らめえ…!」
「突く、たんびに、逝ってる、みたいだなっ?シャルロットっ?」

前後からの言葉責めにさらに絶頂しながら、タバサの肉体は意識を引き戻し、手放す。
そして、その責めは、才人の開放によって終焉を迎える。

「よ、よし、逝くよ、シャルロット、逝くよ───────っ!」
「いいのねサイト!おねえさまの中でいっぱい出しちゃえー!きゅいきゅい!」

どくどくどくどくっ!

「き、ひ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

最奥で牡の迸りを受け止め、最後の絶頂を迎えたタバサは、ことり、と才人の上で事切れたのだった。

そして才人とアホ竜のコンビは、気絶したタバサを寝巻きに着替えさせ、体を拭いて、ベッドの上に寝かせて、タバサの部屋から立ち去った。

「さーてサイト、最後の『呪印』捜しにいくのねー!」
「…なあシルフィード、シャルロットにあんな酷い事してお前」
「明日は明日の風が吹く!なーのねー!」

冷や汗ダラダラのシルフィードの中に、静かに燃えるタバサの怒りが伝わってきた。

…シルフィ。帰ってきたらお仕置きだから…。

シルフィードは心に響くその声に、後の事は考えない後の事は考えない後の事は考えない後の事は考えない後の事は考えない後の事は考えない、と何度も自分に言い聞かせる。
そんなシルフィードの中に、もう一度、今度は少し優しい声が響いた。

…でも、ちょっとはキモチよかったから…。

やっぱり、このご主人へんたいさんなのね、と思わず考えるシルフィードだった。

…半殺しでカンベンしてあげる。

「鬼!悪魔!変態ーっ!きゅいきゅい!」
「わ、いきなりなんなんだよシルフィード?アホの子みたいだぞ!」

廊下の真ん中でいきなり叫んだアホ竜に、思わず突っ込む才人だった。
2008年02月11日(月) 15:20:01 Modified by idiotic_dragon




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