「運動」Part4

2007/6/3「運動」Part4


出演:鈴木謙介、津田大介、森山弘之、外山恒一(ゲスト)、松本哉(ゲスト)

※以下の発言まとめは、正確な番組での発言とは異なる場合があります。

MP3その7


鈴木:生放送を終えて引き続き外伝の収録をあんパンとビールを囲んでやってます。

外山:松本君が完全に寝る体勢にw

鈴木:どうですか今日終えられて感想は。

松本:感想難しいね、よくわかんなかった。

鈴木:今日みたいなラジオで喋るのは初めてですよね。

松本:初めてですね。自分でネットラジオはやってるんですけど。どうかなー。

鈴木:楽しかったっすか?

松本:いや、あんまり面白くない。。。

鈴木:あら。松本さん的にLifeを楽しくするにはどうしたらいいですかね。

松本:わっかんねーなー。

鈴木:ネットラジオだとざっくばらんなんですかね。

外山:っていうか眠いんでしょ?

鈴木:朝の四時ですからね。外山さんうぐいすパン食ってる場合じゃないですよ、どうですか今日終えられて。

外山:ディープなところまではいけないですよねー。

鈴木:僕ももっとディープな話したかったんだけど。ちなみに外伝はどんだけディープな話をしてもOKなんで。メールも読みましょう。メール、高円寺でお祭りに参加したものです。ラジオ聞いてますよ。私も選挙に立候補しちゃったし、運動起こす楽しみ実感しています。また飲んで、何かたくらみましょうね、という超私信が。
ラジオという回路を通じて私信が届くのは嬉しいですけどね。

松本:選挙出るっていうときに、同じ商店街でカフェをやってる女の子なんだけど、その人も勢いで立候補しちゃって。なかなかテンションの高い人が色々発掘できて面白かったです。

外山:彼女が立候補しなければ松本君は通ってたんじゃないかという。

鈴木:票が割れちゃったんだ。

津田:けっこう惜しかったんですよね。1000票くらい。

外山:彼女も1000票くらい取ったでしょ。

松本:いや、600〜700くらい。

津田:合わせると当落ぎりぎりくらいなんですよ。

鈴木:松本さん、次回ってのはあるんですか?

松本:次回。。。その場のノリでしょうね。今回の選挙で、次回って言ったら4年後ですからね。

森山:お二人は政治家にはなりたいんですか。

外山:僕は政権樹立を考えてますから、ファシストとして。

津田:党は作らないんですか。

外山:作りますよ、九州ファシスト党っていうのを。ただ僕自身は政治家向きのキャラではないと思っていて、党員の中から有望な若者を。

鈴木:それに絡んでメール、ゲスト二人に質問です、「運動」に勝ち負けはあるのでしょうか。松本さんは勝つ気しかないし勝ってきたとおっしゃってましたが。また、勝つために何を大事にしているのでしょうか。

松本:勝ち負けって言うのは、自分のやろうと思ったことができているかどうか。自分が言おうと思ったことが言えたら勝ち。たとえば俺は家賃をタダにしろって言ったけど、タダにできなかったら負けってわけじゃない。そういうことを言えて、伝えることができたのが勝ちかな。

外山:松本君に最終目標があるかどうかは分からないけど、最終目標と、とりあえずの目標ってあるでしょ。で、勝ち負けっていうと、とりあえずの目標を設定できてそれが達成できたら勝ちでしょう。今回の選挙でも、勝利したのは石原君と僕だけだと思ってるしね。

鈴木:それはどういう意味で?

外山:僕が選挙でやろうと思っていたことは全部できたんで。石原さんは当選することが目標だったわけでしょ。僕は騒ぎを起こして注目させて、僕の文章を読ませることが目的でしたからね。僕は最終目標にファシズム政権樹立ってのがあるわけで。

松本:俺ないなあ最終目標。

外山:ないよねw それこそレーニンが言ってるんですけど、革命運動っていうのは、政権樹立をやるまでは、敗北の連続なんだと。

鈴木:最終目標に同意するかしないかってのはあるけど、その勝ち負けが単純に分からないって人もいると思うんですよね。

森山:あえてでかい話にしていーすかー?

鈴木:なんでそんなガラ悪く入ってくるんですかw

森山:教育基本法改正とか、9条改正とかあるじゃないですか、どう思いました。

鈴木:でかいなー。

森山:僕いやなんですよ、絶対。

外山:僕はね、興味ない話なんですよ。9条の話ってあるでしょ。でもいま9条なんてないじゃないですか。僕はどっちかであるべきだと思っている。9条を残すのか、自衛隊、というか日本軍を残すのか。で、どっちでもいいと思ってるんですよ。政治思想的には軍備を持つべきだと思っているけど、憲法という基本法を守ることの方が大事。政府も守る気もない訳じゃないですか。守る気もないから、軍備を持たないと書いてあるのに、自衛隊を持つわけでしょ。そう言うことの方が許せない。憲法という国の根幹である法律を守らないことの方が許せない。でも、それをどっちかに決めればいいのかというと、もう憲法を守らないことになれてしまった政府が、今後憲法をどう変えたとしても、それを守ると思ってないんで。

森山:おっしゃることは分かるんですけど、じゃあたとえば9条を変えたとしてね、徴兵制ができるとするじゃないですか。自分の身の回りが徴兵にあうことはよしとしますか。

外山:事情によります。僕が賛成できる戦争であればやむを得ないと思うし、自分や自分の親しいものが行くことも含めて。でもイラクに行くとかには何の大儀もない。ああいうのは是々非々で考えればいいことで。

津田:でも今の日本政府が外山さんが納得できる大儀を持った戦争をやる可能性も低いですよね。

森山:うーん、絶対やなんだよな、大儀なんかどうでもいいっていうかさ。そんなことになること自体がいやじゃない。

松本:俺もいや。やっぱり9条は守った方が良いと思うのね。基本的に俺、暴力は反対で。俺、別に人を殴るのは暴力だと思ってなくて。

一同笑い

松本:ケンカとかそれくらいの話だったらね。ホントの暴力って言うのは組織の暴力だと思うんですよ。軍隊って言うのは、他の国の、例えば北朝鮮の兵士と個人的な恨みはないじゃないですか。でも上からの命令で恨んでもない人を殺すって言うのが暴力だと思うから。だから基本的に軍隊は持つべきじゃないと思うし、そのことは守るべきだと思う。俺がやってる素人の乱とか、自分たちで自分たちのことをやりたいって言うのからしても、違うと思うんですよ。外山さんが言うように、憲法が改悪されて徴兵制ができたとしても、俺はいきたくないんですよ。そこに従う必要はないけど、憲法を変えるというのは、向こう側の武器だと思うんですよ。だから守る気ないから興味ないとかじゃなくて、俺は絶対反対したいですね。

森山:運動論争とかどうでもよくてさ。9条変えないためにどうするかとかが重要なんだよ。

鈴木:じゃあそれ俺言っていい?それでいうと、俺、憲法まったく興味ない。学者としての立場をかなぐり捨てて言うと、まったく興味ない。つまり、誰も戦争なんか行かないと思うから。憲法が改悪?、改正?、されたとしても、諸手を挙げていく奴なんて誰もいないと思う。

外山:おかしな話で、憲法変えたからって戦争が始まる訳じゃないから。システムの話で、軍隊というのを持たないという国はそんなにないけど、しじゅう戦争してるわけじゃないでしょ。戦争をできる国にするということと、戦争をするということとは違う。

森山:今は第二次世界大戦前夜とは違うし、全世界の人が経験しているから同じ状況になることはないと思うけど。

外山:誰かが言ってたけど、核兵器ってのがあるってことは、戦争できないから問題っていうのがあって、それは賛同するんだよね。

鈴木:それでいうと、さっきのイラクの話もありましたけど、戦争っていう言葉を狭く取ると、今世界で起きているのは、内戦と、内戦に対する人道的干渉なので。で、それに大儀があるないって話はあるけど、僕の立場は、そもそも日本人にはそこに参加する能力がないって話。

外山:戦争はもう始まってるんですよ。

鈴木:自衛隊も海外に行ってるしね。

外山:だけじゃなくて、そこが僕、いま反戦を言ってる人たちとズレるところで、僕は日本も戦争をやっていて、それはイラクに派遣するという話ではない。アメリカが世界の警察を標榜していて、内戦というのはそう言うこと。多数派が少数派を、武力をちらつかせて抑圧するというのが内戦。だから自衛隊とも

津田:憲法とも無関係に内戦が日本で起きている。

松本:でも軍になったら敵がもっと強くなんだよ。

外山:や、軍は脇役だから。内戦に関しては。米軍ですら警察のように振る舞うわけだし、日本警察ですら日本軍のように、少数派に対して振る舞っている。

鈴木:僕はその感覚も分からないんですよ。雨宮さんとか、今は戦争だ、生存権が脅かされてるんだ、みたいな感じ。感覚として分からないのは、お前勝ち組じゃんって言われちゃったらしょうがない部分はあるんだけど。僕だって2、3年前は食うも困るフリーターだったけど、そんときも戦争だなんて思わなかったし。これからも多分思わないんですよ。

外山:僕は獄中にいたから言う訳じゃないよ。でも、今現在、逮捕されちゃいそうな危機感って感じませんか?

鈴木:番組前にもちょっと話出たんですけど、職務質問をされる、されないって話。僕、去年初めて新宿駅で職務質問受けて。「新宿駅をこんな急いで歩いてたら怪しいすかね」とかってへらへらしてたら、警官が、「鞄の中を見せて欲しいんですよ。最近はあなたのような人でもナイフとか持ち歩いてることあるんですよ」って言われて。持ってたらどうなんだよっていう。その場では当然そういう感じはあるんですよ。逮捕されて云々って想像力が働かないわけじゃないけど、ものすごく不謹慎な言い方をすると、それ、俺すっげえ面白いかもって思った。俺、物語ができるかもって。俺なんか不当逮捕とかされて、間違いなく世の中に対して訴えていい奴!みたいな。

外山:そうなんだけど、不当逮捕だとされないのが今なんですよ。

鈴木:あ、そうじゃなくて、不当逮捕なんだけど不当逮捕だって認めてもらえないって訴えられるじゃないですか。そういう風に自分の中で思えるじゃないですか。なんで自分の中で運動に参加できないとか、乗れないって人の立場を持とうとしてたかっていうと、要するに、大儀がないんですよ俺らには。

津田:俺でもさ、さっきチャーリーがいったさ、みんな戦争が始まるっていっても誰も行かないって言ったけどさ、逆にそこで運動に足を踏み出せないって人は、なんとなく行かされる気がするよ。

森山:決まれば行かされると思うな。

外山:誰が言ってたか忘れたけど、会社で紛争地域のボランティアに行くみたいなことが、会社のシステムになれば行くでしょう。

松本:今本当に過酷な労働の現場に行ってる時点で、戦争に行ってるのと同じなんだと思う。

津田:そこで、「戦争に行きません」っていうのは、ものすごい意志の力が必要な気がする。

外山:僕の問題意識とはずれていて、もう戦争に行ってるんですよみんな。オウム以来始まってることなんだけど、残虐な殺人事件が起きたときに、みんなでバッシングするじゃないですか。ああいうのに、それおかしいって声を上げられなくなってるし。

鈴木:これはひどいって言うのに対して、また左翼がみたいな空気は盛り上がってるんだけど、そうじゃないものってのが出てこないって話ですか?僕が、なんでいけないって言ってるかっていうと、ほっといていいとはいってなくて、今日の僕の立場はこれだけなんですけど、ちゃんと色々勉強したら、本当は行かない方法を選択するはずなんだけど、そうじゃない方向に流されていってるわけじゃないですか。

外山:だから戦争のイメージがね、どこかに軍人として行くって話になってて。。。

鈴木:今の社会に迎合してる時点で戦争に荷担してるってのはその通りだと思うんです。そのことに気付いてないとか、それは戦争だと思ってないとか、そういうことじゃないですか。グローバリゼーションでよく言うことだけど、サッカーボール一個作るのに、途上国の子どもたちがどんだけきつい労働をしてるかって話がある。サッカーボールを使ってる時点で、そういうのに荷担しているんだと。だから松本さんもやってるみたいに、フェアトレードのコーヒー買おうみたいな話になってくる。それって最初はどうだったかわからないんだけど。。。

外山:それは何かを経由してるじゃないですか、遠くの何かの問題と今ここを観念で結びつけてますよね。もっと直接的な話なんですよ。

鈴木:今のは比喩としていっただけで、直接的に荷担しているということがあるという前提を共有しているという話をしてるんですけど、で、その状況の中で、運動に参加できない人たち、多数派と呼ばれる人たちが戦争に荷担しているということを暴いていくという運動そのものってのは、たくさんあると思うんですよ、ネットでも新しい運動でも。

外山:僕、暴いてる運動ってあまりないと思うんだよな。

津田:俺も外山さんに近いな。

鈴木:そうかなあ。

外山:むしろ彼らは遠くの戦争に目を向けることで、現実に今日本社会が戦争だってことから目をそらしてると思って。

鈴木:それに近いなと思ったのが、メール、みうらじゅんは「アイデン&ティティ」の中で「不幸なことに、僕らには不幸なことがなかった」って言ってました。僕は本当は感じたことのないことにでも憤りを感じるなんたら運動には吐き気を催します。僕が本当に閉塞感を感じるのは、明確な不幸がないことで、同時に明確な目標が見あたらないことだったりします。
で、外山さんの立場は、不幸なことはあるんだよって立場じゃないですか。僕は多分、ないんだと思うんですよ。なんでかっていうと、それは僕の内面の問題だから。客観的によくないことと、不幸って違うじゃないですか。今日の話で、運動って自分の違和感から出てくるんだって話だった。だとするならば、違和感がない人は運動できないんですよ。

外山:うーん。

鈴木:っていう話をするとどん詰まりなのは分かってるんですけどね。

外山:それって動物化なんですよね結局。歴史的な文脈から切り離されてるから。それに対して超越的な視点がなければ、それがおかしいって言えない訳じゃないですか。で、僕は上から目線で言ってよいのだと思ってファシストになったわけですよ。

鈴木:わかります。僕は、上から目線にならずにどうやって上から目線でやることと同じことをやるかっていうのに、いますごい頭を使おうと思っていて。

外山:無理でしょ、だって個人の好みの問題にしかならないもん。

鈴木:多分その戦いの方が、ファシストになるより俺は面白いと思う。

外山:僕は、いま自分がいやだからやってるんだから、そのいやなことを拒絶するためには、対等な関係の中でやってたってダメだってことで。それは何か正義を実現するためじゃなくて、いやだからやってるわけだから、これを拒絶するためには、上から目線でやった方がいいんであれば、上から目線でものを言おうと思うし。

鈴木:その辺が多分、俺がたぶん、今日一番したかった話に繋がってくるんですよね。運動って上から目線なのか、下から盛り上がってくるのに任せておけばいいのかっていうのが最後絶対に問題になってくると思っていて、そこをほぐしたいので、一回ブレイク入れます。

「運動」Part5
2007年07月26日(木) 09:53:39 Modified by life_wiki




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