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それぞれの優しさ1

560 名前: スノウ ◆xvVhjaDbG6 [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:47:45 ID:gHCkDp82

誰もいないかな?
SS投下します

長編になっちゃいそうなんだけど…
とりあえず7レス

ティアナ→フェイト×なのは です

といいつつ今回はなのはは全然出てきません
ティアナ視点です


561 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:48:44 ID:gHCkDp82

――――フェイトさんに抱かれた。
ずっと恋焦がれてきたフェイトさんに。

機動六課発足のときに初めて会って、綺麗で優しい人だと思っていた。
そして強い人だと。
幼いときの辛い過去を背負っていると知り、それでもなお強くいるフェイトさんに
いつの間にか惹かれていった。
執務官補佐として声をかけてもらい、一緒にいる時間が増えるとともに
その強さと優しさに触れるたびに、思いは募っていった。

でも、フェイトさんの隣にはいつもあの人がいた。
隣にいるのが当たり前すぎて、あたしがどんなにフェイトさんに思いを募らせても
叶わぬ恋だとわかっていた。
だから一生この思いを伝えることなど無いと思っていたし
ましてフェイトさんの優しい手に触れてもらえることなどあり得ないことで
それを思い描くことすら許されないことだと思っていた。

だからそれは至福のときだった。
あの優しい手で触れられるたび、あの紅い瞳に見つめられるたび
涙が出そうなほど幸せな気持ちになった。
その指で高みに昇るときこれ以上の幸せなど無いと思った。

それはあたしの人生でもっとも幸せなひととき。
そしてあたしの人生でもっとも残酷なひととき。

あの優しい声で耳元で囁かれた名前。


――――なのは


それはあたしの人生でもっとも幸せなひととき。
そしてあたしの人生でもっとも残酷なひととき。



562 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:49:17 ID:gHCkDp82

「ティアナ、報告書はこれでOKだよ。相変わらず優秀だね」
「あ、ありがとうございます」
「ふふ、補佐官が優秀だと本当に助かるからね、こちらこそいつもありがとう」
「そんな、私なんてフェイトさんに比べたらまだまだですよ」
「ううん、このまま頑張ればティアナもすぐに執務官だね!」

フェイトさんは最近よくこういうことを言う。
もちろん、あたしとしても執務官は長い間の夢だったから嬉しい。
でも、あたしが執務官試験に合格してひとり立ちをするということは
フェイトさんの補佐も離れるということで……。

「ティアナ」

「え?あ、はい?なんですか?」
「どうしたの疲れてる?」
「いえ、何でもないですちょっと考え事を」
「やっぱり疲れてるんじゃないのかな?昨日次元航行から帰ってきたばかりだもんね
今日はもうこれで上がっちゃってゴハンでも食べに行こうか」
「え、あの、上がるのはともかくゴハンは……なのはさん達待ってるんじゃ」
「ああ、大丈夫だよなのはとヴィヴィオには今日は遅くなるって伝えてあるから」

フェイトさんはそういう人だ。
本来、長期の次元航行から帰ってきた後は数日はオフシフトを組んで
休みをとるのが普通。
だからシャーリーさんは今日はお休み。
でも今回の捜査は書類整理がかなりあったから
フェイトさんだけそれを片付けてから休むと言い出して……。
一人ではかなりの量だったので断るフェイトさんを無理やり言いくるめて
あたしもこうして仕事を手伝っていたのだ。
そんなあたしに気を使ってあらかじめなのはさん達には伝えてあったのだろう。
だとしたらそれを断るのはフェイトさんの気づかいを無駄にするということで。

「わかりました、ご一緒させてください」
「うん、ティアナは聡い子だね、そうしてくれると私も嬉しいよ」

ほんとは、フェイトさんの気づかいとかそんなのは関係無かった。
ただ私は一緒の時間が増えることが嬉しかったのだ。
一緒に食事をして、他愛もない話をして笑って
フェイトさんの運転する車で送ってもらって……
一生変わることの無い関係なら、せめて同じ時間を共有するだけでもと
それが私の小さな幸せなんだって思っていたから。
それ以上なんて求めていなかった……はずだった。



563 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:49:48 ID:gHCkDp82

執務官補佐の考査試験に合格し、フェイトさんの副官になってから数ヶ月。

強くて仕事が出来て、まさに私の目指す執務官というのは
この人のような人だと、日々少しでもフェイトさんの役に立てるよう
フェイトさんに近づけるようにとあたしは夢中で仕事をしていた。

一緒に過ごすうちに知ったこと、フェイトさんは優しすぎる――――
フェイトさんがすごく優しい人だというのはもともと知っていた。
六課時代も、なのはさんの訓練でくたくたになったあたし達に
いつも優しく声をかけてくれていたのはフェイトさんだったし。
キャロとエリオから、二人とフェイトさんの出会いの話を聞いたとき
私が涙を流したのは二人の切ない過去もそうだが
フェイトさんの優しさに触れたからだった。

捜査任務にあたったとき、フェイトさんはみんなに的確な指示を与え
ときには自分が前線を受け持つ。
当たり前だけど前線というのは一番危険が伴う。
いくら事前に調査していたとしても、得体の知れない敵がいる可能性もある。
それでもフェイトさんは真っ先に現地に赴いたりする。
それは無謀とも見える突撃だったりもすることもある。
なのに先陣を切るのは、そこに泣いている子供たちがいるから。

フェイトさんはいつでもその子供たちのため、自分のことを顧ずに救いに行くのだ。
あたしは心配になって何度も
「前線は私たちに任せて指揮に専念してください」
と直談判した……かったのだが、フェイトさんは周りもちゃんと見えている人で。
むしろあたし達が危険にさらされたときはそれをフォローしつつ
最後にはちゃんと被保護者を救い任務を完了させてしまう。

かといっていつでも自分が前線にいるわけでもなく
特に危険の無いような任務のときは、ちゃんと指示に徹底して
あたし達のような経験を積むべき魔導師たちを育ててくれる。

……完璧すぎて泣けてくる。
こんな人に近づくことなんて出来るのだろうか?
でも、こんな人の副官でいられるあたしは幸せなんだ
だからこそ頑張ろう、いつかフェイトさんと肩を並べられるように。



564 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:50:48 ID:gHCkDp82

今回の任務は、ロストロギアを悪用しようとしている組織の調査だった。
組織の殲滅までは任務に無かったのだが
調査しているうちに数人の子供が組織に囚われていることがわかり
その救出をすることになった。
もちろんフェイトさんが指揮をとり、率先して救出した。
数名の組織の人員が逃げ出したようだが
組織はまだ研究段階だったらしく、当面は再活動も無理だろうということで
子供たちを救出して施設を破壊したところで任務は完了した。

艦に戻り、ひとまずフェイトさんの執務室に二人で行く。
「ごめんねティアナ、いつもフォローにまわってくれてありがとう」
「そんなことよりフェイトさん、怪我してるじゃないですか!」
「ああ、これくらい平気だよ。それより保護した子たちを医療施設にお願いね」
「ダメです!子供たちはさっき他の局員に付き添いを手配しておきました
 今頃はもう医療施設に着いた頃ですよ、だからまずはフェイトさんの手当てです」
「そうなんだ……迅速だね、やっぱりティアナは優秀だ
 本当にありがとう、ティアナが副官でいてくれて私は幸せものだな」
「そ、そんなことは……あ〜もう!いいから手当てしますよ!」
「は〜い、ティアナ先生、優しくお願いね」
「ふざけてないで、早くバリアジャケット解除してください!」

あたしは救急箱を用意しながら、軽口をたたくフェイトさんを促して
バリアジャケットを解除したフェイトさんに執務官制服を脱いでもらう。
シャツの左肩の部分が裂けて少しだけ血がにじんでいた。

「っ痛……」

シャツを脱いでインナーに手をかけたフェイトさんの顔が苦痛に歪む。
怪我自体はそんなに深いものではなかったが、肩の関節が痛む様子。
どうやら亜脱臼でもしたのだろう、インナーを脱ぐ動作が辛そうだ。

「えへ、ごめんねティアナ、ちょっと失敗しちゃったみたいだ」
「失敗って……あんまり無理しないで、たまにはあたしにも頼ってください
 そりゃ、まだまだフェイトさんのフォローをするには力不足ですけど……」

――――違う、フェイトさんはあたしに頼らなかったわけではない。
子供を抱えていたフェイトさんへの攻撃を防ぎきれなかったのはあたしだ。
逃げ出すときの最後のあがきともいえる一撃から子供たちを守るため
フェイトさんは怪我をしたのだ。
散り散りに逃げる敵に意識を逸らされていたあたしのミスだ。

考えれば考えるほど自己嫌悪に陥ってしまう……。



565 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:51:30 ID:gHCkDp82

「ティアナのせいじゃないよ?」
「いえ、完全にあたしのミスです、フェイトさんに怪我までさせて……
 情けないです、こんなじゃ頼ってなんて言えないです……」
「泣かないでティアナ、ティアナは良くやってくれてるよ」

少し首を傾げて私の顔を覗き込みながら、フェイトさんは優しい声で慰めてくれる。
頬の涙を拭ってくれるその指先が優しすぎて、胸が詰まる。

「ふふ、じゃあ今ティアナに頼っちゃおうかな」
「え?」

急にいたずらな顔で何を言い出すかと思えば……。

「脱ぐの、手伝ってもらえないかな?」
「なっ!?それは……え?」
「だって、痛くてインナー脱げないし、たぶん下着もはずせない」
「…………わかりました」

インナーの裾に手をかけ、上にずらす。
フェイトさんの白い肌にドキリとした。
ブラジャーの黒いレースが見えてさらにドキドキして……。
あたしはどうしたんだろう?
任務にあたるときはほとんどの時間を一緒に過ごすのだ
着替えを見るのなんて初めてじゃないし、一緒にお風呂に入ったことだってある。
なのにどうしてこんなにドキドキするのだろう。

右腕をなんとか抜き、傷に触らないようにしながら
腕を動かさないように、そっと左腕も抜いてインナーを脱がせる。

左肩の傷を消毒してガーゼを貼って、亜脱臼については腕を固定した方がいいだろう
……と思ったところでブラジャーに目が行く。

「フェイトさん、これ」
「うん、たぶんはずした方がいいよね……」
「……ですよね」

手当て自体は無理をすればはずさずにも済むが
その後寝るときのことを考えたらやはりはずしておくのが無難だろう。
今のフェイトさんじゃ後ろホックには手が届かないだろうし。



566 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:52:10 ID:gHCkDp82

フェイトさんを座らせて、後ろに回る。
そしてブラのホックをはずした。
なぜか少し手が震えた。

人のブラのホックをはずすのなんて初めてかもしれない。
慣れないことだから緊張しているのだろう、最初はそう思った。
でもその考えはその後すぐに違うのだと気づいてしまった。

なるべくフェイトさんの胸は見ないようにしながら傷の手当てをする。
……ずっとドキドキしていた。
消毒液をつけたとき、冷たかったのか、それとも傷に沁みたのか
フェイトさんが少し肩をすぼめながら反応した。

「ん……」

すごく小さな声だったが、その言葉にさらに胸がドキリとした。
なぜか艶っぽさを感じてしまった。

……なぜ?

なぜとかではないのだろう、そのときあたしはもう気づいていた。
フェイトさんに女の色気のようなものを感じているんだと。

なぜそんなことを感じるの?
それも気づいていた、たぶんあたしは…………


フェイトさんのことが好きなんだ。



567 名前: それぞれの優しさ [sage] 投稿日: 2008/10/01(水) 04:52:43 ID:gHCkDp82

「ありがとうティアナ」
「いえ、とりあえずの応急処置なので……
明日本局に戻ったらシャマル先生にちゃんと診てもらってください」
「うん、わかったよ……あ〜なのはにも怒られちゃうな〜」


――――ドキン


「そうですね、でも怒られるより心配されちゃいますね」
「ん、そうだね、でも私たちはお互いさまだから」


――――そうだ、何を考えているんだろう私は


「なのはさんも教導官の仕事だけじゃなく前線に借り出されることもありますもんね」
「うん、だからお互い多少の怪我はしょうがないってわかってるんだ
 でも例え怪我をしても、必ずお互いのもとに帰ってくるって約束してるから
 だから頑張れるんだ」


――――フェイトさんを好きとか、どうかしてる


「相変わらずラブラブなんですね〜」
「ラブラブって……そんなのじゃないよ、大切な家族だから……」


――――フェイトさんにはなのはさんがいるんだから


「また〜どうせみんな知ってるんですから今さら照れないでくださいよ」
「照れてなんか……もうっ!ティアナったらからかわないで」
「ごちそうさまで〜す!」
「もうっ!」


――――でも、この気持ちに気づいてしまったから
――――あなたの元を巣立つそのときまで、思っているだけならいいですか?




それぞれの優しさ2
2009年08月30日(日) 17:53:40 Modified by coyote2000




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