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スバル×ヴィータ プレゼント

446 名前:スバル×ヴィータ プレゼント−1[sage] 投稿日:2007/12/09(日) 08:21:56 ID:IV2PEMi6
イルミネーションで彩られたクリスマスツリーの前は人で溢れかえっていた。
皆、恋人同士だろうか?
仲良く手を繋いだり、肩を組んだりして光の織り成す幻想的な光景に酔いしれている。
これはそんな様子を見ながら楽しそうにはしゃぎ合う、小さなカップルのお話・・・。

「えへへ・・・ヴィータ副隊長♪」
「ばっ、ばか!!スバル、やめろ!! 」
一人ツリーを眺めていたヴィータはいきなり抱きつかれて、危うく冷め切った缶ココアを落としそうになった。
すぐさま、後ろにいる自分より少し背の高い犯人に抗議の声を挙げる。
「ったく。落としたらどうすんだよ・・・」
「ははは、ごめんなさーい♪」
悪びれないスバルの笑顔を見て、ヴィータは大きく溜め息を吐いた。
ホントにこいつは・・・。
そんな風に笑われたら本気で怒れねぇじゃねーか・・・。
「まぁまぁ。そう思って副隊長の好きなココア、もう一本買ってきましたから、ね♪」
クスクスと笑いながらスバルはポケットから温かい缶ココアを取り出す。
「副隊長のために温めておきました♪」
「そりゃ、どーも・・・」
わざとらしく頭を下げながら、差し出された缶を手に取る。
受け取った新しいココアはスバルの言うとおり、程よく温かい。
まるで、こいつの笑顔みたいだな・・・。
柄にも無くそんな事を考えながら、ヴィータはプルトップに指を掛けた。

447 名前:スバル×ヴィータ プレゼント−2[sage] 投稿日:2007/12/09(日) 08:23:07 ID:IV2PEMi6
「でも、本当に人が多いですね・・・」
隣で缶コーヒーをすするスバルがポツリとボヤいた。
ミッドチルダの中心部に造られたこのツリーは毎年、沢山の人が訪れることで知られていた。
それに今日は週末。いつにも増して人通りは多い。
「まぁ、しょうがねーな。あたしらも来るのが遅かったし・・・」
「ヴィータ副隊長が遅刻しましたからね」
「うっ・・・」
スバルの突っ込みに言葉が詰まる。
確かに今日はスバルとの待ち合わせに30分も遅刻してしまった。
普段は時間を厳守するようにと何度も言っているのに情けないと自分でも思う・・・。
・・・でも、これにはきちんと理由がある。
「あ〜あ。私もあそこのカップルみたいにツリーの下で副隊長をぎゅ〜ってしたかったなぁ・・・」
「う、うるせー」
「それに私、寂しかったんですよ? 早く副隊長に逢いたかったのに・・・」
「わ、悪かったよ・・・ほら!」
不機嫌そうに言いながら、ヴィータはバックをゴソゴソと漁る。
お気に入りのバックから取り出したのは、雪だるまがプリントされた紙とリボンで可愛らしく包まれた小箱。
ふん、とぶっきらぼうにスバルに突きつける。
「・・・? 何ですか?」
「いいから開けてみろよ」
「いいんですか?」
「あぁ・・・」
スバルは恐る恐る、でもワクワクしながらリボンを解き始める。
まるで、クリスマスプレゼントを開ける子供のように・・・。

448 名前:スバル×ヴィータ プレゼント−3[sage] 投稿日:2007/12/09(日) 08:24:18 ID:IV2PEMi6
「これって・・・」
中から出てきたのは、ハートの形をした小さな小さなミルクチョコレート。
そして、チョコの上にはホワイトチョコレートで書かれた『LOVE』の文字・・・。
「ご、誤解すんなよ。 これは、はやてがなのは達に作ってたヤツの余りモノだからな!」
これは嘘だ。
本当は、ヴィータがチョコを作っているのを見たはやてが、真似してなのは達に作り始めたのだから。
「そ、その文字だって、シャマルがふざけて書いただけだからな!」
これも嘘だ。
文字を書くのに熱中しすぎたせいで、ヴィータは遅刻をしてしまったのだから。
シャマルに言われなければ、もっと遅刻していたかもしれないというのは絶対に内緒だ。
「あ、味もあんま期待すんなよ・・・」
そこまで言うとヴィータはぷいっとそっぽを向いた・・・。
「ヴィータ副隊長・・・嬉しいです、ありがとうございます♪」
「わ、わ! や、やめろよ! 離せよ!」
スバルは大事そうにチョコを仕舞うと、自分より一回り小さなヴィータをぎゅっと抱きしめた。
恥ずかしさのあまり仔犬の様にじたばたとヴィータは暴れる。
「えへへ・・・ヴィータ副隊長、照れてるぅ♪」
「うっ、うっせー。ほっといてくれ!」
「こんなにカワイイんですから放っておけないですよ♪」
腕の力を強めながら、スバルはクスクスと笑う。
そんなスバルの笑顔に顔を赤らめながら、ヴィータは心の底から思った。
あたしはホントに幸せモノだな、って・・・。
2007年12月09日(日) 08:38:50 Modified by nanohayuri




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