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金色の光を追い求めて

585 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:05:35 ID:cg0jf0wi
お久しぶりです。
早速ですが空気を読まずに、なのフェイ前提 大人ヴィヴィ→なのを投下させて頂きます。
5〜6レスで終わる予定。

・なのフェイ前提といいつつフェイトさんは出てきません。
・ちょこっとなのはさんが病んでる?かもしれません。
・ヴィヴィオがちょっとSかもしれません。
・大人ヴィヴィオが大好きです。
・アクエリアスさんの長編が非常に楽しみです。

余分なところもありましたが、ヴィヴィオはあくまで家族だとか苦手な要素があったらスルーしてくださいませ。

586 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:06:05 ID:cg0jf0wi
「私は、もうなのはさんの事をママだなんて思えない」


落とされた言葉は私の心に鈍い痛みを与えた。衝撃に思考がグラリと揺れる。
ふいに香った甘い匂いが鼻孔をくすぐり、漸く欠片程度の冷静さを取り戻すと、自分を組み敷いている愛娘を見ようと視線を向ける。
私の肩を押さえつけながら、今にも泣き出しそうな、苦痛と自嘲を含んだ顔で笑っているヴィヴィオ。

――どこかで。

見覚えのあるその表情の主を思い出そうとするが、押し倒された際に打ち付けた頭がズキリと痛みうまく思い出せない。
辛そうに顔を歪めるヴィヴィオに何を言ってあげればいいのか、どうすればいいのか分からずにただ、泣きそうな笑みを見続けていた。
ヴィヴィオのルビーとエメラルドのような瞳が濡れ、私に触れるだけの口付けを落としても抵抗出来ないままで居た。
一度だけではなく、何度も啄ばむ様に落とされる暖かさと雫に思考が溶かされて行くのを感じる。
けれども、心のどこかがキシリと音をあげて軋む。
彼女だけに許したその場所を奪われてしまったからだろうか?
心は罪悪感に染まっていくのに、唇だけが酷く熱い。


587 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:07:22 ID:cg0jf0wi
「なのはママが私の事を助けてくれたあの日から、私はなのはさんの事をママだと思えなくなった。……思いたくなかった」

やがてポツリと紡ぎ出された言葉に深く沈んでいこうとした思考が浮上していく。
頬に残ったヴィヴィオの暖かかった雫はゾクリとするような冷たさと共に流れ落ちた。

「でも、私はなのはママの子供だしなのはママもそれを望んでるって分かったから、必死に自分に言い聞かせてきた、でも」
「……ヴィヴィオ」

再び頬を熱く濡らす雫を止めようと頬に手を伸ばす。けれど、触れる前にヴィヴィオに捕らわれた。
ヴィヴィオは捕らえた指先に唇を寄せ、彼女の指先と一緒に床へと縫い付けられた。

「でもね。フェイトマ……フェイトさんの仕事が忙しくなってきて、なのはさんが泣いてるのを見て、
なのはさんに寂しい想いをさせるフェイトさんが許せなくなった。自分の気持ちを抑えれなくなったの」

ヴィヴィオが寂しいだろうからと、私が家に出来る限り家に居られるよう自分が頑張って働くと告げたフェイトちゃんは、
自分の仕事を日に日に増やしていた。それに伴い、家に帰ってくる事もここ数年あまり無くなってしまって……。
私達の事を大切に想ってくれているからこその行動だという事は分かる。
最初のうちは仕方の無い事だと思っていた。
帰ってこれない間も連絡は取っていたし顔も見ていた、けれど、広いベッドに一人で寝るのはどうしようもなく寂しかった。
自分の横にぽっかりと空いた空洞――いつもフェイトちゃんが寝ていた場所に身を横たえ朝を迎えた。
そこはフェイトちゃんの甘い匂いで満たされていてとても安心出来る場所だった。
けれど、夜が明け朝になる、それが何度か繰り返される頃にはフェイトちゃんの匂いは消え、私の匂いだけになってしまった。
再び沸きあがる寂しさを打ち消すよう、そこに存在しない彼女を求めても結局は虚しさが膨れるだけで、耐え切れず枕を濡らしてしまった事も一度きりではない。
ヴィヴィオに見られたら心配させてしまうだろうからと、
隠れて泣いていたのにある日見つかってしまって、「ママの事はヴィヴィオが守るからね」とどちらが親なのか分からない事を言われ抱きしめられた。

それが半年くらい前。


588 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:08:18 ID:cg0jf0wi
あの時は、単純に子供が母親の心配をする感情だと思っていた。
けれど、目の前のヴィヴィオを見る限りそうではなかったのだろう。
綺麗な瞳からはキラキラ光る水滴を幾つも零し、波打つ水辺のようにゆらゆらと揺れている。
何かを耐えるように、何かから逃れるように不安気に下げられた眉。


『……なのはが、好きなんだ』


――ああ。そういえばフェイトちゃんが私に告白してくれた時もこんな表情をしていたっけ。
家族になるとこんな所も似てしまうのだろうか?
最初に感じた懐かしさと、あの人の面影を残す愛娘に心臓がトクンと小さく音を立てた。
何かに見捨てられまいと、何かを必死で繋ぎ止めようとするこの表情は、どうしても彼女を思い出してしまう。

「私は、なのはさんが好き。大好き、愛してる。なのはさんが望むならずっと傍に居てあげるよ?
なのはさんを一人になんてさせないよ。ずっと、ずっと一緒に居てあげる。――なのはさんは?」

揺れる瞳の奥に見える、挑発的な力強い輝き。ああ……こんなところまで彼女に似てしまった。
トクン、トクン、と鼓動が早くなっていくのが分かる。
ダメ。そう思うのに止められない。

「……いよ」
「なに?」
「いいよ、ヴィヴィオの好きにして」

――もう、独りは嫌だよフェイトちゃん。


589 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:09:02 ID:cg0jf0wi
刹那、ヴィヴィオの大きな瞳が見開きやがて弧を描いた。
その瞳にすら、彼女を重ねてしまう。彼女には月が良く似合う。
……きっと、目の前のヴィヴィオにも月が良く似合うだろう。
けれど、フェイトちゃんが月なら、ヴィヴィオは夜空だ。
太陽を飲み込んで、月をその胸に抱く、夜空。

「本当にいいの?」

そう言いながら顔を近づけてくるヴィヴィオ。
私はそれにコクリと頷いた。

「愛してるよ、なのはさん……なのは」


――なのは。


ヴィヴィオの声に重なる柔らかい声。
聞き間違えようもないその声に、私の唇は自然と音を紡ぐ。
一回、十回、百回、何千、何億回と繰り返したあの言葉が。

「私も愛してる……フェイトちゃん」


590 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:09:33 ID:cg0jf0wi
自分の出した言葉を反芻し、理解するよりも前に、
互いの息を感じるほどに近くなっていたヴィヴィオの顔が歪んだ。

「……やっぱり、フェイトさんなんだ」
「ヴィヴィ」
「でも、」

ゆらゆらと、揺れていた宝石の瞳が次第に強い光を帯びていく。
妖艶な色気を伴うその光に、ゾクリと背中が粟立つ。

「すぐに私しか見えないようにしてあげるから」

――だから、覚悟してねなのはさん。
そう言って深い口付けを落としたヴィヴィオに口腔を貪られているうちに思考がゆるゆると溶けていく。
キスがうまいのもフェイトちゃんに似たのかな。

最後にそんな事を想いながら私は、ヴィヴィオの背中に腕を回した。

591 名前:空気ブレイカー[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 19:12:31 ID:cg0jf0wi
以上です。あと久々過ぎて忘れていました、タイトル。
上記のタイトルは「金色の光を追い求めて」です。

フェイトさんが結構かわいそうな事になってますが、この後どうなるんでしょうね?
自分で書いておいて未定です。でも続きません各自の想像に任せたいと・・。
さて、稚拙な文章でしたが楽しんで頂ければ幸いです。
2008年01月30日(水) 01:55:50 Modified by nanohayuri




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