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適材適所

27 名前: ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 11:54:45 ID:orNVVG89
空気を読まずに前スレ終盤で話題だったはやヴィを投下してみる。
稚拙な文章だがおつきあいよろ

28 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 11:56:56 ID:orNVVG89
これは八神家が海鳴に住んでいたときのこと。


夕食も済んで団欒のひと時も少ししたころ、シグナムがまだ足の思わしくないはやてを抱きかかえた。
「主はやて、お風呂が沸きましたのでお連れいたします」
「うん。いつもありがとな、シグナム」
定例行事とはいえ、はやては笑顔で応えた。
「お前はどうする?ヴィータ?」
シグナムは八神家の末っ子にも声をかける。
はやてが入るときはヴィータも一緒に入ることが多かった。
しかし当のヴィータはテレビを見たままぶっきらぼうに
「見たいテレビがあるからあとで」
と返事をした。
「そうか?ほんなら今日はシグナムが一緒に入ってくれる?」
テレビに見入って返事が適当になることはよくあったのではやては特に気に留めず、シグナムを誘った。
「わかりました。お付き合いします」
そういって二人はバスルームに消えた。
ーそのとき小さな手が拳を握り締めたー



29 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 11:57:58 ID:orNVVG89
ヴィータちゃん、これから何見るの?」
同じテーブルに座っていたシャマルが何の気なしに聞いてみるがヴィータから返事はない。
「ヴィータちゃん?」
少し不穏な空気を感じとったのかシャマルはもう一度呼んでみる。
するとヴィータはリモコンに手をやりテレビを消してから口を開いた。
「なあ、シャマル。あたしたちって成長しないんだよな、体」
「いきなりどうしたの?」
「いいから答えてくれよ」
「・・・基本的には、ね。魔力や体力は無限ではないからものを食べたり体を休めたりはしないといけないわ。
もっとも、はやてちゃんがいる限りは消滅しても元通りになるわね」
彼女らはプログラムだ。維持するための機能はあるが成長ーつまりは老化するようにはできていない。
「いまさらなんでそんなこと聞くの?」
シャマルは不思議になってヴィータに問いかける。あまりにもわかりきってることだから。
「そっか・・・じゃずっとこのままなんだな」
うつむきながらヴィータは言う。その表情には暗い影が落ちていた。
「ヴィータちゃん・・・」
シャマルが何かいおうとした時、いままで無言だったザフィーラが口を開いた。
「・・・魔力の強さは鍛錬により変化していく。主を守るために必要な機能だからな」
「・・・でも身体能力は変わらないんだよな?」
「肉体を変化させる魔法でも行使すれば別とは思うが・・・我々にはない技術だな」
「だよな・・・」
「どうしたのヴィータちゃん。なんか変よ?」
「なんでもねーよ!あたしは先寝るから!風呂は朝入るってはやてにいっとけよな!おやすみ!」
そういうとヴィータは駆け足で二階に消えた。
取り残されたシャマルとザフィーラはお互い顔を見合わせた。
「どうしたのかしら・・・わたしなんか怒らせちゃった?」
若干不安気になるシャマル。
「恐らく・・・」
「心当たりがあるの?」
「・・・少なくともお前が原因ではない。安心しろ」
「????」
ますますいぶかしむシャマルをよそにザフィーラはその場に伏せ、沈黙した。

30 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:02:43 ID:orNVVG89
次の日
「主はやて、そろそろ・・・」
恒例の入浴の時間。シグナムがいつもどうり声をかける。
「わかったよー。頼むな」
そしていつもどおりシグナムがはやてを抱きかかえようとすると・・・
「はやて!」
突然ヴィータがそれを遮った。
「きょ、今日はあたしが風呂までだっこしてくから!」
「へ?ヴィータが?」
突然のヴィータの申し出にきょとんとするはやて。
「おう。そんであたしも一緒に入る。スムーズだろ?シグナムは一人で入る派だしな」
得意げに語るヴィータ。しかしシグナムがそれを阻む。
「何を言っている。お前では無理だ」
ヴィータははやてとたいして背が変わらない。自明の理だ。
「んなのやってみねーとわからねーだろ!」
しかしヴィータは一歩も引かない。
「無理だ」
「無理じゃねー!」
二人が押し問答してる中、はやてが口を開く。
「・・・ほんならヴィータ、お願いできるか?」
「まかせろって!」
「主はやて!」
シグナムが心配して声を荒げるもはやてはそれを制す。
「ええから。ヴィータ、わたし重いけど大丈夫か?」
「はやてが重いわけねーです。じゃ、いくよ」


31 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:04:00 ID:orNVVG89
「はやてが重いわけねーです。じゃ、いくよ」
ヴィータはいつもシグナムがしているいわゆるお姫様抱っこになるようにはやての体を抱き上げる。
「ヴィータ、大丈夫?」
背中に回されたヴィータの手から震えを感じたはやては心配になる。
「へ、平気だって、こ、このくらい・・・!」
どう聞いても強がりだ。はやては少しでも負担を減らそうと首に手を回した。
「ふ、ふぎぎ・・・!」
顔を真っ赤にしながら主の体を抱えるヴィータ。
その必死さが天に伝わったのか、はやての体が車椅子から宙に浮いた。
「うわあ、ヴィータは力持ちさんやね」
笑顔でほめるはやて。
「当然・・・だろ。へへ・・・じゃ、お風呂場まで行くぜ」
そういってヴィータが一歩足をあげた。
そこが、限界だった。
「あ・・・」
「きゃっ!」
ヴィータのひざが折れた。
同時に腕から力が抜け、支えをなくしたはやては床に向かって落下する。
「危ない!」
すぐそばで待機していたシグナムが間髪いれずはやての体を抱える。
はやてが無事なことを確認すると、シグナムはヴィータに激昂する。
「あ・・・はやて・・・ごめんなさい・・・」
「それ見たことか!お前のわががまで主が怪我をされるところだったぞ!今は私がいたからいいものの、
騎士が自ら主を危機にさらすとは何事だ!お前は騎士失格だ!」
「う・・・うあ・・・」
ヴィータの声は悲しみにつつまれていた。

32 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:05:08 ID:orNVVG89
「シグナム・・・何もそこまで」
さすがにただごとではないと思ったシャマルが仲裁に入るが、シグナムは意に介さない。
「お前は黙ってろ。これは重要なことだ」
するといままで沈黙を守っていたはやてが口を開いた。
「なあヴィータ。なんで今日はいきなりこんなことしたん?」
「主はやて。今はそのような・・・」
「わたしはなんもないからええやん。ね、教えてな。ヴィータ?」
「・・・・・・・だから」
先ほどから嗚咽していたヴィータはうつむきながらも心情を吐露し始めた。
「はやてに他の誰かが触ってるのがイヤだから!
あたし以外のヤツがはやてに触るな!はやてはあたしが守るんだ!」
涙を流しながら叫ぶヴィータ。
「お前・・・」
さすがのシグナムも予想外の答えに戸惑いを隠せない。
「ヴィータちゃん・・・」
シャマルもさすがにどういっていいものかわからなかった。
と、そのとき主が口を開いた。
「とりあえず・・・わたしはお風呂に入るから・・・シグナム、お願いな」
「はやて?!」
「はやてちゃん?」
予想外な物言いに驚きを隠せない二人。
「なんでだよ!あたしがミスったから怒ってんのか?!」
ぐずりながらも抗議するヴィータを気にせず、はやては続ける。
「ヴィータも一緒に入るんやで?これは主の命令や」
強い口調ながらもその顔は優しかった。
「はやて・・・?」
「・・・・・・」
他の騎士たちも沈黙せざるを得なかった。



33 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:08:24 ID:orNVVG89
「ふ〜、ええ湯加減やねえ」
「・・・・・・」
共に湯船につかりながら、さっきのことがあったにも関わらずいつものままのはやてをヴィータは不思議に思っていた。
長いような短いような沈黙が流れる。
やがて、はやてがこちらに向き直って話し始めた。
「な、ヴィータ。人には適材適所ってものがあるんよ?」
「・・・・わかってるよ」
力もあって背も高いシグナムが運んでくれるのは正しいことだ、といいたいのだろう。
しかし、ヴィータの感情は納得できるはずもなく。自分の体のことは知ってるのに無茶をした。
はやてはヴィータのわがままを聞いて現実を教えたことになった。
「でも・・・シグナムでも・・・他人にはやてが頼ってるのはもう我慢できなくて・・・」
できることなら全部自分が支えてあげたい。しかし、その幻想は打ち砕かれた。
「だーかーらー、それはシグナムの適所やよ。ヴィータはヴィータにだけしかできんことがあるよ」
「あたしにだけ・・・?」
「そうや。・・・・ヴィータはわたしのこと、どう思ってるん?」
「ど、どうって・・・」
意地悪な質問だ。さっきのやりとりからすれば告白しているも同然なのに。
「わ、わかるだろ・・・?」
さすがに面と向かって言うのは恥ずかしかった。
「ん〜?わからへんからちゃんといってほしーなあ?」
どこまでも意地悪な主だった。
「・・・・・・・・・好きだよ。大好きだ。だれにも渡したくない。
シグナムにもシャマルにもザフィーラにだって!」
「ありがとな。わたしも、やで・・・」
にっこりと笑ってはやてはヴィータを抱き寄せ・・・キスをした。
「は、はやて・・・?」
いきなりのことに頭がついてこないヴィータ。
「これが・・・ヴィータの適所やで。わたしの恋人さん。シグナムにもシャマルにもザフィーラにも
できへん、ヴィータだけの場所や」
湯気のせいか照れかはわからないが、はやては頬を染めながら言った。

34 名前:適材適所 ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:09:39 ID:orNVVG89
「〜っ、はやて、はやてぇ!」
感極まったヴィータは嬉しさのあまりはやてにしがみつく。
「あたしがんばるから!はやてがずっと好きいてくれるようにがんばるから!」
もはや泣いてるのか笑ってるわからなくなった顔ではやての胸にヴィータは顔をうずめる。
「これからもよろしくな、ヴィータ」
はやてはいとおしげにヴィータを抱きしめた。
「あ、でもわたしたちのことはまだみんなには秘密やで?」
「え〜、なんでだよ。自慢しちゃだめなのかよ?」
「シグナムなんかに知られたら「主、そういうのはまだ早いかと思います」とかいって止めるで?」
「・・・絶対秘密にする」
「わたしたちだけの秘密、やで?」
「お、おう・・・」
そういって二人はまた口付けを交わした。


「・・・どうやらうまくいったようだな」
「ザフィーラ、わかるの?」
「感覚器官はお前たちより鋭いからな・・・シグナム」
「なんだ」
「ヴィータも主を思ってのこと、大目に見てやれ」
「わかっている。騎士の本分を忘れなければいい」
「家族としての本分もね」
「・・・・ああ」

八神家は今日も平穏だ。



35 名前: ◆JhF0qDQSSc [sage] 投稿日:2007/11/10(土) 12:13:04 ID:orNVVG89
はやてが無理とわかってヴィータに抱っこを頼んだのは
現実をわからせるためともしかしたらという期待をこめてのことです。
ヴィータのひたむきさが嬉しいのだと。
2007年11月10日(土) 14:04:05 Modified by nanohayuri




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