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本当に好きな人-前編

108 :名無しさん@秘密の花園 [sage] :2008/02/25(月) 23:44:14 ID:3mCFcyYl
109 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:44:59 ID:3mCFcyYl
110 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:45:44 ID:3mCFcyYl
111 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:46:03 ID:3mCFcyYl
112 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:46:27 ID:3mCFcyYl
113 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:47:07 ID:3mCFcyYl
114 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:47:31 ID:3mCFcyYl
115 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:47:55 ID:3mCFcyYl
116 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:48:17 ID:3mCFcyYl
117 :本当に好きな人 前編 [sage] :2008/02/25(月) 23:48:40 ID:3mCFcyYl
118 :名無しさん@秘密の花園 [sage] :2008/02/25(月) 23:49:11 ID:3mCFcyYl


なのフェイ投下します
六課解散後の話です
今回は前編です
9レス使用予定

注意書き
  • なのはがユーノと結婚してます
  • なのはもフェイトもうじうじしてます



「フェイトちゃんにご報告があります」
「改まってどうしたの?」
「実は……私、高町なのはは、この度、結婚することになりました」
「え…………? えっと、え…………?」
「ユーノ君と、結婚、することになったんだ」
「……」
「だ、だめ、かな……?」
「あ……、だめじゃ、ない、と思う……。おめでとう……」
「……ありがとう」
 世界が一瞬にして闇に包まれた。



――また、あの悪夢だ。
 フェイトは、ぼんやりと天井を見ながら独りごちた。息遣いが荒い。
 ナイトウェアは汗でぐっしょりと濡れていた。
 千々に乱れる心を落ち着けるように自身の胸倉をつかむ。
 瞼の裏に残るなのはの残像。フェイトはそれを消そうとして――諦めた。
 それが不可能なことだと知っていたから。
 忘れようとしても忘れられない人なのだから。
 為すがままに任せていると、フェイトの脳裏に悪夢とその後の出来事が去来した。

 悪夢は四ヶ月前実際にあったなのはからの『ご報告』。ユーノとの結婚を知らせるもの。
 この場面を何度夢でリプレイしたのだろうか。数えたくもない。
 なのはの結婚式はそれから丁度一ヵ月ほど後だった。
 挙式の日取り等二人の結婚式についてのことは全て右から左に流れていった。
 脳が認識を拒否していた。
 そんな中運良く仕事が舞い込み、それを理由に式には出席せずに済んだ。
 式場で号泣などという失態を晒すことにならなくて本当によかった。
 そんなことになったらなのはは困ってしまっただろうから。
 式以来、なのはとは連絡を取っていない。取れるはずがない。
 引きつった笑顔を見せ、涙声を聞かせる羽目になるのは目に見えていた。

 平静を保てるぐらい大人になれたらどんなにいいだろうか。
 このままではなのはと顔を合わすなんて一生かかっても無理なんじゃないだろうか……。

 フェイトは不吉な考えに頭を振ると、時計を確認する。午前四時。起きるにはまだ早い。
 だからといって、当然寝直す気にはなれず、汗を流すためにバスルームへと向かった。
 忌々しい悪夢という現実から逃げ出すように。急いで。



――また、あの時の夢か。
 なのはは、ゆっくりと体を起こすと苦笑しながら呟く。
 額に手を当て、頭を振るとぼんやりと夢について思考を巡らした。

 フェイトに結婚を報告した時の夢。繰り返し見る夢。
 どうして何度も見てしまうのだろうか。何か心に引っかかるからだろうか。
 この夢を見た後はいつも名状しがたい感情に捕らわれる。
 それは、捕らえどころがなくて。もやもやとしていて。
 胸を締め付けられ、苦しくなって、結局、頭の片隅に追いやる。
 そんなことをしても再びあの夢を見るだろうに、そうせずにはいられない。
 そうやって何度も何度も繰り返す。

「ママ……」
 愛しい娘――ヴィヴィオの言葉になのはは我に返った。
 傍らに目を向けるとヴィヴィオがうなされていた。
 何か嫌な夢でも見ているのだろうか。それとも、自分の不安が伝わったのだろうか。
 そう思ったなのはが安心させるようそっと頭や背中を撫でると、ヴィヴィオの寝顔は穏やかになった。
 愛らしい寝顔に微笑する。ふと時計を確認すると午前四時。起きるには少し早い。
 だが、寝直したら寝過ごしてしまうかもしれない。
 ヴィヴィオを起こさないようにそっとベッドを抜け出る。もちろん羽毛布団を掛け直すのも忘れない。
 ジョギングウェアに着替え走り出す。何も考えなくていいように頭を空っぽにして。

 車のエンジンを切って降りると、二月の夜風は雪でも降りそうなほどに冷たかった。
 フェイトはコートの前を合わせると、急ぎ足でマンションのエレベーターへと向かう。
 今日一日フェイトは仕事に身が入らなかった。あの悪夢を見た日はいつもそうなる。
 何度も同じ目にあっているというのに有効な対策は何一つ立てられていなかった。
 このままではいけない。どこかで踏ん切りをつけないと。
 そうやっていつものように自分を励ましてフェイトは顔を上げた。
 するとスーツ姿の男がエレベーターを待っていた。年の程はフェイトと同じか若干上だろうか。
 フェイトが軽く会釈をすると、男も微笑しながら会釈を返した。
 間もなくエレベーターが下りてきてドアが開いた。
 中からは五歳ぐらいの女の子が現れて、パパ! と声を上げて男に抱きついた。
 男は溢れんばかりの笑顔でただいま、と口にする。
 フェイトの表情に翳りがさした。

 エレベーターを降りて自宅に着くとフェイトは微かに頬をゆるめた。
 ドアを開き、玄関を見ると見慣れた靴が揃えてある。
 耳をすますとキッチンの方から馴染みとなった鼻歌が聞こえてきた。
 そっとキッチンに入っていくと、そこではフェイトの想像と違わぬ光景が広がっていた。
「ただいま、はやて」
「!? うわっととと……、も〜フェイトちゃんおどかさんといて〜」
 おたまと小皿を持ちながらはやてが振り返った。
「すごくいい匂いだね」
「フェイトちゃんが好きって言ってくれた私特製のホワイトシチューやからね」
 自信満々なはやてにフェイトはにこりと微笑むと、自分とはやての分の白米をよそい始めた。
 はやての方はシチューをよそって席に着く。テーブルには既にムニエルとサラダが並べられていた。
 フェイトも着席すると、二人揃っていただきますをした。
「うん、やっぱりはやてのシチュー、おいしいな」
「おおきに〜」
 はやては勝ち誇った笑みを浮かべた。フェイトも笑顔を返す。
 が、すぐに笑顔はばつが悪そうな顔へと変わった。
「でも、なんだか悪いな。わざわざ作りに来てもらうの」
 はやては少しむっとすると、少し緊張しながら真剣な面持ちで口を開いた。
「フェイトちゃん、それはこの前も言うたけど、私が好きで来とるんよ?

 今日もうちの子たちみんな忙しくて侘しい孤食になるとこやったんよ。
 せやからフェイトちゃんと一緒に食べたいな〜って……。
 迷惑、やった?」
「そんなことない。はやての料理はおいしいし、二人での食事は楽しいよ」
「ほんならよかった」
 はやては心底安心したようにほっと胸を撫で下ろす。
 フェイトは慌てて次々と箸を伸ばしては、はやてが作った料理がいかにおいしいかを語った。
 はやてはその度に、せやろ〜、と胸を張って自信満々に答えた。

「そう言えば、はやてが来てくれるようになってからもう二ヶ月は経つよね」
 唐突なフェイトの言葉に、きょとんとしたはやては少しの間を置いて頷いた。
「最初の頃は一週間に一、二度だったけど、最近は二日に一度は来てもらって……」
 眉を曇らせるフェイトを、ストップや、とはやてが手で制す。
「フェイトちゃん、その先は当然感謝の言葉が山のように並べられるんよね?」
「……そうだね。ありがとう、はやて」
「どういたしまして」
 それにや、と付け足してはやてはポケットから鍵を取り出す。
「合鍵ももろうてもうたし。俄然やる気が出るってもんやで」
 十年来の親友の快活な笑顔を見てフェイトも笑った。
 そこではたと思い当たった。
 なのはのことで落ち込んでいた自分を励ますために、はやては来てくれているのだ。
 実際、はやてといると笑顔が絶えないことに気付く。はやてが気を遣ってくれているからだろう。
 今になってようやく気付くほど自分はぼろぼろだったのか。それをはやてが癒してくれたのだ。
 はやての気遣いがなければもっとひどい状態になっていたに違いない
 持つべきものは友人だ、そんな言葉がフェイトの脳裏に浮かんだ。
 シチューを口へと運ぶ。それは優しい味がした。

「なのはママ、バレンタインチョコの作り方教えて」
 夕飯を食べ終え、自分の使った食器を洗い終えたヴィヴィオはそう口にした。
「そっか、明後日バレンタインか。ヴィヴィオは誰にあげるのかな?」
「……ひみつ」
「ママにも秘密なの? もしかして好きな子でもできたの?」
「ひみつ」
「もう、ヴィヴィオは頑固だな〜」
 ヴィヴィオはえへへ〜、と笑って答えた。
「それじゃ、私もヴィヴィオに作ろうかな。後、ユーノ君にも」
「……フェイトママには?」
 その名前を聞いた瞬間、なのはは顔を強張らせた。
「え? フェイト、ちゃん?」
「去年はチョコ交換してたよね?」
「うん、そうだね……」
「それなら」
「でも、最近フェイトちゃん忙しいみたいで全然会えないし。作っても渡せないかも」
 ヴィヴィオの眉が下がり、泣きそうな顔になる。なのはは慌てて取り繕った。
「あ、一応作って渡しに行くよ。会えないかもしれないけど」
 ヴィヴィオは不安げな表情をしたが、すぐに笑顔になった。

 翌日、チョコ作りは何事も無く無事に終わり、ラッピングも済ませた。
 が、メッセージカードを前にしてなのはは止まってしまった。
 フェイト宛てのメッセージは三十分かけてもうまくまとめられなかった。
 もやもやとしたよくわからない感情を言語化できなかった。
 仕方がないので、まずヴィヴィオ宛てに書き、その後にユーノの分に取り掛かった。
 そこでなのははふと気付いた。これがユーノに贈る初めてのチョコだということに。
 九歳の時からバレンタインの時期には何故かユーノと出会うことがなく、
 去年の今頃は付き合ってもいなかったので当然渡してなかった。
「そっか、ユーノ君の告白からまだ一年も経ってないんだ……」
 ユーノに告白されたのは六課解散から一ヶ月ちょっと後の五月の初めのことだった。

 なのはは悩んだ。ユーノに付き合って欲しいと言われて。
 その時になって初めて気付いたのだ。自分が異性を好きになったことがないことを。
 ユーノとはずっと友達だった。友達として好きだった。だから嫌いじゃない。
 それがなのはの正直な気持ちだった。
 悩んだ末、ユーノが珍しく積極的だったこともあり、
 結局断りきれずに友達として二人で出かけるようになった。
 いわゆるデートというものはそれなりに楽しかった。友達とのお出かけと同じように。
 なのはには恋愛というものが全くわからなかった。わかるようにもならなかった。
 そのことにはたと気付いて自分がおかしいのかもしれないと落ち込んだ。
 しかし、それも無理もないことだ。九歳の時になのはは魔法に出会ってしまったのだから。
 自分の進む道を見つけてずっとそこを歩いてきたのだ。脇目も振らず。
 その道に異性との恋愛はなかった。ただそれだけのこと。
 二十歳にして、遅まきながらも、なのははそれとようやく向き合うことになったのだった。
 数回のデートの後に、ユーノはなのはにプロポーズした。
 なのはは当惑した。結局ユーノのことが恋愛対象として好きなのかわからなかった。
 誰かに相談しようとした。でも、やめた。
 結婚は非常に個人的なことで人それぞれのこと。
 自分で考えて結論を出さないといけないことだと思ったから。
 悩んで悩んでどんどん泥沼にはまって、なのはは疲れてしまった。
 猛烈にアプローチしてくるユーノに押し切られる形で両親の下へ報告に行った。
 両親も兄も姉も皆諸手を挙げてなのはたちを祝福した。
 その顔を見て結婚もいいかもしれないとなのはは思った。
 幸いヴィヴィオもユーノに懐いていた。ヴィヴィオに父親ができるのはいいことのように思われた。
 そんな風にして考えを無理にまとめて、家族以外で一番最初にフェイトに話した。
 どうして一番にフェイトに話したのか、何とフェイトに言って欲しかったかはなのは自身にもわからない。
 フェイトは「おめでとう」と言った。
 なのはは愕然とした。そして、結婚した。

 メッセージカードに雫が落ちた。
 なのはは首を振る。思い出しても仕方ないので忘れることにした。
 そして、結局なのははユーノ宛てにも、フェイト宛てにも何の意味もない言葉を書き連ねることにした。

 フェイト宅のキッチンに上機嫌な鼻歌が響く。
 今日も今日とてはやてはフェイトに夕飯を作りに来ていた。
 少し手間をかけて完成したサラダニソワーズを冷蔵庫に入れる。
 一息ついてテーブルに目を向けるとフェイトに渡すバレンタインチョコがあった。
 メッセージカードには『フェイトちゃんLOVE』と書かれている。
 これはジャブだ。はやてはそう考えていた。
 フェイトがどんな反応を示すかによって今後の方針を決めるつもりだった。
 今日まで何度もしたようにフェイトのリアクションを色々とシミュレートする。
 軽く流すか、真に受けるか、そもそもぼけてスルーするか。
 腕を組んでうんうん唸っていると突然チャイムが鳴った。
 とりあえずチョコをテーブルに戻して、急いでドアを開けるとそこには意外な人物が立っていた。
 彼女を見てはやては息をのんだ。彼女も同じくらい驚いて目を丸くしている。
「なのは、ちゃん……」
「はやてちゃん……?」
 両者共に二の句が継げず、目を瞬かすばかりだった。
 十秒はたっぷり使ってようやくはやてが口を開いた。
「えっと、なのはちゃんのご用は……?」
「ここ、フェイトちゃんの家、だよね……?」
「あ〜、うん。私はたまにご飯作りに来とるんよ」
 なのはは自分の胸がチリと痛むのを感じた。
「ご飯……? どうして……」
「う〜んと……、そ、そんなことより、なのはちゃん、フェイトちゃんに何かご用事?」
「そう、なんだけど……フェイトちゃんは?」
「まだ帰って来てへんよ」
「いつごろ帰って来るのかな?」
「ん〜、多分もうちょいしたら帰って来ると思うんやけど」
「そっか……」
「なのはちゃん、フェイトちゃんと約束でもしてたん?」
「ううん、してないよ。ちょっとフェイトちゃんに渡したいものがあって――」
 そこでなのはは、はっとして口を噤んだ。
「渡したいもの?」
 はやてはほぼ反射的に聞き返していた。

「わ、渡したいものなんかないよ?」
 まるで子供のようになのはは前言を翻した。
 それと共に手を後ろに回して、持っていた小さな紙袋をはやての視線から隠した。
 当然ながら、はやてはそれを見過ごさなかった。
「今隠したのが渡したいもの?」
「ち、違うよ?」
 あからさまななのはの態度にはやては溜息をつくと、突然大声を上げた。
「あ! フェイトちゃん!」
「え!?」
 なのははフェイトの姿を確認しようと必死になって辺りを見回した。
 その隙にはやてはさっとなのはの手から紙袋を奪った。
「はやてちゃん!」
 取り返そうとするなのはの手を避けてはやては中身を確認した。
「なのはちゃん、これ……」
 はやての声のトーンが落ちた。
 袋の中には可愛くラッピングされたものと一緒にメッセージカードも入っていた。
 そこには『ハッピーバレンタイン』と綺麗な字で書かれていた。
「これは、フェイトちゃんへのプレゼントなん……?」
 その問いには答えずに、なのはは紙袋をひったくった。
「フェイトちゃんにチョコレート渡す気やったん?」
「人の物とって勝手に中身見るなんてひどいよ、はやてちゃん!」
「どんなつもりでこれをフェイトちゃんに渡す気?」
「どんなつもりって……友達にチョコレートを渡すぐらい普通じゃないかな?」
「せやけど、私の分は作ってないんと違う? 私は友達やないってこと?」
 なのはは返答に詰まると視線を泳がせた。
「フェイトちゃんが特別ってことなんやない? ただの友達とは違う……」
「言ってる意味がわからないよ」
「なのはちゃんはフェイトちゃんのことが好きなんと違う?」
「……もちろんフェイトちゃんのことは好きだよ。はやてちゃんのことも好き。
 友達として」
「どうして嘘つくん?」
「嘘なんてついてない!」

 なのはの叫びが木霊する。それが徐々に空気に溶けていくと辺りはしんと静まり返った。
 なのはは目を伏せ、はやてはなのはをじっと見ていた。
 沈黙を破るようにしてはやての口から低い声が漏れた。
「でも、あかんよ……? なのはちゃんはユーノ君を選んだんやろ?」
「そうだよ。私はユーノ君と結婚したんだ……」
「せや、ユーノ君を裏切るようなことはあかん」
「……もちろん」
「それ以上に、フェイトちゃんを傷つけるようなことをしたらあかん。
 もしそないなことになったら、私はなのはちゃんを一生許さない」
「……もしかしてはやてちゃん、フェイトちゃんのこと――」
「好きや。私はフェイトちゃんのことが大好きや」
 はやてははっきりとそう口にした。あたかもそれは宣戦布告のようだった。
 なのはははやてを見ることができなかった。口も開けなかった。
「もう二度と、半端な気持ちでフェイトちゃんに会いに来んといて」
 そう告げるとはやてはなのはに背を向け、ドアを閉じた。
 なのはは暫くそこに佇んでいたが、俯いて去っていった。
 なのはの足音が聞こえなくなると、ドアにもたれさせていた背中がずるずると滑って
 はやては玄関にへたり込んだ。
「最低やな、私」
 そう呟いて自嘲気味に笑った。


以上です
近日中に続き投下します
2008年04月21日(月) 16:23:02 Modified by gonn90




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