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16-516

516 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/04/13(日) 14:13:52 ID:R8EkEtQr
SS、投下してもいいでしょうか?
六課立ち上げ前で、たまに離れ離れななのフェイ。
ちょっと素直になれないなのはさんと、なのはに冷たい態度取られて半泣きなフェイトそん

て感じです…

518 名前: 516 [sage] 投稿日: 2008/04/13(日) 14:20:48 ID:R8EkEtQr
 今日一日の教導の疲れから、自宅に帰る道のりをぼんやりと歩いていた。
毎日の繰り返しで体が道を記憶しているから、少しくらいぼんやりとしていても勝手に足が道を辿る。
もうすぐ家に着くという距離で、少し長い航行から今日、親友が帰ってくることを思い出す。
決して忘れていたわけではなかったが、なるべく思い出さないようにはしていた。
 親友の帰ってくる時間は、未定とのこと。
一日の定量が決まっている仕事ではないからそんなことはよくあることで、今日の帰航も数日延びてしまってのことだった。
帰ってくることを期待しつつ待つ数日間は、確実に気力を奪う。
疲れていた原因はむしろ、教導よりもそちらの方。
今日も、帰って来るとは限らない。
そんなことを考えながらぼんやりと帰路を辿ると、部屋に明かりが点っているのが
見えた。
はっとして少し小走りにドアに向かい、ロックを解除する。
エアーの抜けるような音と共にドアが開くと、滑り込む。
靴が散らかるのも気にせず脱ぎ捨てると、リビングに向かった。

「あ、おかえり。なのは。」

迎えてくれたのは期待した通りの柔らかな微笑み。
ぎゅっと手を握って、湧き上がる衝動を抑えた。
「……うん。フェイトちゃんも、おかえり。」
「ただいま、なのは。」
自然に、私の顔からも笑みが零れる。
それはフェイトちゃんも同じで、少しはにかみながら頬を染めていた。
「今日は遅かったんだね?」
フェイトちゃんはリビングのソファに座りながら、後ろに立つ私を振り返る。
「うん。もうすぐ今担当してる訓練も終わるから、その仕上げだったの。……お仕事?」
フェイトちゃんの目の前に映し出されたモニタを視線で示すと、苦笑いで答える。
「明日提出する予定の報告書なんだ。でも、すぐ終わるよ?」
私のことを気にしてくれているんだろうけど、執務官のちょっと、とかすぐ、ほど信用できないものはないから、フェイトちゃんが座るソファの後ろに立つと、そのまま圧し掛かる。
「な、なのは?」
驚いてフェイトちゃんが振り返ろうとするけど、私の重みで首がまわらない。
どうしたの?と聞かれても答えず、しばらくそのままでいた。
上半身に腕を回し柔らかな体温を感じ、髪に頬を寄せ息を吸い込むと、シャンプーのいい匂いがした。
もうすでに入浴は済ませたようだった。
 ふう、と息を一つ吐くと、体を起こし開放してあげる。
振り向いたフェイトちゃんは、何かに気づいてすまなそうに眉を寄せたが、そんな表情は見ない振りをしてバスルームに向かった。


519 名前: 516 [sage] 投稿日: 2008/04/13(日) 14:22:41 ID:R8EkEtQr
仕方がないよ、お仕事だもん。

 その一言が出ない自分がいかにも子供っぽくて、でも私が掴める選択肢はそれしかなかった。
熱いシャワーを浴びると、目を閉じる。
ここ数日の期待と落胆。
たった今の喜びと寂しさ。
そばにいても寂しいのは、なんだか悲しい。
そんな考えが頭をぐるぐる回って、胸がむかむかした。
涙は、出ない。

 優しいフェイトちゃんはきっと、さっきの私の態度を気にしている。
そう思うとなんだかバスルームから出るのが気まずくって、いつもよりも長めにお風呂に入った。


 帰宅してから二回目のため息を吐くと、思い切ってバスルームのドアを開ける。
リビングではまだ優秀な執務官殿がお仕事中。
ちらり、真剣な横顔を見ると胸が締めつけられた。
一緒にいてもこれほど心が揺れるならいっそ、寝てしまおう。
そう決めた。
少し長い航行の後は戦艦の整備もあるため、すぐにまた出航ということはない。
しばらくは同じ屋根の下での生活。
今日は顔が見れただけでよかったんだ。
明日からは、また仲良くできる。
そう思い、フェイトちゃんの横を通り過ぎると、もう疲れたから寝るね?と顔も見ずに呟いてベッドへ向かう。
私がシーツに潜り込むまで、フェイトちゃんの視線を痛いほど感じた。
先ほどまで滑らかに聞こえていた端末を叩くコンソールの音が時折、一、二分途切れる。
そのたびに流れる沈黙が気まずくて、何度か寝返りをうった。
たまに聞こえる衣服の擦れる音は、フェイトちゃんがこちらを気にしている証拠だろうか。
しかし、真っ黒な視界ではそれを確かめることはできない。
 そうしているうちに、端末の電源が切れる音が聞こえた。
すぐに軋むベッド。
隣に滑り込む温もり。
やっと、仕事を終えたらしい。

520 名前: 516 [sage] 投稿日: 2008/04/13(日) 14:24:46 ID:R8EkEtQr
「なのは、もう寝ちゃった……よね。」
問いかけではなく、一人呟く声が聞こえた。
そっと私の前髪を流すと、左側の肩を押され仰向けにされる。
フェイトちゃんは上から私の寝顔を見ているのだろう、柔らかな髪が頬をくすぐる。
しばらくの沈黙の後、ぎしり、ベッドが音を立てた。
そして、再び沈黙。
 また寝返りをうってフェイトちゃんの視線から逃れたかったが、
恐らく体の両側に手を着かれているため身動きが取れない。
ずっと押し黙ったままのフェイトちゃんに焦れて思い切って目を開けると、綺麗な紅い瞳と視線がぶつかった。
その距離、およそ15センチ。
「――っ、ご、ごめん、なのは。」
すぐに視線を逸らしたフェイトちゃんの頬が、みるみるうちに赤く染まっていく。
私に何をしようとしていたのかは明白で、いたずらが見つかった子供のように
バツの悪そうな顔をしていた。
なんだかそれが可愛らしくて、表情を緩めると私から顔を寄せ、唇に触れる。
久しぶりの柔らかい感触。
 
「……なのはっ!」
口付けが終わると、強い力で肩をベッドに押し付けられた。
驚いてフェイトちゃんを見上げると、眉を寄せ苦しそうな表情。
私の大好きな紅い瞳は、透明な雫を湛えていた。
手を伸ばしそっと頬をなぞると、そのまま抱き寄せ髪を撫でる。
縋りつかれ耳元で囁かれるのは、愛の言葉と会えない間の寂しさとそして、謝罪。
最後の方は涙で声が震えていた。
ぴたりと寄せられた頬が熱い雫で濡れる。

 先ほどまでのわだかまりはもう、消えてしまっていた。

「フェイトちゃん、私も好きだよ……。会えない間、ずっとフェイトちゃんのこと考えてた。
今だって、本当は寝てなんてなかったの……。」
 怒った?そう尋ねると、かわりに深い深い、口付け。
「なのは、大好きなんだ、なのは……。」
切なげに愛を囁きながら何度も口付けを繰り返し、その場所はだんだん下に降りていく。
今まで会えなかった寂しさを埋めるように、体中いたるところにキスを落とされると
フェイトちゃんの唇に触れられた場所が熱をもち、その熱が私の全てを満たした。


久しぶりに優しい温もりに包まれて、私は深い眠りの中に落ちて行く。
明日はきっと、もっと素直になれる。


521 名前: 516 [sage] 投稿日: 2008/04/13(日) 14:25:33 ID:R8EkEtQr
見づらくってすみません。
お目汚し失礼しました…
2009年04月04日(土) 23:37:25 Modified by coyote2000




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