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23-780

780 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/12/07(日) 13:48:34 ID:GXU1M44K

なのはが嬉しそうに隣のクラスの子と話している。
ただ、それだけ。それだけなのに。
フェイトは胸が苦しくて、二人から視線を逸らせた。


フェイトは後ろからなのはに抱きついた。
「なのは」
「んー?」
「大好き」
「ど、どうしたの?」
なのはが少し焦った声を出す。
「なんでもないよ」
そう言って、フェイトはなのはにさらにぎゅっと抱きついた。
自分でもずいぶんと子供染みた行動だと思うけれど。
今はただ、なのはとくっついて居たかった。
少しだけ高い彼女の体温に、やさしい匂いに、胸が満たされていくのが分かる。
フェイトは溜息をついた。

なのはが動いた。振り返って、フェイトと向かい合う形になる。
どうしたの?、なのはの瞳がフェイトにそう問いかけてくる。
フェイトはそれに小さく首を横へ振った。
「フェイトちゃん」
優しい声で呼ばれた。顔を上げると深く澄んだ蒼い双眸が自分を見つめていた。
吸い込まれてしまいそうだとフェイトは思った。
「フェイトちゃん、何かあったでしょ」
「どうして?」
なのはの両手がそっとフェイトの頬を包み込んだ。
「だって」
なのはが少しだけ困った顔になる。
「泣きそうな顔、してるよ?」
「そんなこと…」
ない、そう言うはずだったのに、言葉は続けれなかった。
自分でも情けない顔をしてるのが分かっているから。
それに、なのはの前で強がってみたところで、きっと彼女には気付かれてしまう。
「なのはが好きなんだ」
「もうっ、からかわないで」
なのはが少し唇を尖らせた。頬が薄っすらと赤らんでいる。
フェイトはなのはに気付かれないように苦笑した。からかってるつもりなんてない。
なのはを好きなのは本当のことだ。
友達として。
友達以上に。

自分はずるいのかもしれない。だけど、今だけは許して欲しいとも思う。
いつか、なのはに大切な誰かが出来たとき、その時は笑顔で祝福するから。だから。
それまでは、ときどき、こうやって甘えてしまうことを、許して。






785 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/12/07(日) 20:01:30 ID:GXU1M44K

なのははフェイトの肩にもたれ掛かった。
自分より少しだけ背の高いフェイト。昔は追いつきたいと焦っていたけれど、今はそれが意味もなくうれしい。
「フェイトちゃん」
「うん?」
どうしたの?なのは。そう言って、フェイトが不思議そうな顔をこちらへ向ける。
「ううん、なんでもない」
呼んでみただけ、そう付け加えて笑った。フェイトが「そうなの?」と、だけどなのはにつられて笑顔になる。
フェイトの笑顔を見ると、胸の奥が熱くなる。あったかくって、くすぐったくて。愛おしさが込みあげてくる。
「フェイトちゃん」
じっと見つめてみた。やさしさを湛えた、どこまでも深く澄んだ紅い瞳。たまらなく好きだ。
フェイトが瞬きをした。
「なのは?」

「フェイトちゃんのこと、好きだなあって」
「な、なのは」
フェイトの頬が紅色に染まった。
かわいいなぁ、もう。なのはの頬が緩む。
なのはは、えいっという掛け声とともにフェイトの腕をとった。そのまま、ぎゅうっと抱きつく。
フェイトがくすりと笑った。
「今日は甘えんぼなんだ?」
「うん」
なのはは素直に頷いた。
「珍しいね」
「そうかな?」
そんなことないと思うけど。なのはは首を傾げた。フェイトは誰かを甘やかすのが得意だと思う。傍に居ると
なぜか甘えたくなってしまうのだ。



786 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/12/07(日) 20:02:51 ID:GXU1M44K

「私は嬉しいけどね」
フェイトの優しい声がした。その言葉に、ずるいなぁと思う。
「そんなこと言うと、ずっと甘えちゃうよ?」
「いいよ。私でよければ」
フェイトがそう言って、体の向きを変えた。
「もっと、甘えていいんだよ?」
耳元で囁かれる。フェイトの息が愛撫のように耳朶をくすぐった。
もう、ホントになんでこの人は――
「フェイトちゃんは、ずるいよ」
なのははそっと呟いた。

「どうして?」
「そんなこと言うから」
「甘えて欲しいのはホントだから」
「後で困ってもしらないから」
少し拗ねた声で抗議したら、フェイトが可笑しそうに笑った。

「なのはは自分に厳しいでしょ? 私が甘やかすくらいがちょうどいいんだ」
「自分に厳しいのはフェイトちゃんでしょ」
「なのはほどじゃないよ」
はやて辺りが聞いていたら、きっと「どっちもどっちや」とか言われそう。呆れた顔をするはやてを想像して、
なのはは苦笑した。それから、ふと思って。



787 名前: 名無しさん@秘密の花園 [sage] 投稿日: 2008/12/07(日) 20:06:30 ID:GXU1M44K

「フェイトちゃんは誰に甘えるの?」
にっこり笑ってフェイトに質問してみる。
「私? えと、それは…」
フェイトが言葉を濁した。視線が泳ぎはじめる。
本当に照れ屋なんだから。なのははフェイトに気付かれないように笑みを溢した。
「誰?」
フェイトの小さな顔がみるみる赤らんでゆく。耳まで真っ赤だ。なのはは黙ってフェイトの返事を待っていた。
フェイトが観念したように小さく息を吐き出す。
「なのはに…甘えてもいい?」
フェイトの少し潤んだ紅い瞳に見つめられて、今度はなのはの顔が真っ赤に染まった。反則だと思う。
急に鼓動が激しくなって、なのはは胸を押さえた。
なのはの沈黙を否だと受け取ったフェイトが寂しそうな顔になる。
「…ダメ、かな?」

「ダメじゃ、ない」
なのははそう答えるのが精一杯だった。その返事を聞いてフェイトがホッとため息をつく。
「ありがとう」
「どういたしまし、て?」
言いながら変な気がして、疑問系になった。フェイトと目が合う。
なんだか可笑しくて、くすぐったくて、なのははフェイトと顔を見合わせて笑った。



24-540
2009年08月30日(日) 21:35:38 Modified by coyote2000




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