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25-035

35 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:23:33 ID:9ScBNYvh
>15の続き、できました!!遅くなってごめんなさい。しかも15レスぐらいあります。ごめんなさい。
注意事項は、
  • 部屋の間取りぐちゃぐちゃ
  • ぐだぐだな上に読みにくいかも
  • スバルのキャラ崩壊(中二病患者的な意味で)
  • はやてのキャラ崩壊(エロオヤジ的な意味で)
  • エロ発言あり、しかしエロシーンはなし
  • リインとザフィーラ空気
と、こんなところです。多すぎですね・・・。
少しでも楽しんでもらえるように書いたつもりですが、過度な期待はせずにお読みください。
このスレの↓から始まります。あ、支援お願いします。


『ほら、すばりゅ。はんぶんこしてあげる!』
『びええぇぇ〜ん。あいすくりーむがおちちゃったぁ〜』
『えへへ。ありがと。すばりゅ!』
『す、すばりゅのばかぁ!』
『あのね、わたしおおきくなったらすばりゅのおよめさんになるの!』
 子供らしい満面の笑みで、ときには泣き顔で。まるで本当にあったことかのようにティ
アはころころと表情を変えて―――


36 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:24:30 ID:9ScBNYvh
「ぷはぁっ!」
「ちょっ!ねながらはなじだすとかどうゆーこうぞうしてんのよ!」
―――ぐりぐりぐり
 そういってティアが濡れタオルを鼻に押し付けてきた。
「いたい、痛いよ。ティア」
「うっさい。ばかすばりゅ」
 だ、だめだ。今度こそがまんしないと。これ以上はいくら私でも危険すぎる・・・
「はぁ、はぁ・・・あ、夢じゃなかったんだ」
 私の頭の横にみため4歳ぐらいのティアがちょこんと座っていた。
「そうよ。ざんねんながりゃね。」
「あたた、なんでかわいいじゃん」
 痛む背中をさすりながら座ってみるとティアは本当にちっちゃくなっていた。今のティ
アあいてに絵本の読み聞かせとかしたら絵になりそうだなぁ。
「あ、そうだ。たしか『泳げた○やきくん。〜伝説のあんこを求めて〜』っていう絵本がどこかに・・・」
「ねごとはねていえ、ばかすばりゅ」
「いた」
 絵本を取りに行こうとして腰を浮かせたらおでこをたたかれた。
「そもそも何でこんなことになったのかな?」
 私がそう聞いてみるとティアは腕を組んで首をひねる。
「それがわかんないのよ」
 ちょっと移動して机の方へ。
「きのうはにんむがあったでしょ?それでいつもよりちょっとはやめにねて」
 机の引出しをあけて中のものを取り出す。
「あさまでぐっすりだったんだけど」
 ティアの前にきて手の中のものを起動。
「だめだ、やっぱりわかんないわ」

―――ピろろん、カシャ
「え?・・・なっ!」
「わ〜い」
 私の手の中にはギンねえにもらったデジカメが握られている。液晶のなかには真剣な様子で首をかしげているティアナ・ランスターちゃん(4さい)。
「か、かしなさい」


37 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:25:32 ID:9ScBNYvh
ティアがデジカメを奪おうと手を伸ばす。すかさずこっちもたちあがってティアの手のとどかないようにする。
「だめだよ。せっかく撮ったのに〜」
「そういうもんだいじゃない!かえしなさいよ!ばかぁ〜」
 ぴょんぴょんはねて取ろうとするけど全然足りてない。しまいには半ばあきらめてぽかぽかと私のお腹をグーでたたき始めた。
「よしよし。そう拗ねない。」
「ばかっ!」
「うっ」
 今のはちょっとはいった。

―――リリリリリ

「あ、八神部隊長」
 突如部屋になり響いた呼び出し音と机の上に表示される”call”の文字。急いでデジカメは机の上に置いて電話に出る。
「こちらスターズ3。どうなさったんですか?」
『ああ、そんなかとうならんでええよ。緊急とかそんなんとちがうから。』
「はぁ」
『ティアはおるか?ああ、おったな』
 いつのまにかティアが隣に来ていた。たぶん部隊長からみたら机から頭上半分がやっと出てるように見えるだろう。
「あの、八神部隊長」
『わかっとるから、言わんでええよ。こっちもちょお困ったことになっとってな』
「「こまったこと?」」
『聞くか?』
八神部隊長はそこまで言ってコンソールを操作して集音度をあげた。
―――わぁぁぁ!ざふぃーらこっちくんなぁ〜
   なにをいう。我はいつもとかわらんぞ
   おめぇ、でかすぎんだ!あっちいけっ!
   ヴぃ、ヴぃーた。くちがすぎるぞ。ざふぃーらがかわいそうだろう。
   あしふるわせながらいってもせっとくりょくねえぞ!というかあたしをたてにすん
   なぁ!
   し、しつれいなことをいうな。たてにしてなどいない!
   あははは、ヴぃーたちゃんもしぐなむちゃんもかわいい〜
   わ、わらうなしゃまる!
   そうだぞしゃまる!てーぶるのうえからおりてこいよ!ぐらーふふぁいぜんでやっつけてやる―――


38 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:26:49 ID:9ScBNYvh
「「ぷ」」
『いかんで、二人とも。一応、上官なんやから。おもしろいのは否定せぇへんけどな』
 八神部隊長は苦笑いだった。
『原因は調査中。指示があるまで自室で待機。ええか?』
「「はいっ!」」
『ん、ええ返事や。朝早ようからごめんな』
 そう言われて時計を見てみると5時を少しまわったあたり。そっか、それで部隊長のテンションが低いのか。
「いえ、大丈夫です」
『ほな、また後でな』
 それを最後に通信は切れた。
「なんか、たいへんなことになってりゅわね」
「そうだね」
「あーもーなんだってこんなことに〜」
 ティアがため息をついて机に寄り掛かると、柔らかそうなほっぺたが机に押しつぶされる。
―――ピろろん、カシャ
「にゃーあんたわ!」
―――ピろろん、カシャ
「か、かしなさいよ!」
「えへへ」
―――ピろろん、カシャ
 写真を撮るたびに怒るティアが可愛くてついついいじめてしまう。そんなこんなでデジカメのメモリが3分の1ぐらい埋まったころだった。
「うわぁっ!」「きゃっ!」
 突然地面が大きく揺れて慌てて私は机をつかんで踏みとどまる。
 揺れはすぐにおさまった。
「ティア、だいじょ、お・・・ぶ」
 さっきの揺れでティアは盛大にこけていた。後ろに。それで、ぶかぶかながらも朝起き
てからずっと着ていたパジャマは思いっきりはだけていて、起伏の全くない胸と、柔らかそうなおなか。それらを通り過ぎて、私の視線は一点に凝縮される。
「てぃ、てぃあ・・・?」
 あまりの衝撃に頭が真っ白になる。
「いたた、なんなのよ。もう」
 ティアは、気付いてない・・・
「(ごくっ)」
口がかわいて仕方がなかった。
「ん?・・・きゃぁ!」
ティアは何とか起き上がると私の視線に気づいて悲鳴を上げる。とっさにパジャマを押さえてしまった。ああ・・・

39 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:28:12 ID:9ScBNYvh
「ティ、ティア・・・お願い・・・」
「ちょっと、すばりゅ。かお、こわいわよ?」
「お願い!ちょっとでいいからその(ピー)さわらし―――へぶし!」
 私が最後まで言い終わらないうちにティアは床を蹴り、ベッドの手すりをとんで私の顔
を両足で思いっきり蹴り飛ばした。まるでスローモーションのようにティアのパジャマが
ひるがえり、そのさきにはちらちらとなにものにも守られていない無防備な―――
「ふぶくちゃ!」
 背中を思いっきり床に打ちつけて視界が暗転する。しかもそのあとにティアが私のおなかの上に着地してきた。いくら4歳児といえどもきつい。
「ばかばかばか!すばりゅのばかぁっ!」
 着地したのが私のおなかの上だったので怪我ひとつないティアはパジャマのすそを押さ
えながら私の顔を思いっきり踏みつけてくる。反撃のすきを与えないその動きは、今まで
の訓練の成果が出ていると思う。とは言え私も戦闘機人。簡単には引けない。
「べ、別になめさせてとか言ってるわけじゃないんだよ。(ホントはなめてみたいけど)ちょっとなでてみたいだけで!(いやむしろじっくりと)」
「ほんねがねんわでもれてんのよ!」
 ティアの足のスピードが一段と速くなる。ああ、お花畑が・・・

―――りりりりりり

「あ」
 さっきと同じ音にティアの動きが止まる。机の上にはさっきと同じ”call”の文字。
違うのはこちらが操作しなくても画面が切り替わり、”sound only”と表示される。
『いきなりごめんな。二人ともちょぉ私のオフィスにきてくれるか?』
「はい。なにかわかったんですか」
 耳まで真っ赤にしたティアがたずねる。そのすきに私はティアの下から脱出した。
『原因が判明してな。詳しくは後で話すから。とりあえず7時にオフィス集合や』
 落ちていたデジカメを拾い上げて電源を入れる。
「わかりました。それで、あの・・・」
『下着やろ?なのはちゃんたちがヴィヴィオの買い置きがあるっていっとってな。良ければリインが届けるけど』
「あ、いえ。すばりゅに―――」
「あーーーー!」
「うっさい!すばりゅ!」
「だって、だって!」

40 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:29:13 ID:9ScBNYvh
 再びつけられたデジカメにはデータが1枚も残っていなかった。
「どうしてぇー」
「わたしがけしたもの」
 勝ち誇ったかのように口のはしをあげて笑うティア。そんなティアも可愛かったけど、
ついつい涙があふれてきた。
「うわ〜ん。私のティアが消えちゃった〜」
「ちょ、なにえんぎでもな、ちがう!なにはずかしいこといってんのよ」
 そんなこと言われてもショックは大きくて涙は止まりません。
『あ〜、とりあえずリインに頼んどくな』
「あ、はやてぶたいちょ、これはちが」
『ええて、ええて。どこも同じようなもんや。ほなな』
 そこでまた通信は途切れた。後に残るのは私の鼻をすする音と。困り顔のティア。
「なにもなくことないじゃない」
「うぇぇ。だってぇ」
「・・・」
「ひぐっ」
「まったく。いちまいだけなんだかりゃね」
 恥ずかしそうにそうこぼしたティアを見て私の胸に『ぱあぁぁ』と、温かいものがひろがっていく。
「ありがとう!ティア大好き!」
「ば、ばか!はなれなさい!」
 あくまでティアを倒さないように気をつけてティアに抱きつく。ティアは口では照れながらも今度は突き飛ばしたりしなかった。


機動六課部隊長オフィス。神妙なおももちで立っている八神部隊長の前に並んでいるの
は、私、ティア、ちっちゃいなのはさん、なのはさんを抱いたフェイトさん、いつもよりはちっちゃいヴィータ副隊長、ちっちゃいシグナム副隊長、シグナム副隊長にメロキュンのちっちゃいシャマルさん。
 ティアはずぅと私の六課制服のスカートのすそをつかんで離さない。本人は無意識みたいだけど、そこがまた可愛かったり。
「えー、結論から先に言います」
 八神部隊長は明らかに不機嫌な声で話しだした。
「今回の異変の原因は、昨日捕獲、一時保管していたレリックによるものと判明しました」
 みんなのなかに動揺が走った。
「どういうことかな。はやてちゃん」
 そう聞いたのはなのはさん。
「どうもな、レリックがどかーんばきゅーんばばばばーんづうぃーんでずばばばーんって
してもうて」
「「「なるほど〜」」」
「で、この事態もおさまったので、一日もすれば勝手に元に戻ると思うんや」

41 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:30:22 ID:9ScBNYvh
そこまで聞いてふと疑問に思ったことがあった。
「なんや?スバル」
 ちいさく『すばる!ばか』というヴィータ副隊長の声が聞こえた気がした。
「一日このままだと今日あった任務はどうなるんですか」
 八神部隊長は私の質問をきいてにっこりと笑った。
「ロリコンレリックには消滅してもらいました」
「はい?」
「人のもんにてぇ出したらきっちり罰はうけなあかん。シグナムとシャマル。それになの
はちゃんに手を出した罪は重いんやよ?」
「「「・・・」」」(ティアとヴィータ副隊長は!?)
たぶんこのまま話を続けると何か大切なものをなくしてしまう気がしてそれ以上つっこんで聞かないことにしました。そしたらきっとまたさっきみたいな地震が起きる。
「と、いうことで。今日は臨時休日です。他のメンバーにはもう伝えてあるから、なかな
か取れない休日をたのしんでな☆」
 『たのしんでな☆』なんて言われても、ティアがこれじゃぁ遊びには行けない。
「はやてー。そんなこといってもこんなじょうきょうじゃなー」
 ヴィータ副隊長が八神部隊長を見上げて言うと、八神部隊長はしゃがみ込んでヴィータ副隊長のあたまをなでながら今度は柔らかな微笑みで返す。
「何いっとるんやヴィータ。やることはいっぱいあるで。まずはヴィータの服からや」
「え?」
「そやなぁ。いつもは小悪魔的やからなぁ。これを機にフリフリにチャレンジしてみーへんか?」
「ええー」
 混乱するヴィータ副隊長。
「ありゅじはやて。とつぜんですね」
「なにいっとるんや。シグナムもやで」
「え、ええ!?」
「にゃはは。なんだ、はやてちゃんもたのしんでるじゃない」
「それとこれとは別問題や。でも、そうやな。フェイトちゃんが協力してくれたらもっと楽しめるんやけど(わきわき)」
 八神部隊長がそういって手をフェイトさんの胸へ近づけた時だった。今まで笑ってたな
のはさんの顔がかげって、ぼそりとあの言葉をつぶやいた。
「はやてちゃん・・・少し、頭冷やそうか?」
 確かに時間が一瞬凍りついた。加えてティアが小さく悲鳴をあげて私の足にしがみつく。
「じょ、冗談やて、なのはちゃん」
「にゃはは。だよね〜」
 『あははは』といった感じで笑いあう隊長クラスのみなさん。ティアはその間も震えていた。


42 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:32:00 ID:9ScBNYvh
「それじゃぁ、みな解散や!」
 八神部隊長の鶴の一声で解散となった。
八神部隊長は来た時とは対照的にスキップするいきおいでヴォルケンリッターのみなさ
んをひきつれてオフィスの奥へ。ちなみにシグナム副隊長はシャマルさんに引きずられな
がら『てしゅたろっしゃ〜』とさけんでいた。
「それじゃぁすばる、てぃあ。またあしたね」
「(びくぅ)」
「また明日」
「ああ、はい。また明日」
 そこまで言って疑問に思う。『また明日』?まだお昼にもなってないのに。
 そう思ってたら廊下から声が聞こえてきた。

『なんでまた明日なの?なのは』
『それはね。さっきふぇいとちゃんへのおしおきがけっていしたからだよ』
『ええっ!?なんで!』
『てしゅたろっしゃ(ボソ)』
『あ、あれはっ!別にかわいいとか思ってないよ!ホントだよ!?』
『きょうはヴぃヴぃおもいっしょかな〜』
『あのね。なのはの方が可愛いから。ね?』
『”ほうが”?』
『あっ!』
うわぁい。

「ぐすっ」
「へ?」
 思いもよらない音が足元から聞こえてびっくりした。見てみるとティアが涙を目いっぱい溜めている。
「ど、どどどどうしたのティア!!」
 慌ててしゃがみこんでティアの頭をなでてみる。
「べ、つに―ひぐっ―ないてなんか―ひっ―ないわよぉ」
 そう言いながらティアは泣き出してしまった。
「うわぁぁぁん」
「あ〜、いいこいいこ」
 おどおどしつつもティアをぎゅっと胸に引き寄せる。
「ば、ばかに、し、しないで―――」
「してない、してない」
そうしたらもぞもぞとあばれだしたから、ゆっくりと頭をなでると素直に抱かれてくれ
た。二つに束ねた髪がふるふると震える様はおびえたウサギみたいで、不謹慎にも可愛い
なんて思ってしまう。

43 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:32:38 ID:9ScBNYvh
しばらくしてティアは泣きやんだけどそのまま眠ってしまった。
 部屋に帰って二段ベッドの下の段にくたっと力の抜けたティアを横たえる。
 規則正しい寝息を立てながら無防備に眠るティアを見てとあることを思いついた。
「んん〜、すばりゅ・・・」
 とりあえず嬉しすぎるねごとをいうティアを写真におさめながら、ティアが目を覚ますまで私の中では理性と欲望が格闘を繰り広げていた。

 私が目を覚ました時、スバルはちゃんとそばにいてくれた。
「おはよう。ティア。お腹すかない?」
「・・・すいた」
「だよね!私もお腹すいちゃったぁ〜。食堂いこ!食堂!」
 笑って私をベッドからおろしてくれる。時計をちらっと見るともうお昼の部が始まっている時間だった。
「ごめん。あさごはん・・・」
「いいって〜」
制服を着替えて私服になっているスバルのズボンを軽く引っ張るといつもの調子で笑ってくれてほっとした。
ほっとしたのもつかの間、トイレに行きたくなってきた。
「トイレ?」
 何も言わなくても動揺が伝わったのかスバルが聞いてきたので素直にうなずく。
「いいよ。いってきて」
「え?」
 朝からのスバルのことを考えると『ついてってあげるよ!』とかゆる〜い顔で言って、
ひと悶着あると思ったのに、意外だった。
「いかないの?」
「い、いくわよ」
 自分の自意識過剰具合に照れつつもトイレに向かう。そうよね。いくらスバルでもそのくらいの常識はあるわ。
 正直、今の私に大人用のトイレを使うのは大変だった。それでも何とか用をたして戻ってきたとき、スバルが窓をがらりと開けて部屋に戻ってきた。
「は?まど?」
「はぁ、はぁ、ティア〜おまたせ〜」
「な、なにがよ。ていうかなんでまどから・・・」
 私の問いにスバルの目がギラリと光る。
「んっふふー。ちょっと街までいってきた」
「はぁ!?まちまでって・・・いったいどんだけはなれてるとおもってるのよ!」
 少なくても五分や十分で帰ってこれる距離じゃない。
「ウィングロードつかってマッハキャリバーでフルスロットル☆」
 親指を立て、額に汗を光らせて誇らしげに笑うスバル。こっちはあきれてものも言えない。
「えへへ。ティアにいいもの買ってきたんだ〜」
幸せそうな顔でスバルが袋から取り出したのは白いもふもふした塊。
「ジャジャ〜ン!」
 嬉しそうに広げたのはウサギの着ぐるみだった。
「ま、まさか」
 一瞬私がそれを着ているところを想像して首を振る。冗談じゃない!
「き、きないわよ!そんなの」
「ええ〜。せっかく服のないティアのために買ってきたのに〜」
「うっ」

44 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:33:16 ID:9ScBNYvh
た、確かに今私は朝着てたパジャマのままで・・・でもそれは仕方ないじゃない非常事態だもの。
「だからってそんなものだれが―――」
「来てくれないの?」
 あごに両手をあてて懇願される。
「っ――――」
「お腹すいてるのをこらえて買ってきたんだけどな・・・」
 しまいにはしゅん、とした感じに着ぐるみをいじり始めた。
「そっか〜きてくれないのか〜残念だったね。マッハキャリバー」
(そうですね)
 ウサギの耳をぱたぱたと交互に動かしながらスバルはため息をついた。
「き、きればいいんでしょ!きれば!」
 私がそう言ってウサギをひったくるとスバルはさっきの落ち込んだ様子とは一転、目をキラキラと輝かせた。
「やったぁ〜!ねっ、ねっ!早く着てみせてよー」
「まったく。これじゃどっちがこどもになったのかわかりゃないじゃない」
 パジャマを脱いでウサギの着ぐるみに袖を通す。
(あ、けっこうきごこちいい)
「わー!やっぱり、似合ってるよティア!かわいい〜」
 腕を振り回しながら騒ぐスバル。今ならこいつの頭の上に一輪の花が咲いているのが見える気がする・・・
「ほらほら、フードもかぶって―――くはー!ティアかわいいよティア。ほら、そんなぶすっとしてないで笑って!」
 スバルのテンションはとどまるところをしらずに高くなっていく。ここまで手放しに喜ばれると少しでも着てよかったと思えるから不思議だ。
 とはいえそろそろ空腹が限界に近付いている。スバルを止めるにはどうしたらいいだろう。
「ねぇ、おなかすいたよ。すばりゅ」
「どうしよ!かわいすぎる!お持ち帰りしたい!」
 話しかけても全然きいちゃいない。まずはこっちの世界に連れて帰るのが先決のようだ。
 深呼吸をして息を整えてから、スバルの片手に抱きついてひっぱる。
「ねぇ、すばりゅおねぇちゃん。おなかすいたからおひるたべにいこー」
 強く引っ張ると2,3歩あるいてぴたりと止まる。
「どうしたの?すばりゅ?」
「お、おおおお姉ちゃんって!ティアにお姉ちゃんって言われちゃったー!」
 次に続くスバルの反応で私は選択を誤ったことをさとった。

しばらくして私はやっと落ち着きを取り戻し、私たちは食堂へ向かった。
好き嫌いのないはずのティアはなぜかピーマンを残してしまった。偶然食堂で一緒にな
ったヴィータ副隊長は、『ろりこんれりっくだからな。なんかちっちゃいところでこどもっ
ぽくなってるみたいだ』と口の周りに着いたオムライスのケチャップを顔がとろけた八神
部隊長にふかれながらいっていた。
 ティアの残したピーマンを食べながら機動六課の心配をしていると『あんたがいえるこ
とじゃないでしょ』なんてティアに軽く睨まれた。ちょっと不機嫌だ。あれかな、ピーマ
ンを食べるかわりに『すばりゅおねーちゃん、ぴーまんたべて?』って言わせたのがわる
かったのかな?まぁでも、かわいかったから、いいよね。
 ご飯を食べた後はとくにすることもなかったし、ティアもいろんなものが大きく見える
ようで、廊下を曲がるたびに私の足にくっついてくるのでちょっと危ない(私が)と思っ
て部屋でカードゲームでもして遊ぶことになった。ちっちゃいティアは悪いカードが出た
り、いいカードが出たりするたびに表情をかえてすごくわかりやすかったので連勝してい
たら『なんであんたばっかりかつのよ!ずりゅしてないでしょうね!』といって、腰にて
をあて指を顔に突きつけてきた。(白ウサギの着ぐるみで)
 楽しい時間はあっという間に過ぎていき、夕飯を食べ、シャワーを浴びて部屋に戻ってきたときにはティアは眠たそうにしていた。


45 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:34:53 ID:9ScBNYvh
「疲れた?もう寝る?」
 私の質問にティアは首を横に振ってこたえる。
「かみ・・・」
「あ、そっか。髪梳かないとだね。」
 ティアの髪は私と違って長い。寝る前にちゃんと乾かして梳かないと朝起きたとき大変なことになる。
「おいで。ティア」
 櫛をもってソファーに腰かけるとティアが目をこすりながら私の足の間にちょこん、と座る。髪を梳き始めると大きな欠伸をひとつした。
「今日は楽しかったね」
「さいなんだったわよ」
「そうかなぁ〜私は妹ができたみたいでたのしかったな〜」
「―――も」
「え?なんか言った?」
「な、なんでもないわよ」
 よく聞こえなかったから問い返したらティアは真っ赤になって黙ってしまった。
「『わたしも』って聞こえた気がしたんだけど」
「き、きこえてたの?」
 そう言って少し振り向いたティアの顔が、正解だと言っているようなものだった。
「なんとなくだったけどね。ほら、前向いて?」
「あ、うん」
 ティアが前に向き直るのを待ってから再開する。
「ああ〜、今日みたいな日が続けばいいのにね〜」
 ゆっくりと、できるだけ長くかかるようにティアの長い髪を梳く。
「なにあたまわいたこといってんのよ。くんれんがあるでしょ。くんれんが」
「そうだけど〜」
「それに・・・このままじゃあんたのとなりをあるけないじゃない」
 それはさっきと同じぐらい小さな声だったけどなぜかはっきりと聞こえた。
「へ?」
「・・・なにまぬけなこえだしてんのよ」
「う、ううん。なんでもない!私もティアと肩を並べて歩きたいな!」
「っ―――またはずかしいことをどうどうと」
「えへへー」
 さすがの私もちょっと恥ずかしかったので静かに手を動かす。
「よし。終わったよ、ティア」
「・・・」
「ティア?」
 返事がないので顔をのぞいてみるとティアは寝てしまったみたいだった。
「ふふ」
 その寝顔を見ていると自然に笑みがこぼれてしまう。
 とりあえず櫛をソファーに置いて、ティアを起こさないように気をつけてベッドに運ぶと、おろそうとしたときにティアが私のパジャマをつかんでいることに気づく。
「んん〜、すばりゅぅ」
昼間の時と同じ寝言をつぶやきながら気持ちよさそうに眠っている。とはいってもこのままだと電気も消せない。
「ティア。ちょっと一回手、はなそっか」
 そういって頭をなぜるとすんなりとはなしてくれる。
「ありがと」
 もう一度頭をなでてから電気を消して梯子を登ろうとすると、ティアが寝返りをうちながら寝言をいう。
「すばりゅ、いっしょ・・・」
「・・・」
「ふたり、で・・・」


46 名前:名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 18:35:44 ID:9ScBNYvh
じっと動きを止めているとそこからは規則正しい寝息が聞こえてきた。
「まったく。ティアはホントに甘えんぼさんだなぁ」
 そう言ってティアと一緒の布団に入るとティアを引き寄せて頭をゆっくりとなでる。
「明日からも一緒に訓練頑張ろうね。ティア」
 たぶんなんだかんだ言って私も疲れていたんだろう。そのままぐっすりと眠ってしまった。

「な、ななななによこれぇ〜!」
 あの恥ずかしい出来事から数日後、寮の自室。私の手にはスバルから没収した数枚の写真が握られている。
「てぃあな・らんすたーちゃん(4さい)?」
 私の前に正座をしたスバルは体の前で指を合わせながらつぶやいた。
「こんっの!」
―――ごすっ
「あいたぁっ!」
 その写真は小さい私の寝顔だったり、白ウサギの着ぐるみを着ているところだったり、と恥ずかしいことこの上ない写真ばかりだった。
「どうせほかにもあるんでしょ!全部出しなさい!」
「え〜、もったいないよ〜」
「いいから!(ギロッ)」
「うぅ、でもデータはもうギンねえに転送しちゃったから処分しても意味ないよ〜」
「はぁ!?なんてことすんのよ!この軽犯罪者!」
「大丈夫だよ〜。ギンねえには見えないようにプロテクトかかってるから。ティアは私だけのものだもん」
「そ・う・い・う問題じゃないのよー!」
「あああぁぁぁでもかわいいよおおおぉぉぉ」
 スバルの胸ぐらをつかんで前後に勢いよく揺らす。
「はぁ、はぁ・・・決めたわ・・・」
「へ?」
「私も、私もあんたのかわいいところを独り占めする」
「ティア?」
 スバルの肩をおさえてそのままスバルに馬乗りになる。
「あんたばっかり、ずるいもの・・・」
 スバルの目が不安に揺れる。それをみると普段はめったに感じない、情欲というやつが私の中を駆け巡る。
「覚悟しなさい」
「あ、あのティア?もうしないから、許して?」
 スバルは今にも泣きそうになりながら懇願してくるけど、もう遅い。
「だめよ。許してほしかったら―――鳴きなさい」
「え!?てぃ、あ?待って心の、あ、あああ―――」


終わり
2010年02月11日(木) 01:32:22 Modified by ami_solger




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