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727 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2009/11/28(土) 07:04:52 ID:+Ydvs4AB
ある日の管理局員の会話

「最近高町教導官が管理局を辞めたって知ってる?」
「うん、知ってるわよ。 何でも教え子を半殺しにしたんだって?」
「そうなのよ。 訓練中に生徒に向かって突然、『あの人はそんなに遅くなかった!』ってヒステリックを起こして、もうそれからは殺傷設定の魔法でバンバン!」
「あの人ってやっぱり、亡くなられたフェイト執務官の事なのかしら?」
「間違い無くそうでしょうね。 高町教導官とは親友以上の関係で、肉体関係も持っていたって噂だし……」
「何それ。 肉体関係って、女同士で?」
「うん。 相当熱愛だったみたいだよ」
「はー……私には良くわからないわ」
「あんなに壊れた高町教導官を見たのは初めてだって、みんな口を揃えて言ってたよ。 よっぽどフェイト執務官の事が大切だったんでしょうね」
「そう……。 兎に角、それが元で高町教導官に免職処分が下った、と」
「あー、正確に言うとちょっと違うのよね」
「違う? 何が?」
「その事件自体は停職3ヶ月で済んだんだけど、その後があってね」
「うん」
「みんなで高町教導官を取り押さえた後、教導官は精神に異常をきたしてて、誰を見ても何をやっても『フェイトちゃん、フェイトちゃん』ってうわごとみたいに呟いてたらしいの」
「フェイト執務官が心の支えだったのかしら」
「おそらくね。 それで支えを失って、気丈な性格が保てなくなった、と」
「じゃあ今、教導官は」
「精神病棟に入院中。 と言っても、もう退院出来る見込みはないみたいだけど」
「そう……エースオブエースが崩れると脆いものね」

以上が管理局員の会話である。
なお、高町教導官はその後、精神病棟から失踪した。
目撃者の話では、フェイト執務官の亡骸を抱えてどこかの空へ飛んでいったらしい。
それから二人の姿を見たものは、誰もいなかった。


740 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2009/11/28(土) 21:21:54 ID:+Ydvs4AB
本当は分かっていた
フェイトちゃんが亡くなった事も
私がヴィヴィオの事を置いて来てしまった事も
全て 全て
だけどその時の私は フェイトちゃんが居なくなった事で気が動転してしまって
訓練の最中にカッとなってしまって
『あの人はこんなに遅くなかった!』
そう言って教え子をこの手にかけて
その後も気が狂ったフリをして
何もかも 認めたくなくて
だからその時の私には あんな声は聞こえなかったんだ
『帰って来て! なのはママ!』
ヴィヴィオの悲痛な叫びなんて 聞こえなかったはずなんだ
今の私達は 辺境の世界に二人きり
地球ではないけれど四季を感じられる そんな住み心地の良い世界に
暮らし初めてちょうど半年 一度目の冬が訪れる
「寒いねぇ、フェイトちゃん」
そう言って私がフェイトちゃんの体に毛布を掛ける
返事は返って来ない
仕方がない 私がそれを選んだのだから
こうやって暮らす事を望んだのだから
「フェイトちゃん……」寄り添ってみる
温もりは感じられず あるのはほんの少しの腐臭
「う……」
思わず顔をしかめる
それと 涙が溢れてくる
あのフェイトちゃんの甘い香りが 温もりが
フェイトちゃんを感じさせてくれたものが 次第に喪われていく
どうすればいい どうすれば
「……そうだ」
取り返せばいい
“私がフェイトちゃんを作ってしまえばいい”
プロジェクトF 禁じられた技術を持って
なんだ なんだなんだ
至極簡単な話じゃないか
喪ったのなら また手に入れればいい
どうせ全てを喪ったんだから 今更喪うものなど何もないじゃないか
それで蘇ったフェイトちゃんに嫌われても 蘇ってもらえさえすればなんとでもなる
私は 笑う
あはははははははは
声を上げて笑う こんなに良い気分なのは久しぶり
私は 笑う
哀れで愚かな自分を笑う
これからの自分が歩むであろう 馬鹿な道を嘲り笑う
仮住まいにしている窓の外
月に似た星の灯りが 私の頬を妖しく照らしていた


749 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 09:16:51 ID:F1x3j81U
『帰って来て! なのはママ!』
私の呼びかけに、あの人はただ怯えるだけで。
『どうして……』
数日して、私の前から隠れるように居なくなった。
そんな悲しい思い出から五年の歳月が流れ。
高町ヴィヴィオ、十八歳。
管理局の五度目の春。
「いよいよね、ヴィヴィオ」
「はいっ!」
私はあれから猛勉強をして、執務官試験に合格。
ティアナさんの下で執務官補佐としての経験を積み、今年から晴れて執務官に昇進したんだ。
「自分の任務、ちゃんと分かってるわよね」
「はい、勿論です!」
ティアナさんの下で色々な事を教わった。
特になのはママの十八番だった“あの魔法”をティアナさんから教わったのは大きかったと言える。
なのはママの目を覚まさせる為に絶対必要な力。
「次元犯罪者“高町なのは”の捜索及び追跡捕縛任務ですね」
壊れてしまったなのはママを救う為には、全力全開で挑まないといけないから。
――失踪していた筈のなのはママは、失踪から半年後にスカリエッティの収容されている施設に忽然と姿を現した。
そして施設を襲撃……スカリエッティを連れ出して逃走した。
なのはママが何故そんな事をしたのかは分からないが、嫌な予感がする。
スカリエッティの力を必要とする、何か。
それはきっと禁忌の領域に踏み込む事に違いないから。
「それじゃ、行ってきます」
「気を付けてね、ヴィヴィオ」
「はいっ!」
私はティアナさんに送り出されて管理局を後に――。
その時、轟音。
まるで大地を引き裂くようなその音は、実際私達の居る管理局の施設を大きく揺らしていた。
「な、何!?」
「十二時の方角から魔力反応! モニター、出ます!」
とっさに管理局の職員によって映し出された映像。
そこに映って居たのは――。
「ウソ……」
「何で……」
私とティアナさんは言葉を失う。
だって、そこに映し出されて居たのは。
「フェイト……ママ?」
フェイト・T・ハラオウン、その人だった――。
2010年02月10日(水) 19:57:05 Modified by ami_solger




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