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569 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/08/17(金) 23:31:32 ID:Jw0e7l6X
>>564続きをば。
無機質な通路を歩いていると、前方からオレンジのツインが見えた。
彼女は普段覗かせない笑顔を僅かに溢しながら駆け寄ってくる。
「あ、なのはさん!……ってここどうしたんですか?もしかして怪我とか」
ティアナはなのはの襟元から覗くあざを指しながら問うた。
応えるに答えられず、なのはは言葉を濁しながら視線を逸らす。
「ん?ああ、これは……」
どうしようかと思っていると、小さな可愛い騎士がいつのまにか傍に立っていた。
「つっこむんじゃねー。どうせ愛しい執務官様がつけたんだろ?」
「ヴぃ、ヴィータちゃん!!」
「へん。図星か。どーでもいいけどよ、もちょっとはわきまえた方がいいとおもうぜ」
「……うん、ごめんねヴィータちゃん」
どうしてだろう。いつもより不機嫌そうな顔をしている。
なのはは苦笑を溢しつつも、なんとか機嫌をなおしてもらおうと、微笑みながら頭を撫でた。
厳しい顔つきだった表情が、瞬く間に弛んでいくのをみて、なのはは安堵する。
「機嫌直してくれた?」
「う、うっせーばか。別に機嫌悪くなんてしてねーです」
「そっか。でも可愛いなあ、ヴィータちゃんは」
「う、うううう。それずるいぞ」
頭を撫でる手をやすめずになのははしゃがんで彼女に囁く。途端顔の赤みはさらに増した。
「そうかなあ?まあいいや。それより仕事おわったら部屋においでよ。フェイトちゃんも今日は戻らないし、私ももう終わるから」
「は、はあ?っ……つーかだいたいなのははすぐそうやって人の心に簡単に入り込むから問題が起るんだ。この前だって新人の子一人泣かしたんじゃなかったか?」
「え?あ、あはは……正確には泣いたのはフェイトちゃんっていうか、なんていうか」
「同じだ!」
「う〜ん。わかんないけど、とりあえずヴィータちゃんは部屋に来ないってこと?それならティアナ、くる?」
「えっ、わ、私ですか?もちろん行きまs……」
「ば、ばっか!!そんなこと言ってねーだろ。行くにきまってるよ!」
「それなら問題なしなし。んじゃまってるね〜」
そういって耳朶にキスをおとし、軽快な足どりで去っていくなのはの背中を、顔を真っ赤にしながら見送ってしまったヴィータを責められるひとは誰も居ないだろう。
あとにのこるは、ぽつんと佇むティアナだけであった。
>>564続きをば。
無機質な通路を歩いていると、前方からオレンジのツインが見えた。
彼女は普段覗かせない笑顔を僅かに溢しながら駆け寄ってくる。
「あ、なのはさん!……ってここどうしたんですか?もしかして怪我とか」
ティアナはなのはの襟元から覗くあざを指しながら問うた。
応えるに答えられず、なのはは言葉を濁しながら視線を逸らす。
「ん?ああ、これは……」
どうしようかと思っていると、小さな可愛い騎士がいつのまにか傍に立っていた。
「つっこむんじゃねー。どうせ愛しい執務官様がつけたんだろ?」
「ヴぃ、ヴィータちゃん!!」
「へん。図星か。どーでもいいけどよ、もちょっとはわきまえた方がいいとおもうぜ」
「……うん、ごめんねヴィータちゃん」
どうしてだろう。いつもより不機嫌そうな顔をしている。
なのはは苦笑を溢しつつも、なんとか機嫌をなおしてもらおうと、微笑みながら頭を撫でた。
厳しい顔つきだった表情が、瞬く間に弛んでいくのをみて、なのはは安堵する。
「機嫌直してくれた?」
「う、うっせーばか。別に機嫌悪くなんてしてねーです」
「そっか。でも可愛いなあ、ヴィータちゃんは」
「う、うううう。それずるいぞ」
頭を撫でる手をやすめずになのははしゃがんで彼女に囁く。途端顔の赤みはさらに増した。
「そうかなあ?まあいいや。それより仕事おわったら部屋においでよ。フェイトちゃんも今日は戻らないし、私ももう終わるから」
「は、はあ?っ……つーかだいたいなのははすぐそうやって人の心に簡単に入り込むから問題が起るんだ。この前だって新人の子一人泣かしたんじゃなかったか?」
「え?あ、あはは……正確には泣いたのはフェイトちゃんっていうか、なんていうか」
「同じだ!」
「う〜ん。わかんないけど、とりあえずヴィータちゃんは部屋に来ないってこと?それならティアナ、くる?」
「えっ、わ、私ですか?もちろん行きまs……」
「ば、ばっか!!そんなこと言ってねーだろ。行くにきまってるよ!」
「それなら問題なしなし。んじゃまってるね〜」
そういって耳朶にキスをおとし、軽快な足どりで去っていくなのはの背中を、顔を真っ赤にしながら見送ってしまったヴィータを責められるひとは誰も居ないだろう。
あとにのこるは、ぽつんと佇むティアナだけであった。
2007年10月04日(木) 06:48:24 Modified by nanohayuri