Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

38-438

星光×雷刃→なのフェイ
設定無視でマテ子も仲良くしてる状態で、リリカルなのはいふいふ始まります。


「くっそー! 僕を馬鹿にしやがってー!」
仲間内で集まって遊んでいた日のこと。
アホの子雷刃は今日もみんなにイジラれていた。
愛されているからこそのみんなの態度だが、雷刃にとっては屈辱だ。
ダッシュで自分を囲んでいた人の輪から離れると地団駄を踏んで悔しがっていた。
まったりとお茶しながら遠巻きに眺めていたフェイトとなのはは、微笑ましく思いながらも苦笑いを浮かべる。
「あ、はは……人ごとと思えないというかなんというか……」
「顔そっくりだし、フェイトちゃんもわりといじられる方だもんね」
「うん。特にシグナムとかなのはとかなのはとか」
「え〜〜、私はそんなにいじってないよー」
「……まあ、なのはならもっといじってくれていいんだけど……」
ぼそっと呟くMっ子にキョトンとしている無自覚なSっ子。
こうして二人仲睦まじく話している間にも、雷刃は悔しがって、
地面に八つ当たりをするように一人バルニフィカスで床に落書きをしている。
「んー、ちょっと行ってくるね。なんだかほっとけないから」
「あ、じゃあ私も……」
テーブルの上に乗っていたケーキを持って、雷刃のもとへと歩み寄っていくなのはの後ろからフェイトもついていく。
近づいていくと雷刃が描いているものが見えた。
魔力光で自分の絵とその周りに『カッコイイ!』『強い!』と。
絵を描いているうちに機嫌が直ってきたのか鼻歌つきで踊るようなステップを踏み出した。
「わー、雷刃ちゃん上手だねー」
「当然だ! 僕に不可能なことなどありはしない!!」
褒められてすっかり上機嫌の雷刃はさっきのことなど忘れてしまったようだ。
「うんうんっ! 凄い凄い♪」
なのはも屈託の無い笑顔を浮かべて、ヴィータにするように頭を撫でる。
得意げな顔でなのはを見た雷刃はその手にしていたものに気づいた。
「なんだ、それは?」
「ケーキだよ。雷刃ちゃんに食べてもらおうと思って」
「ほんとか!? よし、もらってやるぞ!」
「はい、どーぞ」
「……ん、あむ。……!?」
なのはに手渡されたケーキをその場で食べだした雷刃は一口食べて目を見開いた。
そしてそのまま無言でパクパクと口に運んでいってあっという間に皿が空になる。
「なんだこれは!? 僕の魂がこう叫ぶ!! ウマぁーーい!!!!」
「にゃはは、ありがと。私が作ったんだよ。翠屋秘伝のレシピで」
「ミドリヤ……? いやそんなことはどうでもいい。君、僕の家来になれ!!」
「ええっ!?」
「毎日僕にケーキを進呈しろ! それでさっきの……?」
何かを言おうとした雷刃は自分の頭に手をやってハテナ顔をしている。
頭の上をさする動作でなのはは察した。


「なでなで?」
「それだ! ケーキとナデナデを毎日だ!!」
ビシィッ!! っとなのはを指さして胸を張る雷刃。
確定事項だと言わんばかりのその態度は何故か憎めないものではあるが、なのはの顔は困り笑顔になる。
「う〜ん……それはちょっと難しいかな……」
「なんだって!?」
断られることなど露ほどにも頭になかった雷刃は驚愕して固まった。
何と言ったものかとなのはがフェイトと顔を見合わせて考えていると、雷刃は肩を落として、
「……もしかして、僕のことが嫌いなのか……?」
うるうると泣き出しそうな顔でなのはを上目づかいに見た。
「いやいやいや! そんなことないから!!」
両手をブンブンと振って、慌ててなのはは否定する。
フェイトの姿形を真似た偽物として好ましく思っていないことがかつてはあった。
だが、フェイトによく似ていて全く似ていないこの少女のことを、今では別個の存在として受け入れていたのだった。
「え、えっとね……なでなではともかく、ケーキを毎日作ってる時間はないから、
だから……雷刃ちゃんが嫌いだとかそういう事じゃなくて……」
しどろもどろに弁解するなのはだったが、雷刃はしょんぼりと体育座りをして聞く耳を持たない。
「雷刃、駄目だよ。なのはを困らせたら……」
「なんだよ。君だって同じことを望んでいるのだろう?」
「なっ……」
フォローに入ったフェイトを雷刃はあっさりと斬り捨てる。
「分かっているんだぞ。君と僕は同じだからな!」
「そ、それなら! なのはを困らせたくないって気持ちだってあるはずでしょ!」
「……高町なのはは困った顔も愛らしいぞ?」
「うっ……」
「…………フェイトちゃん?」
図星を突かれて押し黙ったフェイトをなのははジト目で見る。
私が困っている姿を見てそんなこと考えていたの? と。
「え、いやその……確かに困ってるなのはも可愛いんだけど……困らせたくない気持ちももちろんあって……」
オロオロしているフェイトの姿を見てなのははクスッと笑う。
「分かってるよ。私だって今のフェイトちゃん可愛いって思うもん」
なのはの笑顔で冗談だと気づいたフェイトはほっと息をついた。
だが、問題は全く解決していない。
体育座りのままの雷刃になのはは譲歩案を出す。
「ねえ、雷刃ちゃん。毎日は無理だけど、週に一度のケーキと会うたびになでなでじゃ駄目かな?」
「えぇ〜〜〜〜〜〜〜」
「駄目なら、なでなでもケーキも無し」
「………………分かった」
なのはの交渉に不満たっぷりの雷刃だったが、不承不承頷いた。
アホの子でもなのはをその気にさせなければ無理だということは分かっているのだ。
無事決着が着いて、なのはがまた雷刃の頭を撫でるとフニャフニャの笑顔を浮かべる。



可愛いなぁと思いながら撫でていたなのはだったが、羨ましそうに見ているフェイトの頭に手を伸ばした。
「ぁ……なのは……」
「フェイトちゃんもして欲しかったの?」
「……う、うん……」
わ、私もなのはを撫でたいんだけどね。なんて言いながらも幸せそうなフェイトを見て、
なのはの胸にあたたかいものが広がる。
明るくて正直な雷刃と接するのは楽しい。
けれども、自分が一番幸せなのはフェイトが笑っている時なのだと改めて自覚した。
「じゃあ、私が落ち込んでる時はよろしくね♪」
ニコッと笑ってなのははフェイトの頬にチュッとくちづけた。
フェイトは顔を真赤にして立ち尽くす。それを見て穏やかでないのは雷刃だ。
「あああ〜〜〜〜〜〜! それっ! 僕にもしろ!!」
「……チューはフェイトちゃん限定だからなー。星光ちゃんにしてもらったらいいんじゃないかな?」
「そうかっ! そうだな!! おおおぉーーい、せいこーーーーーーーっ!!」
言われるがままに、雷刃は表でシグナムと手合わせしている星光のもとへと駆けだしていった。
その後姿を見送って、なのはとフェイトはコツンと額を合わせてクスクスと笑う。
雷刃のようなキャラでなければ、割って入ることすらはばかれるラブラブな二人であった。




「星光!!」
「なんですか、雷刃」
手合わせが一息ついた星光のもとへ雷刃が飛び込んでいく。
星光は無表情ながらどことなく嬉しそうだ。
「僕にチューするんだ!!」
「なっ!?」
雷刃の突飛な言動には慣れている星光だったが、驚愕の表情を浮かべる。
肩を掴んでずずっと迫る雷刃を見るその顔は次第に紅く染まっていった。
「な、何故そのようなことを……」
「高町なのはにしろと言ったら星光に頼めって言われた!」
「…………」
正直すぎる雷刃の言葉を聞いて、スッと目を細める星光。
そんなことには気づかずに、ケーキが魂が打ち震えるほど美味かっただのなんだのと雷刃は言い連ねる。
言い尽くした後で、俯いて表情の見えない星光の様子がおかしいことにようやく気づいた。
「どうした、星光? お腹でも痛いのか?」
「……貴女は……すぐに餌付けされる癖をどうにかしなさいといつも言っているでしょう」
「え、餌付けなんてされていないぞ! 王たる僕に下民達が進物を差し出すのは当たり前のことだ」
「下民に頭を撫でさせる王がどこにいますか」
「い、いや、アレはいいものだぞ。こう……ほわほわーって気分になってだな……。そうだ! 星光にもしてやろう!」
いいことを思いついたとポンっと手を叩くと雷神は星光の頭に手を伸ばして撫でる。
ワシャワシャとなのはがするよりも雑な手つきではあったが、星光はまんざらでもなさそうな顔だ。
「……確かに、悪くはないかもしれません」
「だろ!? ……あ、そうだ! まだケーキ残ってるかもしれないから行くぞ!」
「え……」
「星光と食べたほうが絶対美味しいからな!」
グイグイと腕を引く雷刃に星光は逆らうことが出来なかった。
きっと、分かっているのだ。
理性よりも理論よりも、感情が正しいということがあることを。
「れ、烈火の将……決着は後日また」
「ああ、いつでも受けよう」
シグナムはふと目を細めて笑った。
護るべき物がある者は、己以外を大切にする者は強くなる。
再戦の日を楽しみに、夜天の将は空を見上げるのだった。





終わり
2011年12月10日(土) 01:02:07 Modified by sforzato0




スマートフォン版で見る