Wiki内検索
メニューバーA
タグ
11-471 28-206 28-342 28-519 304 428 458 47 532 6-502 913 aa gbhs4w75 mspuqpiv pluto ピチピチ ◆1gx5q3ma8y ◆34ietljps6 ◆6gzt0d6rrc ◆8giervnano ◆9oq0gi8lfs ◆gtd5kcksn. ◆jhf0qdqssc ◆k1m2.fa0dm ◆nna2fui0zk ◆okpddn8iwc すいもう すずか すずか×アリサ なのは なのは×ティアナ なのは×フェイト なのはフェイトの娘 はやて はやて×すずか はやて×カリム アギト アクエリアス アリサ アリサ×すずか アリシア アルキメデス アルフ ウーノ ウェンディ エイミィ エリオ エロ オットー カリム キャロ キャロ×フェイト ギンガ ギンガ×フェイト クアットロ シグナム シグナム×ティアナ シャーリー シャッハ シャマル シャマル×キャロ スバル スピノザ セイン セッテ チンク ティアナ ティアナ×なのは ディード ディエチ デバイス トーレ トーレ×セッテ ドゥーエ ドクター ナカジマ家 ナンバーズ ノーヴェ バルディッシュ フェイト フェイト×なのは フェイト×ギンガ プレシア ヤンデレ ユーノ ユーノ×ロッサ ヨン◆h7y.esozi リインツヴァイ リイン初代 リンディ ルーテシア レイジングハート レティ ロッサ ヴィータ ヴィヴィオ ヴィヴィオ×なのは 或る捜査官 恭也 空気ブレイカー 高町家 鮫島 士郎 紫水 自作絵 修学旅行 宵月 八神家 非エロ 美由希 落ちはまだ未定 薔薇
最新コメント
最近更新したページ
フリーエリア

38-983

注)なのフェイ、すれ違い。もろもろスルーな展開(超高速


「フェイトちゃんの幸せって何なん?」
ふいに聞かれたそれに、フェイトは思ったままを言葉にした。
「なのはの幸せが、私の幸せだよ」
「じゃあ、なのはちゃんの幸せは何やと思う?」

――なのはちゃんの幸せは、なのはちゃんにしかわからんのとちゃうんか




なのはが、両手にマグカップを持ってフェイトの隣にゆっくりと腰をおろした。
フェイトがありがとうと言って、それを受け取る。
こんなふうに、穏やかに流れる時間を共有できることが、とても嬉しい。

「もうすぐ六課も解散だね」
「そうだね。なんだか、色々あって、あっとうい間だった気がする」
「うん」
「なのははお母さんになったしね」
「自分でもびっくりだよ」
「ふふっ。家では鬼教官にならないでね、なのはママ」
「あっ、ひど〜い。ならないもん。でも、……少し心配、かな」
「心配?」
「うん。…不安かな。ちゃんとヴィヴィオのママをやれるのかって」
「大丈夫だよ」
フェイトがなのはの手を握った。そっと包み込むような、なのはを安心させるやさしい触れ方だ。
「なのはなら大丈夫だよ」

「……フェイトちゃんが、居るし?」

「私もだけど。皆もいるよ。皆でなのはのこと応援するつもりだよ?」
「…そうだね。ありがとう」

二人で夕飯の片付けをした後、なのはが先に、というフェイトをやりこめシャワー室に押し込んだ。
ソファーに腰掛けながら、なのはは明日のスケジュールのチェックをしていたが、どうも頭に入ってこない。
一通りのシミュレーションを確認し終えてから、パチンとコンソールを閉じた。

「皆もいるし、か」

ぽつりとつぶやいた。一人きりの部屋に響いた言葉が、脳裏にこだまする。
なのははぐずぐずと足を崩し、ソファーに仰向けになった。天井を見上げると、蛍光灯の明るさが目につき、腕で顔を覆った。
目を閉じ、大きく息をはき出す。
少しも意識されてないのかなぁ……
フェイトの言うように、皆助けてくれるだろう。それは純粋に嬉しい。だけど、一番そばに居て欲しいのはフェイトなのだ。
そう言って欲しかったのに。



フェイトと共に過ごした時間は長い。
お互いがお互いを思いやり、大切に思っている。なのははフェイトからの好意を確かに感じていた。
けれど、だからといって、フェイトが自分と同じ想いを抱いているかどうか、なのはは量りかねていた。
昔に比べて、感情を表に出すようになったとはいえ、フェイトは元々自分の思いを曝け出すことがあまりない。
なのはには自信がなかった。
それ故に、フェイトに、一緒に居て欲しいと言い出せないでいる。
彼女が断ることは考えにくい。それは分かっている。なのはが恐れているのはその理由だった。
自分が頼めば、消極的ではありながら、その優しさゆえに受け入れてくれるだろう。けれど、それはフェイトにとってなのはが友達だからに他ならない。
フェイトと共に居れたとしても、フェイトの気持ちが自分と異なることに耐えられるのか。
「友達だから」
そういって笑うフェイトに何度足が竦んだだろう。何度、胸の奥が締め付けられただろう。
一度怖気づいた足はなかなか地面を蹴ってはくれなかった。

xxxx

――フェイトちゃんが居るし?

その言葉に一瞬どくりと心臓がはねた。遠ざけていたはずの欲望が頭をもたげるのを感じた。
一番そばで彼女を支えるのが自分でありたいと、その場所が欲しいと願ってしまいたくなる。
こんなにも簡単に心が乱れてしまう自分に苛立ちを覚え、硬く握りしめた拳を乱暴にタイルに打ち付けた。
私にはちゃんと居場所があるじゃないか。
ゆっくりと顔をあげたフェイトは、目に入る水の痛みも気にせず、鏡に映る自分の顔をじっと見つめた。

「なのはの幸せが、私の幸せだよ」
はやてに言ったその言葉に嘘はないけれど、全てというわけでもなかった。
想いを自覚してから、心の奥底にいつも誰かの声があった。それでも、二人なら永遠を掴めると夢を見ていた。
だけど、成長するにつれて、それまでは見えなかったことが色々と見えてきて。
好きという想いだけで、全てを乗り越えてゆけると信じられるほど、私はもう子供ではなくなった。
世の中にはたくさんの人がいて、その数だけの考え方があって。
全ての人に祝福されることは難しいかもしれないけれど。なのはにはたくさんの人から祝福されて欲しいから。
誰よりも幸せになって欲しいから。だから……

「私じゃ駄目なんだ」

呟きが、勢いよく流れるシャワーの音にかき消される。
一体何度繰り返してきたのかわからない葛藤をまた繰り返している。そのたびに言い聞かせてきた言葉。
なのはから向けられる眼差しはフェイトへの期待を隠すことなく真直ぐに伝えていた。でも、答えることはできない。
誰かの声が呪文のようにフェイトを縛っていた。




xxxx

フェイトの腕をきつく握りしめるなのはの手は小さく震えていた。
俯いたままだったなのはが急に顔をあげた。痛いほどの真直ぐな眼差しに捕らえられる。
息苦しさにフェイトが口を開きかけたとき、なのはが叫んだ。
「フェイトちゃんがいいの!」
「フェイトちゃんじゃなきゃ駄目なの!!」

「わたしに、…幸せになってほしいならっ、フェイト、ちゃんがっ…」
なのはの瞳からぼろぼろと大粒の涙が零れ落ちる。

「フェイトちゃんがっ、傍に、居ないとっ、ぅくっ、駄目なんだからぁ…」

涙で顔をくしゃくしゃにしながら告白されるなんて、フェイトは全く予想していなかった。
思考回路が追い付かず、ただ茫然とその姿に目を奪われてしまう。
しゃくりあげながら自分の名を呼ぶなのはに、フェイトは自分がどれだけなのはを傷つけていたのかを感じ、酷く胸が痛んだ。
こんなにもなのはを傷つけていながら、なのはのためにと言い訳をして、私はそれから逃げていたんだ。
愛されたいと思いながら、その先の不安に怯えて、目を逸らしていた。
――自分が、傷つくのが怖かっただけだ。
「なのは、ごめん」
「…なんで、謝るの?わたしが、泣いてるから?」
「泣かせたのもそうだけど、なのはをたくさん傷つけたから、だから、ごめんね」
掴まれたままの腕を少し持ち上げて、手の甲で、頬を伝う涙を拭ってやる。
なのはは黙ったまま何も言わない。でも、真直ぐに伝わってきた。
言葉などなくても、見つめる蒼の瞳がフェイトに語りかけている。期待にじっと待っているのが分かる。
なのはがいいと言ってくれたから、だからもう、あの声は聞こえてこない。
フェイトは大きく息を吸い込んだ。

「私と結婚してくれますか」
「…うん」

新しい涙に目を潤ませながら、小さくうなずいた愛しいその人を、フェイトはぎゅっと腕の中に閉じ込めた。

埋め
補)途中、部隊長が活躍するシーンがごっそりぶっ飛びました。はやて愛してるよー
キューピーハヤテのはからいで両想いなのが分かったのに、踏みださないフェイト〈ここまで
なのはちゃんに「駄目なんだからぁ…」って言って欲しかっただけなんだが、ん、まぁ、ごめん
2011年12月10日(土) 00:51:49 Modified by sforzato0




スマートフォン版で見る