4-950
950 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:23:24 ID:QKQraNUK
なんか衝動でなのフェイED補完を書いてしまった
ちょっと長いんだけど落としてもいいかな?
952 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:25:23 ID:QKQraNUK
「ううぅぅ……」
まだ薄い早朝の陽射しは窓を覆うカーテンに容易く遮られ、静かな
リビングにはまだほの暗い夜の気配が残っている。
今日は日曜。未だほとんどの人間が眠りについているであろう時間。
だというのに、食卓テーブルに着いて早過ぎる朝食をとっている
フェイト・T・ハラオウンの表情もまた、ほのかに暗い。
「フェイトちゃん……早く食べないと、お仕事間に合わなくなっちゃ
うよ?」
「うん……解ってる」
台所に立って後片付けをしているなのはの言葉にも、心ここにあらず
といった様子で頷くだけ。
普段の出勤前とは打って変わったその様子に苦笑して、なのははフェ
イトが落ち込んでいる原因、カレンダーの今日の日付部分に書かれた
メモへ視線を走らせた。
『ヴィヴィオ 公開授業』
「楽しみにしてたのは解るけど、急なお仕事なんだもん。しょうがな
いよ」
「うん……」
「しっかり写真も撮ってくるから」
「うん……」
普段、執務官の仕事に忙殺されているフェイトが、それこそ血の滲む
ような努力をして掴み取ったはずの休暇だった。
彼女の娘への溺愛ぶりを知っている2人の執務官補佐も全面的にフォ
ローして、ようやく当面の仕事を片付けた……はず、だったのだ。
956 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:26:16 ID:QKQraNUK
「アルフとユーノにも、久しぶりに会えると思ったのにな……」
大幅な人員増強が図られた無限書庫は、一時の大変な忙しさから解放
されて、週一の固定した休みが取れるようになったらしい。久しぶり
にヴィヴィオの顔が見たいと言う2人とは、一緒に今日の公開授業に
顔を出した後、ゆっくり食事でもという話になっていた。
娘の授業参観と、久々の友人たちとの歓談と、楽しみにしていた予定
が2つも一気にお流れになってしまったショックは、さすがにフェイト
から普段の覇気を失わせてしまっていた。
「ごちそうさま」
いつまでも落ち込んでもそもそ食事を続けていては埒があかない。結
局いつもより5分近く時間をかけた朝食を終えて、フェイトは上着を
手に立ち上がった。
おいしかったよと、いつも通り声をかけてくれたフェイトに今日はそ
んな風には見えなかったけどなぁと、なのはは苦笑する。
それでも、食事の後には必ず言ってくれるこの一言に、胸がじんわり
温かくなるのもまた、いつもの事。
鏡の前で身支度を整えたフェイトの顔は、すでに普段通りの、第一線
に立つ執務官のそれになっていた。
優しすぎるくらい優しい家での顔も好きだけど、やっぱりこういう凛々
しいフェイトちゃんも好きだな、となのははまだ少し眠気の残った頭
でぼんやり考える。
これがほんの1分前には、娘の授業参観に行けなくてしょんぼりして
いた人だなんてね。
957 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:26:46 ID:QKQraNUK
「それじゃ、行ってきます」
「うん、気をつけてね」
「2人によろしく。あとヴィヴィオにもごめんねって」
「それは昨日何度も聞いたよ」
思わず吹き出すなのはに、フェイトは「だって……」と言い訳になら
ない言い訳をする。忙しすぎる執務官殿は、娘に嫌われてしまうのが
どんな凶悪な犯罪者より怖いらしい。
そんな事、絶対にあるはずないというのに。
そんな可哀想なフェイトママに、今日はなのはの方から出勤前のキス。
いつもより少し長めのそれに、せっかく凛々しかった顔は真っ赤に染
まってだいなしだ。
でもこんな顔も好きなんだからしょうがないよねと、なのはは首に回
した手をそのままに、にっこりと微笑んだ。
「行ってらっしゃい」
結局その日、フェイトは(表面上)普段通りに淡々と仕事をこなし。
肝心の写真はというと、照れと恥ずかしさの余りすっかり拗ねてしまっ
たヴィヴィオをなのはと半日がかりで何とかなだめすかし、ようやく
アルバムの新しいページへと加える事ができたそう。
終わり。
958 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:27:58 ID:QKQraNUK
終わり。あれ?そんな長くなかったかも
こんなもんでも心安らかな眠りに役立てば
なんか衝動でなのフェイED補完を書いてしまった
ちょっと長いんだけど落としてもいいかな?
952 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:25:23 ID:QKQraNUK
「ううぅぅ……」
まだ薄い早朝の陽射しは窓を覆うカーテンに容易く遮られ、静かな
リビングにはまだほの暗い夜の気配が残っている。
今日は日曜。未だほとんどの人間が眠りについているであろう時間。
だというのに、食卓テーブルに着いて早過ぎる朝食をとっている
フェイト・T・ハラオウンの表情もまた、ほのかに暗い。
「フェイトちゃん……早く食べないと、お仕事間に合わなくなっちゃ
うよ?」
「うん……解ってる」
台所に立って後片付けをしているなのはの言葉にも、心ここにあらず
といった様子で頷くだけ。
普段の出勤前とは打って変わったその様子に苦笑して、なのははフェ
イトが落ち込んでいる原因、カレンダーの今日の日付部分に書かれた
メモへ視線を走らせた。
『ヴィヴィオ 公開授業』
「楽しみにしてたのは解るけど、急なお仕事なんだもん。しょうがな
いよ」
「うん……」
「しっかり写真も撮ってくるから」
「うん……」
普段、執務官の仕事に忙殺されているフェイトが、それこそ血の滲む
ような努力をして掴み取ったはずの休暇だった。
彼女の娘への溺愛ぶりを知っている2人の執務官補佐も全面的にフォ
ローして、ようやく当面の仕事を片付けた……はず、だったのだ。
956 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:26:16 ID:QKQraNUK
「アルフとユーノにも、久しぶりに会えると思ったのにな……」
大幅な人員増強が図られた無限書庫は、一時の大変な忙しさから解放
されて、週一の固定した休みが取れるようになったらしい。久しぶり
にヴィヴィオの顔が見たいと言う2人とは、一緒に今日の公開授業に
顔を出した後、ゆっくり食事でもという話になっていた。
娘の授業参観と、久々の友人たちとの歓談と、楽しみにしていた予定
が2つも一気にお流れになってしまったショックは、さすがにフェイト
から普段の覇気を失わせてしまっていた。
「ごちそうさま」
いつまでも落ち込んでもそもそ食事を続けていては埒があかない。結
局いつもより5分近く時間をかけた朝食を終えて、フェイトは上着を
手に立ち上がった。
おいしかったよと、いつも通り声をかけてくれたフェイトに今日はそ
んな風には見えなかったけどなぁと、なのはは苦笑する。
それでも、食事の後には必ず言ってくれるこの一言に、胸がじんわり
温かくなるのもまた、いつもの事。
鏡の前で身支度を整えたフェイトの顔は、すでに普段通りの、第一線
に立つ執務官のそれになっていた。
優しすぎるくらい優しい家での顔も好きだけど、やっぱりこういう凛々
しいフェイトちゃんも好きだな、となのははまだ少し眠気の残った頭
でぼんやり考える。
これがほんの1分前には、娘の授業参観に行けなくてしょんぼりして
いた人だなんてね。
957 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:26:46 ID:QKQraNUK
「それじゃ、行ってきます」
「うん、気をつけてね」
「2人によろしく。あとヴィヴィオにもごめんねって」
「それは昨日何度も聞いたよ」
思わず吹き出すなのはに、フェイトは「だって……」と言い訳になら
ない言い訳をする。忙しすぎる執務官殿は、娘に嫌われてしまうのが
どんな凶悪な犯罪者より怖いらしい。
そんな事、絶対にあるはずないというのに。
そんな可哀想なフェイトママに、今日はなのはの方から出勤前のキス。
いつもより少し長めのそれに、せっかく凛々しかった顔は真っ赤に染
まってだいなしだ。
でもこんな顔も好きなんだからしょうがないよねと、なのはは首に回
した手をそのままに、にっこりと微笑んだ。
「行ってらっしゃい」
結局その日、フェイトは(表面上)普段通りに淡々と仕事をこなし。
肝心の写真はというと、照れと恥ずかしさの余りすっかり拗ねてしまっ
たヴィヴィオをなのはと半日がかりで何とかなだめすかし、ようやく
アルバムの新しいページへと加える事ができたそう。
終わり。
958 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 04:27:58 ID:QKQraNUK
終わり。あれ?そんな長くなかったかも
こんなもんでも心安らかな眠りに役立てば
2007年09月26日(水) 22:05:37 Modified by nanohayuri