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5-484

484 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:07:29 ID:Sg11VIce
勢いだけで書き上げた。でも今は反省している。
フェイトそんの母性っぷりが書きたかった。ただそれだけ。
エロないけど、続編はエロがある予定かも。

では、いきます。

485 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:09:53 ID:Sg11VIce
薄いカーテンを通して差し込む柔らかな日の光が、
眠りの中にあったフェイトを緩やかに目覚めさせた。
未だにぼんやりと夢見心地な頭で、枕元の目覚まし時計を手探りで手繰り寄せ、
現在の時刻を確認する。
時計の針は何時もよりも遅い時間を指し示しており、既に正午近い。
寝過ぎたかな、とフェイトは寝ぼけ眼を擦りながら思ったが、
久しぶりの休暇なのだから少しぐらいの惰眠を貪っても罰は当たらない筈だ。
だが、いつまでもベッドの上にいるのは有意義な休日の過ごし方とは言えない。
次の休暇が何時になるのかは分からないのだから、
今日という日を精一杯楽しまなくては駄目だろう。
もうそろそろ起きて朝の支度をしようと思ったが、ふと、
布団がやけに膨らんでいるのに気がついた。
それにお腹の辺りに柔らかい何かの感触を感じる――布団をそっと捲ってみると、
そこには胎児のように身体を丸めて眠っているなのはの姿が在った。
自分のお腹に顔を埋めて、すやすやと穏やかな吐息を立てて眠るなのはの寝顔は愛らしく、
同じ十九歳であるにも関わらず自分よりも随分と幼く見えた。
この幼子のように愛らしく無垢な寝顔を無防備に見せる少女が、
本当にあのエースオブエースのなのであろうか。
そんなとりとめもない疑問がフェイトの脳裏を過ぎったが、
すぐにそんな事は如何でもよく思えた。
なのはの寝顔を見ているだけで、胸が幸せに締め付けられ、
フェイトの胸中はなのはに対するいとおしさでいっぱいに満たされていた。
彼女は誰にでも好かれ、愛される存在だが、このように安心しきった姿を晒し、
何の気兼ねもなしに無邪気に擦り寄って甘えてくれるのは自分だけである。
自分だけが、なのはのこの特別な姿を間近に感じ取れる唯一の人間。
そんな優越感に浸りながら、フェイトは眠る彼女の頭を優しく撫ぜ、
柔らかな陽光を受けて透き通るように輝く栗色の髪を手櫛で梳った。

486 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:11:09 ID:Sg11VIce
「んっ………」

夢の中に居るなのはは少し擽ったそうに身動ぎしたが、すぐにまた眠りに戻る。
一本一本が絹のように滑らかななのはの髪の感触を楽しみながら、
フェイトは彼女が今見ているであろう夢に思いを馳せた。
彼女の穏やかな寝顔を見る限りでは、少なくとも幸せな夢である筈だ。
その幸せな夢というのは、一体どのようなものなのだろう。
父母に慈しみ育てられた幼少の頃か、それとも大切な友達と過ごしたひと時か。
後者であるならば、その中に自分の姿はあるのだろうか。
もし、無かったら……そんな最悪な考えが胸中に思い浮かんだが、すぐに振り払った。
大丈夫。きっと私はなのはの大切な人。それもただの大切な人ではなく、
想いを深く通じ合い、肌のぬくもりを重ね合った特別な仲だから。
何かの呪文のように繰り返し心の中でそう唱えてみるが、果たして本当にそうなのだろうか。
ひょっとしたらそれは独り善がりの、自己満足に近い錯覚なのかもしれない。

 ………止めよう、こんな事を考えるのは。
なのはの愛に対して少しも疑念など持ちたくはない。
自分が信じられる数少ないものの中の一つは彼女の愛なのだから。
それに、もし、彼女に今の自分の心の中を知られたら、自分という
人間がどんなに臆病かという事が分かってしまう。
なのはに嫌われてしまうかもしれない――そう考えるだけでも恐ろしく、
フェイトの心は不安で押し潰されそうになる。
私はなのはを愛している。なのはも私を愛している。それは絶対に疑いの無い事。
そう結論付ける事で、フェイトはもうこの不毛な思考を終わりにした。
それに何よりもまず、それは折角の休日の穏やかな朝には似つかわしくなかった。

487 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:13:03 ID:Sg11VIce

フェイトはなのはが見ているであろう夢について思考を戻した。
ずっと自分のお腹、つまりは子宮の上あたりに顔を埋め、胎児のように身体を丸めているのだから、
もしかしたら彼女はお母さんのお腹の中にいた頃の夢でも見ているのかもしれない。
母の胎内で赤子が見る夢はどのようなものなのだろうか。
母親の心地良い鼓動を子守唄にして、赤子は誰かに守られているという
絶対の安心感の中で、温かい羊水の中を漂いながら、
これから生まれ出でる世界に思いを馳せているのかもしれない。
尤も、人工培養されて作られた生命である自分には、
解りえないものであるには違いないだろうが。
そう思うとフェイトは急に悲しくなった。
結局、自分はなのはやはやてとは根本から違うのだ。
彼女らは母の胎内で育まれ、祝福されてこの世に生まれ出でた。
なのに自分は、無機質な培養槽の中で育まれ、道具としてこの世に生まれ出でた。

……駄目だ。朝からこんな暗い事を考えていては駄目だ。
もう自分の出生に関しては折り合いをつけたのだ。
何時までも過去の幻影に捉われるのは良い事ではない。
それに、たとえ自分が作られた命であろうと、この胸に宿るなのはに対する純粋な
想いだけは決して作られたものではない。
そして人工的に作られた命であるからこそ、自分は人間の愛によって形作られ生
まれた温かななのはが人一倍いとおしく思えるのだ。
そう思えるのであれば、フェイトにとっては無機質なこの命を授かった事さえ幸せだった。
自分の全ては愛するなのはに直結している。
それがフェイトが存在する全ての意味と言えるかもしれない。

488 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:14:59 ID:Sg11VIce
「ねんねん ころりよ 

 おころりよ 

 ぼうやは 良い子だ 

 ねんねしな」

赤子のように安らかななのはの寝顔を眺めていたら、ふと、
気がつけばそんな優しい旋律を自然と口ずさみながら、一定のリズムに
合わせて彼女の頭を慈しむように撫ぜていた。
自分は誰にも唄って貰った事のない子守唄。
でも、そんなのは別に如何だって良い。
自分の悲しい出生も如何だって良い。
大切な人にこんなに優しく温かな歌を唄ってあげられれば、それで良いのだ。

「ぼうやの おもりは

 どこへ行った

 あの山 越えて

 里へ行った」

489 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:16:32 ID:Sg11VIce
「里の 土産に

 何もろた

 でんでん太鼓に 

 笙の笛」

フェイトは自身が口ずさむ旋律に誘われて、再び穏やかな眠りに落ちていった。

490 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 04:18:53 ID:Sg11VIce
以上、失礼しました。
なんか色々と投下した後になって恥ずかしくなってきましたが、
wikiに載せるのは修正版になるかも?です。
2007年10月03日(水) 01:31:21 Modified by ID:IuYVtsmNRA




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