5-514
514 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:06:49 ID:F3bhHAfM
SS投下します
アリサとすずかの話です。エロ無し
それでは
515 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:07:38 ID:F3bhHAfM
「アリサちゃん、飲み物のおかわり持ってくるね」
そう言ってすずかは部屋を出て行った。
ノエルさんかファリンに頼めばいいのにと思いながら私、アリサ=バニングスは、
読み終わった漫画をもとの棚に戻した。
あ゛ーーーーー、なんてちっともかわいくないうめき声を出しながら横になる。
長時間漫画を読んでいたため、ちょっとばかし疲れてしまった。
(ん? ベッドの下に本がある……)
山になってる中から一冊を興味本位で手に取ると、それは『なかよし』だった。
「まったく、男子中学生みたいなことをしていると思ったら、『なかよし』とはね」
なにかもう少しまずいものが出てくる事を期待していたため、拍子抜けだ。
試しにもう一冊手に取ってみると、『りぼん』だった。
「まあ、中三にもなってこの二冊はちょっと恥ずかしいかもしれないわね」
そんなふうに自己完結して、その二冊をベッドの下に戻した。
ふと厚さの違う本が目に止まる。
「今度は『ちゃお』だったりして」
苦笑しながらその本を取りだすと、聞いたことのない雑誌名だった。
「ゆり……ひめ……?」
とりあえずパラパラとページをめくってみる。
「ちょっと……なによ、これ」
どのページも女の子ばかりだ。いや、それだけならまだいい。
女の子同士で手をつないだり、抱き合ったり、その上……。
「キ、キスまで……」
体温が上昇し、顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
女の子同士なのにキスしてる。何故だろう、目が離せない。
じっと見ていると、どことなくその二人は自分とすずかに似ている気がしてきた。
すずかとキスすることを想像してみる。
すずかと私がキス――
516 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:08:20 ID:F3bhHAfM
「アリサちゃん?」
「!!!」
突然の呼びかけに心臓が止まりそうになる。数秒の硬直の後に、
ゆっくりと後ろを振り向くと、すずかがにこにこ笑顔をこちらに向けていた。
「あ、あの、これは!」
いたずらが見つかった子供のようにあたふたしていると、
「驚かせちゃったかな? はい、麦茶」
とコップを手渡された。何読んでるの? と言いながら、すずかが、私の持っている雑誌に目を向けた。
「あっ」と一言漏らすと、すずかはみるみる真っ赤になっていき、そのまま黙ってしまった。
気まずい空気が流れる。なにか言わなくては、と私がテンパっていると、すずかがぽつりと言った。
「どう、思った?」
「へ?」
「その本を読んで、アリサちゃんはどんなふうに感じた?」
すずかは、少しうつむきながら尋ねてくる。
「やっぱり、気持ち悪いかな……?」
キモチワルイ?
「そ、そんなことない!」
自分でも驚くほどの声を出していた。
「なのはとフェイトなんていつもいちゃいちゃしてて、恋人かよって感じだし!
こんなの見慣れててなんとも思わないわ! だから、すずかが女の子が好きでも大丈夫よ!!!」
517 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:09:26 ID:F3bhHAfM
何が大丈夫なのかわからないが、はーっ、はーっ、と私が全力疾走したような荒い息遣いをしていると、
すっと頬に右手をそえられた。
「それじゃ、いいの、かな……?」
「え?」
いつのまにか、すずかの顔が目の前にあった。いつも見ている顔。でも、いつもと違う顔。
「私は、アリサちゃんが好き。アリサちゃんは……?」
少しの間をおいて、ゆっくりとすずかの顔が近づいてくる。唇は震えている。
ふわりと唇にやわらかいものが重ねられた。私の鼓動が早鐘を打つ。ドッドッドッドッド……。
頭が真っ白になる。なんだろうこの気持ち。嬉しいような、恥ずかしいような。
きっとこの気持ちは……。
唇が離れると、私は目をそらした。恥ずかしくてすずかの顔が見れない。
「……ごめんね」
急にすずかは、涙声になりながら謝罪の言葉を口にした。
「嫌、だった……?」
その言葉を聞いて、私はすずかを睨みつける。すずかの顔に怯えが浮かんだ。
ちょっと、なにいきなり謝ってるのよ。
「すずか」
返事も聞いてないでしょ?
「言っとくけど」
私にキスしたくせに!
「私なんて、世界で一番すずかが好きよ!!!」
そう言うが早いか、猛然と私はすずかの唇を目指して──
518 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:10:26 ID:F3bhHAfM
「わー、すずかちゃんもアリサちゃんもおめでとうー!」
サイドアップの友人が、髪を揺らしながら嬉しそうに話す。
「そうかー、付き合うことになったんやね」
セミロングの友人は、とぼとぼと歩いているように見える。
「で、その後どうなったの!?」
金髪の友人は、ものすご〜く話に食いついている。朝から元気だ。
「その後は、ねー?」
すずかが、笑いながら私に話を振る。
「うるさいわね! どうせ勢い余って、歯と歯がぶつかって痛い思いしましたよ!」
と、私がぷりぷり怒っていると、
「もー、怒らないで」
突然、すずかが道の真ん中で、ちゅっと軽くキスをしてくる。
「わー!」「な、なのは、『お話し』があるんだけど……」「なんや、ショックやわー」
ギャラリーが、三者三様のリアクションをとる。
「な、な、な」
顔から火が出そうになっている私を見て、すずかは、
「そういうアリサちゃんが大好き!」
と言ってのけた。
519 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:11:49 ID:F3bhHAfM
以上です
読んでくれた人ありがとう
SS投下します
アリサとすずかの話です。エロ無し
それでは
515 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:07:38 ID:F3bhHAfM
「アリサちゃん、飲み物のおかわり持ってくるね」
そう言ってすずかは部屋を出て行った。
ノエルさんかファリンに頼めばいいのにと思いながら私、アリサ=バニングスは、
読み終わった漫画をもとの棚に戻した。
あ゛ーーーーー、なんてちっともかわいくないうめき声を出しながら横になる。
長時間漫画を読んでいたため、ちょっとばかし疲れてしまった。
(ん? ベッドの下に本がある……)
山になってる中から一冊を興味本位で手に取ると、それは『なかよし』だった。
「まったく、男子中学生みたいなことをしていると思ったら、『なかよし』とはね」
なにかもう少しまずいものが出てくる事を期待していたため、拍子抜けだ。
試しにもう一冊手に取ってみると、『りぼん』だった。
「まあ、中三にもなってこの二冊はちょっと恥ずかしいかもしれないわね」
そんなふうに自己完結して、その二冊をベッドの下に戻した。
ふと厚さの違う本が目に止まる。
「今度は『ちゃお』だったりして」
苦笑しながらその本を取りだすと、聞いたことのない雑誌名だった。
「ゆり……ひめ……?」
とりあえずパラパラとページをめくってみる。
「ちょっと……なによ、これ」
どのページも女の子ばかりだ。いや、それだけならまだいい。
女の子同士で手をつないだり、抱き合ったり、その上……。
「キ、キスまで……」
体温が上昇し、顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
女の子同士なのにキスしてる。何故だろう、目が離せない。
じっと見ていると、どことなくその二人は自分とすずかに似ている気がしてきた。
すずかとキスすることを想像してみる。
すずかと私がキス――
516 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:08:20 ID:F3bhHAfM
「アリサちゃん?」
「!!!」
突然の呼びかけに心臓が止まりそうになる。数秒の硬直の後に、
ゆっくりと後ろを振り向くと、すずかがにこにこ笑顔をこちらに向けていた。
「あ、あの、これは!」
いたずらが見つかった子供のようにあたふたしていると、
「驚かせちゃったかな? はい、麦茶」
とコップを手渡された。何読んでるの? と言いながら、すずかが、私の持っている雑誌に目を向けた。
「あっ」と一言漏らすと、すずかはみるみる真っ赤になっていき、そのまま黙ってしまった。
気まずい空気が流れる。なにか言わなくては、と私がテンパっていると、すずかがぽつりと言った。
「どう、思った?」
「へ?」
「その本を読んで、アリサちゃんはどんなふうに感じた?」
すずかは、少しうつむきながら尋ねてくる。
「やっぱり、気持ち悪いかな……?」
キモチワルイ?
「そ、そんなことない!」
自分でも驚くほどの声を出していた。
「なのはとフェイトなんていつもいちゃいちゃしてて、恋人かよって感じだし!
こんなの見慣れててなんとも思わないわ! だから、すずかが女の子が好きでも大丈夫よ!!!」
517 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:09:26 ID:F3bhHAfM
何が大丈夫なのかわからないが、はーっ、はーっ、と私が全力疾走したような荒い息遣いをしていると、
すっと頬に右手をそえられた。
「それじゃ、いいの、かな……?」
「え?」
いつのまにか、すずかの顔が目の前にあった。いつも見ている顔。でも、いつもと違う顔。
「私は、アリサちゃんが好き。アリサちゃんは……?」
少しの間をおいて、ゆっくりとすずかの顔が近づいてくる。唇は震えている。
ふわりと唇にやわらかいものが重ねられた。私の鼓動が早鐘を打つ。ドッドッドッドッド……。
頭が真っ白になる。なんだろうこの気持ち。嬉しいような、恥ずかしいような。
きっとこの気持ちは……。
唇が離れると、私は目をそらした。恥ずかしくてすずかの顔が見れない。
「……ごめんね」
急にすずかは、涙声になりながら謝罪の言葉を口にした。
「嫌、だった……?」
その言葉を聞いて、私はすずかを睨みつける。すずかの顔に怯えが浮かんだ。
ちょっと、なにいきなり謝ってるのよ。
「すずか」
返事も聞いてないでしょ?
「言っとくけど」
私にキスしたくせに!
「私なんて、世界で一番すずかが好きよ!!!」
そう言うが早いか、猛然と私はすずかの唇を目指して──
518 名前:アリサとすずかとゆr(ry[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:10:26 ID:F3bhHAfM
「わー、すずかちゃんもアリサちゃんもおめでとうー!」
サイドアップの友人が、髪を揺らしながら嬉しそうに話す。
「そうかー、付き合うことになったんやね」
セミロングの友人は、とぼとぼと歩いているように見える。
「で、その後どうなったの!?」
金髪の友人は、ものすご〜く話に食いついている。朝から元気だ。
「その後は、ねー?」
すずかが、笑いながら私に話を振る。
「うるさいわね! どうせ勢い余って、歯と歯がぶつかって痛い思いしましたよ!」
と、私がぷりぷり怒っていると、
「もー、怒らないで」
突然、すずかが道の真ん中で、ちゅっと軽くキスをしてくる。
「わー!」「な、なのは、『お話し』があるんだけど……」「なんや、ショックやわー」
ギャラリーが、三者三様のリアクションをとる。
「な、な、な」
顔から火が出そうになっている私を見て、すずかは、
「そういうアリサちゃんが大好き!」
と言ってのけた。
519 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/10/01(月) 21:11:49 ID:F3bhHAfM
以上です
読んでくれた人ありがとう
2007年10月03日(水) 01:12:08 Modified by ID:IuYVtsmNRA