孤島事件簿序章10

午後6時50分 食堂


「ふう、完成…と!」
「客人の貴方の手を借りることが出来るとは…かたじけない。 何と礼を言えばいいやら…」

「ああ、気にしなくていいって。 僕は料理が好きだからね!」


その時、はかったかのようにジャストなタイミングで1人の男が入ってきた。

ガチャ…
「そろそろメシはできたか……」

「あ、ソルさん。 ちょうど今できたところですよ。 一番乗りですね…なんか意外だなぁ」
「ま、ほかにすることもなかったしな…」

「じゃあみなさんが集まるまでちょっと待っててくださいね」
「ああ、そうさせてもらう…」



次にバタンッ と音を立てて扉を開けて入ってきたのが誰かは言うまでも無いだろう。
「やほー、姫菜もぅお腹ペコペコだよ〜、ってアレ? ソルくんだけかい?」
「あらぁ…少し早かったみたいねぇ」
「ま、そんなことはいいけどさっ♪ メイドちゃん、これ入れるとこある?」

そう言う姫菜の手に握られていた袋には、50本はあろうかという大量のヤクルト。
「…おそらくはそちらの冷蔵庫の方に保存できましょうが……」
「うっわ! でっかい冷蔵庫だね! これなら2000本ぐらい持ってきても入っちゃったかもね」
「はぁ… やはりこのような離れ島だと食材の調達も難儀であるがゆえに…」
「ふ〜ん、じゃ、3泊分の食べ物がぜんっぶコレに入ってるわけ?」
「左様で御座います」
「へぇ〜、すごいなぁ! なんかよくわかんないけどすごいっ!」


「やれやれだぜ…」



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2007年12月12日(水) 00:54:51 Modified by ID:IrOa8HEmTQ




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