3876.『前は限定』の話について(EAH)

◆ 3876. 『前は限定』の話について [YY] 2005/12/12 19:29
  ┗ 3877. 前置修飾と後置修飾 [voltaire] 2005/12/13 13:56
    ┗ 3882. Re: 前置修飾と後置修飾 [YY] 2005/12/14 21:26
      ┗ 3883. むむむむむ。 [voltaire] 2005/12/15 00:46
      ┗ 3885. 前置修飾と後置修飾 再論 [voltaire] 2005/12/15 04:00
        ┗ 3892. Re: 前置修飾と後置修飾 再論 [YY] 2005/12/16 00:11
  ┗ 3893. 投稿者削除 [ ] 2005/12/16 08:14
  ┗ 3894. Re: 『前は限定』の話について [ロシナンテ] 2005/12/16 08:16


3876. 『前は限定』の話について [YY] 2005/12/12 19:29

初めまして。今英文法絶対基礎力を読んでいるのですが、理解できるようでできないのが「前に置くと限定、後ろだと説明」の話です。例えば本書のP.88に載っている例文。
A 6-years-old kid beat me at chess!
これなのですが、
A kid 6-years-old 〜!
のように、その少年は六歳なんだよ、という説明として後ろにつけることはできないのでしょうか?この辺りの違いがいまいちよく分かりません。同じように、この間
Most of the people questioned refused to answer.
という文を見たのですが、これもquestionedはpeopleの前にはこないようなのです。質問された人たち、という限定の意味で置くことはできないのでしょうか?ご説明お願いします。

3877. 前置修飾と後置修飾 [voltaire] 2005/12/13 13:56

>YYさん

はじめまして。こんにちは。

間違っているかもしれませんが、どこかでこんなことを聞いた記憶があります。

前置修飾は永続的属性、後置修飾は一時的状態、と。

つまり、名詞の永続的属性を表すものは前置修飾になり、名詞の一時的状態を表すのであれば後置修飾になる、と。

Most of the people questioned は、質問はその場ですぐに返答されるだろうから、一時的状態なので、後置修飾になる。他にも、those present も people involved も同じ。「出席者たち」は、その会合が終わればどこかに行ってしまうし、「関係者たち」も、その事件(か何か)が解決されると、もう関係者ではなない。

A six-year-old kid は、少なくともしばらくは6歳だから、永続的属性と考えられ、前置修飾になる。

と、こんな話です(間違っていないことを祈ります)。ある本で読んだ記憶があるんですが、その本が見当たらず。。。。。調べてみます。

3882. Re: 前置修飾と後置修飾 [YY] 2005/12/14 21:26

>voltaireさん

レスありがとうございます。永続的と一時的、ですか・・・なるほど!納得です。
しかし又新たな疑問が出てきてしまったのですが、例えばwarm milkなどはどうなのでしょうか?時間が経てば冷めてしまうので、永続的ではないような気がしますが・・・。せっかくお答え頂いたのにすみません(汗)

3883. むむむむむ。 [voltaire] 2005/12/15 00:46

>YYさん

仰るとおりですね(汗)。。。

暖かい汗。じゃなかった、暖かいミルク。むむ。

引き続き、調べてみます。大西先生の本も読みつつ。

では、また。

3885. 前置修飾と後置修飾 再論 [voltaire] 2005/12/15 04:00

話し手の脳裏に同じ種類のいくつかのものがあり、その中から特に「コレだよ、コレ」と限定する場合には、形容詞を前置する。

warm milk に関して言えば、話し手の脳裏にはいくつかの種類のミルクがあって(例えば、冷たいミルク・暖かいミルク・腐ったミルク・長谷川京子が口をつけたミルクとか)、その中の「暖かいミルクだよ」と限定する場合には、warm milk と形容詞を前置する。

種類を限定する必要のない場合(例えば、固有名詞で他に種類がない場合、または全種類に共通する場合など)には、形容詞は前置されない。

Dogs are a faithful animal. という文では、全ての犬に共通する性質について述べるため、もはや種類を限定する必要もない。もし a faithful dog と言ってしまうと、faithful ではない犬がいる、というニュアンスが生じてしまう。

…と、考えてみました。どうでしょうか???

3892. Re: 前置修飾と後置修飾 再論 [YY] 2005/12/16 00:11

なるほど、その理屈なら説明できないものはなさそうですね。どうも有難うございます。僕も色々考えたんですが分からなくて・・・情けない(悲)。もっと英語の感覚を磨きたいと思います。
本当に有難うございました。

3893. 投稿者削除 [ ] 2005/12/16 08:14

3894. Re: 『前は限定』の話について [ロシナンテ] 2005/12/16 08:16

>YYさん、こんにちは。

同じ形容詞でも限定的な位置で使われた場合と叙述的な位置で使われた場合で機能的な相違があります。即ち、限定では、形容詞は話題になっている人やもの(つまり形容詞が修飾する名詞)を同じ種類の人やものと「区別する」ために使われています。したがって、A 6-years-old kid と言えば7歳でも8歳でもなく6歳の子供を指しているのです。言い換えれば、限定の形容詞は既に比較の機能を果たしているのです。それに対して、叙述では、形容詞は名詞を「定義している」ことになります。

3901. Re: 『前は限定』の話について [voltaire] 2005/12/16 12:04

>>ロシナンテさん。こんにちは。

さすがお詳しいですね。私の部長職は返上した方がよさそうな気も…

Who has seen the wind?
Neither I nor you;
But when the leaves hang trembling
The wind is passing through.

Who has seen the wind?
Neither you nor I;
But when the trees bow down their heads
The wind is passing by.

…なんとなく。スゴイ詩ですね。Christina Rossettiでした。

キミハカゼヲミタカ?

3903. Re: 前置修飾と後置修飾 [半熟卵(学内コンピュータより)] 2005/12/16 13:12

warm milkは、論理的に考えればそのうち冷めてしまいますが、話し手の意識の中では永続的に温かいのではないでしょうか。温かいうちにその牛乳は誰かの口に入ることを前提としている気がしますから。だから、永続的であるか、一時的であるかで前置、後置を区別することはあながち間違いではないような気もします。みなさん、どう思われますか?

3914. 客観→主観→言語 [voltaire] 2005/12/17 14:25

>YYさん。こんにちは。

そーですね。そーかもしれません。言語は

客観的事物→言語

となるのではなく、

客観的事物→話し手の主観→言語

となるのかもしれませんね。つまり、永続的か一時的かは、客観的事実そのものではなく、話し手の主観を経て決められる、ということなのかもしれませんね。

3921. キミハカゼヲミタカ? [ロシナンテ] 2005/12/18 12:24

"When I am dead, my dearest"

When I am dead, my dearest,
Sing no sad songs for me;
Plant thou no roses at my head,
Nor shady cypress tree:
Be the green grass above me
With showers and dewdrops wet;
And if thou wilt, remember,
And if thou wilt, forget.

I shall not see the shadows,
I shall not feel the rain;
I shall not hear the nightingale
Sing on, as if in pain:
And dreaming through the twilight
That doth not rise nor set,
Haply I may remember,
And haply may forget.

ーChristina Georgina Rossetti ー

私が死んでも 友よ
悲しい歌はうたわないでください

3922. Re: 『前は限定』の話について [YY] 2005/12/18 22:31

みなさん、有難うございます。とても参考になりました。
もっと勉強しないとな〜

3923. Re: 『前は限定』の話について [YY] 2005/12/18 23:24


ここでふと思ったのですが、something hotというのはどういった感覚で使われてるのでしょうか?somethingというぼんやりしたものは「温かい」というはっきりした限定はできないということなのでしょうか

3924. Re: 『前は限定』の話について [ロシナンテ] 2005/12/19 02:15

そうです!実は不定代名詞のあとにきているのは、いくつかの単語が省略された叙述用法の形容詞なのです。例えばI think we now have everything necessary.(これで必要なものは全部そろったと思う)というとき、I think we now have everything that is necessary.の短縮形なのです。限定形容詞を使って不定代名詞を修飾することができないのは、不定代名詞の持つ意味が限定形容詞による修飾を妨げているからです。つまりsomething,anything,everythingなどは
人やものを特定しないときの言い方なので、わざわざほかの人やものから「区別する」必要がないのです。

3926. Re: 『前は限定』の話について [YY] 2005/12/19 23:01

なるほど〜納得です!心の中のもやもやがとれた感じです。有難うございました。これで安心して眠れます(笑)

3928. When I am dead, my dearest [voltaire] 2005/12/20 01:23

「我が死ぬ際に」

我が死ぬ際にああ君よ
悲しき歌をな歌ひそ
はたは蔭なす檜(ひのき)の樹
薔薇(さうび)の花にもな植ゑそよ
我が上(へ)に緑生(お)ひ乱れ
時雨(しぐれ)に露も清(さや)けかれ
君思はなむ 忘れなむ
君が意のまま心のままに

蔭にて涼(すず)む術もなく
雨にこごゆるよしもなし
遥けきに泣く鶯(うぐいす)の
傷(やぶ)れる声もさうざうし
夢か現か明かるなく
暮るる期(ご)もなき寂滅に
君思はむも忘れむも
時の意のまま御心のまま

…昔。そう。多分。浪人時代に。訳してみまひた。ひたひた。

3930. Re: When I am dead, my dearest [ロシナンテ] 2005/12/20 02:24

さすが!図書部長&スナフキン様、素敵です。ぱちぱちぱちぱち。

   花の教

心をとめて窺へば花自ら教あり。
        
朝露の野薔薇のいへる、
  
「艶なりや、われらの姿、

刺に生ふる色香とも知れ。」
  
麦生のひまに罌粟のいふ、
           
「せめては紅きはしも見よ、
 
そばめられたる身なれども、
 
験ある露の薬水を

盛りさゝげたる盃ぞ。」
 
この時、百合は追風に、
 
「見よ、人、われは言葉なく
 
法を説くなり。」
 
みづからなせる葉陰より、
             
声もかすかに菫草、
                
「人はあだなる香をきけど、
             
われらの示す教暁らじ。」

上田敏先生です。



2007年02月07日(水) 07:35:50 Modified by onishi_eah1




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