538 名前:エリオの婿入り 1 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:06:04 ID:FpXTiy.U
539 名前:エリオの婿入り 2 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:06:55 ID:FpXTiy.U
540 名前:エリオの婿入り 3 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:08:12 ID:FpXTiy.U
541 名前:エリオの婿入り 4 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:09:07 ID:FpXTiy.U
542 名前:エリオの婿入り 5 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:10:18 ID:FpXTiy.U
543 名前:エリオの婿入り 6 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:11:53 ID:FpXTiy.U
544 名前:エリオの婿入り 7 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:12:51 ID:FpXTiy.U
545 名前:エリオの婿入り 8 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:14:05 ID:FpXTiy.U
546 名前:エリオの婿入り 9 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:15:32 ID:FpXTiy.U
547 名前:エリオの婿入り 10 [sage] 投稿日:2009/12/29(火) 08:16:32 ID:FpXTiy.U

 新暦七九年の四月、スプールスの自然保護隊ベースキャンプにも漸く春が訪れようとしていた。

「エリオ君こっちこっち〜」

 まだそこかしこに雪の残る丘の中腹に自生するフキノトウを見付けた少女が、
皮のミトンを嵌めた両手を大きく左右に振る。

「今いくよキャロ!」

 丘の天辺にいた赤毛の少年が、手に大きなかごを持って駆け下りる。
 エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエ。
二人は四年前、クラナガンの悪夢とも言われたゆりかご事件を解決に導いた奇跡の部隊、
機動六課のフォワードとして出会った。
 当時僅か一〇歳の子供であったエリオとキャロであるが、この四年の間に大きく成長し、思春期の真っ直中にいた。
 とは言え、未だ二人の間には春は来ず、まるで出会ったばかりの頃の様に、
むしろ当時よりも仲睦まじい親友として日々を送っていた。
 その様はとても微笑ましく、
しかしそれを見守る二人の保護責任者フェイト・T・ハラオウンにとっては一抹の不安が残る光景であった。
 と言うのも、この二人に似た状況の友人が彼女にはいるからだ。
 具体的に言うと、高町なのはとユーノ・スクライアである。
 二人は、親友である事を自負するフェイトですら嫉妬する位に深いところで通じ合っているくせに、
恋愛という関係に至っていない。
 否、通常ならば恋に陥るべき関係性を持っていたにも関わらず、
それさえすっ飛ばして双子の兄妹と化してしまったと言うべきだろう。
 それ自体は二人の選んだ関係性である。
二十歳になるまではお節介とは思いつつも色々とお膳立てをして来た身としては
愚痴の一つも零したいところではあるが、致し方ないと諦めよう。
 しかし、その清らかで深い異性間の交流の果てに、
恋愛に対して必然性を見いださなくなった事に対しては如何なものかと思う。
 恋愛や結婚だけが人生の価値ではないと知ってはいるが、
フェイトは、そう言う幸福をエリオ達には知って欲しいと思うのだ。
 故に、フェイトは心に決める。
 エリオを三国一の花婿にしてやろう、と。

「そう言うわけでヴィヴィオ、エリオをもらってくれないかな?」
「ブファ! ふぇっフェイトさん、突然何を言っているんですか!」

 思いがけないフェイトの告白に、エリオは口に含んでいたスープを思わず吹き出した。
 まぁ、普通はそうなる。
 何しろ今テーブルを囲んでいるのは、自らの親とも言えるフェイトと、その親友なのは。
そしてエリオにとっては大切なパートナーのキャロと近所の妹的存在のヴィヴィオだ。
 そんな気心の知れた家族同士で食事をしていたのだから、
これまでの様なご近所づきあい位の感覚でいたのも無理からぬ話だ。
それなのに、実は人生最初のお見合いでしたと言われたのだから、ウブなエリオの受けた衝撃は計り知れない。
 但し、突然頬張っていたレーズンパンの味がしなくなったキャロに比べればまだ症状は軽いかも知れない。

「そんなに突然かな?」

 フェイトとしては、随分とかいつまんだとは言え、
なのはとユーノの関係性について話題にあげ、自身の決意表明も行ったつもりだ。

「デス手帳ごっこしようとか言って、
茶封筒に入れた婚姻届にサインさせたりとかしてないし、そんな事無いと思うな」

 他にもフェイトには、バケツ一杯の豚の内臓をぶちまけられ、
『大変、お風呂用意してあるから早く体を洗って』などと言われ、
同じ目に遭わされたユーノが入浴中の風呂場に押し込まれた事もある。
 そんな経験をしているからだろう、なのはは随分とおとなしいやり方だと笑う。

「あのときはユーノが日本国籍を取得していなかったから失敗に終わったんだよね」

 中学生の頃の失敗にフェイトは照れ笑いを浮かべる。

「そうそう、もしミッドの婚姻届だったら、私今頃なのは・T・スクライアだったかも知れないんだよね」

 なのはも思い出話に花を咲かせる。
 そんな脱線気味のママ二人の耳に、スプーンが置かれるカチャリという音が届く。

「どうして、どうしてヴィヴィオなんですか、フェイトさん?」

 震える声でキャロは問う。
 何故自分ではないのか。
 何故こんなにも心が乱れるのか。
 キャロは未だ、その疑問に対する答えを有していない。

「ヴィヴィオは優しくて、真面目で、可愛くて、一度は世界を席巻した事があるんだよ。
ヴィヴィオ以上に優れた子はいないと思うな」

 成る程フェイトの言う事は的を射ていて、キャロは否定する言葉が思いつかない。
 なのはも、愛娘が褒められたのだから相貌を緩める事はあっても、異議を申し立てる理由がない。
 エリオが遠い所に行ってしまう予感に、キャロが怯えているその時、
フェイトの言葉に異を唱えた者が現れた。
 それは、他ならぬヴィヴィオであった。

「フェイトママ褒めすぎだよ。私なんかよりアインハルトさんの方がすっごいんだよ」

 ヴィヴィオが言うには、彼女アインハルトは古代ベルカ式格闘術の使い手で、
自分など足元にも及ばないという。
 世界最高の相手と結婚させようと考えるフェイトは、
早速にヴィヴィオにアインハルトを紹介してもらう事とした。



「そう言うわけでアインハルト、うちのエリオの嫁にならない?」

 会ってそうそう呼び捨てであった。

「え……あの……」

 お見合い写真の代わりに現物の少年を眼前に突きつけられた覇王は、
初手からペースを乱されっぱなしである。
 何しろ、己の心の奥底にある祖先の記憶、そこに刻まれた思い人の生まれ変わりから

「アインハルトさんに紹介したい人がいるんです」

 なんて、脱独り身宣言ぽい電話があったかと思えば、
実は年上の男の子を紹介されるというミラクルイベントの発生である。
 いまだ中等部一年生だというのに、知り合って間もない年下に男を紹介される程、
自分は男運がなさそうに見えるのだろうか。

「済みません、ご迷惑おかけしています」

 手を伸ばせば抱きしめられる程近くに立つ赤毛の少年が、
恐らく彼も被害者の一人であるというのに、本当に申し訳なさそうに謝る。
 そんな小動物な雰囲気にキュンと来るものを感じるが、流石にその感情にまかせて頷いたりはしない。

「あの、フェイトさん、そんなにエリオ君を押しつける様にしていると危ないですよ」

 なんだか勢い余ってエリオとアインハルトをキスさせてしまいそうなフェイトを、
キャロが泣きそうな顔で止めにはいる。
 それで漸く落ち着いたフェイトは、
アインハルトの眼前に突きつける為に掴んでいたエリオの肩から両手を離した。

「そちらは、どなたですか?」

 見目麗しい少年を間近で見詰めていた所為で上気した頬のまま、
アインハルトはこの来訪者達の最大の良心と思われる少女の事を話題にあげる。
アインハルトとてエリオに良心がないとは思わないが、彼に決定権がないのも明らかなのだから仕方がない。

「あ、済みません。私キャロ・ル・ルシエと言います。エリオ君の《パートナー》をやっています」

 知らず、キャロはパートナーの台詞に力を込める。
 賢しいアインハルトは、その会話だけで、キャロがエリオに好意を抱いている事に気付く。
 エリオがそうである様に、何とひたむきで素敵な人なのだろう。

「アインハルトの義妹になる予定の娘だよ」

 愛の伝道師フェイトはキャロの自己紹介に補足し、アインハルトの脳裏に兄妹丼と言う言葉が浮かぶ。

「……ッ」

 即座にその不埒な考えを投げ捨て、一瞬でも人倫にとる思考に身をゆだねた自身を恥じる。

「済みません。折角のご提案ですけれど、私よりもノーヴェ・ナカジマという人の方が、
戦術眼があり優れていると思います」

 己は少年に相応しくないと自覚して、せめて少年達に送る事の出来る最大の誠意として、戦技ではなく戦術によって己を追いつめた管理局の少女の名をあげた。

「ねぇノーヴェ、エリオと結婚しない?」

 ノーヴェはかつて干戈を交えた相手とはいえ、今は同じ管理局の局員である。
 そしてフェイトにはつまらない過去をほじくり返す趣味はなかった。
 故にフェイトは、躊躇うことなく赤毛の少女に赤毛の少年との縁談を持ちかけた。

「はぁ?」

 てっきりアインハルトの冗談だと思っていたノーヴェは、本当にエリオの縁談を持ちかけてきたフェイトに、
四月馬鹿はとっくに過ぎたはずだと考えながら、手にした四インチ厚のハンバーガーを頬張る。

「実は、かくかくしかじか、こういう訳なのよ」

 フェイトは紙コップのコーヒーにスティックシュガーを一ダース注ぎ込みながら、
ノーヴェが三国一の女性である理由を説明する。

(聖王・覇王の次は一般人かよ)

 それに対するノーヴェの感想がそれであった。
 戦闘機人が一般人かというと、違う気もするが、
古代ベルカの諸侯に比べれば遙かに庶民である事に間違いはない。
 だが、そんな事よりも、説明の最中に親バカだだ漏れで褒められ恐縮するエリオと、
今にも泣き出してしまいそうなキャロの様子が気になる。

「朴念仁と引っ込み思案か。最悪の組み合わせだな、こいつは」

 小さくぼやいたノーヴェの言葉に、俯いていたキャロがばっと顔を上げる。
 知らない仲ではないし、少しばかり少女の手伝いをしてやるか。そんな事を考えながら、
ノーヴェは氷をコーラごと口に含んで咀嚼する。

「……折角の申し出を悪いんだけどさ、断らせてもらうぜ」

 ノーヴェがその台詞を口にした事を後悔するまで五分と掛からなかった。

「どうして? ノーヴェ、エリオはとっても良い子だよ!」

 親バカの大発動である。
 性格や才能に始まって、髪の毛色の奥深さや、守護霊の高貴さに至るまで
乳海撹拌の伝説まで遡ってフェイトは力説。

 恐縮してどんどんと小さくなっていくエリオ、何度も頷くキャロ。
 うんキャロ、お前敵。
 フェイトによる二時間三七分におよぶ説得の果てに、ノーヴェは助け船の欠航を決断した。

「勘違いしないでくれ、あたしが断るって言った理由はさ、
悔しいけどスバルの方があたしより強いからスバルの方が良いんじゃねーかと思ったからだ」
 ナカジマ家的に考えて最強なのはギンガだが、彼女を怒らせると怖いし、
自身に次いでパパっ子度の高いスバルがこれで脱落してくれたらラッキーとの打算もあった。



「スバル、エリオの妻にならない?」

 ノーヴェの策略に利用されているとつゆ知らず、フェイトはスバルに開口一番のたまった。
 仕事以外は極楽とんぼの傾向があるスバルは、言葉の意味を理解するまでに数秒を要する。

「エリオのお嫁さんですか……」

 そして言葉の意味を理解すると、フェイトの提案を真剣に考える為に腕を組む。すると、
バナナが挟めそうな位成長した胸が、更に寄せて上がる。
 スバルの真っ正面に座るエリオは顔を赤く染めて視線を逸らす。
 キャロはエリオが唐突に顔を背けた事に気付き、視線の向いていた方向を見、それから自らの胸元を見下ろす。
 見下ろした先には、アインハルトと良い勝負が……訂正、ヴィヴィオよりも大きな膨らみ存在した。
 しばし悩んだ後、スバルは顔を上げる。

「素敵な提案ですね、フェイトさん」

 割と乗り気なスバルにキャロは驚愕する。
 無敵吶喊娘、乳揉み魔、食欲魔神等々、スバルが冠する異名の多くは十九歳の乙女相応しくないものばかり。
加えて彼女の男友達がデートに誘うと、勝手に他の友人も誘うKYぶりを発揮する天然さんだ。

 その為、色恋沙汰に無関心と思われがちなスバルだが、彼女だって自分の関心事百選を選んだのなら、
素敵な恋人が欲しいとか、恋愛関係の内容が含まれてくる。
 故に、彼氏いない歴=年齢なスバルとしては、フェイトの提案はまさしく棚ぼた的な幸運であった。
 例えスバルの事情を抜きにして考えても、性格が良く、体力もあり、魔導士としても優れているイケメンなど、
そこら辺に転がっているものではない。
 スバルがフェイトの提案に頷くのも当然結果であったし、
逆に何故自分にそんな縁談が持ち込まれるのか、スバルには分からなかった。

「でも、どうして私なんですか?」
「ノーヴェがね、スバルならエリオを三国一の花婿にしてくれる、
次元世界で一番の女性だと教えてくれたからよ」

 フェイトの様な真っ直ぐな人物に褒められて気を悪くする人間などいない。
 ましてや、気むずかしい性格で、つねに一歩自分と距離を置こうとしている妹に、
べた褒めされたとあっては照れる他にない。

「ノーヴェったらホント大げさなんだからぁ」

 かつての上司の前で後頭部を掻きながら、体をくねらせる。
 しばらく自らの家族運に恵まれた幸福に浸った後、スバルは真剣な面持ちを取り戻す。

「でも、そう言う事だったらティアの方が頭も良いし、努力家だから私なんかよりもずっとお勧めですよ」

 それが彼氏いない歴の更新申請だと知っていながら、年下の戦友の為に親友の名をあげた。

「ねぇ、ティアナ。貴女なら理想の花嫁になれると思うの、だからエリオを幸せにしてくれないかな」
 しかし、夜も更けてきた為にネグリジェ姿で応対したティアナは、
突然の来訪者の戯言にとんでもなくイヤな顔をして見せた。

「先月までサバイバル訓練とか言って第六六六監視世界に私とヴァイス陸曹を閉じこめたと思えば、
今度は何を言っているんですか?」

 因みにサバイバル訓練というのは単なる名目で、その実体は職場が離れた為に疎遠になりつつある二人の為に、
フェイトがティアナに内緒で仕組んだ
『ドキ☆二人だけの無人世界生活・サンドワームはいるよ 大作戦』であった。

「あの、フェイトさん、ティアナさんには好きな人が……」
「キャロ!」

 最新の情勢を知らないキャロが、フェイトに翻意を促そうと語りかけた言葉を遮ったのは、ティアナであった。

「……ヴァイス陸曹の事は……もう良いの………」

 伏し目がちに視線を逸らしながら、ティアナはキャロに告げる。

「どうしてですか! あんなにヴァイス陸曹の事尊敬しているって言っていたのに!」
「何かあったんですか?」

 衝撃の告白にキャロとエリオは驚きの声を上げる。
 驚きのあまりティアナに詰め寄ろうとしたエリオは、
しかし、ネグリジェ越しの放漫な胸元が目に入り慌てて視線を外す。
 終焉の理由を知るフェイトは、二人のわが子の肩に手を置いて、ティアナを追いつめてやるなと首を左右に振る。

 それは『ドキ☆二人だけの無人世界生活・サンドワームはいるよ 大作戦』の最中に起きた事件であった。

「ちょっとね、あの人の事をまともに見る事が出来なくなってね……」

 ティアナはそれだけを答える。
 ヴァイスの名誉の為に断っておくが、青い衝動に突き動かされて、
嫌がるティアナにムニャムニャしたりしたわけではない。

 寧ろ良き先任局員として、己の持つあらん限りのサバイバル技術を叩き込んでくれた。
 只ちょっと、妹とかヘリパイとか姐さんとかの素晴らしさについて熱く語りすぎた事にティアナが切れて、
食糧確保の為の生き餌にしてしまったと言うだけである。
 あ、生きて帰ってますよ、勿論。
 そしてそんな不幸な終わり方をしたからこそ、
そのきっかけを作ってしまったフェイトは、ティアナにも幸せになって欲しかった。

「ねぇ、ティアナ。いつまでも終わった恋にしがみついていたらいけないと思うよ」

 平気で傷口に塩を塗るフェイト。

(それにエリオなら、これから自分色に染めるとかも可能だよ?)

 その一方で、悪魔の如き囁きを思念通話で語りかける。

「エリオもほら、姐さん女房は金のワラジを履いてでも探せって言うでしょ?」

 フェイトがそっぽを向いているエリオの顔をのぞき込み、その様子をキャロがヤキモキしながら注視する。
 ティアナはそんな少女の様子に、変わらないものだと苦笑を浮かべ、彼女を応援してやろうと心に決める。
 しかしその前に、
「それにしてもエリオもすっかり成長したわねぇ。
まぁ、私も機動六課を卒業してからそれなりに成長したけ・れ・ど・も・ね」

 二の腕で胸の谷間を強調しながら、それを見せつける為にエリオの視線の先へと体を動かす。

「えっと、あの……その………」

 理性と本能とがせめぎ合い、パニクりながらも目を瞑る当たり、本当にエリオは紳士だ。
 キャロも金魚みたいに何度も口を開けたり綴じたりして、何を言えばいいのか分からなくなってしまっている。
 そんな二人の様子に、ティアナは苛めるのはここまでにしてやろうと思う。
だが、悪かったとは思っていない。
夜更けに突然襲撃を掛けられてトラウマをえぐられたのだから、この程度のイタズラは当然の権利だからだ。

「まぁ、冗談はさておいて、私は特に秀でているって言う程才能がある訳じゃありませんよ。
寧ろ、真竜すら召喚できるキャロの方が凄いと思いませんか?」

 キャロとフェイトがその言葉に振り返る。

「残念ですけど、より相応しい相手がいる以上、私は辞退します」

 ティアナは肩を竦めながらキャロに目配せをする。
 キャロもティアナの意図に気付き、
そして、どうしてこんなにも自分がエリオの結婚に心を痛めているのかを知る。
 フェイトがキャロの方に向き直り、告げた。

「ねぇキャロ、エリオと夫婦になってくれるかな?」

 フェイトの問いにコクンと頷く。
 そう、キャロ・ル・ルシエという少女はエリオ・モンディアルの事を愛しているのだ。

「エ……エリオ君!」

 一世一代の告白。
 祈る様に両手を握り、気恥ずかしさで少年の顔を見る事が出来ずに目をつむり、心の底から叫んだ。
「私、エリオ君の事が大好きです! フェイトさん達みたいにスタイルが良くないけど貰ってくれますか!」






 三ヶ月後、バージンロードを歩くフェイト・T・ハラオウンと彼女の夫エリオ・M・ハラオウンがいた。

  完


著者:超硬合金

このページへのコメント

最後何があったwwww

0
Posted by 名無し(ID:YBU9I8hmng) 2017年12月19日(火) 08:00:57 返信

最後の最後でより優れた比較対象を出したのが仇となったな……

0
Posted by 名無し 2014年02月05日(水) 07:57:10 返信

最後の最後で「ふぁ!?」ってなったwww

0
Posted by 名無し 2013年05月09日(木) 04:46:54 返信

本当にどうしてこうなったww

0
Posted by 名無しさん 2010年04月16日(金) 11:02:55 返信

 ___
/ || ̄ ̄||  ∧_∧
|...||__||( ^ω^ )どうしてこうなった!?
| ̄ ̄\三 ⊂/ ̄ ̄ ̄/
|   | ( ./   /

0
Posted by   2010年04月15日(木) 14:37:44 返信

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